あらすじ
夫の浮気で離婚し、古いアパートで独り暮らしをする初佳、48歳。子ども達は独立し、収入は決して高くない。将来に不安がないわけではないが、自分が選んだものだけに囲まれた生活は思いのほか幸福だ。ある日雨に降られて入った『わかば洋傘店』で、70代すぎと思しきパンクな恰好の女性店主に「雨が降ったら傘をさせ」という言葉と店名が大きく入った傘を貸してもらい――。「これから先」の人生が楽しみになる著者の最高傑作!
感情タグBEST3
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素敵な本でした。どの方もとても良く生きている。洋傘やさんとの出会いで、彼女たちの日常が少し温かくなる様子が嬉しい。
なにか特別なことじゃなくて、日常が素敵なんだな、と思えるお話でした。
ふと認められたり褒められたりしたとき、スノさんの「そうでしょうとも」と言えたらカッコイイなぁ。
そして、こんなペースの売れ行きでいいのかなと思ったら、不動産持ってると書いてて安心しました^^
Posted by ブクログ
─── ✦ 感想 ✦ ───
「そうでしょうとも」
スノさんのきどらない感じが、なかなか良いです。
中盤の時点で、面白いな〜と思いました。
登場人物たちがカッコよくて、すごいいい。
私の好きな連作短編集というのもいい。
サクサクした展開もよかったです。
スノさんの姪っ子の美禰子は、亡くなった妹のことが忘れられない様子で、悲しみを抱えて生きているんですが、そんな様子をみていたら、亡くなった母を思い出して、少し涙しました。生きていたらもっと楽しい瞬間がたくさんあったかもしらないなぁと、、、なかなかに面白い人だったので。
40代の女性たちが主な主人公ですが、みな、いろいろな想いをかかえていて、前を向いて歩んでいく様は、なにか、こう、自分も前を向いて進んでいこうという気持ちにさせてくれました。
自分らしく、好きなように、一歩を踏み出そうと。
─── ✦ あらすじ ✦ ───
40代の女性たちが主人公で、それぞれの生活の中で、わかば洋傘店との出会いがあり、その出会いが心に変化を与えていきます。
心の変化、輪のつながり、些細な幸せといったものが、微笑ましい読後感を与えてくれます。
─── ✦ 主な登場人物 ✦ ───
わかば洋傘店
太志 若葉、41歳、ワカヤン
スノ 太志母
上村初佳 もとか、48歳
聖菜 長女
拓海 長男
征典 夫、離婚、死
曽根杏子 きょうこ、43歳
野原 昔の男
みつほ 47歳
沢田
カレイドスコウプ桃谷まもる 大道芸人、マジシャン、ママヤン、太志友達
苑美 そのみ、ソノミー、46歳
碧唯 あおい、長男
輝美 テルミー
美禰子 みねこ、スノ姪っ子、45歳
岡 7歳と9歳の子ども
─── ✦ 語彙 ✦ ───
吝嗇 りんしょく
金銭や品物をむやみに惜しむこと、またはそのさまやそのような人(けち)を指す言葉
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40代半ば〜後半の5人の女性が主人公の連作短編集。
育児中だったりお一人様を満喫していたり、いろんな女性が登場しますが、同世代の私は悩みや思いにとても共感できました。
読後は心がじんわり温かくなり、前向きな気持ちになれる小説でした^ ^
Posted by ブクログ
どの話も心がじんわり温かくなり、前向きになれる話ですごくよかった。
傘店での出会いがきっかけで仲良くなった女性3人の関係性が羨ましいと思った。
さらさらした喋り方、ベビーパウダーをはたいたような声という表現が印象的だった。
Posted by ブクログ
まず表紙のデザインが好き
第一話 夫の浮気で離婚した初佳(48)。「きみは悪くない。だからこの家は渡す。」からの流れが素晴らしい。娘との距離感もとてもいい。
第二話 一人でユニバに行くのが楽しみな歯科衛生士の杏子(43)。自分のペースで楽しく生きているのに、既婚者の元カレがしつこく連絡してきて…
第三話 古くて小さいけれど自分の家を持っている会社員のもとか(47)自立して自分なりの幸せを満喫しているのに周りからはそう思ってもらえない。ある時、芸人の手品に心動かされて…
第四話 小中学生がいるパートの苑美(30代後半?)幸せだけど納得できない日々を送っている。『夫の不快な態度大会』がリアルすぎて共感しかない。
