【感想・ネタバレ】樽のレビュー

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地道な捜査に好感度大

2014年06月23日

地道な捜査でコツコツと真相に迫っていく人たちに好感が持てます。変なキャラクターの探偵が出てくる探偵ものとは違った面白さがあって、ミステリーは飽きたという方に是非読んでいただきたい一冊です。これがおもしろいと思った方は鮎川哲也の「黒いトランク」もお勧めです。

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Posted by ブクログ 2022年04月14日

16年ぶりに再読。新訳になっていてまるで初めて読むみたいだった。もっとも、「とにかく面白かった」という記憶しかないのだから旧訳との違いが分かるはずもない。
けど、やっぱり面白い。ボクの中では、本格推理もののベストではないかと。でも悲しいかなクロフツの作品ってあんまり多くないんだよね。残念。

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Posted by ブクログ 2021年04月14日

汽船の積荷が落下して樽からこぼれ出た金貨と手首。調べると中から女性の絞殺死体が見つかった。素晴らしい謎からスタートする。被害者は誰か?犯人はなぜこんなことをしたのか?目まぐるしい展開で探偵役もどんどん変わる。緻密なプロット、鮮やかなアリバイ崩し。クロフツの処女作にして最高傑作、いや探偵小説史上に残る...続きを読む名作。アリバイ崩しの真骨頂を見た!見事です

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Posted by ブクログ 2020年03月18日

久しぶりに面白いミステリ読んだ!切り口というのか話の運び方というのか、新鮮だったなあ!
ボックビール。飲んでみたい。

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Posted by ブクログ 2019年05月10日

1920年代のロンドンとパリが舞台。スコットランドヤードと
シュルテ両警視庁が犯人にまんまと裏をかかれ、私立探偵登場。
人間の憎しみ、恨みの心理描写が素晴らしい。
最初のページはロンドンの船会社で働く人たちの息づかいが聞こえてきた。
また、読みたくなる。新訳版で文字が大きく読みやすい。
おすすめで...続きを読むす。まだ読んでない方は是非

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Posted by ブクログ 2014年02月22日

 荷揚げ中に破損した樽から金貨と女性の腕が見つかる。運送会社の社員が警察とともに樽のもとに戻ると、樽はすでに引き取られた後だった。樽の行方、そしてその中身をめぐるミステリー。

タイトルからして「なんだか地味そうだな」と思って、名前こそ知っていたもののなかなか手を出さなかった一冊です。古書で半額で売...続きを読むられていたので、ようやく手を出しました。

 前半は樽はどこに消えたのか、中盤以降は犯人はだれか、という謎が主題になるわけですが、一つの謎が解ければ、また次の謎が表れ、その謎が解けたかと思いきや、イマイチ事件とは結び付けにくかったり……、そんな風に謎を非常に巧く見せている気がします。アリバイトリックについては少しややこしいな、と感じたものの、そうした構成が非常に巧みでどんどん読まされました。

 いわゆる超人タイプの名探偵が出ないので、捜査が証言を集めたり、その証言を検証したりという地味な描写にはなりがちなのですが、そこを構成の妙でカバーしている印象です。

 ”地味”という言葉はたいていマイナスのイメージが持たれがちですが、地味だからつまらない、とは言い切れない、逆にハリウッドのような派手さやホームズやルパンのようなキャラクターの強い名探偵がいなくても、謎と構成がしっかりしていればいくらでも面白いミステリは書けるんだ、ということを力強く証明してくれた作品だと思います。

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Posted by ブクログ 2023年10月09日

謎を追っていくとまた新たな謎が出てきて、展開が非常にスリリングで面白い。
ただし、最後まで犯人にやられっぱなし(自殺してしまう)なのが気に入らない。

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Posted by ブクログ 2021年03月29日

クロフツの『樽』、読んだことなかったのですよね…新訳が出て買ってあったのですが、それ以降も読まずに積んでおいて数年…ようやく読まました。
『樽』という地味な題名と、「頭がこんがらがるような複雑なパズル的トリック」が用いられているのかと勝手にイメージを持って後回しにしていたのですが、読んでみたら…おそ...続きを読むらく新訳の読みやすさもあり…全くさにあらず。なかなか面白く、一気読みしました。
巻末の有栖川有栖さんの解説も良い。まさに鮎川哲也さんの『黒いトランク』や横溝正史さんの『蝶々殺人事件』の着想の原点となっているであろう本作、古典名作に違わぬ佳作でした。いま読んでも。

