あらすじ
「6年間育てた息子は、他人の子でした――。大切に育ててきた6歳の息子。彼は、出生時に病院で取り違えられた他人の子供だった」。是枝裕和・監督、福山雅治・主演で、カンヌ映画祭・審査員賞を受賞した映画『そして父になる』。現在、もっとも勢いのある尾野真千子、真木よう子という豪華俳優陣の競演とともに話題を呼んでいます。本書は是枝監督自身による渾身のノベライズ企画です。映画の余白を埋めていく、文字でつづられる家族それぞれの物語。
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Posted by ブクログ
6歳まて成長した子どもの取り違えの話、実の親か育ての親がそのまま育てるか、考え、悩んでいく、人生は選択の連続と言うけど、これは究極に近いかも。
昔は本当にあったようで、中々につらい話です。
感情が。。
Posted by ブクログ
「そして父になる」是枝裕和氏
1.購読動機
休暇中、文字を食べたくて、読めればなんでもよかったんです。
子供の取り違え事件。
数年前に過去の事件として記事となりました。
その取材もしたうえでの書籍ということであったため手にとりました。
2.本書内容
病院から電話があり、事件は動きだします。
「取り違えの可能性あり。遺伝子検査を。」
残念ながら、運命はいたずらで、6年過ごした子供は実の子供ではないこととなりました。
本当の血の繋がった子供の育ての親との対面、そして実の子供とも面会へと事態は展開します。
親はどのようにこの事態を受け止めるのか?
また、流したい衝動と戦うのか?
子供らは、みたこともない大人の家に預けられ、少しずつ距離を縮めていく対応にどんな表情で、どんな叫びを押し殺し、生活をしようというのか?
小説のなかの文体は、痛々しいくらいに真っ直ぐです。
時には、本を折りたたみたくなるくらいに。
3.最後に
私たち読者は、両家の大人、そして同じく運命に翻弄された子供たちに、ページを折りながら寄り添う気持ちで進めるほかありません。
読み終えて
ありふれた日を
省みて
尊き生を
まぶたに描き
#読書好きな人と繋がりたい
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親の気持ち中心に描かれているが、子供の気持ちを考えると張り裂けそうになるほど辛い。しかし最終的にみんな前を向いて動いていることがやるせなくなる。
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大人の都合で振り回される子供の心が心配。今まで実の両親だと信じてきたのに突然別の家でその家の子として育てられお父さんお母さんと呼びなさいって。最後はきちんと子供達の心に大人が向き合ってくれてよかった。
Posted by ブクログ
2013年封切りの是枝裕和・監督、福山雅治・主演の映画のノベライズ本。映画は当時かなり衝撃を受けた。息子の出生時に病院で取り違えられ、6歳まで他人の子を育てていた事実がわかるという物語。せつなくて子供の演技に何度も泣かされた記憶がある。
キャスティングも絶妙。エリートサラリーマンの福山に奥さんが尾野真千子。もう一方のガサツな感じの夫婦がリリーフランキーに真木よう子だ。そして子役の子供、二人とも演技が上手くて本当感情を揺さぶられた。
血のつながりを選ぶのか、6年間一緒に親子として過ごした時間を選ぶのか…福山は葛藤して相手方よりも裕福だから『こちらで2人引き取って育てる』と言い出し、当然両家は険悪になる。でも、気持ちは痛いほどわかる。我が身の話だとしたら…自分が育てた子が取り違えた子供だったら…どうするのか。相手のご家族を慮るも、やはり二人とも育てたいと暴論を言うかもしれないなあ…
この物語では、この取り違えの原因は『幸せそうな家族が妬ましかった』という理由で看護師が故意に行ったことだった。考えてみたら、母親は出産直後には全てを病院に委ねているわけだし、意図的にこんなことをされたら…血液型だけ合っていたら信じちゃうよね(そうそうDNA鑑定なんて普通はやらないだろうし)
物語では最終的な結論はグレーな形で、両方の家族で2人の息子たち(実の息子と、育ててきた息子)を愛情を持って育てていくような流れで終わる。確かにどちらかに結論付けるのは酷な話だ…
世の中には似ていない親子もいるから、もしかしたら…子供が生まれたらひと月以内に必ずDNA鑑定を受けることが法律で義務化されたら、かなりの数が病院で取り違えられていることがわかった…なんていうのは悪い冗談かなぁ…
小説を読み、また映画も見たくなった。
Posted by ブクログ
【2024年69冊目】
息子が小学校に上がる受験に合格したと同じ時期に知らされた、「赤ん坊の取り違え事件」。出産した時の病院で、乳児の取り違えが起こっていたらしい。これまで育ててきた息子とは血が繋がっていない――衝撃的な事実に打ちのめされながらも二つの家族は対面を果たす。本当に血は水よりも濃いのだろうか……?
