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Posted by ブクログ
『昭和八年、作品を書きあぐねていた江戸川乱歩は三段壁の突端から身を投げようと、紀州の白浜を訪れていた。恐怖を感じつつも、死が間近に迫る中で、とある美青年に自殺を止められる。「死にたくないのに死んでしまう人間もいるんですよ」と言い残して去っていく。その命の恩人が首をくくって死んだ、と乱歩は女中から聞かされる。自殺を止めた彼は、何故、自殺をしたのか。本当に自殺なのだろうか。乱歩と親交ある萩原朔太郎と事件を追うが』
平成に入って、突然こんな内容の『没後の未発表作』と銘打たれた作者名の欠落した「白骨鬼」と題された作品が雑誌に載った。これは乱歩の未発表の原稿か、それとも誰か別の人物が書いたものなのか。筆を折った老作家、細見辰時はその作品を読み、作者に興味を持ち……というのが、本作の導入です
不可解な作品を巡って、物語が二転三転する中で、現在と過去が思いもよらぬ形で繋がり、ひとりの人間の肖像が立ち上がってくる様は、哀しくも、深い余韻が残るものでした。ほぼほぼ作中作(ここまで比重が大きくなると、その表現が正しいのかも自信がなくなってくるのですが)で構成された不思議な味わいを持った作品で、乱歩と朔太郎のコンビも魅力的でした。
Posted by ブクログ
「白骨鬼」というタイトルで雑誌に素人で作者を隠して連載されていた。
江戸川乱歩の未発表作品を思わせるような作風で、「夢幻」という作品で
で一世を風靡したミステリー作家の細見辰時は、
白骨鬼を読み、作者名がないことが気になり、
出版社の社長に確認をする。その後、作者と会うことになるのだが・・・。
作中作で、現実と白骨鬼の作品とが交互に展開していき、
白骨鬼ではミステリーとして先が気になる展開をしていくなかで、
現実では、この作品をめぐって作者と細見との間で波乱が巻き起こる。
作品を読んでいて、単純に江戸川乱歩・風作品として発表しても
人気が出るのではと思える「白骨鬼」に対して、現実でのやり取りが、
どういう展開になっていくかというそこのおもしろさがあいまって、
2重3重に面白く、ハラハラドキドキ感が増して、最後の展開には
結構驚かされた。
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