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Posted by ブクログ 2020年11月23日

新訳ではなく前ので読んだけどなかたので。
ドキドかハラハラのサスペンス。
30年も前に読んだときとはだいぶ違う感じ。

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Posted by ブクログ 2019年07月27日

リハビリ?用の読書。
芥川賞の予想を盛大に外したことにより、いじけてしまい、読書なんて当分するものかと思っていた。
だが、かと言ってゲームや映像作品に時間を使おうとしても、早々に飽きてしまう。何とか本を読む楽しさを思い出そうと、純文学作品ではなく、しばらくは力を抜いて読めるミステリや時代小説に癒しを...続きを読む求めようと思い、積読になっていた本書を読んだ。(純文学復活の暁にはとりあえず福永武彦氏あたりだろうか。)
古典的名作とされているだけあり、丁寧に作り込まれた、読み応えのある本だった。ただ、ミステリを久しぶりに読んだので、それゆえにミステリを読むことそのものに対しての期待感と、それが満たされた充実感が否応なく増していた、そのことを差し引いて考えなければならないかもしれない。でも、一方で期待が大きかっただけにもし魅力の乏しい内容であれば読後の失望もそれだけ大きくなるはず。そうはならなかったのだから、やはり心からこの読書に満足したのである、私は。発想の奇抜さや天才的な探偵は確かに登場しないが、証拠を一つ一つ地道に積み重ねていく過程はスリリングだし、作者の真剣さや真摯さも伝わってくるほど。
また、本書の内容自体はもちろんだが、巻末の解説2本が素晴らしく面白かった。特に有栖川有栖の解説は読後感を何倍にも良くしてくれる素晴らしいものだ。ぜひ、鮎川哲也「黒いトランク」も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2018年10月25日

1920年に書かれた作品
名探偵でなく警察もののように
状況を緻密に組み立て穴一か所から解決に及ぶ話
警視総監が一事件を監督したりするようなところはあるが
現在に通じる古典
犯人の樽を使った謎を
とても上手く意図してそうした様でなく難解に描いているのが大きな得点だが
むしろ終盤がやや冗長かもしれない...続きを読む
分けた視点を収束させるため止むを得なかったのかもしれないが

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月22日

最初は樽の行方を追っかけていたのだが、中身が判明した後は、その謎を追いかけることに。アリバイを追跡していく作業は、やや単調だし、樽の動きが複雑でわからなくなってしまう。
しかし、ラストで分かりやすく、謎は判明する。ミステリの名作。これが100年も前の作品だとは。

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Posted by ブクログ 2017年01月03日

古典的名作として誉れの高い作品。

海外の古典ミステリーは
カバーしきれていないので
ふと手に取ってみた。

だが、読み進めるのがけっこう骨だった
というのが正直な感想。

つまらなくはないのだが、
現代の小説に慣れている身には
必要性を感じない細かい描写が多く
展開が遅いし、地名の馴染みがないので...続きを読む
位置関係をつかみにくいし、
なかなか読んでいて面白いと感じない。

ミステリー黎明期に作られ、
後の作品に影響を与えたという時代性、
歴史的意義は大きなものがあると思うが
作品単体としての評価としては
決して面白い作品ではないと思う。

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Posted by ブクログ 2016年04月12日

展開がゆっくりで、人が足を使って調べていく時間経過がリアルに感じ取れる。それだけに創作話にも関わらずノンフィクションっぽい印象を受ける。丹念なというか緻密なというかこういう推理ものは良いなぁ。

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Posted by ブクログ 2016年03月02日

クロフツ1920年発表の処女作にして代表作。推理小説の古典であり、愛好家必読の一冊でもあるのだが、肩肘張ることなく今でも充分に楽しめる。ストーリーは、殺人事件の発生からドキュメントタッチで展開し、実直な警察官と私立探偵の地道な捜査によって、ひとつひとつの謎が解き明かされていく。天才的な探偵による名推...続きを読む理を排し、極めて地味な印象を与えかねないが、リアリスティックな描写は考え抜かれた構成の妙によって、返って滲み出るような緊張感を生んでいる。本作品が突出しているのは、表題でもある「樽」が冒頭から終幕まで動的なモチーフとして効果的に使われていることで、不可解な謎の核として機能し続ける。本作の真価でもある「アリバイくずし」については、真犯人による衝動的犯行後に瞬時に閃いたにしては、やや出来すぎの複雑さを持ち、この点ではリアリティは無い。だが、本格推理の新たな道を開拓した作品としての意義は大きく、狡猾な犯人像も鮮やかな印象を残す。