原作は未見でした。あらすじを読んだ時に、これは結末如何によってはめちゃくちゃに泣くな、いやでも前に読んだ是枝裕和さんの映画原作マジで酷かったからな…と思って半ば疑いを強めながら読み始めました。
途中までは、えっ?そっちの展開に行っちゃうの?あと福山雅治さんにその役を?あっ、リリー・フランキーさんはわかる、ハマり役ですね、みたいに思いながら読んでたのですが、やっぱりぼろぼろに泣いてしまいました。
子どもって本当に敏感で、掛け地なく親のことが大好きな存在なんですよね。血よりももっと大事なことってきっとたくさんある。
私的に収まるところに収まって本当に良かったなと思った話でした。映画見ても、多分泣くんだろうなぁ、ずるいですよ。
Posted by ブクログ
もし我が家が同じ事態に陥ったら…と本当に深く深く考えさせられた本です。
映画を観ていなかったので、今この本に出会えてよかったなと思います。
病院側の対応などちょっと腑に落ちない部分もありましたが、続きが気になってダッシュで読み切りました。
自分の子育ても振り返る機会になりました。
おおらかに育てたいな。
Posted by ブクログ
息子が有名小学校に合格してから赤ちゃんの取り違えが判明する。慶多、琉晴の二人と二つの家族が交差しながら、エリート社員の生き方を反省し気づきを得る一冊。初の是枝裕和作品、読みやすくて感情移入してしまった。
週末の仕事をやめて家族と映画やキャンプで楽しみたいと思わせる。
Posted by ブクログ
だいぶ前に、映画を観ていたこともあってか、子供らの演技が何となく思い出されて、感動し、かつ面白く一気に読めた。もう一度、映画も観てみたいとも思った。すごく読みやすい。読みやすい様に各所で工夫されていた様な気がする。登場人物の属性(出身地、特技とか)は、不自然がない様に緻密に、設定されている様な気がした。
Posted by ブクログ
映画監督の「是枝裕和」とノベライズ作家の「佐野晶」の共著『そして父になる』を読みました。
『三度目の殺人』に続き、「是枝裕和」と「佐野晶」の共著です。
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「6年間育てた息子は、他人の子でした――。大切に育ててきた6歳の息子。彼は、出生時に病院で取り違えられた他人の子供だった」。
「是枝裕和」・監督、「福山雅治」・主演で、カンヌ映画祭・審査員賞を受賞した映画『そして父になる』。
現在、もっとも勢いのある「尾野真千子」、「真木よう子」という豪華俳優陣の競演とともに話題を呼んでいます。
本書は「是枝監督」自身による渾身のノベライズ企画です。
学歴、仕事、家庭。すべてを手に入れ、自分は人生の勝ち組だと信じて疑わない「良多」。
ある日、病院からの連絡で、6年間育てた息子は病院で取り違えられた他人の子供だったことが判明する。
血か、共に過ごした時間か。
2つの家族に突きつけられる究極の選択。
そして、妻との出会い、両親との確執、上司の嘘、かつての恋、子供との時間―。
映画の余白を埋めていく、文字で紡がれる、家族それぞれの物語。
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映画監督「是枝裕和」と俳優「福山雅治」がタッグを組んで、2013年(平成25年)に公開された映画『そして父になる(英題:Like Father, Like Son)』のノベライズ作品、、、
映画は観たことがあったのですが… 本書を読んで、映画ではわかりづらかった、登場人物の揺れ動く感情の変化が理解できましたね。
血の繋がっていない子どもと、自分の血をひく本当の子ども… うーん、簡単には選べませんよねぇ、、、
登場人物の言動に、共感したり、反感を覚えたりしながら、複雑な気持ちで読み進めましたが、ラストで「良多」が「慶多」を抱きしめて、
「そうだよな。でもな、六年間は……六年間はパパだったんだ。できそこないだけど、パパだったんだよ」
というひと言にグッときましたね… この瞬間に「良多」は本当の意味で「慶多」の父親になったんでしょうね。
家族って、何なんだろうなぁ… ってことを考えさせられる作品でした、、、
「是枝裕和」って、家族のことを描かせたら右に出る者はいないな… って印象が強まりました。
Posted by ブクログ
主人公が人間として成長する姿が素晴らしい。
夫婦間では特に、一方の考えて決めていくのではなくて話し合いが大切だと改めて感じた。
家族ごとに仕事に重きを置くか、愛を育むかといった方向性は違うものの、お互いを受け入れて新たな考えを得ることが大切。尊重し合うことを学んだ。
