小説 - 深い作品一覧
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3.6人とわかりあうことは、こんなにも難しい。 税金を滞納する「お客様」に支払いを促すことを仕事とする県税事務所の納税担当に、同期が休職したことで急遽異動させられてきた若手職員の中沢環。彼女は空気の読めないアルバイト・須藤深雪を始めとする周囲の人間関係に気を遣いながら、かつての出世コースに戻るべく細心の注意を払って働いている――(第1章「キキララは二十歳まで」) 週に一度の娘との電話を心の支えに、毎日の業務や人間関係を適当に乗り切るベテランパートの田邊陽子。要領の悪い新米アルバイトや娘と同世代の若い正規職員たちのことも、一歩引いて冷めた目で見ていたはずだったが――(第3章「きみはだれかのどうでもいい人」) 業界中から絶賛の声、殺到!ブクログ第1位、啓文堂書店大賞第2位、「ダ・ヴィンチ」の「今月の絶対にはずさない!プラチナ本」にも輝いた超話題作がついに文庫化。 同じ職場に勤める、年齢も立場も異なる女性たち。見ている景色は同じようで、まったく違っている――。職場で傷ついたことのある人、人を傷つけてしまったことのある人、節操のない社会で働くすべての人へ。迫真の新感覚同僚小説! 解説は、単行本時から絶賛の言葉を寄せてくださっていた島本理生さんです。 (底本 2021年9月発行作品) ※この作品は単行本版『きみはだれかのどうでもいい人』として配信されていた作品の文庫本版です。
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3.52020年度、連続テレビ小説『エール』で、主人公のモデルとなった国民的作曲家、古関裕而と妻・金子(きんこ)。ふたりは文通のみで恋愛し、ひとたび会った時には、たちまち結婚に至るという、希有な純愛で結ばれた。当初は、オペラ歌手を目指していた金子の、裕而へのさりげないファンレターで始まった文通は、やがて熱烈なラブレターへと変わっていく。手紙による恋愛、結婚という純愛物語は、現代ではもはやおとぎ話。ふたりの愛の往復書簡は、逆に新鮮に心に響くに違いない。なおこの作品は、長男である正裕氏が、父と母が残したラブレターを整理し、丹念に読み解き、10年の月日をかけて、ふたりの熱情と名曲誕生秘話を綴った、珠玉の恋愛小説。身内によって書かれた唯一無二の物語である。「写真で綴る古関裕而・金子略年表」付き。
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3.2東京地検のエリート検事・杜丘冬人は、新宿の雑踏で突然、見知らぬ女性から強盗殺人犯だと指弾される。濡れ衣を着せられたその日から、地獄の逃亡生活が始まる。警視庁捜査一課・矢村警部の追跡は執拗だった。杜丘は真相を求めて能登から北海道へ、そしてまた東京へ。自分を罠に陥れたのは誰なのか。滾るような憤怒を裡に、警察の大規模捜査網をかわし、謎を追い求め続ける。 ハードロマンの代名詞的存在にして著者の記念碑的出世作。 1976年、佐藤純彌監督によって高倉健主演で映画化された。この作品は1979年に『追捕』のタイトルで中国でも公開され、観客動員数8億人を超える大ヒットを記録した。 ◆そして、最高のスタッフ・キャストで再映画化! 映画「マンハント」 監督:ジョン・ウー × 主演:チャン・ハン・ユー&福山雅治 公開:2018年2月9日(金) 配給:ギャガ 追う者、逃げる者、魂の出会い。 伝説のサスペンス・アクションの名作が、 アジアを代表するスタッフ・キャストにより、 スケールアップして再映画化! いよいよ日本逆輸入!
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4.7魅力的な女性アランに淡い恋心を抱く学生ソヌ。ある日、アランは娘ヨヌをのこし、忽然と姿を消してしまう。アランが失踪してから10年以上が経過するもアランの行方を追い続けるソヌのもとに、アランそっくりな女性ジアが現れるが…。ソヌ、アランの娘ヨヌ、そしてアランの姉アナン。それぞれの思いと過去の記憶とが複雑に絡み合い、徐々に真相が明らかになっていく…。互いの思いが交錯する複雑な人間模様、ラストに向かってスピード感を増していく展開、そしてどんでん返しの連続が小気味良い韓国発マルチアングルミステリー!
