【感想・ネタバレ】死体を買う男のレビュー

あらすじ

乱歩の未発表作品が発見された!? 「白骨記」というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ――南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド!

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『昭和八年、作品を書きあぐねていた江戸川乱歩は三段壁の突端から身を投げようと、紀州の白浜を訪れていた。恐怖を感じつつも、死が間近に迫る中で、とある美青年に自殺を止められる。「死にたくないのに死んでしまう人間もいるんですよ」と言い残して去っていく。その命の恩人が首をくくって死んだ、と乱歩は女中から聞かされる。自殺を止めた彼は、何故、自殺をしたのか。本当に自殺なのだろうか。乱歩と親交ある萩原朔太郎と事件を追うが』

 平成に入って、突然こんな内容の『没後の未発表作』と銘打たれた作者名の欠落した「白骨鬼」と題された作品が雑誌に載った。これは乱歩の未発表の原稿か、それとも誰か別の人物が書いたものなのか。筆を折った老作家、細見辰時はその作品を読み、作者に興味を持ち……というのが、本作の導入です

 不可解な作品を巡って、物語が二転三転する中で、現在と過去が思いもよらぬ形で繋がり、ひとりの人間の肖像が立ち上がってくる様は、哀しくも、深い余韻が残るものでした。ほぼほぼ作中作(ここまで比重が大きくなると、その表現が正しいのかも自信がなくなってくるのですが)で構成された不思議な味わいを持った作品で、乱歩と朔太郎のコンビも魅力的でした。

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2025年01月16日

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 江戸川乱歩御大の遺稿ではないかと思われる原稿の存在や作中作の江戸川乱歩&荻原朔太郎のコンビの活躍など他に類を見ない形のミステリーでありつつ、随所随所で挟まれるある推理作家と一人の若者のやり取りがどのように繋がるのかも気になりながら読み進め、想像しなかった結末だったと思いきやそれすらも覆るような仕掛けに驚かされた。歌野晶午先生のトリックスターぶりにはいつも翻弄される…

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2024年10月27日

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「白骨鬼」というタイトルで雑誌に素人で作者を隠して連載されていた。
江戸川乱歩の未発表作品を思わせるような作風で、「夢幻」という作品で
で一世を風靡したミステリー作家の細見辰時は、
白骨鬼を読み、作者名がないことが気になり、
出版社の社長に確認をする。その後、作者と会うことになるのだが・・・。

中作で、現実と白骨鬼の作品とが交互に展開していき、
白骨鬼ではミステリーとして先が気になる展開をしていくなかで、
現実では、この作品をめぐって作者と細見との間で波乱が巻き起こる。

作品を読んでいて、単純に江戸川乱歩・風作品として発表しても
人気が出るのではと思える「白骨鬼」に対して、現実でのやり取りが、
どういう展開になっていくかというそこのおもしろさがあいまって、
2重3重に面白く、ハラハラドキドキ感が増して、最後の展開には
結構驚かされた。

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2024年05月29日

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作中作スタイルの本格ミステリです。
文庫本のあらすじに「二重三重のカラクリ」とありますが、まさにその通りでした。
これぞ、本格ミステリという内容でした。
なぜ「白骨鬼」は書かれたのか。
そのトリックは、鳥肌ものでした。

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2024年04月14日

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小学生の頃に初めて手に取って、そしてミステリの世界に足を踏み入れるきっかけとなった作品。

江戸川乱歩やら萩原朔太郎やらと書かれたらなんだか難しそうではあるが、そんなことはなく、そして意外な連鎖にきっと驚くはず

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2023年01月10日

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江戸川乱歩作品を知らなくても面白く読めると思います

生粋のミステリ好きが書くミステリ!!
という感じ

種明かし部も、これでもかこれでもかと出るわ出るわで
しかも、ひとつ残らずすべて綺麗に伏線回収がされているし、
文章自体はちょっと時代を感じるんだけど
それでもちゃんと全部理解できたし
作中作?スタイルなんで
またすごいお得感

桜葉…
絶望ノート
など
もう歌野晶午さん最高です

もう

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2022年05月19日

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グイグイと話に引き込まれました。
昔と今との時点で書き上げてる。読んだあとに他の人感想知りたくて、色々調べました。
なるほどー、タイトルにもそんな事が!

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2025年04月30日

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白骨記の小説とそれを巡る小説家の話。この白骨記という作中作がまぁ面白い!白浜で女装をした学生が自死しそれを乱歩と詩人萩原が謎解くんやけど展開に面白いように引っかかり転がされ、存分に楽しんだ所に予想外の角度からやってくる現実。引き込まれて面白かったなぁ。

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2024年07月18日

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何回も騙された!
どんでん返し好きにはたまらない作品。

個人的に古典的な表現が多い作品が苦手で、少し読みにくいと感じたので、星4つ。苦手だなぁと思いつつ読み始めたけど、諦めずに最後まで読んでよかった。途中からは引き込まれるように読んでた。

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2023年07月10日

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確かに二重三重のからくりはあるが、最後の最後は犯人の自白によって真実が明かされるだけで犯人の正体の根拠になるものがその前の文中にほとんど書かれていないので、どんでんがえしにあるすっきり感を感じず、「あっそう!?」という感じで終わってしまった(;O;)ただ、「白骨鬼(楽屋噺)」の前までは面白かった!