Posted by ブクログ
主人公が自分と同年代なので感情移入できました。子供を取り違えられた家族の話です。主人公はいわゆるエリートサラリーマンですが子供との交流はちょっと微妙という。最終的には地位や名誉はなくしますが子供との絆や家族との愛情を手に入れるっていう王道路線です。子供たちの心の機微がすごい。
Posted by ブクログ
大企業スーパーゼネコン超一流サラリーマン主人公 良太が6年間育てていた子供は他人の子供だったことを、ある日、元産婦人科の病院から呼び出され、医師からそのように告げられてしまう。嫁が子供を出産した直後、看護師によって、子供を他の子とすり替えられてしまったのだ。元産婦人科の病院で すり替えられた側の夫婦と主人公の夫婦にとって、それは驚愕の事実だった。
病院側からすると 大人になるまえに双方の子供を交換して欲しいとの事。さすがに、そんな事言われても、両夫婦はとまどった。が、病院の言う通り、週末毎に相手側の子供を交換することを両夫婦は始めた。6歳になりたての子供に、こんな事を説明してもなかなか理解されないし、そもそも大人たちでさえ、理解できない。良太は、仕事の大きなプロジェクトで なかなか 家庭問題への対処もうまくいかず、憔悴しきっていた。
子供を交換して、12週目、今度は良太夫婦は交換した子供に、自分たちを父母と呼ぶ様に躾けようとするが、なかなか元相手側の子供は納得してくれない。
仕事では、赤子入れ替えの裁判が会社で知れ渡った影響で 田舎の方に左遷される。
仕事も家庭環境もめちゃくちゃになった良太が最後に取った行動とは。
Posted by ブクログ
映画も見たけど小説の心理描写がもっと面白い。父親同士の性格が対比的でそれが子供にどんな影響を及ぼすのか、という部分が見どころだと思いました。
仕事にとらわれていたときは見えなかったけど、新しく見えてきたもの。真相が明らかになっていくにつれて変わっていく主人公の心情が感動的。
Posted by ブクログ
父になるという事は、なんだろうか?
漠然とした質問だろうが、この本を読みきった時に感じたことが、その人にとっての父親なんだろうなと思う。
厳しい父親、遊んでくれる父親、見守ってくれる父親。色々な父親が存在する。
結局のところ、子供にとって安心や尊敬、愛をくれる人が父親なんだなって私は思った。
Posted by ブクログ
内容は面白かったけど最後がどっちつかずでうーんとなった。
きっかけとなった人ももやもやするし、主に良太家がずっと悩んでて気持ちも複雑で、実際自分はどうするだろうかと考えさせられた。
Posted by ブクログ
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赤ちゃん(我が子)を取り違えられた2つの家族の物語。
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産みの親か、育ての親か。
親とは何か、家族とは何か。
葛藤が描かれています。
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数年前に「家族という病/下重暁子」という話題作もありましたが、家族という、完全には自分で選べない集団に属するとき、納得できない想いにどう折り合いをつけるかは、なかなか難しいけれど、それが生きるということなんだろうと思います。
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自分が持ってる正義感がどうしても曲がっちゃうときって、家族のことなら、よりツライものがあるよね。
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先に映画を見てまして。
福山雅治さんとリリーフランキーさんの
父親っぷりの残像が残ってます。
育ててきた子と血が繋がってないと知ったとき、人間力が試されますね。
わたしなら、どうなっちゃうんだろう。
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Posted by ブクログ
血の繋がりか、育ってきた家族か。とても残酷な選択だと思う。
本当に大切なものを見失いかけていた主人公が、父親という存在と戦う話なのだと思った。自分の過去、今の自分。家族とギクシャクしていた環境が、主人公の性格を形成していったに違いないのだが、どの目線で見るかで物語の受け止め方が違ってゆく。
映画を先に見ていたのだが、文章になるとまた違う。
