小説 - 深いの検索結果

  • 小説 野性時代 第222号 2022年5月号
    続巻入荷
    -
    【新連載】 宮木あや子――令和ブルガリアヨーグルト あのヨーグルトを題材にした、お仕事&推し事小説がスタート! 【読切】 ブレイディみかこ――売って、洗って、回す 私労働小説―ザ・シット・ジョブ― 体を動かし、思考を止め、全体に尽くす。 様々な仕事の果てに残るものとは。 【発表】 第13回 小説 野性時代 新人賞 【連載】 赤川次郎――余白の迷路 伊岡 瞬――清算 今村翔吾――天弾 冲方 丁――骨灰 今野 敏――脈動 西條奈加――隠居おてだま 佐々木 譲――闇の聖域 高杉 良――転職 真山 仁――ロスト7 三津田信三――怪民研 薬丸 岳――最後の祈り 吉川トリコ――あわのまにまに 角田光代――明日も一日きみを見てる 【コラム】 告白します――東畑開人 BOOK REVIEW「物語は。」――安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』
  • 両京十五日1 南京脱出
    続巻入荷
    4.0
    華文冒険小説の傑作が四カ月連続刊行でついに文庫化! 十五世紀の中国、明の時代。何者かからの襲撃を受けた皇太子・朱瞻基は、三人の仲間とともに、南京から北京へ十五日の決死行を行う
  • パンドラの鳥籠―毒草師―(新潮文庫)
    NEW
    3.8
    丹後半島で二年前、生薬学者が姿を消した。地域には三百歳の魔女が棲むといわれる洋館があり、首なし死体も発見されている。編集者・西田真規(まさき)は、薬学の鬼才にして唯我独尊博覧強記の毒草師・御名形史紋(みなかたしもん)、その助手の神凪百合(かんなぎゆり)と共に謎を追う。浦島太郎の「玉手箱」とギリシャ神話「パンドラの箱」がリンクする時、真相に繋がる一筋の道が現れる。知的スリルに満ちた歴史民俗ミステリ。(解説・西上心太)
  • ちぎれた鎖と光の切れ端
    NEW
    5.0
    江戸川乱歩賞受賞第一作 ミステリーランキングを席巻したZ世代のアガサ・クリスティーが描く哀しき連鎖殺人 「私たちが絆を断った日、島は赤く染まった。」 復讐を誓う男がたどり着いた熊本県の孤島(クローズドアイランド)で目にしたのは、仇(かたき)の死体だった。 さらに第二、第三の殺人が起き、「第一発見者」が決まって襲われる――。 2020年8月4日。島原湾に浮かぶ孤島、徒島(あだしま)にある海上コテージに集まった8人の男女。その一人、樋藤清嗣(ひとうきよつぐ)は自分以外の客を全員殺すつもりでいた。先輩の無念を晴らすため--。しかし、計画を実行する間際になってその殺意は鈍り始める。「本当にこいつらは殺されるほどひどいやつらなのか?」樋藤が逡巡していると滞在初日の夜、参加者の一人が舌を切り取られた死体となって発見された。樋藤が衝撃を受けていると、たてつづけに第二第三の殺人が起きてしまう。しかも、殺されるのは決まって、「前の殺人の第一発見者」で「舌を切り取られ」ていた。 そして、この惨劇は「もう一つの事件」の序章に過ぎなかった――
  • くがいの聲
    NEW
    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    それは奇跡の御業か、悪魔の所業か――。 阿泉来堂が紡ぐ、絶望の民俗ホラーミステリー。 この地で亡くなった人間の死体は朽ちることがない。 あの子まで「祈り子」にするわけにはいかない。 遺体を異なる三つの棺に納めて埋葬する。 この村はもうすぐ死によって埋め尽くされる――。 『お祖父ちゃんの家の遺品整理をしてきてほしいのよ』 母からの突然のお願いで、滝川史也(たきがわふみや)は幼少期ぶりに祖父の家がある神薙村(こうなぎむら)を訪れた。神薙村は深い山々に囲まれた限界集落にあり、奇妙な葬送儀礼が連綿と受け継がれていた。墓石に刻まれた十字架、「くがい」と呼ばれる謎の伝承、朽ちない死体、祖父の死の真相…。 神薙村に隠された暗い秘密が徐々に明らかになっていく。
  • 白ゆき紅ばら
    NEW
    5.0
    良い子は天国へ行く。悪い子はどこへでも行ける。行き場のない母子を守る「のばらのいえ」。〈かわいそうな子どもを救う〉という理想を掲げ、ある夫婦が運営するその家で暮らす祐希は、未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した。しらゆきちゃん、べにばらちゃんと呼ばれ、幼少のころから一心同体だった紘果を置いてきたことをずっと後悔していた祐希は、十年越しに紘果を迎えに行くこと決意をするが――。
  • 日暮れのあと
    NEW
    3.0
    生と死、そして性愛――人生を謳いあげる至高の短編小説集 【誰だって、人に知られたくない秘密がある。】 「過ぎてみれば、全部、どうってことなかった」 こんなに心を震わす小説が、他にあるだろうか――? 孤独、死、性愛と情熱、そして嫉妬…… 人に悟られたくない、繊細な心の機微を見事に描く極上の短編小説集。 【解説・小川洋子】 老いを感じながら山裾で暮らす童話作家の72歳の雪代。庭を訪れた植木屋の若者から、還暦過ぎの風俗嬢への一途な恋心を聞き嫉妬するが…(表題作)。自分の夫と一緒に死んだ女に、線香をあげる妻が放つ不穏な空気(「喪中の客」)。 誰しも運命に逆らえず秘密を抱えて生きていく。 短編の名手・小池真理子が放つ、至高の7編。 〈あの人に抱いた、言葉にできない想い――〉 ・いつものように彼女に請われても、彼は化粧をしようとしなかった。(「アネモネ」) ・ある日、朽ち果てて使われなくなった玄関のブザーが鳴った…(「喪中」の客) ・若かったおばの白いふくらはぎと甘ったるい声が、彼女の遺骨を抱いて蘇る(「ミソサザイ」) ・40歳の時に恋をした相手は、大学生。旅館で親子と間違われて…(「微笑み」) 単行本 2023年6月 文藝春秋刊 文庫版 2026年4月 文春文庫刊  この電子書籍は文春文庫版を底本としています
  • 存在のすべてを
    NEW
    4.2
    平成3年、神奈川県で発生した2児同時誘拐事件から30年。 当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「現在」を知る。 未解決のまま異様な展開をたどった事件の真実を追ってきた刑事たちの求めから、門田は再び30年前の事件と向き合うのだった。 そして取材を重ねていくなか、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。 第9回渡辺淳一文学賞受賞、2024年度本屋大賞第3位、 「本の雑誌」が選ぶ2023年度ベスト10第1位! 質感なき時代に「実」を見つめる著者渾身の長編小説が遂に文庫化。2027年映画化決定!!
  • 幸福のバトン
    NEW
    3.0
    人生の宝物にしたい1冊!! 未来が見える少女の、絆と成長の物語。 「わたしは、生まれてきて、生きてきて。……よかったのね」 人生には小さな奇跡が、きっと、星の数ほど。 さあ、数奇な人生を走り抜け! 受け取った愛を、次の誰かへと繋ぎながら―― 中学生の山村真菜にはときどき、少し先の未来が見えてしまう。 この不思議な力を授かったせいで、それからというもの、彼女の人生には常にかすかな喪失の予感がつきまとった。 実母とのすれ違い、親友との別離、恋人からの逃避…… 様々な葛藤と哀しみが交錯する日々の果て、最後に手にした自分史上最高に大切な「奇跡」とは!? ――感涙必至の人生讃歌!!  加藤 元が贈る《奇跡》と《癒し》の物語。 本当の幸せに気づかせてくれる、心温まるヒューマンファンタジーの傑作
  • ロリータ(新潮文庫)
    NEW
    4.1
    「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。……」世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。注釈付。(解説・大江健三郎)
  • ジョヴァンニの部屋
    NEW
    4.0
    ボールドウィン生誕100年 代表作を記念復刊! LGBTQ文学の傑作 アメリカで再注目されている黒人文学作家であり、マルコムX、キング牧師らとともに60年代公民権運動の中心的役割を担った思想家でもあるボールドウィンの生誕100年を記念し、代表作を復刊する。 小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。 「内なる自分と出会ったときの恐怖、罪悪感、喪失感をこんなにも激しく魅力的に描くことのできる作家がほかにいるだろうか。――いま、われわれの作品として大きく呼吸を始める」(金原瑞人「解説」より)
  • アルジャーノンに花束を〔新装版〕
    NEW
    4.5
    世界中で愛されたベストセラーを新たな装いで! 幼児なみの知能しかない32歳のチャーリイはネズミのアルジャーノンと同じ手術を受け超天才に変貌する。全世界が涙した名作の新装版
  • 禍(新潮文庫)
    NEW
    3.6
    一枚食べたらもう引きかえせないからね――。小説家の〈私〉は未施錠の多目的トイレで本のページを貪り喰う女を目撃する。女の警告に挑むかのように、私は蔵書を手に取り……(「食書」)。一泊二日で十万円。三十三歳、無職の〈私〉は怪しげな仕事を請け負う。他言無用の宗教儀式、そこには長い黒髪の女ばかりが集まっていた(「髪禍」)。人生を逸脱することの恐怖と恍惚に、極限まで踏み込む七編。(解説・大森望)
  • 9人の「超個性」 プロの新仕事論
    NEW
