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埠頭で荷揚げ中に落下事故が起こり、珍しい形状の異様に重い樽が破損した。樽はパリ発ロンドン行き、中身は「彫像」とある。こぼれたおが屑に交じって金貨が数枚見つかったので割れ目を広げたところ、とんでもないものが入っていた。荷の受取人と海運会社間の駆け引きを経て樽はスコットランドヤードの手に渡り、中から若い女性の絞殺死体が……。次々に判明する事実は謎に満ち、事件はめまぐるしい展開を見せつつ混迷の度を増していく。真相究明の担い手もまた英仏警察官から弁護士、私立探偵に移り緊迫の終局へ向かう。クロフツ渾身の処女作にして探偵小説史にその名を刻んだ大傑作。
...続きを読む地道な捜査でコツコツと真相に迫っていく人たちに好感が持てます。変なキャラクターの探偵が出てくる探偵ものとは違った面白さがあって、ミステリーは飽きたという方に是非読んでいただきたい一冊です。これがおもしろいと思った方は鮎川哲也の「黒いトランク」もお勧めです。
Posted by ブクログ 2021年04月14日
汽船の積荷が落下して樽からこぼれ出た金貨と手首。調べると中から女性の絞殺死体が見つかった。素晴らしい謎からスタートする。被害者は誰か?犯人はなぜこんなことをしたのか?目まぐるしい展開で探偵役もどんどん変わる。緻密なプロット、鮮やかなアリバイ崩し。クロフツの処女作にして最高傑作、いや探偵小説史上に残る...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年05月10日
1920年代のロンドンとパリが舞台。スコットランドヤードと
シュルテ両警視庁が犯人にまんまと裏をかかれ、私立探偵登場。
人間の憎しみ、恨みの心理描写が素晴らしい。
最初のページはロンドンの船会社で働く人たちの息づかいが聞こえてきた。
また、読みたくなる。新訳版で文字が大きく読みやすい。
おすすめで...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月22日
荷揚げ中に破損した樽から金貨と女性の腕が見つかる。運送会社の社員が警察とともに樽のもとに戻ると、樽はすでに引き取られた後だった。樽の行方、そしてその中身をめぐるミステリー。
タイトルからして「なんだか地味そうだな」と思って、名前こそ知っていたもののなかなか手を出さなかった一冊です。古書で半額で売...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月29日
クロフツの『樽』、読んだことなかったのですよね…新訳が出て買ってあったのですが、それ以降も読まずに積んでおいて数年…ようやく読まました。
『樽』という地味な題名と、「頭がこんがらがるような複雑なパズル的トリック」が用いられているのかと勝手にイメージを持って後回しにしていたのですが、読んでみたら…おそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月27日
リハビリ?用の読書。
芥川賞の予想を盛大に外したことにより、いじけてしまい、読書なんて当分するものかと思っていた。
だが、かと言ってゲームや映像作品に時間を使おうとしても、早々に飽きてしまう。何とか本を読む楽しさを思い出そうと、純文学作品ではなく、しばらくは力を抜いて読めるミステリや時代小説に癒しを...続きを読む
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