第五話 母を失ったばかりの美禰子(47)喪失感と同時に過去に囚われている感覚がある。離婚したら実家に帰ってくると疑わなかった母。女二人で毎日楽しかった日々。認知症と病気で壊れていく日常。立ち直ろうとする度に母親の幻が現れて…
一人で生きている中年女性たちは自分なりの幸せを持ち、一人なりの覚悟を持っていてどの話も滲みた。
そんな彼女たちに時に降りかかる雨を
しのぐ居場所になってくれる洋傘店。
パンクなお婆ちゃんと気が優しくて力持ちな息子がとてもいい。
Posted by ブクログ
読んでてすごく優しいんですけどところどころの洞察力が鋭く抉ってくる。でもやっぱり優しい。
なにかドーンと事件があってバーンと解決!っていう感じではなかったのが却ってちょうどよく、私も私の人生をもっと大事にしてもいいのかもしれないと思いました
『夫は二週間に一度、海釣りに出かける。それはべつにいいのだが、クーラーバッグぐらいすぐ片付けたってバチは当たりゃしねえだろうがとは思う。』全体的に穏やかで抑制の効いた文体のところにぶっ込まれる、こういう言葉の使い方、センスが最高にすき
Posted by ブクログ
もう完全に平気、なんてことは、たぶんないのだろう。平気じゃなさをどこかに抱えたまま、すこし先に楽しみな予定を入れるとか、笑えるものを見るとかおいしいものを食べるとかしてその日その日を生きていくしかないんだろう
という一文がよい。
いい日にも、悪い日にも、終わりがある。どんな日もかならず終わるということは、すくなくとも自分にとってはたしかな希望やな、ほかの人はどうか知らんけど
ここも良い。
スノさんも若葉太志くんも、親子揃って良い。
もちろん他の登場人物も良い。
近くにこんな傘屋があるかも知れないから、歩いて行ける商店街をのぞいてみようかな、と思うほど、読んだ後気分は晴れる。
Posted by ブクログ
最近こういうタイプのほのぼの系短編の連作がとても増えてきたと感じる。ただ読んでなかっただけで、前からそうだったのかもしれないけど。中には極甘センチメンタルの塊みたいなのもあるが、この本はさすがに、人生のリアルな悲喜こもごもを、味わい深い日本語で描き出した、短編小説の魅力の結晶のような本だった。他と区別する魅力を少し考えてみると、一人称語りだけれども、語られている内容が作者の人間理解の成熟度を反映していることと、ところどころに飛び出す「笑い」の要素だろうか。気軽に読めるけど、じっくり味わって読みたい類の小説だった。
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「外面を良くするのが大人の義務」みたいな一節が、言われてみればそうかもなーと思って、刺さった。朝に読んでいたんだけど、後半、すごく泣ける話があって、朝から号泣してしまった。
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ソノミーテルミーの話が 大好きです
ブランクではなくキャリアだよ
人生 辛いこと 大変なことも
キャリアにきっとなっているんだなって
共感です!!
Posted by ブクログ
久しぶりの寺地はるなさん。
わかば洋傘店を中心に、これまで色々なことに触れてきた少し疲れた40代女性たちのこれからのお話でした。
うまくは言えないですけど、『よしっ』って力が湧いてくるような作品。
心に響く言葉もいっぱいありました。
作品の感想とは離れてしまいますけど、僕、傘が嫌いなんです。
濡れた傘を持ち歩くのが嫌。
濡れていない傘(雨降ってなくて必要のない傘)を持ち歩くのが嫌。
傘で片手を取られるのが嫌。
傘をさしても結局色々濡れるのが嫌。
傘の絶妙な短さが嫌。
とまあそんな感じで傘は嫌いなんですけど、そんな僕でも『今度雨が降ったら傘買おう』って前向きになれる素敵な作品でした。
ありがとうございましたm(_ _)m
Posted by ブクログ
作中に出てくるキャラクターの考え方や生活スタイルに、共感できるところが本当にたくさんあった。
住んでいる場所や年齢は違っていても、自分と同じような感覚や価値観を持って生きている人がどこかにいるんだなと、どこか心が軽くなるような気持ちになれた。自分と似た誰かの暮らしを覗き見ているような、不思議な安心感と親近感をくれる作品だった。
Posted by ブクログ
久しぶりの寺地さん、やっぱりいい……!