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    時代を作り、人々を熱狂させる「ヒットメーカー10人」が本音で語る「プロの新仕事論」。目まぐるしく変化していく時代、5年後に成功を手にするにはーー? 10代20代30代は必見! その全スキルが分かりやすく図解入りで明かされる。 ●「“枠をはみ出る瞬間”が自分を引き上げる」 ●「プロへの近道は“数をこなすこと”」 ●「“組織における立ち位置”を見極める」 ●「企画は“立体的に考えることでうまくいく”」 ●「迷いが生じたら“嘘のない自分”を信じる」 ●「コミュニケーションはまず“自分を開示する”」 ●「“言語化”を徹底しながら“言語化できない感覚”も意識する」  ……etc. 2024年7月1日の配信開始以降、業界内外から好評を博してきた、敏腕漫画編集者・林士平のポッドキャスト番組『林士平のイナズマフラッシュ』が、ついに書籍化! 本番組では、人気漫画『SPY×FAMILY』や『チェンソーマン』などを手がける漫画編集者・林士平がホストとなり、ジャンルを超えた多彩なゲストを招いて、ヒット作品の舞台裏や次に作りたいもの、仕事観、価値観、人生の転機など、「成果を生み出す思考」に迫ってきた。本書ではその内容を再構成し、「各界の第一線」で活躍するゲスト8名との対談を収録。さらに、数多くのラジオ番組や「オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム」の製作総指揮を務め、番組の企画者でもあるラジオプロデューサー・石井玄との「完全書き下ろし対談」も特別掲載。 バラエティ、ドラマ、映画、広告、ラジオ、アニメ、お笑い……異なる領域のヒットメーカーたちは、激変していく時代に、自分をどうプロデュースし、チームを動かし、仕事に向き合っているのか。その対話から、「企画力」「引き出し力」「チーム力」「インプット力」「突破力」をはじめ、どんな仕事にも応用できる「普遍的なスキル」が見えてくる! 異なる業界の「思考法」を学べば、自分の仕事を一段引き上げる「武器」になること間違いなし! コンテンツを生み出すクリエイターのみならず、すべてのビジネスパーソンに、「視座」を与える一冊となっている。 【対談ゲスト】(敬称略) 1. 津田健次郎(声優・俳優) 2. 糸井重里(ほぼ日代表) 3. 野木亜紀子(脚本家) 4. 風間俊介(俳優) 5. 佐野亜裕美(ドラマプロデューサー) 6. 山田兼司(映画プロデューサー) 7. 蓮見翔(ダウ90000) 8. 佐久間宣行(テレビプロデューサー) 9. 石井玄(ラジオプロデューサー)
  • 太陽に撃ち抜かれて
    5.0
    恋も殺しもドラッグも、すべてが熱に焼かれてく。「スペクテイター」誌、「フィナンシャル・タイムズ」紙年間ベストブック選出。世界に衝撃を与えたブラジルの才能による鮮烈デビュー作! ・ 映画『シティ・オブ・ゴッド』以後の最も重要な想像力――アイリッシュ・タイムズ ・ いつも何かが壊れるみたいだ――。 マフィアと警察が抗争を繰り広げ、麻薬中毒者たちが路頭をさまようなか、子どもは本物の拳銃で遊び回り、若者たちはビーチで大麻を吸い、恋をする。 ・ ブラジル発、新リアリズム(ノーヴォ・ヘアリズモ)がついに上陸! 世界10カ国で翻訳。 ・ 「ブラジルの大作家ローザに匹敵する」――カエターノ・ヴェローゾ 「人生とはこんなにも容易く狂ってしまう」――ガーディアン 「リオデジャネイロのスラム〈ファベーラ〉生活を、タフで優しい文体で、驚くほど力強く描いた」――カーカス・レビュー
  • 定本 自意識の昭和文学 現象としての「私」
    5.0
    牧野信一,川端康成,太宰治,石川淳,小林秀雄,堀辰雄らの作品を精緻に読み解くことで,「私」を掘り下げていく自意識の追求が,遂には自己ならざる“何か”にまで立ち至る,逆説的な表現の構造を析出.近代小説特有のリアリズムが形成される契機を解明し,新たな文学史像を提起した記念碑的著作.(解説=十重田裕一)

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  • 30代後半、独身、ひとり暮らし
    3.6
    1巻1,782円 (税込)
    わたしの自由は、ここから加速する。 お金の使い所、物価高、PMS、更年期、結婚するのか、子供は産むのか…… 胸の奥でくすぶる不安の正体を、一緒に探ってみませんか? 漫画家の藤波夏帆は、『月収十五万円、六畳一間で夢をかなえる』でデビューして以来、節約・ライフスタイルエッセイを中心に、そこそこの人気を保ってきた。 だが38歳を前に、これまでの作品で伝えてきたメッセージや世間でのイメージ、そして脚本家の彼氏との間にズレを感じ始める。 自分が本当に描きたいものは、何だろう。 新連載に向けて始めた取材と観察は、やがて夏帆の生活にも波を起こし始め……。 わたしの自由は、ここから加速する。 生活も身体も変わり、生き方が様々に分岐する時。 エッセイ漫画家と女性たちの、恋と、経済と、決意の物語。 【畑野智美デビュー十五周年記念作品】
  • 猫鳴く森で謎解きを
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    全寮制男子校・霧森学院のヒナタとエチカはルームメイト。夏休み、二人は友人の亜蓮に誘われ、”猫と会えるキャンプ場”のボランティアに行くことに。他校の生徒たちも参加しており、計10人でボランティアを行うという。しかし、キャンプ二日目、1人の生徒が何者かに殺害された。 容疑者9人の中から“消去法推理”で最後の1人に残るのは誰だ――?! 新進気鋭の作家が贈る、青春本格ミステリ!
  • 君の不在の夜を歩く
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    高校時代の同級生五人――三十代後半になった彼らの人生は、一人の自死をきっかけにして、さまざまな挫折や変貌や再出発を強いられていく。宗教二世、小説家、主婦等々、五人それぞれの生きることの迷いと歓びと傷、そして再生への切なる希望を深い声で語り、無常観の果てにある祈りの旋律が鳴り響く著者真骨頂の感動作!
  • 深淵のカナリア
    4.0
    1巻2,475円 (税込)
    警官の尾崎は三年前の光景を映す右眼を持っているが、捜査に不正の疑いありと告発され、監察から出頭を命じられる。窮地に陥る尾崎の前に、かつて地下鉄内で起きた無差別殺人の再捜査に協力すれば、告発を見逃すと持ち掛ける男が現れ……。証拠能力のない特殊設定を地道な検証で圧倒する、比類なき警察小説、待望の第二弾!
  • 砂の宮殿
    5.0
    1巻1,100円 (税込)
    外科医の才所准一は、大阪で富裕層向けの自由診療クリニックを運営している。抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な三人の理事とともにがん治療を行い、順調に実績を重ねていたところ、久しぶりにクリニックを訪れていた顧問が突然死を遂げる。急性心筋梗塞と診断されるが、顧問の死には不審な点が多く存在していた――。最先端の医療チームに黒い疑惑が渦巻く医療サスペンス。
  • 憂鬱な愛人 新装版 上巻
    -
    1~2巻2,200円 (税込)
    夏目漱石の長女との結婚の顛末を描いた松岡譲の幻の名著! 近年、文学者たちを主人公とするゲーム「文豪とアルケミスト」の登場人物としても人気が高い松岡譲。 本書は、夏目漱石の娘婿である松岡が夏目家の令嬢・筆子と結婚するまでのいきさつを描いた長編小説である。 筆子との結婚を望み破れた久米正雄が先に発表した『破船』により、当時の世間は、久米に同情。松岡は冷たい目にさらされた。 そして、結婚から10年--松岡自身がようやく結婚に至るまでの真実をもとに書いた小説が、本書と言われている。(※諸説あります) トータル1,200ページにもおよぶ大作が、90年の時を経て、新仮名遣い・上下巻で再登場! ▼内容 夏目漱石の弟子であった松岡譲が、夏目家の長女・筆子と結婚するまでのいきさつ、親友を失い、仲間から孤立し、先輩を敵に回し、世間の非難を浴びたことを詳細に記した長編作品。 ※本書は1928~31年に第一書房より刊行されたものを再編集して復刊した新装版を電子書籍化したものです。
  • ことり
    3.9
    人間の言葉は話せないけれど、 小鳥のさえずりをよく理解し、 こよなく愛する兄と、 兄の言葉を唯一わかる弟。 小鳥たちの声だけに耳を澄ます二人は、 世の片隅でつつしみ深く一生を生きた。 やさしく切ない、著者の会心作。 解説・小野正嗣。
  • 朝日のあたる病院
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    大学病院の旧館を「朝日のあたる病院」と呼ぶ小児外科教授・外木場は、毒舌と完璧主義で知られる現場主義者。厳しさの裏にあるのは、幼い命を救うための徹底した準備と祈りのような執念だ。専攻医の栗山、清田、大町は、彼の指導に翻弄されながらも、医師としての覚悟と責任を学んでいく。「朝日は、子供の未来を照らす」――小児医療の厳しさと希望を描く感動の医療長篇。
  • レインバード
    4.0
    1巻2,530円 (税込)
    ロッキー山脈の麓の町ヘブン。雪山で日本人女性の死体が発見された。連続する邦人殺害事件の捜査のため、保安官のフランクとラリーは僻地にある〈レインバード日本人居留地〉に赴く。そこは難民たちが肩を寄せ合って暮らす過酷な土地だった。ヘブンで横行する有色人種への差別。狂騒が激化する中で保安官は正義を貫けるのか。そして国を失った日本人に生きる道はあるのか。ヘイトに満ちた現代に警鐘を鳴らす社会派サスペンス!
  • 此の世の果ての殺人
    3.8
    第68回江戸川乱歩賞受賞作。 史上最年少、選考委員満場一致。 「大新人時代」の超本命! 本格ミステリーの骨法もよく心得ている――綾辻行人 特A、もしくはA+、もしくはAA――月村了衛 二人の女性のバディ感が最高に楽しい――柴田よしき 極限状況で生きてゆくひとが、愛しくなる――新井素子 非日常を日常に落とし込む、その手捌きは実に秀逸である――京極夏彦 ―滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望 正義の消えた街で、悪意の暴走が始まったー 小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める――。
  • プロパガンダゲーム 偽情報戦
    4.0
    2025年TVドラマ化した『プロパガンダゲーム』の著者による、待望の最新作! 新聞記者をしている春名に、日本政府から奇妙な取材依頼が届いた。政府が大手広告代理店の電央堂と組んで、新組織「内閣情報局」を立ち上げるらしい。内閣情報局といえば、戦時下の日本でプロパガンダを主導した組織の名。きな臭さを感じつつ取材へと向かった春名を待っていたのは、内閣府の採用担当者と、かつて電央堂で行われた曰くつきの採用試験「プロパガンダゲーム」だった!?  AIとSNSで無限に拡散される偽情報との戦いを描いた社会派サスペンス!
  • ひかりの魔女
    4.1
    1~4巻594~803円 (税込)
    浪人生の真崎光一は一日中家にいる。そこへ祖母が同居することになった。小柄で温厚で普通のおばあちゃん……と思ったらなんだかめちゃめちゃ多くの人に慕われてるし!? 周囲の問題解決してるし! たちまち家庭の状況も好転してるし!! うちのばあちゃん、一体何者!? ばあちゃんにひっついていた光一だけが目にした奇跡の数々。これぞ痛快、スーパーおばあちゃん小説!