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Posted by ブクログ 2023年08月10日

今から100年ほど前のミステリー小説。
「樽から女性の死体が……」というショッキングな出だしからは想像できないほど、丹念な謎解きのプロセスを描く。

この物語には、ポアロもホームズも、メグレ警視もいない。
謎を解いていくのは、普通の真面目な職業人たち。
しかも、発見者ブロートンは早々に退場し、300...続きを読むページ近く丹念に捜査していたバーンリー警部とルファルジュ刑事は、最後の100ページで弁護士と探偵に取って代わられ……
さてさて、いったいこの物語の主役は誰だったのか……。
そう、最初から一貫して登場する“樽”です。

時代は、社会を動かす力が人力から化石燃料へ劇的に変わるころ。
馬車から船や汽車、自動車へ。
電報から電話へ
手書きからタイプライターへ
葉巻からタバコへ
人々はイギリス=フランス間を日常的に移動し、カフェでコーヒーを飲む。
やがてこの“樽”も時代の彼方へ消えゆく……。

二つの大戦間につくられた科学の進歩への期待や、当時の市井の人たちの生活をも思い浮かべることのできる物語でした。

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Posted by ブクログ 2023年08月03日

推理小説における"アリバイ崩し"という要素を確立させた、古典的名作。
今まで読んできたミステリが、天才的な頭脳を持つ変人名探偵が、天才的な推理をして、複雑怪奇な謎を解くのが殆どだったので、本作のような一般的な感性を持つ刑事や探偵が、自分の足を武器に、ひたすら捜査、聞き込みを繰り返...続きを読むし、地道に一歩一歩真相解明に近づくというのは、割と新鮮だった。なんかこういう系は地味〜な印象を持っていたので今まであんまり手に取ろうとは思わなかったのよね...
実際インパクトは少ないのだけれど、その分堅実に面白かった。
たまにはこういうリアリズムに溢れたのも良いなぁと思った次第。(でもやっぱりミステリはぶっ飛んでた方が好き♡)



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Posted by ブクログ 2023年06月29日

シンプルでありながら奥が深い。古典的名作。ミステリファンなら一読の価値あり。鮎川哲也の黒いトランクも合わせて読むとより一層楽しめる。アリバイやトリックが少しわかりずらいが、それでもテンポよく楽しめた。

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Posted by ブクログ 2023年03月18日

英国の秀逸な古典ミステリー。手の込んだトリックによる殺人事件に見えるが、実は感情的もつれが動機の、咄嗟の犯行であった。前半はじっくりと、後半は早い展開で飽きさせない。「樽」について言及する、終わりの解説も興味深い。

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Posted by ブクログ 2023年02月04日

20数年前に抄訳で読んだ記憶があったけど、違ったかなあと思う作品でした。
地味な探索から逮捕と次の物語…なかなか良かったです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月30日

アリバイトリックよりもホワイダニットに面白さがある話だけれど、納得はできなかった。犯人が用意した偽のストーリーに肝心の樽が噛み合っていないからだ。

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Posted by ブクログ 2021年08月10日

 1912年のロンドンにパリから船便で樽が到着したが、港湾の荷卸しで樽を破損した際に隙間からおが屑と金貨がこぼれ落ち、更に女性の遺体が発見された。

 スコットランドヤードのバーンリー警部は受取人フェリクスを尋問するがどうやら疑惑は送り主の方らしく、早速パリに向かう。

 パリからロンドンへ発送され...続きを読むたのは二つの樽でロンドンからパリへも一つの樽が運ばれていた。

 樽の移動と容疑者のアリバイが焦点のストーリーでスコットランドヤード、パリ警視庁、弁護士、探偵がそれぞれの役割を演じ樽の謎に挑む。本作は、古典ミステリーの名作と言われ、アガサ・クリスティやエラリー・クインと並ぶ著名ミステリー作家ですが、読み難いとかストーリーが複雑とかの感想も多く近年では余り人気が無いそうですが、私にはピッタリのミステリーでとても楽しめました。次は、倒叙ミステリーとして有名らしい''クロイドン発12時30分''を読もうと思います。

