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Posted by ブクログ
新聞の書評がこの作品と村上春樹の『騎士団殺し』をよく取り上げていると聞いて。
前哨本として『小春日和』も読んでみたけど。
この本は自分の読む呼吸と合わなかったと思う。
そんなわけで、他の方に沢山素敵なレビューがあるので、こちらは流していただきたい。
長い長い一文の中で、具体的なモノが色を伴って描写されていく。
想像なのに、密に密にさせていって、途中で息をつくと、何処にいるか分からなくなる(笑)
迷子本でした。
金粉ダンサーズの話が地味にお気に入り。
官能的なんだけど、ホテルで金粉洗い流す手間の話とか、そこ一欠片が残って浮気の証拠になったんじゃないかとか。
なんか、夢があるわー。金粉ダンサー。
あと、序盤の炭鉱のカナリアと芸術家の類似性。
感じやすいが故に、他者より先に犠牲として殺されてしまう儚い弱いもの。
ハッとさせられる。
Posted by ブクログ
金井美恵子さんの、長い長い文のリズムが好きで、それが気持ちよくて、読んでいる気がする。
特に小説は、中身より文体が好きで、それから内容という順序。そんな作家は私には他にいない。
毒舌ぶり、人間観察の鋭さも好き。
それらはエッセイの方がより直接的なのでエッセイも好き。
その2つが組み合わさったこの作品。
もっと楽しめれば良かったのだが、ちょっと私の集中力が弱まっているのか、あるいはちょっとよくわからないところもどんどん飛ばして読んで行くいつもの元気さがなかったのか、何度読んでもわからないところがあり、いつもの心地よさより、難儀さ、自分のバカさを感じた。
Posted by ブクログ
小説と思って読み始めたら、金井さんらしい批評的なエッセイで、それもまたよしと思いつつ読み進めるといつの間にか小説になっており、形としてはエッセイに挟まれた短編集というところなのだが、エッセイとつながっている短編もひとつひとつが完全には終わらす、次へと続くという、まことに不思議な作品。金井美恵子は金井美恵子にしか書けない作品を完成させつつあるのかも。
金井さんの小説を読むと、女たちの間で片手間に続いてきた手芸がたまらなく魅力的で、10才の少女と、妻子ある男と恋愛して別れさせられたということは多分二十歳は越えている女が、刺繍をしながら映画や男の話をするのが、とてもいい。
また、銀幕の名にふさわしい、映画の数々、とりわけべティ・デイヴィスの話は、私はこの映画はみていないが、べティ・デイヴィスのあの大きな白目勝ちの目や、小さく薄いへの字形の、くっきりと口紅の引かれた唇が作り出す表情が、目に浮かんで、殆ど映画を見たような気持ちになる。
映画館の入り口に貼られたスチール写真、海辺の近くの家で過ごす単調な毎日、チャイナドレスの妖艶、サーカスのうらぶれた様子。
幼い頃から無意識に、ときには意識的に取り込んだものが、血と肉となり、何十年もかけて、こういう文章ができるので、そこいらのペラペラの情報を適当に継ぎ接ぎしてできたものとは比較にならない。
まさに、読むことでしか得られない喜びがある。
金井美恵子の文章を読みにくいという人もいるが、私は30年くらい読んで、一度も読みにくいと思ったことはない。
まあ、()の中の文章が長い上に魅力的で、つい()の前の文章を忘れてしまい、読み直すということはあるのだが。
幸せな時間が過ごせた。
久美子さんによる装丁もとても美しい。巻末に使った紙の種類と量が記されていて、これ、増刷するのも大変だろうなと思った。
赤は褪せやすいからカバーは外さず、暗いところで保管したい。
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小説・文芸
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