あらすじ
あんな偉い人でも、なんだ自分と同じじゃないかということを感じとってほしい ――永田和宏「はじめに」より
細胞生物学者にして、歌人としても著名な永田和宏・京都産業大教授から、あこがれの対象を持っていない若い世代へおくるメッセージ。
各界を代表する人物の講演と、永田氏との対談を収録。
「あんなに偉い人でも自分と同じ失敗や挫折を経験してきたのかと、また将来への不安や焦りもあったのかと、その場で驚き、感じとってほしい。それはそのまま、自分の将来にひとつの可能性を開くことになるはずである。ひょっとしたら自分だってと思えるということは、それに向かって努力してみようかと思うことでもあろう。初めから圏外のものとして除外するのではなく、ひょっとしたらと思えることだけでも、その若さに可能性を付与することになるはずである」
◆目次◆
第1章 山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長)
「失敗しても、夢中になれることを追いかけて」
【対談】環境を変える、自分が変わる
第2章 羽生善治(将棋棋士)
「挑戦する勇気」
【対談】“あいまいさ”から生まれるもの
第3章 是枝裕和(映画監督)
「映画を撮りながら考えたこと」
【対談】先入観が崩れるとき、世界を発見する
第4章 山極壽一(京都大学総長、霊長類学者)
「挫折から次のステップが開ける」
【対談】おもろいこと、やろうじゃないか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
・ミスにミスを重ねてしまう原因として「その時点から見る」という視点が欠けてしまうことがある。「今初めてその局面に出会ったのだとしたら」が大切。
・我々は世界に接する時に常にある文脈でしか世界に接せない。
Posted by ブクログ
山中教授の話は、あの山中先生でも⁉️と勇気付けられる思い出話
羽生さんの話は、もっと具体的な、こうした方が良いが書かれていて参考になった
是枝監督の話は、自分は絶対に監督になると思っていたのがすごいなと思った
感想を読んでいると山極先生の話が良かったという方が多かったが私にはあまりピンとこなかった。愛は霧の彼方にを観てみたいと思った。
Posted by ブクログ
(備忘録なので大したことは書いていません)
18冊しかない寂しい本棚に、今回はいい本が追加できそうだ。いつ買ったのか、どこで見つけたのか分からないが、最後の人以外を読んでいて放置していたのを思い出して、最後の人を読んだあと、もう1回始めから読み見返す気になった。何かしら教訓もあったかと思うが、基本的には興味深いという方向で最高レベルだったため高評価。
・・・
山中先生
超有名人だが、ほとんどパーソナリティについて知らない。カッコ笑い付きで饒舌に語られる様子が文字から伝わる。ただの文字起こしだが、空気感まで十分に伝わってきた。気になった一節はアメリカでは一生研究者でいられるというもの。飛躍するが人生を楽しむためのツールとして、子供心や遊び心はいつまでも忘れたくないものだ。それらを持ってる人で、かつ何かしらで成功を収めている人に憧れる。
・・・
山極先生
全然知らない人だが、進化論で社会学を解き明かそうとする研究者の経験が興味深い。具体的には餌づけならぬ、人づけという手法の内容自体が興味深かった。人間になつくゴリラ、想像するとなんて微笑ましいのだろう。ゴリラの衝撃の事実┌(┌^o^)┐ホモォ
Posted by ブクログ
先に読んだ続編もそうそうたる人たちだったけど、本書はそれを上回るような山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一というすごい面々。ま、男性ばかりという点では、女性と男性が2人ずつだった続編のほうがバランス的にいいけどね。
もともとは永田和宏さんが教鞭をとる京都産業大学で学生向けに開いた講演会を本にしたもの。ホストの永田さんはすごい面々に、失敗を語ってほしいと依頼したとか。失敗を語ってもらうことで、学生たちに身近に感じてもらい、そうすることで「この人のようになりたい」というあこがれやロールモデルを見出してもらうようにしたいとの思いから。
そういえば書中で、たしか永田さんが、最近の若い人たちは目指したり尊敬する対象がいないんじゃないかみたいなことを述べていて、ふと思ったことがあった。最近……でなくてもここ20年くらい、「尊敬するのは親」なんてのたまう若者が増えてきた気がする。これが以前だったら、歴史上の偉人とか身近でも恩師のような立場の人が挙がっていた気がするんだけど……。こういう傾向も永田さんの懸念とシンクロしていると思う。
