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「そして、誰も書けなくなった――」
ミステリ作家であることの罪とは
ミステリ作家養成講座の恩師・宇宿部に招かれ「岨景館」を訪れた同期の作家六人。〈黒衣の処刑人〉を名乗る声がクローズドサークルとなった館にこだまする――「ミステリ作家は一人残らず罪人である」。作家たちは自作に絡めたやり方で次々と殺害されてゆく。
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Posted by ブクログ
本格ミステリーの定義は何かといわれればこまるけれど、昔本格ミステリーと銘打たれた本と同じテイストを感じる。
雪の山荘に集められた元同じミステリー小説の講座を受けていた6人。突然の犯罪予告、逃げ道はない、次々と人が死に、暴露や疑念や離反や恋愛とぐちゃぐちゃに混じり合い、螺旋を描いてラストへと傾れ込む。と正にな内容。
嫌いな要素の長すぎる犯人の独白も読み、ラストも種明かしも大変好み。
ミステリー小説家たちが集められる話はいくつか思い浮かぶけれど、作家になりたての面々や出版不況なども絡め嫉妬や疑念の湧き方は一般に理解できるところへ下げられている気がする。誰もいなくなったを想像したけれど、この作品はあの館ものの方に近いのだろう。事件パートよりも解決編が面白いのでだれなくていい。
Posted by ブクログ
館のクローズドサークルと聞いて読まずにはいられない。
まずこの表紙が最高。
最近やたらと美少女系の表紙が多いけど、自分は美少女系だと申し訳ないけど読む気がしない…。
こういう本格っぽい想像をかき立てるようなものを待ってた。
複雑過ぎないシンプルな見取り図もテンションが上がる。
中身もありがたいことに本格だった。
流行りの特殊ミステリだったり、ラノベっぽくするのではなくて、自分が好きな正統派の本格ミステリ。
本格好きが喜ぶシチュエーションがてんこ盛りで楽しくて仕方ない。
そうそう!これよ!こういうどストレートなクローズドサークルが読みたかった!という連続で一気に読んでしまった。
登場人物が全員ミステリ作家なので、クローズドサークルを熟知しているのが最高にニヤつく。
いわば全員がクローズドサークルのプロなので、お互いの手の内を読み合う心理戦が面白い。
『そして誰もいなくなった』へのリスペクトもビシビシ感じる。
単に犯人当てだけではなく、ミステリ作家の売れるまでの苦悩と、売れてからの切実な悩みも垣間見えて面白い。
すごく面白かったんだけど、最後はもう少しシンプルでも十分面白かったのになと思ってしまった。シンプルだと時代が許さないのかな…。
それでも大好きな館の本格ミステリが読めて本当に嬉しかった。やっと出会えた!
本格ミステリ好きは絶滅してません。
ここにも大ファンがいます!
これからもド本格ミステリを楽しみにしています。
Posted by ブクログ
とても面白かったです。早々に犯人分かっちゃったな…と思っていたら、どんでん返しがお見事でした。とある仕掛けが繰り返し出てくるのですが、その仕掛けがとても効果的に使われていて、気持ちよく騙されました。
クローズド・サークルの中で、ミステリ作家たちが次々に殺されていく─というミステリ。
「岨景館(しょけいかん)」と命名された館に招待されたミステリ作家たちは、唯一の脱出路である跳ね橋が上がり館に閉じ込められてしまいます。
この物語はなにより、ミステリ作家たちの創作にかける熱い思いや苦しみにグッときました。デビューしてからも、なかなか2作目が出せないとか、自分が本当に書きたいものと違うものを要求されたり、読者受けするキャッチーさや分かりやすさばかりを求められたり…。作家って自由な職業のように思っていましたが、一部の売れっ子作家以外は本を出すだけでも本当に大変なんだろうなぁ…と。
また、作中に書かれているような売れている作家への嫉妬ややっかみは当然いっぱいあるんだろうと思います。
でも、「たとえ誰にも届くことがなくとも、書くこと自体をやめることのできない人間が作家になるのだ」という一文から、作家という職業の「魂」のようなものが伝わってきて、とても良かったです。
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