5回くらい観た、私の中のベスト映画のひとつ。
母になってから余計に感情を揺さぶられる。
映画にはない細かな心理描写や人物の背景が散りばめられていてとても良かった。
《印象に残ったところ》
・良多ー波留奈ー上山の関係
良多と波留奈は元交際相手。波留奈の「本当に怖いのは男の嫉妬」という言葉が印象的。一見、上山が単独で良多を蹴落としたような言い方だけど、実はそうなるように波留奈が上山へ仕向けたとしたら相当計算高い女だと思った。シゴデキだからありえる。自分を捨てた男への復讐のような、女としてのプライドもあったんだろうな。
上山と波留奈も"繋がって"いた。これは不倫関係なのか共謀して良多を蹴落とすための関係なのか分からないけど、どちらにせよ仕事を最優先に生きてきた良多にとって、慕っていた上司や後輩による裏切りは相当なダメージだと思った。大切にする人を間違えちゃいけない。
・良多、大輔の幼少期の話
映画ではほとんどカットされていた部分だった。モラハラ、DVで良輔めちゃくちゃ毒親だった。
原作を読んだことで登場人物の氏名が漢字で分かった。そのおかげで気付いたけど、良輔の名前から一字ずつとって良多と大輔と名付けたっぽい。自我強すぎ。育児しない男に限ってこういうことするんだよね。(嫌悪感剥き出し)
そういえば、慶多も良多と一文字被っている…怖。
・良多、大輔の大人になってからの性格
大輔は人の機嫌をうかがって、会話の空気が悪くなる前に茶目っ気のある一言で場を和ませるのぶ子のようになっていて、良多はそれにすごく嫌悪を感じていた。
一方で、自分(良多)はどうなのかと回顧したとき、今回の取り違いの件で、無意識のうちに慶多とのこれまでの時間や関係性よりも"血"にこだわっていること、自分の得意分野は自分に任せろと言うくせに、苦手なところはみどりに丸投げするところが大嫌いな良輔にそっくりだというところに気付いてしまったところが恐ろしかった。良多は幼少期の経験から絶対にこんな親にはなるまいと思っていたはずなのに、そうさせたのはやはり"血"のせいなのか、と考えさせられた。
子供たちと凧揚げをしようとしているときの、良多へ雄大からの「そんなこと親父の真似せんでもええんとちゃうの?」の言葉にもハッとさせられた。私もきっと無意識にそうしてしまっているからこそ、この一言に育児の難しさを感じた。
《メモ》
我が家の長男は4歳、次男は10ヶ月。
長男は私にも夫にもない大きめの目で、二重瞼で、周りからも私にも夫にも似てないと言われることがある。だからこそこの作品を見る度、慶多とゆかりに重ねてしまう。ちなみに次男は一重瞼で、夫にそっくりの顔立ち。
もし長男が取り違いだったとして、同じような状況に立たされたら、私はやはり"血"を選ぶのだろうか、本当の子供に、自分と同じような似ている部分(顔立ちだけでなく性格や行動パターン)を見た時にどう感じるのか、を考えずにいられない。今さら、長男と引き離されて暮らすなんて想像しただけで辛い。でも、過去に本当にあった取り違い事件だと9割以上、本当の両親の元へ交換されているということは、やはりそれが子供にとって幸せなことになるのかな。
自分の親に言われた嫌だった言葉を無意識に子供に言っていたりすることがある。これも良多と同じで、私も無意識に親の育児を真似している。夫もきっとそう。だから、自戒のためにも時々この作品を見て、子供との繋がりや自分の中での子供との距離感・関係性について考える時間を取りたいと思った。