4人ともすごいんだけど、確かに身近に思えてくる。すごく頑張るのではなく、目の前の状況を受け入れ、その場その場でちゃんとやってきたということなのかなあ。
講演の後に永田さんとの対談があるんだけど、これがすごくいい。ゴリラの研究をしてきた山極さんのところで、コミュニケーションの何たるかに触れているんだけど、まさに一人でしゃべるのと会話のやり取りをするのとの違い……というか、意味ある会話の魅力が詰まっている。
Posted by ブクログ
羽生善治さんの心構えが書いてあって面白かった。
羽生さんは何者でもなかった頃はないけど,未だに,
プロ棋士の中の差はわずかなもので自分を特別だと考えていないことが,向上心を持ち続け慢心しない理由なのかなと思った
Posted by ブクログ
素晴らしい、著名な方々、偉人を一定人たちが何を考えているかを語ってくれている。
どういう姿勢で物事を捉えているかを話してくれている。
特に初めの二人が良い。
山中先生の苦手なことで挫折したけど、新しくチャレンジして得意なものを突き詰めていって成功するあたりの話は非常に重要。
羽生さんの感性・理論としての将棋の向き合い方も素晴らしい。
自分の好奇心に従ってトコトン突き詰める。この姿勢を大事にしたい。
大事な一歩は自分で決断して移動すると決めたこと
アメリカに行くことで、「こんなにすごい人がいるんだ」「なんだ、自分と同じじゃないか」という2つの現実を知ることができる。
良い研究と同じくらい、どう講演で発表するかが重要。
何をしたら正解というのはないが、何もしないというのだけはやめてほしい。なにか打ち込めることを見つけて欲しい。
誰でもミスはする。その後にミスを重ねて傷を深くしないことが大事。「今、初めてその局面に出会ったのだとしたら」というその時点から見る姿勢が必要。
挑戦には「様々な種類のものさしを持つ」事が大事。これを持てば不安にならずに進める。
挑戦に結果を求めると上手くいかない時に苦しさが出る。そのプロセスの中に「面白い、価値がある」という感動を見つけられることが原動力になる。
新しいアイデアは実はあまりなく、今までにあるアイデアとアイデアを過去に例がない組み合わせで用いている、事が多い
情報化社会により、スタートラインに立つための情報量のハードルが高くなっている。
手堅い手法を続けることは、短期的にはリスクは低いが、長期的にはリスクが高い。挑戦することが安全策の場合もある。
冒険や小さな挑戦、身近で未知なるものに出会う機械を求めることが大事。
レンズ、カメラを通すことで、普段そこにあるけど見ていないものに気づくことができる。
自分にしかできないことを探す、他人にできることはその人に任せる。
諦めなけれはいつか何らかの方法で叶う、だけどいい塩梅で見極めることも大事。「いい加減にしよう」と言ってくれる友だちがいれば良い
Posted by ブクログ
現代の様々な分野でのスターたちが大学生たちを前に講演する若き頃の話。登場するのはノーベル化学賞の山中伸弥、棋士の羽生善治、映画監督の是枝裕和、京大総長の山極壽一。
彼らは学生たちにとってあこがれの偉人だが、手の届かない別世界の住人ではない。彼らにも「何者でもなかった」無名の時代があった。そのとき、彼らは何を目指し、何に恐れていたのか。
こうした偉人たちの挫折談を聞くと、「ヨシ、オレもまだまだイケるゼ」と思い込み、しばらくすると偉人との才能の違いに愕然とする。若い頃はそんな繰り返しで成長するのだ。コレぞ現実。
山極氏のゴリラ話にインパクトあり。
Posted by ブクログ
「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」 山中伸弥 羽生善治、是枝裕和、山極壽一、永田和宏
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京都産業大学での講演・対談シリーズ「マイ・チャレンジ一歩踏み出せば、何かが始まる!」。どんな偉大な人にも、悩み、失敗を重ねた挫折の時があった。彼らの背中を押してチャレンジさせたものは何だったのか。
「BOOK」データベースより
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すごい人たちの講演と対談をまとめたものです。
山中伸弥さんと羽生善治さんが何となく好きなので買ってみました。
この講演・対談は大学で行われたものだそうです。
講演・対談の趣旨としては、