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3.0
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4.5成功したければ、成功した人の実体験からその行動と考え方を真似することが近道である。巷ではその手の本が数多く売られており、わたしたちはすぐにその知識を得ることは可能であろう。しかしそれを実践し続けることは、至難の業であると言わざるをえない。 では成功するためにはどうしたらよいのか。かのアリストテレスが「我々は反復の産物である」というように、習慣にすることが大事なのである。持って生まれた気質や癖にとらわれるのではなく、成功した人のやり方や行動、逆に言うと、失敗した人たちがやらなかったことや途中で諦めたことを、習慣になるまで続けたことに尽きるのである。 本書は、教科書的に「良い脚本の書き方」の技術を教える従来の脚本術とは違い、脚本家の執筆における態度や心構えなど、成功を収めた22人の脚本家たちが励行する、最高のストーリーを書くための<習慣>を伝授するものである。本書を読めば師弟関係にならずとも、脚本の最高の師匠から書くことの一助となるやり方を盗むことができるだろう。 個別のインタビューを並べるのではなく、テーマごとに整理して101の具体的な行動を挙げて構成されているため、その核心が見つけやすく実践しやすい。職業脚本家として一本立ちし、世界に一つしかない脚本を書けるようになれるのか、あとは行動あるのみである。
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4.1
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3.7滋賀県北部の余呉湖で身元不明の死体が発見された。顔が潰された上、指が切り取られ指紋もない。唯一の手がかりは、胃の中にあった一粒の宝石――キャッツアイ。続いて京都の美大生、大阪の日雇労働者が連続して殺害され、ともに口にキャッツアイを含んでいた。三府県での合同捜査は混迷を極める。事件の鍵は殺された美大生が旅行していたインドにあると、その同級生の啓子と弘美は一路彼の地へと飛び立つ……。果たしてキャッツアイの意味と、連続殺人事件の真相を探りだせるのか。第4回サントリーミステリー大賞を受賞した著者初期の傑作。 ※本作品は東京創元社、文藝春秋で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。
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3.0『ならずものがやってくる』著者が放つ、文学×SFの連作短篇集 天才テック起業家ビックスは、アップロードされた他人の記憶に誰もがアクセス可能となる画期的な機器を発売する。記憶が個人のものでなくなりつつある世界で、人が求める「真のつながり」とはなにか――『ならずものがやってくる』著者による、最新連作短篇集
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3.0
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4.5美しい姿のまま永遠を生きる異端――吸血鬼。 彼らは“三つの禁忌”に従い、存在を隠し生き延びてきた。 吸血鬼を監視する非公開組織・INAPO(国際夜行性動物保護機関)に入ったヒバリは、美しい青年・シキョウと出会う。組織唯一の吸血鬼であるシキョウは、なぜか吸血鬼から迫害され、極端に他者との関わりを避けていた。 自殺した少女に遺された咬み痕、連続失踪事件――吸血鬼の関与を疑わせる事件を共に追ううち、ヒバリは過去の凄惨な事件に繋がるシキョウの秘密を知ることになり……。 美しき異端の監視官が紡ぐ、夜闇のミステリ。 【INAPO】 国際夜行性動物保護機関の略。表向きはフクロウなどの夜行性動物を保護することを目的とした保護団体だが、その実態は半世紀前に存在を確認されたヒト様生物――『吸血鬼』の保護・共生を目指し、監視を行う非公開の組織。 【シキョウ】 INAPOで監視官として働く、唯一の吸血鬼。寡黙で決して人に心を開こうとしない。齢は二百歳を超す。見た目によらず大食いで甘い飲み物が好き。 【ヒバリ】 行方不明の父を探しINAPOに入った女子大生。飾り気のない性格で、シキョウの相棒役に任命される。冷たく突き放すような言動のシキョウとは衝突をしてしまうが……。
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4.0風の邪神イタカを退けたのち、ふたたび時空往還機に乗り探索の旅へと出立したド・マリニーとモリーンがボレアに帰還した。シルバーハットらとの再会を喜ぶも束の間、タイタス・クロウより突然の知らせが入る。最も恐るべき脅威、あのクトゥルーとその邪神どもがついに蠢きはじめた不吉な兆しが見られるという。やつらが決起したら、地球のみならず、全宇宙さえ危うい! クロウがいる善なる旧神たちの地〈エリシア〉へ、なんとしても行かねばならぬ――そう決心したド・マリニーはわずかな手がかりをもとに、エリシアへと急遽旅立つのだが……。〈タイタス・クロウ・サーガ〉最終巻!/解説=鵺沼滑奴
