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Posted by ブクログ
歌野晶午の短篇ミステリ作品集『増補版 放浪探偵と七つの殺人』を読みました。
歌野晶午の作品は昨年4月に読んだ『さらわれたい女』以来なので、ちょうど1年振りですね。
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『葉桜の季節に君を想うということ』『密室殺人ゲーム2.0』で本格ミステリ大賞史上初、二度受賞作家による短編集
破格のミステリ趣向の凝集が、異様な、熱く冷たい高揚の中で多面的にきらめく傑作群です。
――柄刀一氏<「解説」より>
なぜ死体は動いたのか? 殺人者が犯した、たった一つの過ちとは? 「家シリーズ」の名探偵・信濃譲二が奇想天外な難事件の謎を見事な推理で解決する七つの短編に、幻の未収録作品「マルムシ」を加えた試みと驚きに満ちた傑作ミステリー八編。
これは、本格ミステリーの雄・歌野晶午からあなたへの挑戦状だ!
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名探偵・信濃譲二シリーズ7篇を収録して1999年(平成11年)に刊行された作品に、『マルムシ』を加えて2011年(平成23年)に増補版として以下の8篇を収録して刊行された作品です。
■ドア→←ドア
■幽霊病棟
■烏勧請
■有罪としての不在
■水難の夜
■W=mgh
■阿闍梨天空死譚
■マルムシ
■増補版刊行にあたって
■解説 柄刀一
7つの小説すべてが読者を驚愕させる挑戦状―― あの名探偵・信濃譲二が帰ってきた… 周到極まりない殺人者が犯した、たった一つの過ちとは?
大学の男子寮で殺人事件が発生… 犯行時刻に外部からの侵入者はいなく、すべての寮生にはアリバイがあった―『有罪としての不在』や、“水難”とは何を示すか見きわめると、犯人がわかる?『水難の夜』など、さすらいの名探偵・信濃譲二が奇想天外な難事件の謎を見事な推理で解決する8つの短篇を収録した、著者の面目躍如の傑作集。
季節問わず黄色のタンクトップに、ビーチサンダル姿の放浪の名探偵・信濃譲二が、ある時は学生、ある時は清掃員、またある時はマンション管理人として事件を解決する展開、、、
思わず刺し殺してしまった… 下宿のドアの入れ替えたことが犯人にとって致命的となる倒叙モノの『ドア→←ドア』、
廃病院に隠した死体が消えた!? 建物の構造によりフロアを誤解したことが犯人にとって致命的となる『幽霊病棟』、
ゴミ屋敷での密室(蜜ベランダ?)殺人の謎… 烏の生態と庭がゴミ山となっている理由がユニークで印象的だった『烏勧請』、
学生寮での密室殺人… 難易度の高い読者への挑戦状だったなー 密室トリックと動機を解くだけじゃ足りない『有罪としての不在』、
悪徳商法の女社長が殺害され、ピザ配達員が第一発見者に… まさかもう一人の被害者が―― 叙述トリックに心地良く騙された『水難の夜』、
ゾンビの正体は… 米国製で総革張りのビジネス用高級椅子が捨てられていた理由が伏線になっていた『W=mgh』、
新興宗教の象徴である降臨塔に磔された遺体の謎… 被害者の靴が投げられた理由までは当たらなかった『阿闍梨天空死譚』、
教授と間違って殺された!? ダイイングメッセージが愉しめる『マルムシ』、
いやぁー どの作品も愉しめた! ミステリを堪能できる一冊でした。
読みやすかったし、面白かったのですが、本作品でシリーズは完結とのこと… 残念、、、
本作品の前に「家」シリーズとして3作品が刊行されているので、ぜひ、読んでみたいですね。
Posted by ブクログ
ミステリ短編集、全8編
七つの殺人というタイトルですが、増補版という事で8つの短編が収録されています
お得
以下抜粋して雑感
『烏勧請』
偶然の要素とか、それは犯人がそう考えたんでしょうでまとめられてしまうところとか、ちょっと気になるところはあるにはあります
が、納得してしまいます、説得力が凄い
収録作で2番目に好き
『有罪としての不在』
読者への挑戦付きの一作
探偵役の信濃譲二が語る「推理とはそういうものだ」という理論が印象的
そしてこの結末、いやー、やられました
収録作で1番好き、というか、これまでに読んできた短編ミステリの中でもかなり上位、とても記憶に残るお話でした
『マルムシ』
これが増補版で追加された一作
巻末で歌野先生が語るには、某パズル本に収録された一問と「トリックの原理だけでなく、それにより現出する事象も一緒で、見栄えが完全に一致していた」(P.438)との事
なるほどー
信濃譲二シリーズは『長い家の殺人』しか読んでいないので、残りの二作も読んでみたくなりました
これまた先生の巻末補足によると
「信濃譲二の探偵譚はもう書かないと決め」(P.440)ているようなので、なおさら読んでみたくなりました
Posted by ブクログ
増補版として未収録だった作品を追加しての
新たなな文庫化。ご本人もあとがきで触れていますが
この放浪探偵の「信濃譲二」シリーズは今後一切
書かないとの事で、シリーズとして完全に
完結しているんですね。その当時に「動く家〜」を
読んだだけなので、今回改めてこの「信濃譲二」
シリーズに触れられた事が新鮮。
なぜだか分からないけれど、イマイチ探偵役の
信濃ではなく、その信濃に愚弄(?)される警察や
関係者や、そして犯人側に同情に近い感情を抱いて
しまうという不思議な探偵。事件が彼を招くのか、
彼が事件を呼ぶのか、何故か事件周辺にいつも
彼がいて、皮肉混じりに事件をサラリと解決して
しまうのですが、解決の余韻自体はさほど、
いいものではないところが、このシリーズ。
ひいては歌野作品の面白いところなのかもしれません。
中短編とはいえ、本格派な内容でそのトリックや
事件のプロセスなどは長編に劣るものではない今作。
もう読めない「信濃譲二」という変わった探偵の
事件簿としてミステリ界に残しておいて欲しいなーと。
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