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夫の浮気で離婚し、古いアパートで独り暮らしをする初佳、48歳。子ども達は独立し、収入は決して高くない。将来に不安がないわけではないが、自分が選んだものだけに囲まれた生活は思いのほか幸福だ。ある日雨に降られて入った『わかば洋傘店』で、70代すぎと思しきパンクな恰好の女性店主に「雨が降ったら傘をさせ」という言葉と店名が大きく入った傘を貸してもらい――。「これから先」の人生が楽しみになる著者の最高傑作!
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Posted by ブクログ
アラフォーの女性たちがそれぞれ抱えるぼんやりした不安や寂しさをそっと掬い取ってくれるような優しい連作短編集。傘屋の明るいおばさんとその息子の、寄り添ってくれているような、そうでもないような、絶妙な距離感の優しさもとても良いです。 「雨が降ったら傘をさせ」。わかば洋傘店の傘に書かれた言葉に、心がふっと...続きを読む軽くなります。
共感したおし。年代が同じだからか、ずっと共感しかなかった。 ただ、最終章の美禰子だけは違って。 母親と仲良しなのが羨ましかったのかな。 最後の嫌いな言葉、私もその言葉嫌い。 ありがとう、寺地さん。
心に傘の花が咲く話は良かったなあ。電車の中なのに泣いてしまったよ。優しいお話。マモヤンを応援したい。 寺地さんの小説は、ちょっと背中を押してくれて読後はいつも元気になっている。今作も面白かった。
ものすごく心温まる本でした! ここに出てくる女性たちは別れを経験していたり、 あえてひとりを選んでいたり、 側から見ると寂しいのではないか? と思ってしまう境遇に見えるけれど、 一軒の傘屋から人とのつながりができたり、勇気をもらったり、 それぞれの人生を楽しんでいる感じがして こんな歳の取り方をし...続きを読むたいなと思いました。 すごく素敵だった!!!
雨が降っている日、なんとなく浮かない気分でいると、薄日が差してきた······。そんな気分になれた一冊でした。 雨がモチーフの本だったら、青や水色の表紙の色を思い浮かべますが、この本の表紙の色はピンク色。傘の花が咲いたかわいい表紙で、この小説にぴったりです。 第一話では「雨が降ったら傘を差せ」と...続きを読むいう言葉に。第二話では、一人で生きていく秘訣に。第三話では、続けることが必ずしもいいことではないこと、逆に続けることで救われることがあることに共感しました。第四話では苑美の気持ちが手に取るように分かり、泣けました。第五話では、無視する権利に首肯しました。 わかば洋傘店のスノさんと太志くん親子のさりげない優しさと励ましには、ほっとできました。 小説のなかで、5人の女性達はありのままの自分でいていいことを改めて突きつけられて、心の澱が溶けていくようでした。 悲しくてつらいときにも、楽しいときにも心の中に傘は必要なんですね。寺地はるなさん、素敵な本をありがとうございました。 〈目次〉 朝 第一話 初佳(もとか)は傘を洗う 第二話 走れ杏子 第三話 みつほとクリームソーダ 昼 第四話 ソノミーテルミー 第五話 美禰子は遠くへ 夜
洋傘店が舞台なんて読んだ事がなかったし、専門店にも入った事もないので、どんな話かワクワクした。わかば洋傘店には雨傘、日傘はもちろん、レインポンチョや長靴なども扱っている。ガチャガチャもあるなんて楽しそう。 ウチには子供がいないので「みつほとクリームソーダ」のみつほの気持ちがよく分かる。妹に対して“...続きを読む私とあなたの幸せの種類が違うだけ”と思うシーンとか、そうそう!と頷いてしまった。 スノさんが芸人にいった“しんどい時に『やめる』という傘をさすのは、そんなに悪いことやろか。”という言葉も好き。 「ソノミー、テルミー」も違う道を選んだ2人が、それぞれを認めてあっていて素敵な関係だと思う。 大志とスノさんの距離感もいい。40代くらいの女性たちのお話しだったからか、ゆったりとした気持ちで読めた。
思い描いた大人にはなれなかった。それでも自分で選んだものに囲まれた暮らしは案外悪くない——。境遇の違う女性たちの物語を読み進めるうち、雨音が少しやさしく聞こえてくる。強く心を掴まれたわけではないけれど、閉じたあとに残る静かな肯定感が心地よい。
登場人物が50代前後の女性が多く、心で思っていることも口に出しては言わない。それはネガティブなことばかりではなく、ささやかな幸せだったりもする。当たり前たけど、人は表に見えている部分だけではなく、悲しみや苦しみ、そして楽しみや嬉しさなんかもあわせ持っている。自分と比べて、どうしても他の人を羨ましく思...続きを読むってしまうけれど、みんな色々な気持ちを抱えて生きていて、私もまずは1日1日を生きていこう、と思いました。傘、しっかり選んでみようかな。
寺地さんの描く物語は、心に沁みる。特に弱った心には、じんわりと優しく染み込んでくるような慈力がある。ときおり差し込まれるユーモアあふれる表現も大好き。 普通に幸せなはずなのに、どこか満たされない気持ち。 子どもが小さい時分に言われた「今が一番いいときだよ」もやもやしてしまったあの感覚。 これはいつ...続きを読むかの私だ!と思える場面が、この小説の中にきっと誰にでもあるはず。 独立しながらも、ゆるやかにつながる5つのストーリー。 その中でも私はソノミーテルミーが一番刺さった。 連作短編集の名手、寺地はるなさんの魅力と力量を存分に味わえる一冊。
わかば洋傘店を取り巻く女性たちの物語。離婚してぴかぴかの一人暮らしを手に入れた初佳。お一人様USJを満喫する杏子。しっかり者のお姉ちゃんを止められないみつほ。大きなリュックを手放せない苑美。母の死から踏み出せない美禰子。 初佳が浮気して離婚を申し出る夫をあっけらかんと放り出したことにびっくり。夫...続きを読むの「きみたちは悪くない」と言う常套句に「わたしが悪くないのは知っている」と返すのがカッコいい。これ以上に反論できない言葉があるだろうか。そして家も彼女にとっては不要なものなので捨てる。初佳に拍手。 杏子は、元カレの「若返ったかも」などと言うセリフに「あなたは老けました」と返す。そこで引こうとしない元カレが怖い。 みつほがマモヤンに送った傘の花のエピソードがとても素敵だ。きっとマモヤンの生涯の宝物だ。 苑美が輝美に見出された才能を生かして大阪支店で働く日が来ることを願う。苑美にターコイズブルーの傘をプレゼントした輝美もにも拍手。 現状が大きく変わることはなくても、前を向く彼女たちが、しなやかで美しい。 そして「雨が降ったら傘をさせ」わかば洋傘店のスノさんと太一親子がとても良い。傘屋さん、がんばって。
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