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3.5拳銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に“憎みあう三人の男”の物語を聞かせるのか? 意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」をはじめ、腕利きの殺し屋に次々と降りかかる予測不可能な出来事を描く「残酷」、殺人事件が起きたコーヒーハウスで、ツケをチャラにするため犯人探しを引き受けた詩人が探偵として謎解きを繰り広げる黒い蘭中編賞受賞作の「赤い封筒」など9編。正統派推理短編、私立探偵小説、ヒストリカル等、『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』で人気を博した短編の名手が贈るとっておき! ごゆっくりお楽しみください。【収録作】まえがき/「ローズヴィルのピザショップ」/「残酷」/「列車の通り道」/「共犯」/「クロウの教訓」/「消防士を撃つ」/「二人の男、一挺の銃」/「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース)」/「赤い封筒」/編訳者あとがき
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4.0
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4.21758年、朝鮮王朝期。18歳のベクヒョンは、難関試験を突破し王族を診察する内医女(ネイニョ)になった。だがある夜、ベクヒョンが医術を学んだ恵民署(ヘミンソ)で、4人の女性が殺害される。3人は医女、最後のひとりは外出を禁じられている宮廷女官だった。事件を捜査する捕盗庁(ポドチョン)の役人は、怪しい供述をしたベクヒョンの師、ジョンスを殺人犯と断定した。彼女が犯人だと信じられないベクヒョンは、独自に事件を調べはじめ、捕盗庁の青年オジンの協力を得る。師の処刑を防ぐために、なんとしても真相を解明しなければ――。聡明な医女が謎解きに挑む爽快なミステリ。
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3.0平穏な住宅地。二つの家族。依頼人が起こした事件に不可解なものを感じた……。隣人殺人の裏にあるあまりにも意外な真実――土地家屋調査士の西脇ゆう子は、不動産登記や測量のスペシャリストである。横浜の牧橋家から、土地分筆・分割登記の依頼を受けた。だが、隣家との不和のため、境界がなかなか確定しない。やがて、依頼者の敷地と隣家との境界を巡る殺人事件が発生。犯人の動機に違和感を覚えたゆう子は、独自の調査を開始する。二つの家族同士の過去とは? 隣家の不登校生が見ていたものとは? そして事件の背後に隠された驚くべき真相とは!? 傑作長編ミステリー。
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3.7主演・佐藤健、共演に阿部寛、清原果耶、林遣都、吉岡秀隆、倍賞美津子らで映画化が決定した『護られなかった者たちへ』に続く、「宮城県警シリーズ」第2弾! 「誰にでも境界線がある。 越えるか、踏みとどまるか」 中山七里 2018年刊行の『護られなかった者たちへ』と同じく宮城県警捜査一課を舞台に、東日本大震災による行方不明者と個人情報ビジネスという復興の闇を照らし出していく。震災によって引かれてしまった“境界線”に翻弄される人々の行く末は、果たして。「どんでん返しの帝王」・中山七里が挑む、慟哭必至の骨太の社会派ヒューマンミステリー小説。 《あらすじ》 2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見された。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査一課警部・笘篠誠一郎の妻だったことがわかる。笘篠の妻は7年前の東日本大震災で津波によって流され、行方不明のままだった。遺体の様子から、妻と思われる女性はその前夜まで生きていたという。なぜ妻は自分のもとへ戻ってこなかったのか――笘篠はさまざまな疑問を胸に身元確認のため現場へ急行するが、そこで目にしたのはまったくの別人の遺体だった。 妻の身元が騙られ、身元が誰かの手によって流出していた……やり場のない怒りを抱えながら捜査を続ける笘篠。その経緯をたどり続けるもなかなか進展がない。そのような中、宮城県警に新たな他殺体発見の一報が入る。果たしてこのふたつの事件の関連性はあるのか? そして、笘篠の妻の身元はなぜ騙られたのか――。
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4.0シリーズ連続全米初登場1位! ローマ教皇の逝去とともに消えた禁断の書。 そこには歴史を覆す驚愕の真実が……。 ヴァチカンの闇を暴く、世紀の問題作! ローマ教皇が心臓発作により逝去した。 数日後、イスラエル諜報機関長官ガブリエルは教皇の個人秘書に極秘裏に呼びだされる。 当日の警備担当者が失踪し、教皇が旧友ガブリエルに宛てた手紙が持ち去られたというのだ。教皇暗殺を疑い、わずかな手がかりを追うが、その先には新教皇選挙に不穏な影を落とす秘密組織と、歴史を覆す禁断の書の存在が――。 ヴァチカンに史上最大の危機が迫る!