温もりのあるストーリーは安心感があるし、連作短編集が好きなので嬉しい。さまざまな境遇の40代女性が描かれており、共感する場面がたくさんありました。
寺地さんは、作品のなかで言葉にならないモヤモヤした気持ちや人には言いにくい気持ちを代弁してくれている。
洋傘店をめぐって、登場人物がゆるやかにつながっていくのも良かった。人とのつながり、心地いい関係性に気持ちがほぐれていく。
私が特に好きだったのは、「走れ杏子」と「みつほとクリームソーダ」。大好きな場所があって、そこでの時間を大切にしている人たち。
ゆったりとした空気感もいいし、グッとくるシーンもあってちょっと救われたような気がしました。
私も雨の日が待ち遠しくなるような、お気に入りの傘を持つようにしています。雨の日の満員電車は憂鬱だけど、お気に入りの傘があるだけでちょっと楽しくなる。
人生も晴れの日もあれば、雨の日もある。
温かく清々しいラストも良かった。寺地さんのお気に入り作品がまた増えました。
『ひとりで生きるって、誰の力も借りんこととは違うで』
『職場での労働以外の人生だって、ぜんぶ「キャリア」だよ。空白なわけがないんだ』
Posted by ブクログ
わかば洋傘店で繋がる縁、なんかいいなぁ。母と息子のキャラがいい。ちょっとクセがあるというのか
。これだと、用事がなくてもついついお店に立ち寄ってしまいそうになるわな。
Posted by ブクログ
特別大きな出来事は起こらないけど、何気ない人とのつながりと傘が、時には比喩としての傘…困難から身を守るもの…が、キッカケを与えて気持ちを変化させていく。主人公がいずれも40代女性で個人的に近いという事もあるが、いちいち共感できてスラスラ読めた。
当初、あらすじ聞いて勝手に、傘店の店主の快活なお婆さんが軽快に解決のヒントを与えていく話?と思ったが、お婆さん自身も実は心に傷を負っていて、登場人物たちが心上向けるキッカケに関わりつつも自分も助けられていた…という事が終盤で判る。
主人公達は同じアラフォー、アラフィフながら立場や性格は違うものの、どの話も、関わる男性を内心バッサリ批判する言葉など、エッセイやXでの軽快なつぶやきを見ているような場面もいちいち共感し面白かった。
Posted by ブクログ
雨が降ったら。
傘をさす?ささない?
レインコートを着る?
レインシューズを履く?
雨が降るかも。
傘は持ち歩く?持たない?
折りたたみ傘を持ってく?長い傘を持ち歩く?
人生自分では選択出来なかったこともたくさんある。選択できた事もたくさんある。
悲しい時にさしたい色の傘は何色?
嬉しい時に着たいレインコートはどんな柄?
傘を選ぶように自分の好きに向かって進んでいけたらいいのに。いや、進んで行っていいのだと、ちょっと背中を押される。
雨ってちょっと憂鬱だけど、お気に入りの傘1つ欲しいかも。選ぶときワクワクするから。
さす時もワクワクするから。
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安定の寺地はるなさん!
いつも読み心地が良くて、今回もさくさく読み進めました。
私はすごく悩んでいたわけでも、すごく辛かったわけでもない。
でも、心の中でほんの少しひっかかっていたことが、解けるような感覚がありました。
「誰かを頼る図々しさ」
この言葉がとても好きです。
図々しさ(もちろんいい意味で!)を持っている人、そしてそれを受け入れられる人。
どちらも素敵でした。
雨が降ったら傘をさせばいい。
辛かったら頼ればいい。
こんなにシンプルで心強い言葉を貰えて、本当に良かったです。
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洋傘店に関わる人達の日常が描かれていて、思いやりや、優しさが感じられるほんわかとする物語でした。
人と人が繋がることの大切さを感じ取れる内容でした。
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寺地さんの描く物語は、心に沁みる。特に弱った心には、じんわりと優しく染み込んでくるような慈力がある。ときおり差し込まれるユーモアあふれる表現も大好き。
普通に幸せなはずなのに、どこか満たされない気持ち。
子どもが小さい時分に言われた「今が一番いいときだよ」の言葉にもやもやしてしまったあの感覚。
これはいつかの私だ!と思える場面が、この小説の中にきっと誰にでもあるはず。
独立しながらも、ゆるやかにつながる5つのストーリー。
その中でも私はソノミーテルミーが一番刺さった。
連作短編集の名手、寺地はるなさんの魅力と力量を存分に味わえる一冊!