  • 白比丘尼の器
    3.0
    母を亡くして一人ぼっちになった灯里は、葬儀に駆けつけた叔父の助けにより、新しい土地で高校生活を始めた。新学期のある日、携帯を落とした上級生を追って迷い込んだ邸宅で、八百年、在り続けている白比丘尼と呼ばれる存在に遭遇する。その姿と声は灯里しか認識できず百六十年前に盗まれた心臓を取り返したいと助けを求められてしまう。しぶしぶ受け入れた灯里だったが、高校生活自体も大変で――。
  • 無間繚乱
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    帝が呼びかけた「君」は 散る花か、満ちる月か。 愛に生きた定子、国のために生きた彰子。 権勢争いに翻弄されたふたりの后の運命は。 *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 歴史小説家・秋山香乃の確かな実力を、 この物語を読むことで実感してもらいたい。 ――細谷正充氏(文芸評論家) *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*  時の権力者、左大臣藤原道長の娘・彰子は数え十二で一条帝の中宮として入内した。  だが帝の気持ちは先の中宮である皇后定子に向けられたまま。  関白内大臣、藤原道隆の娘である定子は、失脚した兄の伊周を庇い 落飾したにもかかわらず帝の子を身籠る。  失意の中で彰子が選んだ道とは……。  明るく聡明で美しい定子。  内気ながらも慈愛に満ちた彰子。  運命に翻弄されたふたりの女性の姿を描く華麗なる平安絵巻。
  • 瞬きすら許さない
    4.6
    警視正のキャット・フランクは昔気質の刑事だ。事件現場を歩き、容疑者の眼を見ることが捜査の核心だと信じている。新設の捜査チームを率いることになった彼女は、ロックという名の人工知能に出合う。この新世代の「捜査官」は、ホログラムの体をもち、統計データに基づいて事件解決を支援するのだという。刑事の直感を信じるキャットと、刑事の直感など根拠のない思い込みにすぎないと切り捨てるロック。相反するふたつの頭脳が火花を散らし挑むのは、ありふれているようで、どこか異様な未解決失踪事件……。英国推理作家協会賞受賞、二十一世紀の最前線をゆく傑作警察捜査小説!/解説=村上貴史
  • 怪談ぐるい
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    読んでいるあなたにも なにかが起きる…… 閉めても閉めても開く襖、 箱の奥から覗くもの、 どこまでも追ってくる音 6代目怪談最恐位「怪談と結婚した女」が贈る恐怖43篇 夏の夜に迷い込んだ田んぼの中の不思議な道。 マンションのゴミ箱に潜む怪。 深夜の海岸に停めた車にだんだんと近づいてくる男の正体。 何度閉めてもうっすら開くふすま。 コンコン…夜中の集落に響くノック音が連れてくるもの。 お盆の仏間から消えた豆大福。 古びた階段で話しかけてくる血まみれの女。 「もしかしたら感染ってきてるかもね」 気づくと日常の隣にそっとある怪――後戻りできない呪いに震える実話集43篇。
  • こころのカルテ 潜入心理師・月野ゆん
    4.0
    潜入心理師、人の心の「核」に触れる。 横浜みなと大学病院で働く月野ゆんは、精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師だ。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、ゆんの憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、ゆんは今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。 ゆんには、患者の心の「核」がどこにあるかがわかる不思議な力があった。幼いころに母親から「あんたなんか、産むんじゃなかった」と言われた記憶、いじめに加担してしまった記憶、夫の不倫発覚など、ゆんたちが対峙する患者の心の「核」は様々だ。まだ新しい資格で成り手が少ないなか、ゆんがこの仕事を志したのには、実は理由があって──。 「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める元看護師の著者、待望の最新作! (底本 2025年3月発売作品)
  • 人魚のあわ恋
    4.3
    1~2巻770~800円 (税込)
    「わたしの幸せな結婚」シリーズ累計800万部 顎木あくみの帝都を舞台にした新シリーズ始動! 夜鶴女学院に通う天水朝名16歳。 手首に浮かんだ痣のために家族から虐げられていた。女生徒たちが新しく赴任する美男子の国語教師・時雨咲弥の話題に花を咲かせる中でも、ひとり距離を置く。 そんな朝名に思いがけない縁談が舞い込む。薬問屋を営む天水家に好都合な話で……。 帝都を舞台に新たな和風恋愛ファンタジーが始まる!
  • 珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を【電子版イラスト特典付】
    4.0
    1~9巻712~840円 (税込)
    女性バリスタの趣味は――謎解き!理想の珈琲を追い求める青年が、京都の一角にある珈琲店「タレーラン」で、のっぴきならない状況に巻き込まれて……。魅惑的な女性バリスタが解き明かす日常の謎の数々。第10回『このミステリーがすごい!』大賞最終候補作に、全面的に手を入れて生まれ変わった、編集部推薦の「隠し玉」。
  • 母にさよならを言えなくて
    3.0
    1巻1,727円 (税込)
    自死遺族の著者が描く、渾身の家族小説。 娘と夫と幸せに暮らす主婦の未来。しかし、彼女にはある悩みがあった。それは近所に暮らす母・美香子との関係だ。未来は幼少期から美香子の過度な期待と愛情に縛られ、複雑な想いを抱いていた。 そんなある日、未来のもとに父から電話が入り、美香子が首を吊り亡くなったと知らされる。自分が冷たくしたせいで、母は死んでしまったのではないか。大きな悲しみと後悔が未来を襲う一方、彼女はなぜか、安堵の念も抱いてしまい――。 大切な人の死と残された家族を襲う深い罪悪感と喪失感。自死遺族の著者が心の傷と向き合い描いた、渾身の家族小説。
  • あなたに
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 矛盾を抱えて生きるあなへ──、人生をともに歩む詩、絵本化。・詩人・谷川俊太郎氏の母校で、1968年から卒業式で朗読され続けている詩「あなたに」を待望の絵本化!・火・水、人間の持つ矛盾を通して、生きることの根源を描いた詩に、日本絵本賞受賞作家・ザ・キャビンカンパニーが新たな生命を吹き込む。・人生の節目や困難な局面で手に取るたび、前へ進む勇気と力を与えてくれる美しい一冊。詩人・谷川俊太郎氏の母校で1968年から卒業式で朗読され続けている詩「あなたに」が、待望の絵本化。火と水、人間の持つ矛盾を通して生きることの根源を描いた美しい詩に、日本絵本賞受賞作家・ザ・キャビンカンパニーが新たな生命を吹き込みました。人生の節目や困難な局面で手に取るたび、前へ進む勇気と力を与えてくれる一冊。矛盾を抱えて生きるすべての人に贈る、人生をともに歩む詩絵本。
  • こわいものがうつる
    3.3
    遠方から会社に持ち込まれたのは、凄惨な死をもたらす土産物/「穴があるので入ります」……SNS上の奇妙な投稿からはじまる地獄への誘い/ある地方の県警内部で語り継がれる、忌まわしい呪縛の物語/新築の家に隠された、執念と技術が実現する死の構造/次々に起きる惨劇。神棚に祀られているものは、ほんとうは……/子供たちが夜、歩く。歌い継がれるおぞましい記憶……気鋭の語り手たちがあなたに贈る6つの恐怖譚。
  • ラザロの迷宮(新潮文庫)
    4.2
    1巻1,265円 (税込)
    作家の月島は謎解きイベントに参加するため、湖畔の洋館を訪れる。集まった8人に案内役は連続殺人事件を予告。しかし、それは単なるゲームの趣向ではなく、彼らは惨殺死体を目の当たりにする。一方、所轄刑事の美波は、署に飛び込んできた血まみれで記憶喪失の青年の事情聴取を担当することに。彼の記憶回復のため催眠術による捜査を試みるが……。二つの事件が交差する傑作サイコ・ミステリ。(解説・我孫子武丸)
  • ねむりねずみ
    3.0
    「ことばが、頭から消えて行くんだ」若手歌舞伎役者の中村銀弥は、役者生命を奪いかねない症状に苦しんでいた。妻の一子は文芸誌記者の男性に惹かれている後ろめたさを抱えつつ、夫を気遣うことしかできない。その約二カ月前、銀弥の亭主役を務める花形役者・小川半四郎の婚約者・河島栄が、「絵本太功記」を上演中の劇場内で殺された。衆人環視の状況で胸元を刺されたはずが、犯行を目撃した者は名乗り出ないという。梨園を巻き込む事件を調べ始めた大部屋役者の瀬川小菊とその友人である私立探偵の今泉文吾は、いかなる真相に辿り着くのか。/解説=西上心太
  • 怪物を捕らえる者は
    4.8
    聖母マリアの祠の裏、雪の下から16歳の少女の遺体が発見された。遺体や服からアフガニスタン人移民の青年のDNAが見つかるが、刑事オリヴァーとピアが事情聴取をする前に彼は消えてしまった。有力な手がかりが見つからず捜査が難航するなか、数日後の夜に、田舎道で男が車にはねられて死亡する。男は裸足で、体には動物の咬傷や拷問の痕があった。彼はどこから逃げ、誰にこんな目に遭わされたのか――。ふたつの事件の捜査から導き出される、ドイツ警察を揺るがす史上最悪の真相。とてつもない急展開を見せる、大人気警察小説シリーズ。/解説=上條ひろみ
  • 奈良千夜一夜物語
    4.6
    ■金の小野 別れ話で口論となり、彼氏を奈良公園近くの猿沢池に突き落とした大学生の霧江。すると池から奈良時代の采女装束の女が現れ、彼女に選択を迫ってくる。「あなたが落とした彼氏は――」 ■「私メリーさん、今から奈良県十津川村へ行くの」 グラフィックデザイナーの俺は、フリーランスへの転身を機に奈良県十津川村へと移住した。東京のワンルーム暮らしとは別世界の、のんびりとした生活に少しずつ馴染んできた矢先、スマホに非通知の着信が。「私メリーさん。いま、東京駅にいるの」 ■シンデラレン 冴えないホテルマンの新出礼助は、家族との冷え切った関係に悩みながら夜の東大寺を歩いていた。大仏殿の東側に「猫段」と呼ばれる石段があり、ここで転んだ人間は猫になってしまうという。そんな伝説を思い出した礼助が、鳴り響く鐘の音に合わせて石段を登り始めたところうっかり足を滑らせて――。 ■逆杜子春 大手ゼネコンの社長・御子柴俊春は、筋金入りのミニマリスト。しかし社長という立場が彼の理想を妨げていた。ある日、藤原宮跡で出会った僧侶のような老人が、俊春の「理想の暮らし」を叶える方法を告げる。「今日の午後三時ちょうどに、お前はきっと、お天道様の下に立っとるはずや。そのとき、自分の影の頭に当たる場所を、思いっきり掘れ」
  • 夢食み探偵と眠れない小説家
    4.0
    不条理で凄惨な悪夢。地獄の先で小説家と探偵が出会うものとは!? 専業小説家・浅岸真宵。彼女は極度の不眠に悩まされていた。 彼女は『眠りの専門家』として夢食み探偵・壊夜うつつについて聞き、彼のもとを訪ねる。 不思議な探偵は、ある提案をする。 安らかに眠りたいなら、地獄を巡るしかない。そのために自分の助手となること。 真宵は彼の手を取り——地獄巡りが開始された。 文学作品をなぞるがごとき、悪夢の数々。 不条理で歪な地獄の底にて、真宵の見つける真実とは——。 ●目次 第零夜 私たちは、夢を織り成す糸のようなものだ 4ページ 第一夜 胡蝶の夢 20ページ 第二夜 胎児よ、胎児よ、何故踊る 78ページ 第三夜 銀河鉄道の夜 148ページ 第四夜 夜のゆめこそまこと 202ページ 第五夜 浅茅が宿 263ページ 終夜 夢十夜 309ページ 浅岸真宵著『夢食み探偵と眠れない小説家』第五巻 最終章より抜粋 322ページ ●著者 綾里 けいし(あやさと けいし) 2009 年、『B.A.D - 繭墨あざかと小田桐勤の怪奇事件簿-』で第11回エンターブレインえんため大賞小説部門優秀賞を受賞。同作を『B.A.D.1 繭墨は今日もチョコレートを食べる』へと改稿・改題し、翌年の2010 年にファミ通文庫よりデビュー。『異世界拷問姫』シリーズ『魔獣調教師ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき』(KADOKAWA)、『魔女の愛し仔』(星海社)、『偏愛執事の悪魔ルポ』『人喰い鬼の花嫁』(講談社)、『夜獣使い──黒き鏡』(早川書房)、『悪役令嬢について』(小学館)など、著書多数。
  • つくろうひと
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    幼い日に父が亡くなり、母は都会に出奔、ひとり残された少女・章は、書店を営む祖母に預けられる。そこには同い年のいとこ、萌音がいた。親元から離れて育ったふたりは支え合って暮らしていたが、ある日、章は事故で深い傷を負う。眠り続ける病院のベッドを抜け出した章の魂は、永遠を生きる人魚の手によって悲しい記憶が「つくろわれる」不思議な世界にたどりつく。明滅する生命の輝き、遥かな時をつむぐファンタジー。
  • 涯しない影に
    4.0
    私立高校の国語教師・八木透が、自宅アパートで刺殺体となって見つかった。事件当日、八木と一緒にアパートへ入る「制服姿の女の子」を見たという目撃証言が浮上し、学校も父母もマスコミも大騒ぎに。ところが当の生徒たちは口を閉ざし、婚約者は「何も知らない」と言い張る。そこに現れたのは、八木から金を借りた同級生、事件を大事にしたくない学園長、八木と関係を持っていた保護者……。誰が嘘をついているのか? それとも――みんなが嘘をついている? 日常に隠された小さな秘密がすべてを狂わせていく、本格サスペンス。
  • DANGER
    4.2
    1巻2,530円 (税込)
    世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、編集者の水野果耶と記者の長瀬一平。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語る過酷な戦争体験は、二人が思ってもみなかった縁を掘り起こしてゆく。芸術と戦争を通し、過酷な運命に希望を見出す人々に迫った、入魂の輪舞曲(ロンド)。
  • あわのまにまに
    3.0
    9歳の夏休み。あたしはママに連れられ、おばあちゃん家の片づけを手伝うはめになった。 ママとは険悪な関係の叔母・操ちゃん、年上のいとこたち。みんなの話の断片を繋いで気づく。 うちの家族は「ふつう」とはちがう――。23歳上の兄・シオンは彼氏のところに家出中だし、おじいちゃんは2人いた。 この家には、どれだけの秘密が眠っているんだろう――?   2029年から1979年まで遡りながら、ある家族の真実が明かされてゆく。 見えてくるのは、これ以上ないくらい切実な秘密。逆クロニクル・サスペンス!