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5.0「まぎれもない世紀末文学者の一人であろう。」澁澤龍彦 「文学の森には驚くほど美しい宝石が隠れている。」河村錠一郎 冴えない元聖職者志望が、突然「ローマ教皇」に――!? 屋根裏部屋で一匹の猫と暮らす中年作家ジョージ。聖職者を志すも夢破れた彼のもとに、ある日突然、枢機卿が訪れる。「あなたが教会での将来を断たれたのは誤りでした。」念願の神父となったジョージが、観光気分で教会選挙に沸くローマへ行くと、知らぬ間に教皇に選出されていた! 「ハドリアヌス七世」を自称したジョージは、型破りな〈宗教改革〉に乗り出し、謀略渦巻く教皇庁に大波乱を巻き起こす――! 澁澤龍彦も注目した、異形の英国世紀末作家による〈伝説的奇書〉にして破天荒な〈自伝的幻想小説〉が、遂に邦訳!!! ★栞エッセイ=河村錠一郎 ・澁澤龍彦、生田耕作、丸谷才一、D・H・ロレンス、グレアム・グリーンらが注目・絶賛した「異形の英国世紀末作家」の代表作。 ・河村錠一郎氏の紹介により、文学の「裏街道」読者に邦訳が待望されていた「幻の奇書」。 ・造語や古語を鏤めた革新的で実験的な文学的手法を駆使した、英国モダニズム文学の正統な「古典的名著」。 ・聖職者を志すも挫折した作家の男が書いた「作家が教皇に成り上がる物語」。いわば「100年前のなろう小説」。 ・英ガーディアン紙「最高の英語小説100冊」選出。 ・英国の名門ペーパーバック「ペンギン・クラシックス」所収。
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4.0第2話まで読めるお試し特別版!同著書『線の波紋』第1話も特別収録。 君には、警察学校をやめてもらう。 この教官に睨まれたら、終わりだ。全部見抜かれる。誰も逃げられない。 警察学校初任科第九十八期短期過程の生徒たちは、「落ち度があれば退校」という極限状態の中、異色の教官・風間公親に導かれ、覚醒してゆく。 必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩、それが警察学校だ。 週刊文春「2013年ミステリーベスト10」国内部門第1位、 宝島社「このミステリーがすごい! 2014年版」国内編第2位、 2014年本屋大賞にノミネートされ、 90以上のメディアに取り上げられた既視感ゼロの警察小説!
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3.0桜が咲き誇る広沢池の畔で、八重桜の樹の枝に吊り下がった日本画壇の重鎮・植山小堂の死体が発見された。現場に残された椅子・ライターは本事件を解くカギとなるのか。警察の捜査が進む中、一人の容疑者が行方不明に……。なぜ、植山は殺されなければならなかったのか。その謎解きに、京都取材を得意とするプロカメラマンにして美食家、そして名探偵である星井裕が、元妻である京都府警の安西美雪警部補とともに挑む。京の名所や美味満載で、推理をしながら、この一冊であなたも京都通になれる! ミステリー小説初の旅のガイドコラムと、事件のストーリーを追える京都マップ付き。『京都嵐山 桜紋様の殺人』を改題・再編集。
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3.0エブリスタ×宝島社『この文庫がすごい!』大賞受賞作(応募総数1874作品)! 僕の結婚相手は、4回目の結婚に心を閉ざした花嫁だった――。優れた方術士を輩出する京都の名家で元次期当主だった鈴夏文人と、海外との貿易も盛んな大阪の豪商の令嬢・雪割一華の結婚は、出会いから衝撃的で!? 政略結婚とはいえ夫婦になったからにはと歩み寄ろうとする文人に対し、夫婦関係を拒絶し両家にとって円滑で具体的な離縁まで勧めてくる一華。かつて一族の期待を背負った聡明な令嬢だった一華は、ある事件を境に公の場に出てこなくなったという。ぎこちない夫婦生活の中で少しずつ一華を知るほど、文人は彼女の抱える秘密を共有したいと願うようになっていくが、彼自身も人には言えない秘密を抱えていて――。 『家』に縛られ、秘密を抱えていた二人が紡ぐ婚姻譚が始まります。
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3.5「近づくのは、よくない」友人が語る京都最恐の場所とは――(花房観音「楽園」収録) 令和の古都に積み重なる怪異を5人の作家が綴る! 京都に所縁のある作家たちが書き下ろす〈京都〉が舞台の実話怪談集。 花房観音、田辺青蛙、朱雀門出の実力派とともに、怪談師として活動する深津さくら、新進気鋭の舘松妙の五名がそれぞれの〈京都の怪〉を披露する。 たびたび出没する鬼の目撃例をまとめた怪異譚「鬼の話」、心霊スポットで異形に追いすがられる戦慄「深泥池」、著者自身も巻き込んだ死の連鎖「死神」など洛中洛外の恐怖譚を収録。 京都は怨念の土地――令和も続く古都の念は魅惑的に貴方に取り憑くに違いない。 著者について 「花祀り」で第一回団鬼六大賞を受賞しデビュー。 著書に『ゆびさきたどり』『好色入道』『うかれ女島』など。 近著に『京都「魔界」探訪』を監修。
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3.0万の難事を解決します 人の悩みを解決する〈万屋縁〉の主人・識島紫音と出会い、人助けを生き甲斐とする大学生・太刀川凪の止まっていた時が動きはじめる。 まわりから不思議がられるほど、人を助けることを信条に生きてきた京都の大学生・太刀川凪。大学生なっても信念は変わらなかったが、理想の人助けができないことを悩んでいた。そんな中、人々が抱える問題を解決することを生業とする『万屋縁』の識島紫音と出会い、助手として身近な事件を解明していくことになった。それらの事件は凪が所属するサークル・下鴨蒼生会のメンバーを巻き込み、意外な方向に動いていく。 ふすい・装画
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3.3第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作は江戸の口入屋を舞台にした時代ミステリーです! 江戸・天明年間の京都。働き口や住む場所を紹介する「縁見屋(えんみや)」。代々から続く“徳を積む”という家訓のもと、通りすがりの修行僧や旅人などあらゆる人の世話を焼いている。娘のお輪は父と穏やかな日々を過ごしているが「店の娘は代々男児を産まず早死にする」という噂に悩んでいた。ある日、店に修験者が訪れ、父は男に縁見屋ゆかりの火伏地蔵堂の堂主を任せることに。お輪は「帰燕」と名乗るその男に、なぜか心を惹かれていくが……。悪縁により短命な家系に生まれた不運な娘を救うべく、謎の修験者が施す大いなる“秘術”とは? ふたりの運命は?