Posted by ブクログ
*夫の浮気で離婚し、古いアパートで独り暮らしをする初佳。
恋人と別れて以来、ひとりでUSJに行くことを満喫している杏子。
最愛の母を亡くし、心の置きどころのない美禰子…
さまざまな境遇の40代女性たちの「これから」を痛快に描き出す連作短編集*
「雨が降ったら傘をさせ」のセリフが、教訓や深読みではなく、そのまんまの意味なのがいい。
40代なら、余計な甘さも優しさも湿っぽさも要らない。
雨が降ったら、単純に傘をさしてしのいだらいい。
そんな軽やかさを含んだ短編集。
Posted by ブクログ
アラフォーの女性が主人公の短編集。
離婚したり、母と死別したり、アラフォーならではの
それぞれの生き方が描かれていた。
スノさんというおばさんが経営している傘店が物語に関わってくるのだが、
個人的にはもう少し物語に深みがほしかったところ。
カバンに万が一のことを考えていらないもの詰め込むの、めちゃくちゃ分かるーー笑
Posted by ブクログ
はん借り本 2026年9月は長雨、豪雨、降り過ぎ。「雨が降ったら傘をさせ、生きていたら雨の日だってある」 かっこつきこのまま何回か出てくる、深い意味を探りたくなるけど、当たり前のこと、そのままのことって切り返される
47歳女性3人と42歳男性とその母のあり得る風景を物語として短編でつないだ人たちは、どこか大阪下町や昭和風景。
生きづらさや喪失を抱かえた人が身近にふとできる誰かとの出会いから、笑顔が増えて生きていける、生きていかなきゃって言えるようになる世界は、傘屋さんもこの物語で感じた「しとしとと降る雨」が見られなくなっていくように
遠い世界のことにならないことを祈りたい
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傘専門店のわかば洋傘店を中心に、悩みを抱える人が元気づけられる話。
自分の人生に悩む登場人物たちが、雨が降ったら傘をさすように、少し気持ちを楽にする姿が良かった。
Posted by ブクログ
5人の中年女性が主人公の連作短編集で、わかば洋傘店のスノ・太志親子との関わりが描かれる。
初佳は傘を洗う、走れ杏子、ソノミーテルミーが好きだった。
Posted by ブクログ
傘を差し掛けてもらえるような優しい物語。
直接傷を治すような大きな気遣いが重くて受け付けられないとき、こんなささやかな優しさこそ身にしみる。
そして今度は自分が誰かに傘を差し掛けてあげたくなった。
Posted by ブクログ
家庭に入っていたり、育児で時短で仕事をしたり。
それはブランク、と一般的に言われるが、その間もその人は成長し続けている。だから、家庭に入った時間はキャリアなんだ。
そう言われて救われました
Posted by ブクログ
「わかば洋傘店」に関わる人達の連作短編集。
最近 傘の個人店て殆ど見かけなくなった気がします。
スノさんと大志さんの親子関係がいい感じです。
出てくる女性たち それぞれ悩み抱えてるけど この洋傘店やスノさん達に知り合って 心が軽くなっていく 全体的に寺地さんらしい 優しさに溢れてます。
ソノミーさんの心配で荷物が増えていく感じよくわかる。
「親子でもお互いのしんどさを無視する権利はある」
「止まない雨はない でも止んだ後も後処理だって大変 でも必ず雨は止む その雨を心配して晴でも傘を持つのは無意味」
Posted by ブクログ
連作短編集になっていて面白い。
どのお話にもそれぞれ共感出来るところがあったり、クスッとするところもあったり、ジーンとくるところもあった。
装丁も可愛いので読んでて上がる!