  • 罪人に死を
    3.0
    帰郷した男を待ち受ける、脅迫、失踪、殺人事件 幼馴染と不倫中の男に届いた不倫を咎める手紙。相手の夫の仕業と疑うも、夫は殺され、幼馴染も失踪してしまう。エドガー賞受賞作
  • 霞町物語 新装版
    4.0
    僕はこの町で学び、恋を覚えた かつて霞町と呼ばれた麻布界隈を舞台に、著者自身の青春を綴る傑作。 青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。そこが僕らの故郷、霞町だ。あのころ僕らは大学受験を控えた高校生で、それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。浅田次郎が初めて書いた、著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活。感動の連作短編。 試験問題出題、朗読会での使用数、浅田作品中No.1、圧倒的人気を誇る名短編集!
  • 源さんの味噌汁
    4.0
    生まれつき耳が聴こえない捨て子のゲンさんは生きる意味すら知らない物乞い。御家人だったソウさんは、視力を失ったことで妻娘と離別、過去を捨てた按摩。あることをきっかけにともに暮らすことになった二人は、お互いの不自由を補い合いながら日々を過ごしていたが、生活の厳しさは増すばかりだった。そんなある日、思いがけずも女の赤ん坊を拾ったことで二人に生きる歓びが訪れる。赤ん坊を育てながら江戸両国で小さくも味が評判の味噌汁屋を営むこととなった二人だったが、それはさらなる試練の始まりでもあった……厳しい境遇に生きる人々の絶望と希望を、温かくも透徹した眼差しで描き切る傑作時代小説!
  • いつかニルヴァーナで
    4.3
    あなたは、罪を犯したことがありますか? そして、その罪を今でも後悔していますか? 早坂千弦はアイドルグループ『クインテイル』の熱烈なファンだった。推しの瑠璃香にはどんな時でも幸せでいてほしい、それだけを願っていたのに、その願いは叶わなかった――千弦が目を覚ますと、真っ白な空間に一人の女性が立っていた。神使と名乗るその人物は、千弦が二十七歳で死んだという……『レゾンデートルの祈り』の著者の新たなる地平。人間の罪と死に、深く真摯に向き合った祈りと再生の物語。 今村翔吾さんプロデュース、「秘境の文筆家」(宮崎県椎葉村)プロジェクトから生まれた第一弾、魂がうち震える長篇小説。
  • トーマス・マンはなぜ日本で愛されるのか
    4.0
    生誕150年、没後70年記念出版 トーマス・マンの作品は日本で繰り返し翻訳されている。大長編『魔の山』はこれまでに七人の翻訳家によって訳出され、代表作のひとつ、『トーニオ・クレーガー』にいたっては、この100年間で日本で17人の訳者によって翻訳され、刊行されているという事実が本国ドイツで驚きをもって伝えられた。なぜこれほどまでに日本で人気があるのか。 23歳で初の短編集を出版したノーベル文学賞作家の魅力はなんなのか。同じく23歳で芥川賞を受賞した日本のふたりの小説家が、ドイツの記念式典にも招待される世界的に著名な研究者とともに、文豪マンの作品について語り尽くす。 マンは1875年に北ドイツのリューベックに生まれ、1955年にスイスのチューリヒで死去。2025年は生誕150年を祝う式典が世界各地で行なわれ、ドイツでは四日間開催され、大統領も出席したという。なぜそれほどまで愛されるのか。 本書には、九州大学で行なわれた生誕150年記念講演およびその後の鼎談を収録するほか、マンが日本の知人に宛てた五つの書簡の翻訳も掲載。略年表やブックガイドも完備。トーマス・マンを味わい尽くす一冊。 [目次] トーマス・マンについて 小黒康正 トーマス・マン略年譜 小黒康正 日本の一愛読者 トーマス・マンと三島由紀夫 平野啓一郎 トーマス・マン生誕一五〇年記念講演会  新訳『トーニオ・クレーガー』への挑戦 小黒康正  ゲーテに倣いて トーマス・マンと『ゲーテはすべてを言った』 鈴木結生  芸術とその〝重み〞『 ファウストゥス博士』より 平野啓一郎 鼎談 講演を終えて 小黒康正×鈴木結生×平野啓一郎 私のゲーテ(西日本日独協会講演) 鈴木結生 トーマス・マンの日本人宛て五書簡 小黒康正訳 新訳『魔の山』への挑戦? 小黒康正 おわりに 小黒康正  コラム 小黒康正   日本におけるトーマス・マン受容   トーマス・マン研究と九州大学   『トーニオ・クレーガー』か『魔の山』か?   トーマス・マン文学のための登山ガイド
  • 「フランス文学」はいかに創られたか:敗北から国民文学の形成へ
    5.0
    1巻2,475円 (税込)
    敗戦の先に見えた文学のかたち 世界文学が話題になる今日、国民文学や文学史の誕生を問いかける試みは時代錯誤に思われるかもしれない。 他方、近年のナショナリズムの高まりや排外主義の台頭は見逃すことができない広がりを見せている。 こうした状況は、国民国家=国民文学という図式に再考をうながす。情報のグローバル化と文化のナショナリズムは矛盾しない。そもそも文学にはそれなりの自立性が備わっており、国民国家に容易に回収されるものではないのだ。 本書はこうした問題意識から「フランス文学」の誕生とその形成を解明してゆく。 まず確認できるのは、フランス革命下、「文芸」が「文学」に変貌し、文学が社会の表現であるという共通了解が醸成されてくることだ。 さらに特筆すべきは、普仏戦争の敗北を受けた第三共和政のもとで「フランス文学史」が、修辞学や批評、歴史学と競合しながら彫琢されていったという事実である。 そこには国民の立ち上げという文脈に解消できない、ゆたかな地平が広がっていた。〈戦後民主主義〉としてのフランス文学史の発見! 【目次】 序章 近代文学、国民国家、文学史 加藤周一『日本文学史序説』の意義/文学の終焉?——柄谷行人/ 国民文学から文学史へ/本書の構成 第一章 日本の「世界文学全集」とフランス文学 世界文学の多様化/国文学の誕生/世界文学全集の時代/ 河出書房版『世界文学全集』/中央公論社版『世界の文学』/ 集英社のシリーズ/池澤夏樹編『世界文学全集』の新しさ/ 審問に付される正典 第二章 世界文学からフランス文学へ ゲーテと知的共同体のユートピア/現代の世界文学論/ ダムロッシュ『世界文学とは何か?』/フランコ・モレッティ『遠読』/ パスカル・カザノヴァ『世界文学空間』/世界文学論と日本——批評と教育 第三章 「国民文学」の誕生   文学 littérature が意味するもの/『フィクション試論』と小説の擁護/ 文人から作家へ/スタール夫人『文学論』の基本構図/ フランス文学の特質/文学のジェンダー性、すでにして/ 文学と改善可能性/『文学論』の価値とその後/ 文学は社会の表現である——ボナルド/ドイツ・ロマン派の文学観 第四章 文学史の成立とその争点   外国文学へのまなざし/歴史的な思考の台頭/ アンペールの「国民文学」宣言/文学と国民史/ 文学史以前の文学講義——ラ・アルプ、ヴィルマン、ニザール/ 忘れられた文学史家タイヤンディエ 第五章 中等教育における文学史と歴史学   第三共和政下の教育改革/ラテン語vsフランス語/ 中等教育におけるフランス文学史/ ルベーグ『フランス文学選集』の射程/ヴィクトル・ユゴーの特権性/ 十九世紀文学の飛躍/歴史学と中等教育/『二人の子どものフランス巡歴』 第六章 フランス第三共和政下の人文学の再編    第三共和政とは何か/普仏戦争の衝撃——ルナンとテーヌ/ エミール・ゾラの歴史認識/総合大学 Université の再生に向けて/ モデルとしてのドイツ/改革の具体策/大学改革と人文学の再構築/ 知的プロレタリアートの不満 第七章 ギュスターヴ・ランソンの試み   歴史学を前にした文学史/ランソン『フランス文学史』とその意図/ ランソンに何が欠落しているか/ランソンの原理/文学史の政治性/ 他の学問分野へのまなざし——歴史学と社会学/ランソンの先見性 終章 現代のフランス文学史   フランスで刊行された文学史/日本のフランス文学史/ 作家の地位の変遷/諸外国で刊行されたフランス文学史/ 文学史の未来に向けて あとがき
  • 大学教授のように小説を読む方法[増補新版]
    4.0