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5.0リストラされ、妻に別れを告げられ、親類の一族が暮らす京都の老舗呉服屋「わたり」に居候をすることになった “僕”は自他共に認めるへタレ男子。しかもやっかいな特技をもっていた。――霊が視えるのだ。さらに、居候先でもっと厄介なものに出会ってしまう。25歳の美しい和装の女性であり、“僕”の祖母でもある渡利稲――つまり幽霊だ。ばあちゃんは「視える」人間を見つけて大はしゃぎ。「成仏させろ」とつきまとう。とはいえ成仏させる技もない僕は、祖母の“未練”の心当たりを元に様々なミッションを行い、京都の町と渡利一族の事件に巻き込まれていく。
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3.3
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4.0三月六日 土曜日。 あの家が売れた…「不幸日記」より 住んではいけない家、六十六日間の観察記録! 熟成された呪情、災厄が手招く実話怪談! 家や土地の祟りから、悪行の報いとして受けた呪いまで、底冷えのする恐怖実話がずらり。 ・押し入れから続々と出る見覚えのないゴミ。最後に見つけた木箱の中を見た途端、すべての記憶が蘇る…「紗耶香様」 ・パワハラで辞めた社員らが結成する上司を呪い殺す会、その成果は…「団体交渉」 ・夜中に聞こえる赤ん坊の声。出所は背中の彫り物…「入れ墨」 ・藁人形の始末を任された集落の家。怠ると何が…「ヒトカタ供養」 ・屋根裏に座敷牢のあった家の跡地に建つマンション。事情を知る近隣住民は…「生贄マンション」 …他、熟しきった怨念が放つまやかしの甘き芳香。戦慄の全38篇!
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5.0うぐぐ、むごご…… 闇に沈んだ廊下を 黒い蛭のような塊が這う。 これは、母だ――。 「呪詛と復讐」より 転勤族の著者が行く先々で採取し 本気で震えた実話怪奇集! 関西出身ながら転勤族として東北地方ほか各地へ異動を繰り返してきた著者が、 行く先々で出会った人々から聞いた恐怖体験談、怪の記憶を纏めた一冊。 ・実家の片付け中、忽然と現れては消える覚えのない名前の書かれた紙袋。 中を確認しようとするたびに邪魔が入り…「まさとし」 ・両親に虐待を受けた娘が選んだ復讐の方法は呪詛。 呪いは成就したが家に奇妙なモノが…「呪詛と復讐」 ・比島戦線で窮地を何度も救ってくれた戦友。 特殊な能力があるとしか思えない彼の正体は…「高田正太郎君の話」、 ・不倫相手の女性の首に突如浮かび上がった赤い線。 線はどんどん濃くなり…「あかし」 他、全58話収録!
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5.0半分死んでる。霊に精神を喰われて――(「なれはて」より) 精神と肉を蝕む怪。霊障による病気と怪我。 そして命の最後の砦、病院の怖い話! 実話怪談ハンターたちがあるテーマのもとに各々取材してきた話を持ち寄る恐怖箱アンソロジー。 今回のお題は「病気・怪我・病院」。 呪いや霊障が原因と思われる人体の不調から、誰しもいつかはお世話になる「病院」での怪異譚が大集結。 ・患者を治療後、掌が黒くなる整体師。押し入れの甕に治療代を入れると白くなって…「甕貯金」 ・娘が自殺し空き家になった隣家。そこに忍び込んで撮影すると体の不調が良くなるというのだが…「かれらのこと」 ・昭和の頃に婦長が自殺した病院、30年後廃病院と化したそこで戦慄の事態が…「ナースキャップ」 他、肉体と精神を攻撃する得体の知れない恐怖35篇!