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2023年05月23日

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ネタバレ

職場の同期に借りた。以前読んだ葉桜の季節に君を想うということと同じ作者。葉桜はどんでん返しが凄かったけどこれはトリックが二転三転あって今までに読んだことがない作風だった。作中作もすごく面白いから1冊で2冊読んでる気持ちになれる。本の中の現実と作中作がリンクして紐解かれていくんだけれど途中どっちがどっちか少し混乱した。作中作には江戸川乱歩と萩原朔太郎が出てくる。乱歩の作品は少し読んだことあるけれど萩原朔太郎の作品は読んだことないから両者の作品を知っててなお作風も分かっている人なら私の倍面白く読めると思う。両者を知らなくてもミステリーとして十分楽しめると思う、ボリュームはあるけど。タイトルの意味が最後まで分からなかったけれど読み終わって少し時間が経ってから「あ、そういうことか!!」ってなった。

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2023年04月23日

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「白骨鬼」という探偵小説からこの物語が始まる。その作中で、縊死体が消えるという珍事が起きる。警察は風により、崖から海へ落ちたと結論づけたが…
この雰囲気、謎が謎を呼ぶ展開。江戸川乱歩が好きな人には堪らないだろう。

最後の最後にこの本の題名に納得。

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2022年03月08日

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作中作ってヤツやな。
作品の中に出て来る作品。

結局、お前は、兄なのか?弟なのか?どっちやねん!って最後まで引き摺ってしまう…
更に今は、どの作品の中や?というのもあって、何か微妙に、絡んでて混乱して…(^^;;
二段三段にトリックしてて、「う〜ん…う〜ん…」と唸らされながら終わりまで〜
雰囲気は、江戸川乱歩とかが活躍するので、時代がかってる感じやけど、ええ感じ。

ミステリー小説というより、推理小説って文言が似合う。
タイトルの「死体を買う…」ってどこに関係するんやろ?
と思ってたら最後に登場。

トリックだけだなく、登場人物の心情にもホロリ(T . T)

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2021年12月26日

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ネタバレ

読み易い
二転三転するし面白かったけど求めてるどんでん返しのゾクゾクはなかった
先が読めたとゆうか双子の設定で似たようなの読んだことある気がする(笑)気がするだけかも知らんけど(笑)

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2021年05月16日

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構成にこだわったミステリー。アナグラム。
約5年ぶりの再読。前回よりも楽しめた。
タイトルいいですね。
死体を買ったのは誰?死体とは誰?(何?)
派手さはないが、細部まで楽しめる。

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2025年12月01日

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江戸川乱歩の未発表小説が発見された!?

帯にあったこの一言を見て即買い
小学生の頃に江戸川乱歩にハマり完読した私にとって、歯間からよだれが漏れ出るほどそそられた

2重3重で仕掛けられるトリックについていくのがやっとでした

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2025年05月31日

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なかなか面白かった
タイトルの意味が、ネタバレを見てなるほどと思わされた
トリックなどはある程度予想は出来たものの、ラストまでしっかり楽しめた

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2025年05月23日

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江戸川乱歩と萩原朔太郎が探偵役、と聞いて気になり、読んでみました。
登場人物が双子にありがちなトリックとオチかと思っていたら、二重、三重に罠が仕掛けられていて、なるほど!と思いました。
タイトルの意味は分からず、検索して理解しました。
そこにも仕掛けてたか〜とびっくりです。

江戸川乱歩より、萩原朔太郎がノリノリで面白かったです。


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2025年02月12日

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初めて読んだ歌野さんの作品。登場人物が多すぎず、ザという感じの推理作品だった。作中作品は嫌いではないし、面白いトリックだったが、教科書的すぎたので⭐︎2.5くらい。

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2025年01月09日

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江戸川乱歩の未発表小説が発見された!という体で、とある作品が発表された。それは実話をベースにした小説で、覆面新人作家によるものだった。
出版社は江戸川乱歩を匂わせてそれを発表、話題性を狙う…って話なんだけど個人的に体調のせいか、すごく読みづらかった。
わたしのイメージの乱歩とは全然違うし、萩原朔太郎も同様に違う。小説内の小説としてのストーリーと、現実のストーリーと、それも読みにくい。
飛ばして読んでも構わないって…それはない。
最後の最後でどんでん返し⁇いや予測つきましたけど…好きな作家さんですが今回はハマらず。

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2024年07月22日

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ネタバレ

作中作として描かれる【白骨鬼】を細見達明氏が纏め、出版した、という作品。

読み進めると、現実なのか作中作なのかちょっと混乱する。なんで作中作なのか、分かりにくいなぁと思っていたけれど、最後の最後でどんでん返し。
後半誰が誰だか頭ごちゃごちゃになって何度も戻った(笑)
よくできてるなぁ、と感心しつつ、ありがちかもなぁ、という気持ちもありつつ。

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2024年01月30日

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作中作品の小説でした。
作中作品が何かの鍵を握っているのは考えたが、余計にわからなくなった。
作中作品も現代も一癖あり、楽しめました。
ただ、少し読みにくいのが難点かな。


乱歩の未発表小説に隠された驚愕のトリック
乱歩と詩人朔太郎の名コンビが紀州白浜の首吊り自殺の謎に挑む!