『最近の大学生たちは「あの人と自分は最初から違う人種」とか「あの人は特別だから」というある種の線引きを最初にしている。
なので「あの人のようになりたい」とか憧れをもつこと自体少なくなっているように感じられるけど、実は一流の人たちも自分たちと同じような人間で自分らとそんなに違わないんだよということを、若者にも知ってもらいたい』
みたいな感じです。
最近の若者が、っていうわけでもないと思うけどね。。
最近の若者をうみ出してきた最近の中高年がこういうおまじないを唱えて生きてきた結果、最近の若者がそれを受け継いでるだけで。。。
年齢問わず、今を生きる多くの人がある程度は当たり前に持ってる考え方なんじゃないかしら。
「あの人と自分は最初から違う」っていうのは真実でもあるのだが、都合よく線引きするにとても便利な言葉だと思う。
「あの人と自分は最初から違うから、自分には無理」という思考をいろんな場面で使うようになっちゃうと、あんまりよろしくはなさそう。
あと、相手が芸能人だと「芸能人なんだからこれくらい言われるの当然」みたいに、芸能人特別枠でバッシングすることもよくある気がする。
けど、私はこれも個人的にあんまり好きじゃない。
なんか、自分と違う枠で都合よく扱って、大事なことが色々見えなくなったり気づけなくなってく気がして。。
こないだワイドなショーで髭男爵の人が、一般人から浴びせられる辛口評価にたいして
「その厳しい目、自分自身の人生に向ける勇気ある? あるんやったらいいんですけど」
って言ってたんだけど、それよね。
なんか、他人を別枠扱いにして、自分自身のいたらなさや努力不足から逃げてんのはあんまりかっこよくないなぁと思うのよね。
まぁかといってストイックに生きるのはしんどいし、適度に活用するくらいならアリだと思うけどさ~。私だって時々「あの人は最初から違うわ」とか言うし。
ただ、使いすぎには気を付けたい。
話は戻りますが、本の内容について。
講演や対談を本におこしたものなので読みやすいです。
すぐ読めます。
そんで、グッとくる一言も多いです。
経験値をたくさん積んでる人は、経験値を集約して、極めてシンプルな理論を確立させてるなぁ、というのを全体を通して感じました。
またこのシンプル理論がなんともいい具合に響くのだ。
こういうシンプル理論は、40年近く生きてきた普通レベルの私でも多少あるんだけど、バラバラしてたいろんな経験とか知識の集合の中から共通項を発見するってなかなか面白いのよね。
世の理を発見した気になる、みたいな?
学者さんに将棋の名人、映画監督などジャンルは違うけど、その道を極めた人の話は面白い。
世界に名を成すような人だけでなく、近所のママ友とか、別の職種の友達とか、普通の人たちでも、話してみるとその人なりの仕事論とか、その人が見つけた真理とか垣間見えるときがあってすごく面白いなぁと思う。
偉人じゃなくてもさ、人の生きざまを知るってのはそれだけで面白いもんですよね。
家族も同じで、親の生きざまも意外と知らないから、年取ってから若い頃の話を聞いて新発見することもあるし。
うちのじいさんに至っては、亡くなってから実はバツイチだったって聞いて家族一同びっくりだもんね(笑)
この本のなかではそこまで各自の人生を掘り下げてるわけでもないので、「こんなすごい人も実は若い頃は普通だったんだ」と思うにはちょっと物足りない感はあるんだけど、でもやっばその人の人となりを知れるので面白いです。
Posted by ブクログ
是枝監督のファンなので読みました。
天才5人がみんなと同じ人間だということを実感してもらうための書籍とのことでしたが、やはり5人とも若くから頭角を現しているように思う。
以下、備忘録。
山中伸弥
・iPS細胞のiはiPhoneをパクって小文字にした
・アメリカではみんな「素晴らしい研究だから頑張れ」と励ましてくれた。
日本では「こういうやり方ではダメだ」と忠告の方が多い。ディスカッションで大事なのは、身分の上下があっては絶対にいけない。
・学生時代に海外に行って欲しい。
・20代の失敗は宝物。財産。失敗してでも夢中になれることを見つけて欲しい
羽生善治
・様々な物差しを身につける。3年かかって英語を身につけたら3年の物差し、1週間で竹馬をマスターしたら1週間の物差し。
・棋士になって、コマを動かす楽しさは捨てなければいけなかった。
是枝裕和
・講演が苦手。1人で喋るのが苦手。
・1960年代のテレビドキュメンタリーに権力の抑圧を受けて歪められた姿がみえる
・英語が苦手
・小説家になりたい
・学生時代、サークルは入らなかった
・大学在学中から映画を撮りたいと思っていた。映画を見まくっていた。