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3.0実話怪談としては長編と言ってもいい50ページを超える大作「撃墜王」「背中」、30ページを超える中編「恋の見立て」「ヒューム」を含む全8作を収録。どれもこの長さでしか収められない途方もない怪奇事件である。長きにわたる真摯な取材によってしかなしえない究極の実話怪談と言っていいだろう。恐怖はふいにやってくる。首筋を撫でる北風のように、荒々しく巻き上げるハリケーンのように、あなたを突然襲い翻弄する。それは見えないし、避けることもできない。生きている限り、あなたの呼吸する空気にもはや「それ」はいるのだから……。じっくりと呼吸するようにこの濃密なる恐怖を堪能していただきたい。謎に包まれた因果をひも解く昂揚感、妖しくも馨しい昭和の匂い、すべてが実話であるという衝撃を噛みしめながら――。
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3.0そこに入ってはいけない…。 逃げ場ゼロの恐怖、閉ざされた場所で人知れず起きた怪奇! 加藤一、雨宮淳司、神沼三平太、高田公太、橘百花、つくね乱蔵、戸神重明、鳥飼誠、ねこや堂、久田樹生、深澤夜、三雲央、鈴堂雲雀、渡部正和――恐怖箱の人気作家14名が「閉鎖空間の恐怖」をテーマに競演! 暗く、狭い場所――例えば、島、村、拘置所、防空壕、水の中、車、トイレ、クローゼット…。閉ざされた社会や、逃げ場所のない空間で起きた恐怖ばかりを集めた空恐ろしき実話怪奇譚。かくれんぼで遊ぶ子供が隠れたダンボールの中は…「かくれんぼ」、封印されていた実家の屋根裏部屋の秘密…「ちゃぶ台」、祖父危篤の報せに戻った故郷の島、だがそこには恐ろしき因習が…「サークル」他、絶体絶命の状況で体験した限界ギリギリの恐怖32話!
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4.0読む心霊特番・戦慄の44選! 不可解だから怖い、現代の怪奇心霊事件簿。 一度聞いただけで擦り込まれてしまう恐怖の歌「かげろかげろ」 人為的に凶宅=禍を呼ぶ家を作る中国大工の呪法「木工厭勝」 ショッピングモールで迷子になった子が吸い寄せられる「魔の場所」 全く別の土地から何度も寄せられる究極の「曰くつき怪談」 死んだ動物と話せる少女 なぜか集まる中原中也の詩集の怪 絶対に思い出せない謎の言葉 廃墟で撮った画像に写った宴会 孤独死の部屋から聞こえる腐る音 特殊清掃人すら驚く死臭の持ち主 子供から乳歯を買う軍服男の霊 恐怖!火事現場で自撮りした顔の異変 戦慄!ニュース速報で流れた「水」一文字の意味 降霊実験で録音された「死にたくない」の声 ★実録・怪紀行~100メートルの廃墟、世界平和大観音
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4.5マテオとルーファス。 〈デス=キャスト〉によって死を宣告された少年たちは、残された1日を懸命に生き抜きます。 自分だったら、最後の1日をどう過ごすだろう。誰に会いたくなるだろう。 けれど、〈デス=キャスト〉のないこの世界では、その日がいつ訪れるのかはわかりません。 だからこそ、今日が最後かもしれないという気持ちを持って、毎日を生きなければなりませんね。 また、何気ない会話や描写の中に、はっとするようなフレーズがちりばめられているのが印象的。それらを栞のように、大切に心にしまいました。 彼らのエンド・デーがどんな結末を迎えるのか。 ぜひ皆さまご自身の目でお確かめくださいませ。 ――斉藤壮馬さん(声優) この小説を大人になる前に読むことができるのは、どれだけ幸せなことでしょうか。明日も生きよう、精いっぱい生き抜いてやろうと誓える物語でした。 ――けんご@小説紹介さん(TikTokクリエイター) ★全米100万部突破! ★2021年米国で最も売れたYA小説! ★NY Times ベストセラーリスト15カ月連続1位! 真夜中0時過ぎに、その日死ぬことを予告するサービス「デス=キャスト」が普及した世界。死を告げられた二人の少年、マテオとルーファスは、最後の時を共に過ごす相手を見つけるアプリ「ラストフレンド」を通じて出会う。内気な性格から、今まで友人をほとんど作れず、自分の殻に閉じこもってしまったマテオ。家族を失い、とある出来事から最後の一日に里親家族からも引き離されてしまったルーファス。克服したい過去や、後悔、叶えたかった夢――様々な想いを胸に、二人は最後の一日をどう生きるのか? ラストがわかっているのに読めば必ず涙する、二人の儚い物語。
