作品一覧

  • 墜落の夏  日航123便事故全記録
    4.5
    一九八五年八月十二日、羽田から大阪へ向かうはずの日航ジャンボ機が消息を絶った。三十二分間の迷走の果て、御巣鷹の急峻な山中に散った五百二十名の生命。あのとき、機内で何が起きていたのか──。 安全神話に魅せられた現場と隘路にはまった事故調査の迷宮。 空前の事故が起きてから四十年にあたっての補遺を付す。 〈目次〉 1 真夏のダッチロール 2 三十二分間の真実 3 ビジネス・シャトルの影 4 遺 体 5 命の値段 6 巨大システムの遺言 あとがき 事故から四十年にあたっての補遺 〈解説〉神里達博
  • 堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤
    3.5
    1巻814円 (税込)
    南京虐殺事件を中国の知識人の視点から記した『時間』、時代を冷静に見つめる観察者を描いた『方丈記私記』『ゴヤ』などの評伝、『インドで考えたこと』『上海にて』などアジア各国を歴訪して書いた文明批評など、数多くの優れた作品を残した作家、堀田善衞(一九一八~一九九八)。堀田が描いた乱世の時代と、そこに込めた思いは、混迷を極める現代社会を生きる上での「羅針盤」として、今なお輝きを放つ。堀田作品は、第一線で活躍する創作者たちにも多大な影響を与え続けている。堀田を敬愛する池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿が、堀田善衞とその作品の魅力、そして今に通じるメッセージを読み解く。 【目次】はじめに 『方丈記私記』から 富山県 高志の国文学館・館長 中西 進/第一章 堀田善衞の青春時代 池澤夏樹/第二章 堀田善衞が旅したアジア 吉岡 忍/第三章 「中心なき収斂」の作家、堀田善衞 鹿島 茂/第四章 堀田善衞のスペイン時代 大高保二郎/第五章 堀田作品は世界を知り抜くための羅針盤 宮崎 駿/終章 堀田善衞 二十のことば 富山県 高志の国文学館/おわりに/【年表】堀田善衞の足跡/付録 堀田善衞 全集未収録原稿──『路上の人』から『ミシェル 城館の人』まで、それから……
  • ペンの力
    3.0
    1巻748円 (税込)
    戦後70年間、暗黙のうちに、政治的な立場を表明せずに中立を保つことが作家のとるべき理想的態度とされてきた。だが、特定秘密保護法案やいわゆる「共謀罪」が可決され、言論の自由が岐路に立たされつつあるいま、「政治と文学」をめぐる従来的なスタンスは根本から問い直されている。閉塞感にあふれた「もの言えぬ時代」の中で、日本ペンクラブ前会長・浅田次郎と現会長・吉岡忍が、もはや絵空事とはいえなくなった「言論弾圧」の悪夢に対して警鐘を鳴らした緊急対談。 【目次】まえがき 浅田次郎/第一章 自衛隊と文学者~三島由紀夫で人生を変えた二人/第二章 明治一五〇年~大逆事件、明治期の戦争と文学/第三章 大正デモクラシーと昭和の暗転~谷崎潤一郎、石川達三、川端康成、火野葦平/第四章 日中戦争期の戦争と文学~金子光晴、林芙美子/第五章 ペンクラブの時代~島崎藤村、井上ひさし/第六章 それでも私たちは戦争に反対する~坂口安吾/あとがき 吉岡 忍/年表/参考文献
  • 世につまらない本はない
    3.6
    1巻630円 (税込)
    博覧強記の三粋人が、自らの愛読書を縦横無尽に大激論。「もし、無人島に持っていくなら」「本読みの、あなただけの秘策は」などの質問に、バックグラウンドがまったく異なる3人は、なんと答えるか? いままでにない、画期的読書術!
  • 奇跡を起こした村のはなし
    4.0
    新潟県山間部の豪雪地帯にある黒川村。冬場は出稼ぎに出ないと立ちゆかない村を、なんとかして自立させたい、と立ち上がった村長と村民がいた。多くの苦境を乗り越え、次々と取り組んだ村営事業。資金源は、国や県が支出する地域振興補助金で、その申請と活用は、サバイバルゲームとなった。バブル崩壊後、畜産に力を入れた村に欧州研修を終えた若手職員たちが次々と戻り、村は新しい特産品でにぎわいはじめた――日本人を励ます、小さいけれど大切な記録。

