【感想・ネタバレ】クロイドン発12時30分のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年10月25日

チャールズは工場の経営に行き詰まり、求婚相手のユナはお金のない男は相手にしない。頼みの綱の叔父は全くお金を貸してくれない。チャールズは従業員と叔父の命を秤にかけ、叔父の殺害を決意する。

フランシス・アイルズの「殺意」、リチャード・ハルの「伯母殺人事件」と並んで3大倒叙ミステリーと言われる作品。

...続きを読む同じ倒叙ミステリーでも、刑事コロンボとか古畑任三郎と違い、探偵がジワジワと犯人を追い詰めていくといったサスペンス的な要素はあまりなかった。

倒叙ミステリーではあるんだけど、法定ミステリーと警察ミステリーも含まれる作品で、特に犯人の犯行に至るまでの動機と準備が丁寧に描かれているのが特徴。

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Posted by ブクログ 2020年07月06日

【ミステリーの古典名作を今さら読む】
このところ連続で観ている刑事コロンボ、コロンボといえば倒叙物…犯人が初めから分かっており、犯人がいかに追い込まれていき、犯行を見破られるか…という形式のミステリー。
そして、倒叙物の古典名作といえば、こちら、クロフツの『クロイドン発12時30分』ということは知っ...続きを読むていましたが、絶版で入手困難なこともあり未読でした。最近、新訳が出ていることを知り入手。
いやー、まさに「倒叙物」の典型的フレームで話が進み、大いに楽しめました。主人公が犯行に踏み込むまでややダレますが、そこから先はかなり怒涛の展開。もちろん、今読むと「ありがち」の展開なのですが、それはある意味こちらが元祖というか「原型」なのですから当然です。
名作は色褪せませんね。

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Posted by ブクログ 2023年03月01日

 不況の煽りを受け経営者チャールズの工場は閉鎖寸前、頼みの綱は叔父の財産だったがあえなく断られる。 先の短い一人の老獪と将来のある従業員たちを天秤にかけたチャールズは・・・。

古典中の古典の倒叙ミステリです。 一章にて叔父が殺されます。 当然犯人はチャールズなのですが二章以降のチャールズの計画・行...続きを読む動・心理描写が素晴らしい。 人間の一喜一憂、警察の領分や法廷の様子を丁寧に描いている。 ミステリにありがちな過剰な装飾や目立ちたがりな探偵や警部は登場せず現実に則った警察と容疑者の攻勢が描かれる。 派手さを削いだリアル故の地味、解決に至るまで精緻を究めた一作。

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Posted by ブクログ 2022年03月28日

本作は倒叙ミステリ(物語前半に犯行が描かれ、後半で探偵がそれを推理していく形式のミステリ)であるので、前半と後半について述べる。

前半は犯人の様子や心情が細かく描写されていて、とても楽しく読めた。犯行を決意するまでの心情の変化は同情を覚えるほどだったし、犯行の瞬間などは動悸が抑えられなかった。テン...続きを読むポも良くてスリリングだった。

一方後半は、探偵がどのように犯人を突き止めたのかを説明しているのだが、これがイマイチ盛り上がらない。捜査は(当然なのだが)地道で、あっと驚くような証拠もない。ひたすらに可能性を潰していくプロシージャになっている。

まとめると、前半は楽しく読めたものの後半は退屈に感じる時間が多かった。
本格ミステリの謎解きが好きな人や、探偵の鮮やかな手腕にカタルシスを感じる人にはお勧めできない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月17日

面白いか、面白くないか、と聞かれたら、面白いと答えるし、確かに、無駄のない感じなど名作なのだろうと思う。初めから犯人が分かっている倒叙ものとして、上がったり下がったりの犯人の心理描写と、いつの間にか有罪になっているさま。どこでミスったんだろかと、犯人に感情移入。最後の推理プロセスお披露目も、なるほど...続きを読むねと、すんなり。フレンチ警部の、ノロマと思われたでしょうが、、、とか、よくもまあべらべらと、というくだりも、くすっと。これが、もっと当時に読んでたら、こんなパターンもありなのかと、すごく驚きもあったかも。ハウファインディットかい、みたいな。いかんせん、いろいろ読んでるし、コロンボなど倒叙モノを見てるので、スタイルの新鮮味はない。あっと驚くというわけでもない。
あと、短い章立になっているのも、読もうという気になるね。バンダインのビショップマーダーみたいな。

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