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3.4いつだって、人生の負け組だった。 それでも、 今日、食べた朝ご飯。 今日、歩いた道。 今日、聞いた音楽。 今日、話した友達。 奇跡は少しずつ転がっている。 「病気を抱えながら生きてきた私の過去をいつか映画にしたい。小田、映画の原作になる本を書いてよ」。 この西山の言葉から全ては始まった。 新型コロナによる3ヶ月の休校期間を使って、私は西山の16年間の人生を書き上げた。 「今日も明日も負け犬。」というタイトルをつけて、ネットで100冊自費出版した。 高校生たちによる自主製作映画は西山により監督され、eiga worldcup 2021最優秀作品賞を受賞した。 「小田、本書いてよ」の一言で始まったこの物語は、商業出版という形で新たなスタートを切ろうとしている。 ――小田実里 起立性調節障害という病を抱え、学校に行けなくなった中学生の実話に基づく感動の物語。 16歳で書いた鮮烈なデビュー作。
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4.0「大袈裟ではなく人生が楽しくなってきている」 医療記者、50歳を目の前にして 接客のアルバイトを始める。 ちょっぴり個性的なシェフと 素敵な常連さんに囲まれて いつの間にかここは、私の居場所になっていた―― 【内容説明】 医療の専門記者として、25年間働いてきた、一人呑みが大好きな“私”。 メディアの経営悪化に、新型コロナウイルス感染症の影響も追い打ちをかけ このまま医療記者を続けていけるのか、不安を感じていたある日、 ガキ大将のような風貌のシェフに声を掛けられ、あっという間にイタリアンレストランの接客アルバイトをすることに! 人生の後半戦にふと現れた、素敵な居場所。 職人肌で、常連さんと話すのが大好きなシェフ、 一回りも二回りも年下のアルバイトの仲間たち、 そして素敵な常連さんに囲まれ、泣いて笑って得たものは。 今とても寂しいあなたにも、心にぽっと灯りが点るかもしれない とある街のレストランをめぐる、15のエッセイ。 「きっと全国にはだれにとってもこんな大切なお店があるのだろう。それぞれの場所で今日もそれぞれの愛しいドラマが生まれている。 そんなことを想像すると、この世の中捨てたもんじゃないなと私は心が温かくなるのだ。」(本文より) 【目次】 【目次】 まえがき Chapter1 医療記者、イタリアンレストランでバイトを始める Chapter2 常連さんは店のファミリー Chapter3 休めない、帰れないシェフ Chapter4 最後のディナーで謎のお客さんが教えてくれたこと Chapter5 キノコ採りの名人、伊藤さんのこと Chapter6 「思い切って跳んでみると楽しいよ」 Chapter7 シェフのこだわり すべてはお客さんに喜んでもらうために Chapter8 お客様は神様ですか? Chapter9 常連の林さんとALSの妻、利恵子さんのこと Chapter10 バイト仲間の卒業写真 Chapter11 シェフが「I LOVE YOU」を捧げる人 Chapter12 叱られても、へこたれない方法は? Chapter13 酒とパスタの日々 Chapter14 若返る店、愛しい居場所 Chapter15 シェフインタビュー あとがき
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3.9〈「いったいあんたはんは誰のために、なんのために菓子をこしらえたはるんや」〉 〈第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品(原題『一菓』)。〉 大学を卒業し、とくに夢や目標があるわけではなく毎日を過ごしていた主人公の雄司。ところが偶然に入った和菓子屋「洛中甘匠庵」で目にした「求む、菓子職人」の貼紙をきっかけに、京都島原の有名和菓子店で修業を始める。一年後に後継者を決めるという。腕は一流だが昔気質で頑固な大将との衝突、他の職人との争い、地域の人々や店の仲間たちとの交流を通し、職人として成長していくが、やがて大将の体調にも変化が……。菓子職人としての覚悟、伝統を受け渡す者と受け取る者の想いを描き出す。第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品。
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4.0周囲とうまくやるために友だちや先生に同調し、優等生でいるよう努力を欠かさなかった外瀬深春。しかし高二に進級してすぐ、いじめの対象になってしまう。ボロボロにされた教科書を手に公園で途方に暮れていると、同じクラスで不良と噂の三上碧人が偶然通りかかる。この日をきっかけに、クラスでは孤立する一方、碧人との交流が深まっていく。新しい世界を知ると同時に芽生え、初めて知る感情。恋や依存ーー。自分らしさを見失っていた深春が見つけ出した答えとは。涙が止まらない、心震える青春ラブストーリー。