    小説好き必読の一冊がパワーアップして再登場! 筋を楽しむだけでなく、深く読み解くために シェイクスピアや聖書の引用、天気や病気の象徴的使い方、性的暗喩、隠された政治的意図…。小説の筋を楽しむだけでなく、一歩踏み込んで読み解くための27のヒント。 ひと味違った文学の楽しみ方 小説好き・文学部の学生必読の1冊がパワーアップして再登場! 英米文学を読むのに、ギリシア・ローマ神話、聖書、シェイクスピアの知識は欠かせないといわれる。ではてっとりばやく知識を仕入れればすむかというと、話はそう単純ではない。読者がなにげなく読み流している文章の中にも、それらの要素は象徴やアイロニーとなって潜んでいたりし、見抜くにはコツが必要だ。本書は長年にわたって文学を教えてきた教授が、学生や一般読者のために、そうしたコツを惜しげもなく伝授すべく書いた解説書である。はじめにあげた3項目はもちろん、天気や病気の象徴性、性描写の意味、隠された作者の政治的意図など、象徴やパターンの読み込み方が、豊富な実例に作品のあらすじをまじえ、27章にわたって説明されている。 まるで授業を聞いているような生き生きとした語り口と、時には有名な映画の一場面も例に挙げる親しみやすさから、本書の旧版はアメリカでロングセラーになった。『老人と海』をはじめとするヘミングウェイの作品や、『デイジー・ミラー』、エドガー・アラン・ポーの作品など、おなじみの小説の違った顔が見えてくる1冊。 [目次] まえがき   プロローグ いったいどうやったんだ?   1 旅はみな探求の冒険である(そうでないときを除いて)   2 あなたと食事ができて嬉しいです──聖餐式の行為   3 あなたを食事にできて嬉しいです──吸血行為   4 たしかどこかでお会いしたような   5 疑わしきはシェイクスピアと思え……   6 ……さもなければ聖書だ   7 ヘンゼルディーとグレーテルダム   8 ギリシア語みたいにちんぷんかんぷん   9 ただの雨や雪じゃない   10 ヒーローのとなりに立つな   幕間 本気でそんなことを? 11 お前も痛いだろうが、パパのほうがもっと痛いんだよ──暴力について   12 それって象徴ですか?   13 それは政治が決めること──文学の中の政治   14 そう、彼女もキリストのイメージなんだ   15 空想は空を飛ぶ   16 すべてセックス   17 セックスシーンだけは例外   18 浮かび上がったら洗礼   19 地理は重要だ……   20 ……季節も   幕間 ストーリーはひとつ   21 偉大さのしるし   22 目が見えないのにはわけがある   23 ただの心臓病じゃない……そして病気にはたぶんウラがある   24 目で読むな 25 それがぼくの象徴だ、しかも泣きたければ泣くさ   26 まじで? アイロニーについて   27 テストケース   終幕 仕切っているのは誰?   結びの句 付録 おすすめ本リスト   謝辞   訳者あとがき
  • あの子のかわり
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    親友が妊娠した。私と同じ、子どものいない人生だったはずのあの子がーー。作家デビュー10周年記念、紗倉まなの新たなる代表作! 「ここに書かれているのは、狂気と正気の狭間ではなく、狂気と正気の甘やかなマリアージュだ。その破裂の先にある世界に、読者は目を見張るだろう。」 ──金原ひとみ 〈「赤ちゃんできたんだよね」と言ったのは有里奈だった。別に衝撃は受けなかった。ただ、有里奈は随分と面倒くさい人生を選ぶんだなあと思っただけで。〉 ヘアメイクとして活躍する由良。かわりばえしない日々に倦怠を感じながらも、このまま仕事に邁進しつつ、夫と共に愛犬を育てる人生が続いていくと思っていた。 そんな中、独身の親友・有里奈から妊娠の知らせが飛び込んできて……。 ■全国書店員から共感、驚嘆の声が続々! 「やられた。そうなんです。 誰もが陥るかもしれない苦しみ、向き合わざるを得ない女性としての人生が描かれていた。」 ──山中真理(ジュンク堂書店 滋賀草津店) 「等身大の私たちの、等身大の心の動きを誠実にすくい上げた一冊。 性別を問わず、多くの人に読んでほしい作品です。」 ──新井沙佑里(紀伊國屋書店 新宿本店) 「結婚する/しない、産む/産まない。この選択で一気に関係性が変化する。 このどうしようもない感覚を紗倉まなさんはこの作品で的確に言語化してくれた。 「そう。そうなんだよ。そうなんだよね」って何度も読みながら頷いてしまった。」 ──後藤亜衣理(ブックファースト 梅田2階店) 「とても大事なことが書かれていると本能的に感じさせる力を持った小説。 男性は、絶対読んだ方がいいし、これを読んで何も感じない男性はやばいと思う。」 ──江藤宏樹(広島 蔦屋書店 文学コンシェルジュ) 「ものすごく共感して身体中が痛かったです。 刺さる人にはしぬほど刺さる物語。」 ──渡部知華(TSUTAYA サンリブ宗像店)
  • 暗黒の瞬間
    4.7
    30年以上のキャリアに幕を引くことを決意した、ベルリンの刑事弁護士エーファ。凄腕で知られる彼女は、多くの忘れがたい事件を手がけてきた。11人が被告人となった裁判で1人だけ無実の者がおり、全員がそれは自分だと主張している。1人を救うため10人を無罪とすべきか。厄介だがよく議論される類の事件だと思われたが……。ひとつの証言、発見、弁護活動でその姿が一変する平凡な裁判、そして異常な裁判――。驚異の新人による、息を呑むような完璧なる連作短編ミステリ!
  • 生を祝う
    4.0
    1巻880円 (税込)
    生まれてくるか、こないかを自分で決められるならば、あなたは、この世界に生まれてきたいですか? 子どもを産むためには、その子からの出生同意が必要となる世界を舞台にした、芥川賞受賞作家による衝撃作。《解説・朝井リョウ》
  • キッズ・アー・オールライト
    4.5
    祖母の介護に追い詰められSNSで助けを求めるヤングケアラーの少女、ストリートに生きる日系ブラジル人の少年、NPO法人で子どもを見守る青年――。この国の片隅で生きる、声なき子どもたちの声をすくい取る、傑作社会派エンタメ小説。《解説・久田かおり》
  • あなたの命綱
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    日本人は二人に一人ががんになると言われる現在、できることならがんは治る時代になったと世間に伝えたく、ノンフィクション作家の中道颯子は『がん患者の命綱』を執筆するため取材を始めた。 担当編集者の岡村誠二とともに、TML社主催の福沢倫也CEOの講演会「新時代のがん医療――唾液サイトカイン検査が拓く未来」を聞き、社長室室長の小早川蝶子を介して取材をした。  TML社はがんの悪液質を引き起こすサイトカインの検査で、急成長を遂げた医療ベンチャー企業。しかし、その異常な内情が「週刊文砲」に暴かれ、颯子は疑念を抱く。  そんな折に新聞社時代の後輩で親友の林田愛美が、ステージ4の肺がんで標準治療を受けたが、副作用に苦しむ。AIメンター(助言者)の勧める、代替療法に次々とはまった。颯子は本のために、がんの四大治療の取材をはじめる。 「目次」から 第一章 人はなぜがんで死ぬのか 第二章 マイ・ライフ 第三章 百花繚乱の失望 第四章 がんでも死なない
  • 粉瘤息子都落ち択
    3.8
    第49回すばる文学賞受賞作。異形の青春小説誕生! 「本当に久しぶりに、ただただ面白い小説を読んだ」金原ひとみ氏「もっとも読む快楽を感じた」岸本佐知子氏(選評より)  上司のパワハラで退職し、アパートに引きこもっていた野中。ある時、大学時代の友人・忍から「毎月10万渡すからスト6の対戦をしてくれ」と謎の提案をされる。以来、月1のメンクリ通いと週4の忍とのオンライン対戦、そして、毎日最寄りの自販機でマウンテンデューを買ってはふらふら散歩する日々を過ごしていた。九州の実家では父親が病気で死にかけていて、母親からは早く帰るよう懇願されている。“都落ち”が近づくある日、いつもの自販機に貼られた、意味不明な文章が印字されたテープと出会う。[じゃあ一生オマトゥマヘーオマヘマンヘーっつてろよ]野中は、自分の粉瘤の血が飛び散ってしまったそれを【呪物】としてフリマアプリに5000円で出品。すぐに落札されたことをきっかけに、野中は更なる混沌に巻き込まれていく――。だるくて切実、くだらないのに沁みてくる、令和最強の“底辺”青春小説。
  • 90メートル
    4.7
    1巻800円 (税込)
    山時聡真・菅野美穂主演 映画『90メートル』(2026年3月27日[金]公開)ノベライズ。 山時聡真(『君たちはどう生きるか』)×菅野美穂(『ディア・ファミリー』)W主演! 『か「」く「」し「」ご「」と「』新進気鋭の監督・中川駿、初のオリジナル脚本を映画化。 〈物語〉 小学生の頃からバスケットボール一筋だった佑(たすく)。高校2年のとき、母・美咲が難病を患ったことで、母子家庭で育った佑はバスケを辞め、美咲の世話を優先せざるを得なくなる。 ヘルパーの支援はあるものの24時間体制ではないため、佑が美咲のケアをしながら家事をこなす日々を送っていた。 高校3年生になった今、東京の大学に進学したい気持ちはあるが、美咲を一人にするわけにはいかず、常に手元にある呼び出しチャイムの音が、佑の心に重くのしかかる。その看病が一生続くかのように、自分の夢や希望はすべて諦めかけていたある日、担任の先生から自己推薦での受験を勧められる――。   人生の岐路に立つ高校生の息子と、難病を抱えながら我が子の希望ある明日を願うシングルマザー。 複雑な想いを抱える親子の絆と揺るぎない愛を綴った感涙物語。
  • コウノトリとんだ
    4.0
    『あしたの名医』著者、感涙の最新作 ●「あしたの名医」シリーズが話題!  再注目の医師作家が放つ涙と希望の医療エンタメ 新人助産師のまゆは大学で優秀な成績を修めながら、 生い立ちに由来するトラウマが原因で出産介助ができない。 指導役の亜美とともに妊婦に寄り添い、 出産をめぐる様々なトラブルに立ち向かうまゆだったが、 妥協を許さぬ亜美には 「かつて新人を潰した」という噂が――。 現役産婦人科医が描く感動の医療エンターテインメント。
  • ジェンダー・クライム
    4.1
    死んだ男の息子は集団レイプの加害者だった ジェンダー・クライムの連鎖を断ち切れ! 罪と罰と赦しを問う、著者ならではのノンストップサスペンス 八王子南署刑事課の鞍岡直矢の元に、殺人事件の一報がもたらされる。殺されたのは54歳の男性、佐東正隆。裸に後ろ手で縛られた遺体には、肛門に擦過傷と、「目には目を」というメッセージが残されていた。 浮かび上がったのは、佐東の息子・進人が3年前に起こした集団レイプ事件。 昔気質の強行犯係の猛者・鞍岡は、バディとなったどこか掴みどころのない警視庁捜査一課・志波倫史と共に事件を追うが、最重要人物だったレイプ事件被害者の兄・竜介が姿を消し、曰く付きの元警官・伊崎が接触してきて……!? 佐東殺しの犯人は誰なのか? そして、隠された志波の過去とは? 「ジェンダー・クライム」とは――DV、痴漢、盗撮、虐待、同意なき性行為、児童買春、ストーカー行為や暴力、女性を狙った無差別な攻撃、性に関する偏向した考えや性文化に起因する犯罪、著者はジェンダー・クライムと名付けた。 単行本 2024年1月 文藝春秋刊 文庫版 2026年2月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 観測記録