ユーザーレビュー

  • 墜落の夏  日航123便事故全記録

    Posted by ブクログ

    日光123便墜落、事故については以前から大変興味を持っており、青山さんの本は全て読み、その他いろいろな人の多くの解説を読んできたが、今回の吉岡さんの墜落の夏はちょっと視点を変えた、事故直後の様々な問題を、冷静に、多くの人々に取材をし、丁寧に記述されていた。
    以前から感じていた、相模湾に沈んでいると思われる垂直尾翼は、100数十メートルの深さであり、なぜ引き上げ作業が行われず、そこを飛ばしてボーイングのシュリミスと言う政府発表を事細かに解説している点については、やや物足りない気もしたが、事故の翌年の出版であり、わからないことばかりの中でどこまで、自衛隊、米軍の訓練機による事故と探偵する事はできな

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    2025年08月16日
  • 墜落の夏  日航123便事故全記録

    Posted by ブクログ

    あれから40年。
    1985年8月12日日航ジャンボ機墜落事故。520名の犠牲者と奇跡的な4名の生存者。
    突然コントロールできなくなり牙を剥く巨大システム。事故に偶然に遭遇する乗員乗客とその家族。
    事故の状況から検視、遺族の人生、補償から原因まで。
    事故から1.年ほどでの出版であるが、この事故について本作を超える作品は出てきていないように思う。
    ノンフィクションとして屈指の出来。

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    2025年08月12日
  • 墜落の夏  日航123便事故全記録

    Posted by ブクログ

    吉岡忍『墜落の夏 日航123便事故全記録』中公文庫。

    1989年刊行の新潮文庫『墜落の夏──日航123便事故全記録』に『四十年後の補論──実感と言葉をめぐる危機の時代』を増補した上で、神里達博による解説を追加し、復刊。

    青山透子の日航123便墜落事故をめぐる疑惑についてまとめられた一連の著作を読み、この事故に大いなる興味を抱いたのだが、1989年に新潮文庫から刊行された本作の親本は未読であったことから読んでみることにした。

    墜落事故の発生から、墜落事故現場の発見、轢断され、黒焦げになった遺体の検視と身元の特定、遺族への補償問題、事故原因と綿密な取材により非常に詳しくまとめられたノンフィク

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    2025年06月25日
  • 奇跡を起こした村のはなし

    Posted by ブクログ

    日本にも、こんな村があったんだと思わせてくれた1冊。同じ集中豪雨で同じ災害が起こらないように「改良復旧」させること、補助金制度を活用するための地道な努力やポイント、村役場の人たちの留学制度、これから中山間地域で取り組むべきモデルをやってみての経験知がたくさん詰まっている本だと思う。なぜ、先進的な取り組みをしている地域が国内にも外を見ればあるのに、困っている地域が出てきてしまうんだろう。もっと多くの人に知られていい地域だと思うし、奥多摩でも活かせそうなアイデアもありそうだと思いました。すでに村はなくなり胎内市となっているとのことだけど、一度、訪ねてみようかな。

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    2014年06月12日
  • 奇跡を起こした村のはなし

    Posted by ブクログ

    【日本縦断参考本】

    行政とは 暮らすための集団とは こうあるものなのだろうなぁ と感心しました。村や 市任せでもなく、中央におもねることもなく、地に足つけて その土地の良さを守りながら 生活基盤を立てていく。
    この村の住民が うらやましくなりました。

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    2013年02月11日

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