 著者は、フリーマン・ウィルス・クロフツでアイルランド生まれのイギリスミステリー作家で本作は1920年のデビュー作品で本作は新訳版です。
 

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年11月13日

船便で港に届いた樽。
荷降ろしの途中に隙間から金貨がこぼれおちてきた。
不審に思い少し中を探ってみるとなんと女性の腕が。
警察に届け出ている間に樽は行方をくらましてしまう。
樽を奪った男は中身について知っているのか、樽を探し事件を解決せよ。

「樽」って聞くと和風ですが、原題は「The Cask」。...続きを読む
なんだかかっこいい!

さて内容。
まずは樽をじっくり検分するまでに時間がかかる!
しばらく行方不明になるんですから。
見つけてからやっと捜索。
まずは警察の手に委ねられます。
ロンドンのバーンリーとパリのルファルジュは仲良しデカ。
捜査の合間に飯を食い、クラブに行き、エンジョイしまくり。
警察は懸賞広告出しまくり~!
なんだかのどかだな!

基本的に出てくる人が皆上品でよい人です。その点ではイライラしなくて済んでよいです。

江戸川乱歩が絶賛したことで日本では一躍古典名作に名を連ねたこの作品。
なんと、重大な欠陥があるとのこと。
それを見つけるのは読者です。
種明かしは解説の有栖川センセイなので、最後までとっていてくださいね!
ちなみにわたしは気づきませんでしたが、言われたら「でしょ?おかしいと思ったのよ」と思いました。

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Posted by ブクログ 2016年06月16日

ヴィクトリア朝の香り残る、1910年代のロンドン。
波止場に荷揚げされた樽が、たまたまぶつかって、ちょっと破損してしまった。
係員が気にして調べると、破損の隙間から、金貨がじゃらじゃらと...そして、謎の美女の死体が入っていた...

捜査が始まった途端に、謎の男が樽を持ち去る。
追跡。樽を運搬した...続きを読む荷車が、ペンキを塗り直されていた。
ロンドン警視庁の執念の捜査でたどり着いた荷受人は、何も事情を知らなかった。その上、問題の樽がまたしても奪われて行方不明...

七転八倒の末、確保した樽。とうとう、開封される樽。中の死体は、やはり妙齢の女性。
樽の発送元は、パリ。
舞台は花の都パリへ...。
死体の女性は裕福な商人の夫人。
容疑者は、その夫と、愛人の男。
状況証拠は、全て、「愛人の男の犯行」を指している。逮捕。追及。このままでは有罪になる。
だが、捜査員の心象では、怪しいのは夫。
夫の完璧なアリバイを崩せるのか?

20世紀初頭のロンドン、パリ、ブリュッセルを舞台に、当時最先端の鉄道や貨物船の輸送網のダイヤをにらみながらの、ノンストップのミステリーが疾走する...

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海外ミステリーの古典です。
書かれたのが1920年だそうで。
ホームズ物の最終短編集、「シャーロック・ホームズの事件簿」が1927年ですから、大まかに言うと同時代。
そして、ホームズ物に比べれば、なんというか、松本清張さんのノリに近い、そういう意味で実に現代的なミステリー。
謎めいた樽を追いかける序盤戦。
パリに舞台を移して、死体の身元と事情が判明する中盤戦。
そして、「間違えられた男」が逮捕され、無罪を証明するための終盤戦。

ロンドンの刑事→パリの刑事→ロンドンの弁護士→ロンドンの私立探偵、と、捜査主体=主人公、が移り変わっていくのも、変化球で魅力的。
なにより、特に前半のテンポの良さ。謎から謎の高速駅伝リレーみたいな気持ちよさ。
その辺が、いちばんの魅力でした。

その一方で、犯罪の背景に必ずある、犯人側の切羽詰まった心情表現みたいなものとか、
大ラスのアリバイ崩しの鮮やかさみたいなもの、
そのあたりには若干の不満は残ります。
あと、全てが分かった後で考えると、「えと、あそこのトリックって、どういう意味があったの?」みたいものが若干(笑)。

それも含めて、まあ、1920年、この手のミステリの先駆けですから、そこはご愛嬌。
ただ、そこを差し引いても魅力あるミステリでした。
海外ミステリー好きな方は、是非。

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