    5.0
    1巻1,980円 (税込)
    舞台は“扉”で物語世界を“観測”する研究室。 研究員Jは、物語から現実世界に迷い込んだ盲目の少女と日々を共に過ごすことになる。 少女を元の世界に帰すという大義と、少女を救いたいという個人的な感情の間でJは葛藤する。 少女の言葉は、フィクションか、現実か。 “観測者”の貴方がその結末を選ぶ。 【目次】 01 約束の海 02 “観測” 03 件の少年 04 包帯 05 星見の塔 06 散歩 07 鋏の音 08 其々 09 匙ノ咒 10 反目 11 未題 12 現実 【出版社からのコメント】 r-906さんの小説家としての魅力は、情景描写の美しさと、設計の緻密さにあると感じています。 作詞の力を活かした耽美な文章に、音や風、香りを感じながら、気づいたらSFとしての大きな渦に呑み込まれている感覚。 中盤からがらっと世界が変わっていく仕掛けにも驚かされました。 眠れない夜更けに、満たされない朝方におすすめの一冊です。 ※カバーデザイン等は予告なく変更になる場合がございます。
  • 幽民奇聞
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    明治新政府軍の来襲で家族や友人を失った二本松藩の少年タキは、人並外れた強さをもつ怪しげな「キ」と名乗る一団に窮地を救われ、秋姫という目の見えない老女の家に匿われることになる。理不尽な命令ばかりする秋姫と衝突してばかりのタキだったが、やがて奇妙な絆が生まれ始める。だが、政府軍の魔の手が再び迫り……(「鬼婆図探訪」)。その他、人語を話す大猿が書いた幻の書「狒々日記」をめぐる回想と証言を描く「夢狒々考」、争乱と復讐に満ちたとあるキの激動の半生「最後のキ」など全四編を収録。若き民俗学者・鶯谷玄也が、文明開化と共に姿を消した歴史の闇に生きる集団「キ」の痕跡を追う連作集。
  • 竜血の一族
    4.0
    1巻1,078円 (税込)
    北の鉱山を舞台に、圧倒的筆致で綴られた哀切な昭和ロマン 昭和13年、北海道東部――鉱山技師の那須野寿一は、巨大な水銀鉱床と地図にない村を発見する。〈フレシラ〉という名のその集落には、謎めいた一族が暮らしていた。 鉱夫となったフレシラの若者アシヤ。寿一の息子で、水銀に魅せられた源一。太平洋戦争、朝鮮戦争特需、水俣病の公害問題……昭和の動乱に翻弄された二人の青年と数奇な一族の波瀾万丈を描く、壮大かつ幻想的な大河ミステリー。『竜血の山』改題。 【目 次】 第一章 赤い岩 ―昭和13年 第二章 水飲みたち ―昭和17年 第三章 不死身の鉱夫 ―昭和18年 第四章 冷たい山 ―昭和24年 第五章 ある母子 ―昭和26年 第六章 人間の血 ―昭和34年 第七章 湖底 ―昭和38年 第八章 飛ばない鳥 ―昭和39年 第九章 きらめく水のほとり ―昭和43年 〈巻末対談〉今村翔吾×岩井圭也
  • 言語の七番目の機能
    3.5
    記号学者・哲学者のロラン・バルトが大統領候補ミッテランとの会食直後の交通事故がもとで死亡。そして彼が所持していたはずのある重要な文書が消えていた。これは事故ではない! 捜査にあたるのはジャック・バイヤール警視と若き記号学者シモン・エルゾグ。二人以外の登場人物は、フーコー、エーコ、ドゥルーズ、ガタリ……といった綺羅星の如き面々。そして舞台はパリ、ボローニャ、イサカ、ヴェネツィア、ナポリへと……。言語の七番目の機能とは何か? 『HHhH』の著者による驚愕の記号学的ミステリ。アンテラリエ賞、Fnac小説大賞受賞作!/解説=吉川浩満
  • 夜が明けたら
    3.5
    〈りっちゃんが死んだ。寒さと痛みのなかで――〉。2024年、小説誌の編集部に届いた原稿には、学生運動が過熱した半世紀前、日本中を震撼させた事件で親友を亡くした大学生ジュンの日々が綴られていた。これはフィクションか、あるいは新たな事実か。駆け出しの編集者・二階堂ルルは、当時の報道と原稿に食い違いがあることに気づき、その真相を探る。見えてきたのは、自分自身の本当の心で――。1972年、ジュンの大好きな友だちが死んだ。打ちひしがれた彼女は、一風変わった人々が集まる「幸海荘」に転がり込む。大切な人の記憶に苦しみながらも日常を取り戻していくジュンが目にした、信じようのない光景とは。ここではないどこかに居場所を求めてもがく彼女たちの、激動の青春と小さな希望の物語。
  • 小さくも重要ないくつもの場面
    3.0
    いくつもの秘密は家族をどこへ連れていくのか 『マグヌス』で知られるフランスの著名な小説家が、互いの関係を模索する再構成家族の姿と秘密を詩的に描いた中篇小説。 幼い頃から母のいないリリは、赤ん坊の頃の自分の写真を見て、自分はいったいどこから来たのか、母はどこへなぜ行ってしまったのかと疑問を抱いてきた。父の再婚により、新たに四人の兄姉ができるが、継母ヴィヴィアンや異母兄姉との関係を模索しながらも心からは馴染めずにいた。 ある日、家族そろって出かけたピクニックで写真を撮るため、子どもたちはぎゅうぎゅうに身を寄せ合った。それが悲劇につながるとは知らずに……。 やがて兄姉たちがそれぞれの道に進んでいく一方、リリはどこへ向かえばいいのかわからず、左翼グループと共同生活をしてみたり彫刻に打ち込んでみたりするものの、どれも長続きせずさまよう。 タイトルが示すとおり、小さいがひとつひとつが何らかの働きや意味をもつ多くの出来事の連なりで構成されている。リリは愛する人を見つけ、自分の居場所にたどり着けるのか。知りたかった秘密は明らかになるのか。喪失を抱えながらも、時の重なりを感じ、自己や他者と向き合うことの尊さを静謐に描く。
  • 雫の街―家裁調査官・庵原かのん―(新潮文庫)
    3.8
    みんな、嘘をつきますから。心の内はわからない――。庵原かのんは、横浜家庭裁判所川崎中央支部の家裁調査官。離婚や相続など家庭内のさまざまな「家事事件」を担当している。彼女のもとに持ち込まれるのは、記憶喪失の男の身元確認、行方不明者の居場所探し、奇妙な離婚調停など一筋縄ではいかない案件ばかり。隠された秘密の先に待つのは、ほろ苦い真実か、微かな希望か!? 人気シリーズ第二弾。(解説・池上冬樹)
  • 神獣夢望伝(新潮文庫)
    4.0
    神獣を信奉する国・耀(よう)の小村から男が出奔した。彼の望みはただ一つ、軍で出世し大切な恋人を取り戻すこと。一方、いつのまにか村に居ついた少年もまた、夢に現れる景色を求めて旅に出る。愛と裏切り、戦乱と謀略――各々の思惑が交錯し、衝撃の運命に突き進む! 圧倒的なスケールと登場人物の鮮烈な生き方に息をのむ、激動の中華風幻想スペクタクル。日本ファンタジーノベル大賞2023受賞作。(解説・卯月鮎)
  • はくしむるち
    4.3
    1巻1,881円 (税込)
    デビュー作『月ぬ走いや、馬ぬ走い』で群像新人文学賞と野間文芸新人賞をダブル受賞した大型新人が、圧倒的な筆力で描く衝撃の長篇第一作! 暴力が支配する世界に、「ヒーロー」は現れるのか? 戦争の傷が刻まれたこの島で、新しい地図を描くための「戦い」がはじまる。 きみは沖縄に生まれ育ち、ウルトラマンに憧れるオタクになった。小中学校とエスカレートする「いじめ」を生き抜いたきみは、この島を分断する「壁」に向かって、ある「計画」を実行していく――。 沖縄の今を生きる少年少女と、80年前の戦場を生きた少年兵たち。ともに白紙のような彼らを呑み込んでいく巨大で残酷な暴力に、どう立ち向かうのか?現代と戦中戦後の時空を交差させて描く、鮮烈な青春小説にして、新しい世界文学の誕生!
  • 真珠とダイヤモンド(上)【毎日文庫】
    4.6
    1~2巻935~990円 (税込)
    バブルに呑まれた 女たちの〈青春残酷物語〉 実態なき熱狂の裏側を抉る傑作長編! 日本にバブルの兆しが見え始めた頃、二人の女が福岡・博多の証券会社で出会った。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出て暮らす夢を温めていた。美貌の佳那は男に夢を託しマネーゲームに身を投じ、生真面目な水矢子は、自力で脱出し、大学進学をかなえようとするが......。
  • 〔超入門〕コミック&解説 イケメン☆平家物語
    3.0
    1巻1,300円 (税込)
    本書は、ベストセラー『美人の日本語』の著者による女子のための平家物語案内。『平家物語』は、イケメンがたくさん登場する日本人に愛され続けてきた物語です。物語の流れを漫画で楽しくつかめる「超入門コミック」、美男子をずらりと揃えた「イケメン・ランキング」、恋の名場面を集めた「平家ロマンス劇場」など、様々な企画、たくさんのイラストと共に『平家物語』の華やかな世界を楽しむ一冊です。 【本書の主な内容】平家イケメン・ランキング/第1章 平家のスーパースター・清盛誕生!/第2章 清盛ファミリーの全盛時代/第3章 かげりゆく栄華/第4章 平家よ、どこへ行く?/第5章 激突! 源平サバイバル/第6章 大いなるエピローグ …and more!