・協調性がなかった。大人を信用していなかった。
・クイズ番組、旅番組、情報番組を1年目にやらされてくだらないとしか思えなかった。
・自分は全く役に立たないと悩んでいた。初めてディレクターとして「地球ZIGZAG」という体験型ドキュメンタリーを作った。
・1本目でやらせをした。演出というものに自覚的になった。
・先入観が崩れることが面白い。面白いことが起きてると感じる反射神経が最も求められること。
・映画は自己表現じゃない。
何かをじっと見ている表情を、見ている先を映さずに撮ると、何を見ているのかを含めて観客はフレームの外を想像し、人物の内面に寄り添う。
・映画を観てる人が、分かってくれるだろうという信頼感がないと説明に走ってしまう。テレビはながら見でも分かるように作るが、地球ZIG ZAGのプロデューサーからは「誰か一人に向けて作れ」と言われた。彼女でも母親でも。それが今も役に立ってる。
・自分の映画で取り上げたものが日常に戻った時にちょっと違って見えるようになるよう意識している
・普段自分たちは全然物事をみていない。カメラは世界を発見する道具と子供たちにも教えている。
・巡るというのが好き。楕円時間。1年経って桜が咲いているが去年のものとは違う。少し成長、進んでいる。
登場する人物にも変化が生まれる。
・悪を排除して解決出来ることなんて大して問題じゃない。
神もいないと思ってるので、グレーゾーンの中で物語を作り続けたい。
Posted by ブクログ
二十代。何をやったら正解というものはない。でも何もしないのだけはやめてほしい。どんなことでもいいから、何かに夢中になっていたら、自分の成長につながっていく。なんでもいいんだ。
一つでもいいけど、もう一つ何か力を尽くしてるものがあると、one of them で楽になれるかも。
自分にしかできないことは何だ。
Posted by ブクログ
立花隆『青春漂流』『二十歳のころ』にしろ、仮に美化されたものだとしても、誰かが己の青年期を回顧し、そこから人生訓を抽象化してくれるなら耳を傾けない手はない。そもそも正解がなく、比べられない人生。与えられるのではなく、掴み取ること。
Posted by ブクログ
どの人もさすが第一線で活躍されている方。こんな風に歳をとりたい。
山中伸弥…20代はなんでもいいから失敗してでも打ち込めるものを見つけて貰いたい。それと体力は裏切らない。
羽生善治…失敗を挽回できないほど重ねないこと。ミスを重ねないためには「その時点から見る」という視点が大事。「次の一手から始まる」とその場に集中していく。様々な物差しを持つと何かに挑戦する時に必要以上に不安にならないし考えすぎない。結果だけを求めると上手くいかず苦しくなることもあるが、プロセスの中で「面白い!やって良かった」という感動を見つけられることが挑戦を続けることの支えになる。挑戦をスムーズに続けるにはどこまでアクセルを踏んでどこでブレーキを踏むか適切な判断ができるかにかかってる。相手の立場で考える難しさ。相手の立場に立って自分の価値観で考えてしまう。
是枝裕和…読者は目に見えない存在。うなづいているかどうか殆ど自信が持てない。だがみんなに分かってもらおうとすると最大公約数になってしまい、何も面白くない。もっともらしい言葉がないのがいい。
世界はいつも自分の文脈の中で認識される。文脈を外れてそれ以外の見方で接することは中々難しい。悪を排除して解決できることなんて、実は大した問題ではない。真っ白と真っ黒を放棄したグレーゾーンの中で物語を作り続けたい。
山極壽一…勝つ論理と負けない論理。どちらも共存するためのルール。勝とうと思ったら相手を屈服させなければならないから、恨みを買ったり、相手が自分を避けたりする。しかし負けない論理のゴールは相手を押しのけることではなく友好的に共存することだから相手を失わない。自分にしかできないことは何だろう、自分だからこそできることを探す。それが自分の知識をまとめることにも繋がるし、他人が考えたのではないことを自分が考えることにも繋がる。動物は諦めが早いが、人間はしつこい。
Posted by ブクログ
京都産業大学での講演・対談シリーズ「マイ・チャレンジ 一歩踏み出せば何かが始まる!」の書籍化。
登場人物は、iPS細胞でノーベル賞を受賞された山中伸弥先生、将棋の羽生善治さん、映画監督の是枝裕和さん、京大の山際壽一総長という錚々たるメンバー。聞き手が科学者で、かつ、歌人の永田和宏という素晴らしいメンツ。
どの人の話も含蓄があり、興味深い。
どの分野でも一流になる方というのは、当たり前だけれども、自分の仕事を自分の言葉で語れる。