乱歩の未発表作品が発見された!?「白骨記」というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ――南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド!

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2023年10月07日

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「白骨鬼」
 江戸川乱歩の未発表作品がある文芸誌に掲載される。 江戸川乱歩と萩原朔太郎の2人の作家が探偵役を努めるその作品にはある秘密が隠されていて・・・。 作中作と現実パート、そしてミステリの遊び心光る技巧派作品。

がっつり作中作を取り込み、しかも江戸川乱歩の文体の寄せる徹底ぶり。 現実パートに仕組まれた仕掛けに驚嘆。 

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2023年06月04日

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江戸川乱歩と萩原朔太郎のコンビ!

なんですが、萩原朔太郎の作品はまだ未読。江戸川乱歩は小学校の頃「怪人二十面相シリーズ」をとにかく読みまくってましたが、少し記憶も薄れていました。

作中作で描かれる『白骨鬼』。古風な描写で少し読みづらい部分もあったが、江戸川乱歩好きなら面白いと感じるかもしれません

トリック自体はそんなに驚いたものではないが、ヒントに気づかなかったことが少し悔しい。

歌野さんが江戸川乱歩のことめっちゃ好きなんだなってことがよく伝わる小説。

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2022年10月18日

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物語の半分くらいまでは予想どうりでしたが、さらにそこから二転三転あるとは恐れ入りした。


タイトルの死体を買う男が最後まで??でした笑

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2022年09月08日

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発想が素晴らしく、昔の文豪にありがちなねちっこい文章は見事。この手の作品は本家に比べると見劣りすることが多いが、入れ子構造がそれをカバーしている。ただ、結末はまあ落ち着くところに落ち着いた。どんでん返しのテイストは刀城言耶みたいなイメージかな。

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2022年03月30日

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同じ歌野晶午作品の「葉桜〜」のような驚きや感動を期待しているとちょっと肩透かしを喰らう。

作中作の形式で江戸川乱歩を真似た文体で書かれているとのことですが、私自身が江戸川乱歩作品を読んだことがないこともあって、文体や時代描写の魅力や上手さがわからなかった…。

乱歩や朔太郎が好きな読者なら楽しく読めたのかもしれませんが、2人がじゃれてる場面がちょっと冗長だなぁ…と思いながら読みました。

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2021年08月30日

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トリック自体はそこまで新しいものではない。
でも入れ子構造になっていてテンポ良く読める。
トリックや伏線回収にそこまで重きを置いておらず、キャラクターの魅力や心情描写で読ませる作品だと思った。
驚きはなかったけれど、双子の入れ替わりミステリの中ではこれが一番好き。

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2021年08月28日

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作中作が登場する長編。あらすじから乱歩と朔太郎がメインとなって活躍するのかと思っていたのだがちょっと違っていた。結末は正直言ってそれほど意外でも突飛でもないのだが、それでも最後の犯人の心情のリアルさはなかなか真に迫っていたように思う。

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2021年08月02日

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ネタバレ

 西崎和哉という無名の作家が「白骨鬼」という江戸川乱歩が主人公の小説を,作者が分からない小説として発表する。細身辰時というミステリ作家は,西崎に対し,「白骨鬼」を自分の名前で発表したいと告げる。西崎が首肯しないと,裏から手を回し,最終回に当たる第三回を雑誌に掲載させないという手段を取り,自分の名前で発表するように,西崎に迫るというストーリーの話。
 作中作の「白骨鬼」は,江戸川乱歩がワトソン役で,萩原朔太郎が探偵役になっている。この作品は,江戸川乱歩好きなら楽しめるのかもしれないが,そういった加点要素がないと,全く楽しめないというレベルではないが,及第点以下の作品でしかない。
 真相は,「白骨鬼」は,実際にあった事件をベースとして,西崎が登場人物を江戸川乱歩にしたという設定になっており,細身こそが,「白骨鬼」のモデルとなった事件の真犯人で,遺作として自分の犯罪を告白する形で発表したかったというものになっている。
 意外性がないわけではないが,ミスディレクションとなるような仕掛けがないので,真相を聞いても「ふーん」としか思えないのが残念。材料は一流だが,うまく料理できていないという印象がある作品。シンプルでそれなりには楽しめる作品ではある。★3で。

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2022年11月12日

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