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5.0「群像」誌上に発表し、話題となった傑作文芸批評をまとめた試みの作家論集。 序論 町田康論 いとうせいこう論 西加奈子論 ほか小山田圭吾、みうらじゅんにも言及。 「自分ならざる者を精一杯に生きる」 “今日よりも少しはマシな明日を迎えるために” ――《芸能》の核心は、この「ウソ/本当」の二分法を貫く、一生懸命で心を込めたいとなみに宿っている。このような意味において、小説もまた《芸能》のいち形態である、と言える。小説もまた、音楽や映画や漫画といった他の表現と同様、ここにはない喜びを、悲しみを、憎しみを、愛しさを現前化しようとする。 小説とは、わたしたちが生きる日常とはまったく異なる出来事が上演される場所だ。作中人物たちはゆたかな世界を演出すべく、小説の舞台を動きまわり、読者の気を引こうとする。そして、彼らの行動を追い、彼らに感情移入さえする読者は、ほんのつかのま、読書行為を通じて、普段の自分とは違う何者かになる。もしかしたら、読むまえと読んだあととでは、世界が一変しているかもしれない。すぐれた《芸能》とはおうおうにして、そういうものだ。 大事なことは、《芸能》の世界が少なからず、現実の世界なり社会なりと異なっている、ということだ。逆に言えば、現実の社会を追認するような《芸能》は物足りない。退屈な社会を生きるわたしたちが、ほんのひとときでも、《芸能》に触れて日常から抜け出す。その逸脱による解放的な喜びこそ、明日以降を生きるための活力となるのだ。 いち生活者の僕は、だからこそ、小説を読む。だからこそ、音楽を聴く。明日以降の生活を少しでもマシなものにするために。――(本書序論より抜粋)
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3.9第一回島田荘司推理小説賞受賞作 2020年、台湾政府は大地震の被害で寂れた台北きっての繁華街・西門町をネット上に仮想都市として再建する計画を進めていた。仮想都市=ヴァーチャストリートの制作に携わるエンジニア・顔 露華はシステムのバグを点検するため、上司の大山とともにヴァーチャストリートへ進入し、謎の男の撲殺死体を発見する。 仮想空間でその人間に起った出来事は、特殊なスーツを装着することで現実の人体にも反映される。つまり、現実世界でもその男は殺されたのだ。だが、殺人が起った時間帯にヴァーチャストリートに存在したのは露華と大山のみ。しかも二人には完璧なアリバイが? SF的設定の中に構築された高度なトリックと、結末に思わず涙する感動のストーリー。アジアから逆輸入された21世紀本格ミステリーの傑作登場。
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3.618世紀ロシア、19世紀アラスカ、現代フィンランド……絶滅した海獣ステラーカイギュウを巡り3つの時代に生きた人々が、時空を超え繋がる。史実に基づいた息を呑む冒険譚。各国話題の書! ◆川端裕人さん推薦!!◆ 絶滅した生きものをめぐって、もはや四散しつつある記憶を掬い上げる。 著者の丁寧な語りは、静謐にして緊密だ。 魅了された読者は、自分自身、その静かな残響の一部となっていることに気づくだろう。 ここに絶滅文学の精髄がある。 (内容紹介) 「滅びたものと相まみえてみたいと、だれもが一度は夢見たのではないだろうか」 18世紀のロシア極東カムチャツカ半島(第1部)、19世紀アラスカ南東部(第2部)、現代フィンランドの自然史博物館(第3部)……300年の時を超えて、今はなき巨大海棲哺乳類ステラーカイギュウをめぐる、史実をもとにした息を呑む冒険譚。 葛藤を抱えその再生に情熱を燃やす人々が、いま歴史を変えるーー。 フィンランドですぐれた新人作家の作品に贈られるヘルシンギン・サノマット文学賞受賞&28言語で刊行のベストセラー。 消滅した世界を悼み、文学が弔う壮大な物語。 日本語版装画:ミロコマチコ 装幀:大倉真一郎 【目次】 第1部 栄光か、破滅かーー1741~〈ロシア極東・カムチャツカ半島〉 第2部 征服ーー1859~〈アラスカ南東部〉 第3部 命あるものたちーー1861、1950、2023〈フィンランド・ヘルシンキ〉 【訳者あとがきより】 登場人物それぞれが、時代によって課された制約の中で、 もがき、苦しみ、苛立ち、また喜びに震える、 その心のありようがいきいきと描き出される。 そして、互いに出会うことはない人々の思いが、 ステラーカイギュウを介して時空を超えて交差するとき、 読む者の胸に深く響く物語が立ち現れる。 (略)どれほど資料を集めても埋めきれないもの、 それは実際にその時代を生きた人々の心の襞であり、 そこを想像の力で補って骨太な作品世界を構築した著者の、 作家としての手腕は確かなものだ。