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4人のスーパーリーダーが短い講演をして、そのあとそれぞれ永田和宏(生物学者、歌人)と対談するスタイルである。
僕は傷が後を引くので、あまり積極的でなかった。傷が少なければリスクを取る事、機会を掴む事(オファーを受ける事など)を、心掛けたいと思う。
Posted by ブクログ
京大名誉教授でありかつ詩人の永田和宏氏と山中伸弥氏、羽生善治氏、是枝裕和氏、山極壽一氏という超一流の人たちの講演とその後の永田さんとの対談を収録したのが本書である。
山中さんとの対談では、大学はそれまでと違い答えがある問題の正解を探すのではなく、誰も答えを知らない、もしくは答えがあるかどうかもわからないが、大切な「問い」を自分で見つけるという態度を学んでほしい、というところが心に残る。大学に入ったときにまず第一に欲しい言葉だ。自分はこれがわかっていなかった。
羽生さんとの対談では、ミスをした直後には後悔して過去に引きずられることなく「自分の将棋は次の一手からはじまる」とその場に集中する、というところが心に残る。それはすでにもう起こったことなのだ。
是枝監督が、名作『そして父になる』でのリリー・フランキーの深い演技に触れるところは印象的。ぜひ読んでほしい。
山極教授が、他の霊長類と比べて人間の一番重要な能力は「諦めない」というところという視点は面白い。
それだけの人からは、やはりとても素敵な話を聞くことができるのだと思う。
本として、軽く読める分量。対談本としては、コンセプトも理解できるし、よくできている方だと思う。
Posted by ブクログ
山中伸弥:受精後、最初の1週間ぐらいは、受精卵はお母さんの子宮の中でプカプカと浮いていて、1週間位して子宮の壁に潜り込んで妊娠が成立します
羽生善治:挑戦と言うと、何か大きな目標に向かっていくことを想像しがちですが、毎日の生活の中で何かを選択したり、新しい知識を得ようとすることも、小さな挑戦の積み重ねと言えるのではないでしょうか
是枝裕和:自分が学生の頃は、先生とか大人と言うものを全く信用していなくて、まともに学校に通っていませんでした
Posted by ブクログ
山中伸弥、是枝宏和、羽生善治、京大総長山極壽一の若き日の話。みんな相当な失敗と努力を重ねたのだろうが、やはり栴檀は双葉より芳しじゃないか。山極氏の話はゴリラは面白かった。
Posted by ブクログ
タイトルが興味を引いた1冊
本当に凄い人たちが、目標を見つけたり、挫折したり
若い頃の初々しくておもしろい話しが講演と対談と言う形で描かれている。
また 登場する人たちがIPS細胞の山中伸弥さんや、将棋の羽生善治さん、
その時はまだカンヌ映画祭のパルムドールは受賞していないけれど、ドキュメンタリーのような映画で定評のある是枝監督、
京都大学の霊長研究の山極さんに関しては、名前は知らなかったがモンキーパークに何度も足を運んだ私としては、もう 興味津々のラインナップだ。
どの人の講演内容も面白くて、機会があったら生のお話を聴きたいと思った。
特に山極さんのゴリラとチンパンジーの社会、そして人間の社会における「目と目を合わせる」意味はとても興味深かった。
「白目を持つのは人間だけ」という話の中で、目の動きから言葉がなくても感じる相手の感情、目での意思疎通・・・・
メールやインターネットの世界に慣れて面と向かってのコミュニケーションが苦手になっていく人間たち。
日々 感じていた事なので興味深く読めた。
とても読みやすく、お勧めの1冊だ。
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羽生さん目当てで読んだけれど、山極さんのゴリラの話が素敵
考え続けること、取り組み続けることでしか、どこかにたどり着く方法はないんだと改めて思える
もう大人になりきった私は、何者かになれたんだろうか、そしてまだどこかに行けるんだろうか
Posted by ブクログ
山極先生のパート、最初はもう読み飛ばしてしまおうかと(失礼・・)と思っていたけど、読み始めると面白く一気に読み終えてしまった。霊長類を研究することによって人間の本性を調査していく・・人間と霊長類の差って何なんだろう。同時期にalpha maleに関するTEDのプレゼンを見たりしたこともあり、人間の社会は生物のあるべき姿から捻じ曲がってしまっているよなと思ったり、でもそれが人間らしさなのかもしれないと思ったり。
Posted by ブクログ