  • 夢遊の大地
    3.7
    現代アフリカ文学の最前線を紹介する、新海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》第2回配本! 現代アフリカ文学最重要作家、モザンビーク出身のミア・コウトの長篇デビュー作にして映画化もされた代表作がついに登場! 長引く内戦に荒廃した東アフリカ、モザンビーク。 ひとりの老人と、記憶を失った少年が、戦火を逃れ、どこまでも続く道路を歩いている。 焼け焦げたバスの傍らで、彼らは血まみれの死体と殴り書きされた何冊ものノートを見つける。頁に残された男の名はキンヅ。文字の読める少年は老人にノートを読み聞かせはじめ、やがて物語はキンヅの遍歴とパラレルに進んでゆく。 現実とおぼしき老人と少年の世界、夢とも事実ともつかないキンヅの旅と人生。過去と現在が溶け合い、記憶と語りが幻想へと変容する。 果たして夢遊の大地に翻弄されるふたりの行き着く先は……。 その業績に対して、2007年にはアフリカ人としてはじめてラテン連合文学賞を、2013年にはポルトガル語圏でもっとも重要な文学賞のカモンイス賞を、そして2014年にはノーベル文学賞に次ぐ権威があるとされるノイシュタット国際文学賞を受賞。さらに2025年には、ポルトガル語圏の作家としてはじめてPEN/ナボコフ賞国際文学賞を受賞するなど、現在に至るまで精力的に詩・短篇・長篇・評論とさまざまな作品を発表し続けているミア・コウト。 ポルトガル語圏を超えて世界中で読み継がれている長篇デビュー作にして代表作がついに登場! ◉《アフリカ文学の愉楽》全6巻◉ 【編集委員】 粟飯原文子、桑田光平、中尾沙季子、中村隆之、福島亮 ◆アラン・マバンク(コンゴ共和国) 【第1回配本】 『割れたグラス』桑田光平 訳 バー"ツケ払いお断り"を舞台に繰り広げられる、酔いどれたちのめくるめく狂想曲! コンゴ共和国出身、現代アフリカ文学随一のヒップスターによる代表作。 『ヤマアラシの回想』桑田光平・福島亮 訳 その国には分身遣いがいるという―― 人間の〈分身〉として生き、殺人を定めとされた一匹の雄ヤマアラシが語る人間界の悲喜劇。 人間の内奥を抉り出す、マバンクのルノドー賞受賞作。 ◆ミア・コウト(モザンビーク) 【第2回配本】 『夢遊の大地』伊藤秋仁 訳 長引く内戦で荒廃したモザンビーク。 記憶喪失の少年とひとりの老人の幻想的な彷徨を、言葉遊びや詩的な描写を自由自在に駆使して、アフリカ的な幻想と現実が入り混じったイメージを浮かび上がらせる、カモンイス賞受賞作家のデビュー作にして世界中で読み継がれている代表作。 ◆サミ・チャック(トーゴ) 『エルミナ』福島亮 訳 キューバやメキシコなどのさまざまな場所を舞台に、魔性の美少女とそれに魅せられた青年の淫靡な実践の数々。 「アフリカのサド」の異名をほしいままにするサミ・チャックが、プラトンから山田詠美、さらには作中小説『エルミナ』まで、めくるめく引用を重ねながら綴る、悦楽と残酷に満ちた代表作。 ◆レオノラ・ミアノ(カメルーン) 『影の季節』粟飯原文子 訳 カメルーンのドゥアラを舞台のモデルに、口承によって受け継がれてきた大西洋横断奴隷貿易の起源に迫るフェミナ賞、メティス小説大賞受賞作。 ◆アクウェケ・エメズィ(ナイジェリア) 『フレッシュウォーター』粟飯原文子 訳 ナイジェリア南部に暮らすアダは気性の激しい扱いにくい子どもだった。イボの言い伝えによれば、精霊オバンジェとして生まれた子はたいてい幼いときに死ぬが、オバンジェのアダは生き延びて16歳で大学進学のために渡米する。やがてアダの中の精霊/自己たちが力を増していき、痛ましい事件の後、名前を持つ存在が前面に現れ、身体を支配するようになるが……。 「複数のわたし」と対話し、折り合いをつけることとはどういう経験なのか。 いま世界でもっとも注目される作家のひとり、エメズィの鮮烈なデビュー作にして自伝的小説。 PEN/ヘミングウェイ賞最終候補作。

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  • 神の蝶、舞う果て
    3.9
    1巻1,815円 (税込)
    「ときどき思うのよ。偶然って、本当にあるのかしらって。この世には、私たちには見ることも、思い描くこともできない複雑な糸がはりめぐらされていて、その壮大な布の中では、どれもが、あるべきところにあるとしたら……」(本文より) 降魔士の少年・ジェードは、神と魔物、光と闇が共に宿っているとされる、神聖でありながらも恐ろしい聖域<闇の大井戸>で、魔物から聖なる蝶を守る役目を負って暮らしていた。ある日、ジェードの相棒である少女・ルクランが、聖なる蝶が舞い上がって来る予兆の鬼火に触れる事件が起きる。他の降魔士たちと違い、なぜか、予兆の鬼火に激しく反応してしまうルクランは、聖域を守る者のなかで波紋を呼んでいた。自分がなぜ、そんな反応をするのかを知りたいと願うルクランと、ルクランを守りたいと思うジェード。それぞれの思いをよそに、ふたりは壮大で複雑な運命の糸に絡め取られていく。 1999年から2001年にかけて、上橋菜穂子の代表作である『守り人』シリーズの創作と並行して執筆されたこの物語は、のちの『獣の奏者』、『鹿の王』、そして『香君』にもつながる、作者の創作の軌跡を知ることができる貴重な作品でありながら、これまで書籍化されていませんでした。 この物語は、人と人との関係だけでなく、人間と他の命ある存在との繊細で複雑なつながりを描きたいという著者の想いから生まれました。 執筆から二十年以上の時を経て、円熟の域に達した著者の手で加筆修正され、力強くも美しい物語へと成長した物語が、ついに世界へと解き放たれます。
  • 少年とハリス
    4.0
    開国前夜。 肉親の愛に飢えた少年、日本の行く末を案じるアメリカ人総領事。 幕末動乱期に下田という港町で出会った二人の絆が、この国の運命を大きく変えてゆく…… 江戸時代末期の安政年間――捕鯨の補給基地確保と清国との交易を目指すアメリカは、その圧倒的な軍事力を背景に、強固な鎖国政策を敷く幕府と「日米和親条約」を締結。さらに4年後には「日米修好通商条約」を結んだ。しかし、この条約は天皇の勅許を得ない幕府独断での調印だったため、国論を攘夷強行派と穏健派に二分し、やがて安政の大獄、桜田門外の変へとつながってゆく。まさに幕末動乱の引き金となった条約だったが、果たしてそれは日本にとって真に不幸な出来事だったのか……? 日本の植民地化を狙うイギリス、プロイセン、ロシアといった列強諸国に対抗するため 下田へやってきたアメリカ全権、タウンゼント・ハリス。 その家僕として暮らしを支えた少年・滝蔵。 「日米修好通商条約」締結の裏に隠された異国人と少年の熱き友情の物語。 時代小説の俊英が幕末史に新たな光を当てる感動の歴史ロマン!!
  • あしたの肖像
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    自画像をライフワークとする美大三年生の小滝英哉は、教授からアルバイトを頼まれる。それは学内の事故で亡くなった彫刻家四年生・樺沢穂香の両親からの依頼で、肖像画を描くというものだった。故人を描くという難題を前に、穂香を知るため不可解な事故の原因を探ろうと小滝は関係者に話を聞く。その頃、周囲から天才と呼ばれていた同級生で、小滝の恋人でもある宇野ひなたが行方不明になっていた……。
  • 灰は灰~新宿探偵 鬼束啓一郎~
    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    定年退職を待たずに警察を辞め、新宿界隈で探偵稼業に勤しむ鬼束。ゴールデン街に繰り出すのが日課だが、自由な時間はそうはない。街を歩けば舞い込む厄介な依頼――あるヤクザの馴染みの女性の不審な死。バーで出会った男の失踪とその行方。刑事時代に対峙した苦い事件の残り火。鬼束は時に警察の手も借りながら真相に迫る。そんな彼を苛む胸中の“傷”とは? ノスタルジー薫る極上のミステリ中篇集!
  • たったひとつの冴えない復讐
    4.0
    復讐するのも、復讐されるのも、僕にしかできない――。 『襲名犯』で第59回江戸川乱歩賞を受賞し鮮烈デビューを果たした竹吉優輔の最新作! 私立恵堂学園に通う和泉七生は、2年生から特進クラスに編入を果たした。友人もでき、新しいクラスでもつつましく学園生活を送っていたが、ある日黒板に謎のQRコードが現れる。読み込むと、「ギン」という謎の人物による、櫛屋すみれへの過去のいじめを告発するという脅迫動画が映し出された。 告発までの期間は約1か月。だが、同時にいじめに関するクイズも出題される。 唯一の部外者である七生は探偵役を任命されるが、自分の過去の罪の意識から、復讐と贖罪の間でさまよい始める―― デビュー作『襲名犯』で不条理と再生を描いた乱歩賞作家の復活長編!
  • 読むこと考えること
    3.0
    養老孟司が折々に書き綴った思索の数々を九つのテーマへと編み分け。「読むこと」と「考えること」を往還しながら、物語に遊び、世相を眺め、虫に逃げられ、言葉に驚く──。解剖学者のユーモアと明晰な論理のメスが、物語のむこうに見える社会を鮮やかに切り開く。読むほどに、世界が前より少しだけややこしく、そして面白くなる一冊。
  • 敵前の森で
    5.0
    インパール作戦で敗軍収容任務についた北原は、戦後まもなく英軍から戦犯容疑をかけられる――捕虜の処刑と民間人に対する虐待。尋問に現れた英人大尉は、偽りを述べたら殺すと言い放ち、腹を探るような問いを投げかける。息詰まる心理戦のような尋問を通して北原は、戦時中には分からなかった敵の事情を知り、友軍将兵の秘めたる心を知り、やがて英人大尉がただの語学将校でないことを知る。戦場の「真実」を炙り出してゆく緊迫感溢れるミステリー長編。解説・石田夏穂
  • 叫び
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    聞いて欲しい人が一人おるんです。政と聖を描く芥川賞候補作。早野ひかるは「先生」に打ちのめされ、銅鐸と土地の来歴を学び始める。ここではかつて罌粟栽培と阿片製造が盛んで、満州に渡って「陛下への花束」を編み、紀元2600年記念万博を楽しみにしていた青年がいた。いつしか昭和と令和はつながり、封印されていた声が溢れ出す。大阪と大陸で響き合う夢とロマン、恋愛政治小説。
  • わたしが猫になろうと思った理由のいくつか
    3.0
    指を壊し、夢を絶たれた天才ピアノ少女の祈里。絶望の中、ふらりと立ち寄った神社で、彼女は謎の少年ケイと出会う。何を言っても淡々と返してくれる彼の言葉に安らぎを覚え、神社に通うようになった祈里はある日、ポツリと願いを漏らす。それは空虚で、思いつき程度のもので、それでいて絶対に叶うはずのないもの。しかし、突如現れた〈魔女〉と名乗る猫・ムーンによって、その願いは叶えられた――。これは少女が失ったものを取り戻し、本当の自分を見つけるまでの、ちょっぴり不思議な物語。
  • 歌人探偵定家 百人一首推理抄
    4.4
    一一八六年。平家一門の生き残りである、亡き平頼盛の長男・保盛はある日、都の松木立で女のバラバラ死体が発見された現場に遭遇する。生首には紫式部の和歌「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜半(よは)の月かな」が書かれた札が針で留められていた。そこに現れた、保盛の友人で和歌を愛してやまない青年歌人・藤原定家は「屍に添えて和歌を汚す者は許せん」と憤慨。死体を検分する能力のある保盛を巻きこみ、事件解決に乗り出す! 後に『小倉百人一首』に選出された和歌の絡む五つの謎を、異色のバディが解く連作ミステリ。/【目次】一 くもがくれにし よはのつきかな/二 かこちがほなる わがなみだかな/三 からくれなゐに みづくくるとは/四 もみぢのにしき かみのまにまに/五 しのぶることの よわりもぞする/単行本版あとがき/参考文献・史料/解説=千街晶之
  • アガサ・レーズンとイケメン牧師
    4.0
    修道院から元夫が行方をくらましたことが判明した。もしかしたらアガサと離婚した理由すら嘘だったのかも? すっかり男性というものに失望したアガサは、村に若い副牧師が赴任してきたというのに珍しく無関心でいた。いっぽう天使のようなイケメンの副牧師とあって、村の女性たちが放っておくわけがなく、日曜の教会は超満員に。そんな副牧師からじきじきにディナーへ招かれたアガサはすっかり自尊心をくすぐられ、いつもの調子を取り戻した。しかしお酒が進むにつれて、聖職者らしからぬ彼の腹黒さが見え隠れするように。そして翌朝、牧師館の書斎で彼が遺体となって発見され……!?