親というものに迷ったとき、立ち止まって考えるにはとてもいい作品だと思う。
Posted by ブクログ
知ってたからこそ、今日まで読めなかったけど、読み始めたらいつものごとく一気読み。
もっとゆっくり読みたいけど、先が気になってしまって。
血か
時間か
父親が左遷されたあたりから、気づいて変わっていくまでのところがよかったかな。
よかったね、気づいて。
人は自分しか変えることはできないからね。
Posted by ブクログ
赤ちゃんを取り違えられた2組の夫婦の物語。対照的な環境で育った子供が、取り違えられていたことが判明し、それぞれの本当の両親のもとへ帰る。映画よりも、父親の内面の描写が詳しく描かれていて、「そして父になる」のタイトルに結びついた。登場人物が、映画のキャストのイメージそのものだった。
Posted by ブクログ
血が繋がった者が家族なのか、過ごしてきた時間が家族を作り上げるのか、家族のあり方について答えのない難しい問を投げかける。話自体は淡々と進んでいく印象があり、次々にページをめくりたくなる、という感じではなかったが、後半になるにつれて良多の考え方がどんどん変わっていく感じは面白かった。
Posted by ブクログ
テーマは重いはずだけど描写は重苦しくなくて、読みやすかった。
子どものときにあったことはトラウマになるけど、それを解消できたらいいな。
2022/06/22
Posted by ブクログ
血か時間か
福山が父になるまでを描いたとすれば、結論は時間もいうことになるであろう。
作品は盛り上がって終わるが、本当の人生は続いていくので、ふとしたときに同じ気持ちになったり、他人との違いに辟易したりする。
Posted by ブクログ
映画は観ておらず、母に勧められてこの小説を読み始めた。子供の取り違えが起こった時に、小説にあるみたいに子供の交換なんてするものなのかな。そっちのほうが複雑になりそうだし、お互いの子供がお互いの家族に適応してもしなくても、親としては不幸な気がする。いや、どちらにしても不幸は免れられないのかな。
読みながら思考を巡らせたくなる本だった。
Posted by ブクログ
映画を見た
母親が何回もテレビで見るからテレビでチラチラ見てたけどちゃんと見た
ちゃんと見たらチラチラ見過ぎて意味なくなっちゃったのか、結末はあんまり自分的にうーんだった
福山本当にいい父親になれるのかな?って感じだった
私は結局一緒にいた時間派だなあ
みんなそうだと思うけど
でも、父と母は他人同士なわけだから、私たちが作った子供っていう存在が2人を繋ぎ止めるのも分かるし
でも時間っていうことは、もし子どもがもっと幼かったらはい分かりましたって取り替えたのかなって思ったらそれもよくわかんなくなるし
時間でも血でも、どっちがいい悪いはないし簡単にどっちがどっちって判断するものではないってことだ
だったらこれは何を問いかけたかったんだろう
医療過誤への問題提起か…?
実際に起こったことみたいで本があるからそっちはそうなのかも
おのまちが孤独ながらけいたを本当に愛してるのも伝わってそこも見ててズーンと来た
リリーフランキーと真木よう子の家庭はまじで理想
あとARATAはもう声で分かってアラター!ってなった
今よりちょっと若くて花とアリスの時と空気人形の時みがあってかっこよかった
中村ゆりも出た出たってなったしピエール瀧のカタギじゃない感がすごい
これは自分の家族が見たらどう感じるのかも怖いけど少し気になる
Posted by ブクログ
事実を知った家族の複雑な心情が言動に現れる部分がとてもリアルに描かれており、読者にもその苦悩が伝わってくる作品だと思った。
「子供を交換する」という軽い響きのある重すぎる事件は一度は家族を壊してしまったが、時が経つにつれて新しい家族の形に生まれ変わるきっかけでもあったのかもしれない。
双方の家族のあり方はまさに正反対で、その中で翻弄される子どもの描写は心が痛くなる。血か一緒に過ごした6年間か、という残酷すぎる問いに大人たちが答えを出そうとする中で、子どもたちの純粋な言動が大人たちの胸を打つ。
Posted by ブクログ
福山雅治さんが主演した映画の小説版。
親はもちろん、入れ違いになってしまった子供たち本人の気持ちを考えると切ない。
心情描写がもう少し多くても良かったように思う。
Posted by ブクログ
歪んだ家族の一員として抱いた感想は、「もう誰が誰の子で、誰が誰の親なのか見分けがつかない」ことで終わるのではなくて、だからこそどうしようもなく苦しいが出発点なのではないのだろうか、だ。
終われないよ、こんなの。