山中さんと羽生さんの部分を読んだ。本のテーマとしては、この人たちも同じ人間なんだ、と親近感を持ってもらうところに目標があったようで、確かに、山中さんは偉人伝を読んだ時のような別次元感はなく、自分も、、、という気持ちになったが、羽生さんはやっぱり異次元だった。
両者とも、それぞれの専門領域で見つけた勘所を語っていて、とても勉強になった
Posted by ブクログ
企画意図としては、それぞれの世界において凄まじい業績を残した人も若い頃は「何者でもなかった時代があるんだよ」という話伝える・・・ことなんだろうけど、通して読んでみると逆にみな「何者でもなかった時代から、何者かになるための条件」みたいなものをもっているんだな・・・ということを感じてしまい逆にやる気がなくなってしまうのではないかと心配になってしまった。
例えば、将棋の羽生善治。彼の場合、中学生でプロになっているので「何者でもなかった時代」というのは極めて短くて、せいぜいプロになるまでの小学生の数年間の話と奨励会の話ぐらいである。企画本来の意図としては「小学校から血の滲むような努力をして・・・」みたいな話をしたほうがよいのだろうけど、羽生さん自身もたぶんそんな意識はないし、何せ飄々として語り口でかたっているので、出てくる感想は「羽生さんは全く疑いもなく天才だった」という感想である。
また、この中で一番共感を得られる可能性が高いのはおそらく是枝監督だと思うのだが、それでも「何者でなかった時代」から、テレビ制作業界においては伝説的な会社であるテレビマンユニオンからキャリアをスタートしているわけで、なんというか十分に「持てる者」だったんだな・・・という感想になってしまう。
なので、本書は企画意図はどうあれ、結果的には「何者でないが、これから何者になりたい人」に向けてよりは、現在「何者でもないが、少しでも何かをつかみたい」人に向けてのメッセージになっている。例えば、羽生さんのこんな一言なんか、まさしくビジネスパーソンにぴったりだ。
Posted by ブクログ
京都産業大学での講演・対談シリーズ「マイ・チャレンジ 一歩踏み出せば、何かが始まる!」ホストは永田和宏。ゲストは、山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極寿一。
いいタイトルをつけましたね。
Posted by ブクログ
著名な方々(山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一、永田和宏)の講演・対談集。この著名人の中に興味がある人がいれば楽しめる。何者でもなかった頃、いわゆる若手時代が語られている。自分に響いた箇所は以下。
「どうしたってインターネットで得られないものがある。それは、考え方です。知識をどう使うか。どうやっておもしろいことを見つけ出すか。」
「人間の一番重要な能力は、諦めないということです。動物はできなかったら諦めちゃう。人間はしつこいんです。」「失敗しても失敗しても諦めない。だから人間は空を飛べるようになったし、海中深く潜れるようになったし、様々な道具を発明して、人間の身体以上のことができるようになった」
Posted by ブクログ
大学生の時の自分に読ませたかったな。とはいえ、今だからこそ響く内容なのかも…
今の若い人たちを見ていると、できないことに対する不安が強すぎるかなという気がします。
まさにこれ、自分だ。
英語、全然できないし挫折
転職、自分に何か長けてることないし挫折
もう少し頑張ろうと考えさせられたかな。
ゴリラの話が面白かった。
Posted by ブクログ
各界で活躍する一線の著名人たちが、若いころ何を考え、何に向かっていったかが、講演と対談という形で提示されている。それぞれの人が、自伝的に記述してしまうと、逆にくどく感じるものができあがりそうなので、程よい感じだと思った。
Posted by ブクログ
「万引き家族」を見て、多彩な才能が認められている、是枝氏の本でも読んでみるかと探すとヒットした。題名を見てそんなこと言ったって凄いんでしょ?と思いながら読む。
複数名の有名になる前の話の体でスピーチとインタビュー。
是枝氏の「悪を排除して解決できることなんて、じつは大した問題ではない」という言葉はなるほど、社会問題にフォーカスしながら、悪にはフォーカス当てず、それぞれの想いを抱こう的映画の作り方にも反映されているなと、理解が深まった。
山中教授の話も面白かった。
Posted by ブクログ
「若い人に贈る読書のすすめ2018」で紹介の本。
iPS細胞の山中氏の話。意外とこの人、フランクなんだなあと思った。研究者って発想豊かだから、あんがい、こういう人が多いのかも。