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)
    3.9
    1巻649円 (税込)
    許されぬ殉死に端を発する阿部一族の悲劇を通して、高揚した人間精神の軌跡をたどり、権威と秩序への反抗と自己救済を主題とする歴史小説の逸品『阿部一族』。ドイツ留学中に知り合った女性への恋情をふりきって官途を選んだ主人公を描いた自伝的色彩の強いロマン『舞姫』ほか『うたかたの記』『鶏』『かのように』『堺事件』『余興』『じいさんばあさん』『寒山拾得』を収録。「森鴎外 人と作品」(山崎正和)、「『阿部一族・舞姫』について」(高橋義孝)収録。
  • 青年(新潮文庫)
    3.6
    1巻693円 (税込)
    作家を志して上京した青年小泉純一は、有名な作家を訪ねたり、医科大学生大村に啓発されたりして日々を過す一方、劇場で知りあった謎の目をもつ坂井未亡人とも交渉を重ねる。しかし、夫人を追ってきた箱根で、夫人が美しい肉の塊にすぎないと感じた時純一は、今こそ何か書けそうな気がしてくるのだった。――青春の事件を通して、一人の青年の内面の成長過程を追求した長編。(解説・高橋義孝)
  • 答えは市役所3階に~2020心の相談室~
    3.9
    「こんなはずじゃなかった」。進路を断たれた高校生、恋人と別れたばかりの青年、ワンオペで初めての育児に励む女性……。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれたのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして誰にも知られたくない秘密――。二人のカウンセラーが、あなたなりの答えを見つけられるよう、じっくり話を聞き、推理します。
  • 心の鏡〔新版〕
    3.0
    人間への愛、心の不思議さ キイスの入門篇たる短篇集! 著者の代表長篇『アルジャーノンに花束を』の原型である中篇版のほか、奇妙な能力をもつ少年マロと弁護士デニスの運命の出会いを描く表題作、万能コンピュータがひきおこす騒動をユーモラスに描いた「エルモにおまかせ」など全七篇を収録。キイスの温かな魅力をあますところなく伝える、日本オリジナル作品集。
  • 東大理三の悪魔(1)
    3.3
    1~4巻819~880円 (税込)
    天才の思考は超越か狂気か―― ジャンルを超越した知的エンターテインメント、待望の文庫化! 各界から驚きの声、続々! 「既存の文学賞がキャッチできなかった異形の小説」 ――海猫沢めろん(作家) 「SF(サイエンス・フィクション)を通り越した型破りな青春スピリチュアル・ファンタジー」 ――大森望(翻訳家・書評家) 「東京大学を舞台に論理と意識が交錯する世界をめぐる壮大な物語」 ――野村泰紀(物理学者) (あらすじ) 東京大学理科三類に通うノボルは、東大模試で異次元の点数を叩き出し、その後理三に合格した天才・間宮と出会う。彼は間宮と交流を深めていくうちに、天才の圧倒的な世界観に魅了され……。天才とは何か、この世界に隠された秘密とは? リアリティとフィクションが交錯しながら、旧約聖書について大胆な仮説が展開される圧倒的知的エンターテインメント。 ※本作は、2025年1月28日(奥付記載:2025年2月11日)に小社より刊行した単行本『東大理三の悪魔』の第1部「東大理三の悪魔」を文庫化したものです。 【著者について】 幸村百理男(こうむら・もりお) 東京大学医学部医学科卒業。二本松眼科病院、虎の門病院などを経て、沖縄県・宮古島にて離島医療に従事している。
  • ギャツビー100年 F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』を読む
    5.0
    1巻3,410円 (税込)
    刊行100年の2025年に9人の論者がさまざまな視点から『グレート・ギャツビー』を読み解く 1925年に『グレート・ギャツビー』が刊行され、日本でも徐々に受容されてきた。9つの論考をとおして『グレート・ギャツビー』が長く読みつがれる魅力や時代背景、校正による内容の変遷など、深く、楽しく小説を読み解く鍵を見つけることができる。 長年、多くの読者を惹きつける小説を堪能するための手引きとなる1冊。 巻末には、原文のテキストについての解説や、翻訳をはじめ、日本で入手できる研究書、映画化作品を網羅した資料集、フィッツジェラルドの年譜、小説のあらすじ、研究メモなどを掲載している。
  • 月白
    4.4
    妻を亡くし、息子の夏樹を一人で育てるフリーライターの海老原。そんな彼に雑誌『月刊クリスタル』編集部から、戦後の殺人鬼が起こした事件をもう一度掘り下げて検証してほしいとの依頼が入った。殺人鬼の名前は北川フサ。彼女は戦後の混乱期に5人の男を立て続けに殺し、死刑となっているという。取材を始めた海老原は、フサが赤の他人である少年とともに行動していたことを知る。そして、その当時の少年は、今も存命だった。単なる週刊誌の連載のはずが、いつしか海老原は、フサに導かれるように、事件に没入していく……。
  • 消失
    4.5
    セロニアス・エリスン(通称モンク)はアフリカ系アメリカ人で、大学で教鞭をとりながら小説家として文学的な作品を書いている。彼の目からみると黒人を売りにしたレベルの低い作品が世間ではベストセラーとなっていた。モンクは三年ぶりにロサンゼルスから実家のワシントンに帰り、医師の姉や高齢の母に会う。姉からは母は物忘れが目立つようになり、金銭的にも困りそうだと告げられる。ロサンゼルスに戻ったモンクは教授昇進が決まったことを知るが、小説は十七社から出版を断られていた。エージェントからは「黒人らしさが足りない」などと言われる。  その後、姉が事件に巻き込まれて再度ワシントンに飛んだモンクは、兄が離婚して多額の借金を抱えていることを知った。モンクは母と家政婦が住む家に引っ越して休職する。エージェントに電話をすると、小説はさらに三人の編集者から断られていた。  モンクは亡き父の書斎に入り、父が使っていた古いタイプライターで小説を書き始める。一気に書き上げたその中編小説は、モンクにとって到底発表できないような低俗極まりない作品だった。しかし、別名スタッグ・リーで書いたその原稿をエージェントが大手出版社に送ったところ絶賛され、多額の契約金で出版されることに。モンクは、やりとりは基本的にエージェント経由とし、決してばれないようにスタッグ・R・リーを演じようと考えるが、作品は非常に大きな注目を集めていき・・・・・・。  2024年アカデミー賞脚色賞を受賞した映画『アメリカン・フィクション』原作小説。 (ERASURE by Percival Everett) 【著者略歴】 パーシヴァル・エヴェレット Percival Everett 1956年米国ジョージア州生まれ。アフリカ系アメリカ人作家。南カリフォルニア大学卓越教授。『ジェイムズ』(木原善彦訳、河出書房新社)で2024年全米図書賞、2025年ピューリッツァー賞などを受賞。著書にブッカー賞最終候補作『赤く染まる木々』(上野元美訳、早川書房)、ピューリッツァー賞最終候補作『Telephone』ほか。本書を原作とした映画『アメリカン・フィクション』が2023年に公開され、アカデミー賞脚色賞を受賞。 【訳者略歴】 雨海弘美(あまがい・ひろみ) 翻訳者。訳書にミシェル・ザウナー『Hマートで泣きながら』(集英社クリエイティブ)、クレア・ノース『ハリー・オーガスト、15回目の人生』(角川文庫)などがある。
  • 果てしない残響
    3.9
    アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作! ボーシャン警部が特権階級の闇を暴く テムズ川で溺死体が発見された。ボーシャン警部の捜査により、30年前、企業年金を横領して姿を消したCEOの事件との関連が浮かび上がる。さらに少女失踪事件も抱える彼は、排他的な上流階級に苛立ちながら聞き込みを続ける。エドガー賞最優秀長篇賞受賞作
  • メイドの秘密とホテルの死体
    4.2
    5つ星ホテル客室の謎の死 掃除メイドは何を見た? 事件にはもう一つの真相が… 社会性に乏しく、他人の意図を読みとることができないモーリー。彼女は9カ月前に亡くなった祖母の教えを頼りに、地元の高級ホテルで客室メイドとして働いていた。ところがある日、清掃に入った客室で悪名高い大富豪ブラックの死体を発見。警察の捜査が始まると、人づきあいが苦手で誤解を招きやすい性格が災いし、人々から疑惑の目を向けられる。さいわい、ずっと見守ってくれていた老ドアマンをはじめ、頼れる仲間が現われ、危機一髪を脱する作戦にでるが…予想もしない展開の奇妙な味のミステリー。 原題:The Maid Amazon.com2022年前半期ベスト1(ミステリ/スリラー部門) ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー1位(2022年1月) フローレンス・ピュー主演で映画化決定!
  • 一房の葡萄
    3.0
    1巻880円 (税込)
    大正を生きた作家・有島武郎の没後100年に、童話作品を総ルビ化して収めました。文章を新字体・現代仮名づかいに改め、漢字には全てふりがなをつけています。監修は北海道ニセコ・有島記念館。 収録作品は「一房の葡萄」「溺れかけた兄妹」「碁石を呑んだ八っちゃん」「僕の帽子のお話」「火事とポチ」の5編。 有島が、子どものまなざしで揺れ動く心を描き出しています。作家が子どもたちへの想いを込めたお話の世界をお楽しみください。
  • 解剖探偵
    完結
    3.9
    八王子署の新人刑事・祝依 然(いわい ぜん)は、首吊り死体発見の報を受け、現場に急行する。 先輩刑事の相田は自殺で処理しようとするが、祝依はこの事件が他殺だと知っている。 部屋の隅に佇む、男性の霊が見えるから――。 しかし事件性を主張するも、先輩に一蹴されてしまう。 そこに現れたのは、担当の解剖医・霧崎真理(きりさき まり)。 八王子医大病院の法医学教室に所属する、風変わりだが凄腕の解剖医だという。 ゴシックロリータファッションの上から白衣をまとった彼女は、この死体が他殺である可能性を指摘し……。 「生きている人間は嘘を吐きますが、死体は嘘を吐きません」 傷を抱えたバディが、事件にメスを入れる! 注目の法医学ミステリ。
  • 准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき
    4.3
    1~15巻660~814円 (税込)
    「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」 人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。 なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、 怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。 高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――? このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。 ――「第一章 いないはずの隣人」 ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。 ――― 「第二章 針を吐く娘」 肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。 ――「第三章 神隠しの家」 ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが 民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!! イラスト/鈴木次郎
  • タラニス 死の神の湿った森
    3.8
    少年は真実を知り、大人になる。「死の神屋敷」に隠された、悲しき少女の過去と謎とは。 イギリス・ウェールズで少年ジョージが暮らす「タラニス屋敷」。 「タラニス」とは「死の神」を意味するケルトの神だ。 夜遅く目覚めたジョージは家政婦のミツコに物語をねだる。 彼女が、秘密の話ですよと「ゲッシュ」(ケルトの魔法の取り決め)を交わしながら語ったのは、屋敷に伝わる、メリッサという少女の物語だった。 メリッサは、子どもを食べる死の神に生きたままかまどで燃やされたという。 そのかまどが今も屋敷の廃墟部分『死者の間』にある、近づいてはいけない――。 けれども、一緒に話を聞いた兄のアルフレッドは、 今度マムと戻ってくる赤ちゃんへの贈り物を探しに『死者の間』に行こうと言い出し……。 廃墟の秘密の扉を開けてしまったことで、夜な夜な現れるようになったメリッサの亡霊。 そこに隠された真実と、ツェルニーン家の秘密とは。 やがて法医昆虫学者として日本を訪れることになる、ジョージ・クリストファー・ツェルニーン。 彼の少年時代に秘められた悲しく凄絶な物語。

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