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利発だが酷い痘痕の姉ふゆ。逆上せ癖で縹緻よしの妹りよ。幼くして父を亡くし、ふゆは手習師匠の手伝いに、りよは船宿の下女奉公に出された。師匠の養子で禍々しいほどに歪んだ性癖をもつ宗三郎から手籠めにされたふゆは懐妊するが、現人神と崇められる女医者と出逢い、彼女の人生は大きく変わっていく。自我に目覚めた主人公が、女の生と向き合う、時代小説の新しい扉! 第175回直木賞受賞作!
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Posted by ブクログ
読み始めてから20ページ位でこの小説のホンモノぶりに圧倒された。おー、自分はすごい小説を読みはじめてるぞとブルっと震えた。 朝倉かすみ、底が知れない…。 他の作家たちはこの才能に嫉妬するだろうなぁ。 ちょうど直木賞の候補作になったと言うニュースが飛び込んできて思ったのは、選考委員たちは、選ぶ側の...続きを読む自分の作家としての実力を問われるだろうなということ。 だから、「平場の月」で受賞させればよかったのに。 ふゆを始めとする「けんぐぁい」の女たちへの溢れる愛に満ちて、胸が熱くなる。 その女たちのそれぞれの心の中に深く深く入っていって、その女たちが生まれ持ったものをどう始末していくか、どう飼い馴らしていくか、どうそれとともに生きていくかということを愛情を惜しまず書いている。 どの女も大変で、どの女も愛おしい。 文学作品でもあると同時に、エンターテイメント作品でもあり、ぐいぐい読ませるが、勿体無くて読み飛ばしたくなかった。 朝倉かすみは、最も好きな作家の家の1人だが、こんな作品も読ませてくれるとは想像上回る喜びだった。 ずっと朝倉かすみを追っていきたいと改めて思った。
ジャケ買いで帯と装丁を見るなりレジに持って行きました。禍福は糾える縄の如し、というフレーズはあらゆる本で語られますよね。本作中では江戸ならでは、これはちと粋じゃないと言うことで賽の目の1の裏は6理論ってのが小洒落ていて、人生はくじ引きだけどその結末は誰にも分からないよ、ということらしい。作中のふゆも...続きを読む幼いときは痘瘡を周囲からいじられて作り笑いを見せる姿があり、やがて自分を"けんぐわい"に生きるしかない人間だ、と痘瘡面の自分は普通には生きられないと思い込ませられるんですけど、果たしてそうなのか?を問う作品です。思い込ませられたのは、それはそれとして、それを背負い自ら螺旋階段を降りて生きていくことは無いんだ!という気づきに変わる瞬間があるんですね。人っていろんな失敗や枷を背負って生きるけども、別にそれをマイナスに思って生きなくてイイじゃん!ていう小説で、文体も装丁も設定も大好き。朝倉かすみ先生ありがとう。
多分この先人生を振り返ったときに随所随所で思い返す作品になるのだろうと思います。 ふゆ自身の逆境からの生き様や考え方が生ものとして伝わりました。ふゆ周りの人間の人臭さが身近に感じられました。 果たして自分は痘痕面を見たときにどう思うのだろう。。。綺麗な人だな。の前に何かしらはついてしまうと思う。誰...続きを読むもが障がい者に会ったときや元気いっぱいの子どもの甲高い声を聞いたときに100%純情な心で受け入れられるのか。私は真心で相対することができるのだろうか。いやできない。今までもそしてこれからも拭い去ることはできないのではないかとそれを思い知らされ突きつけられた作品でした。そういう意味では私自身もふゆ周りの人間と相違ないのだと自覚させられた作品となりました。 様々なことを考えされられる作品でした。自分自身の白と黒を誰もが持っているなかで実社会でどのように読者がこの作品を読んだ後に立ち回っていくのかそれを楽しみにしている私もいます。 とても面白かったです。時代小説ものに不得手な気持ちがありましたがとてもスラスラと読みやすく集中すれば数日で読み切れるような作品だったと思います。とてもオススメです。
著者初の時代小説ということだが、現代を舞台にしたこれまでの作品に負けず劣らず濃密な筆致を堪能できる。 本作では当時の言葉遣いを現代語に変換せず、恐らくだが忠実に再現させており、そこに著者お得意のインパクトある心情描写が重なることで、比類なき作品世界が構築されている。 個人的には主人公およびその周囲の...続きを読む女性の生と性、そして自立していく様が現代にも通じるテーマを孕んでいて面白かった。 タイトルの「けんぐゎい」=「圏外」という部分があまりしっくりこなかったのだけど、それを差し引いても優れた作品だと思う。 『平場の月』『よむよむかたる』と同じ著者とは思えないくらい幅広い作風でありつつ、この作品でも「朝倉節」が健在である点は著者のオリジナリティとしてもっと評価されてほしいし、これで直木賞獲って欲しいところではあるんだけど、今回は別に凄いのがいるからなあ。。。
この本読んで思ったのは、やっぱ男女の性差はあるよね…ということ。 子を宿す、産む、という身体的な機能が女の一生にいかに影響するのか。 妊娠と出産の生々しさが強烈で、のぞなまない出産、のぞまれない妊娠などを取り上げつつ、母親になる喜びとか、育児とか、そういうものは極力排除している印象を受けた。 オノマ...続きを読むトペの使い方が生々しく、性の描写の気色悪さと嫌悪感がすごかった…。 痘痕顔だから親から諦められてたり、手篭めにされて性の捌け口にされたり、まぁ読んでてこれ以上の屈辱ないなと嫌な気持ちになった。 この嫌悪感ってどこからくるのかなって考えたんだけど、多分、周囲の言いなりになるしかなくて、身も心も無茶苦茶にされてるからなのだと思う。 勝手に人生を決められ、レッテルを貼られ、支配される。なんのために生きてんだ!と絶望感がひどい。 女の幸せを世間に決められてしまうのことの、極端な不幸な形がふゆの身に起こったことなのだと思う。 ただ、そこでふゆが最終的には自分自身の責任に置き換えたところに、強かな部分を感じた。 他人から人生を決められても、最終的に自分の価値を決めるのは自分しかないっていう力強いメッセージとか、モデルを示された気がした。 ラストに、りよが語った話がすごく印象に残っている。 大切な人から、何もしなくてもあなたはそのままでよくて大切なんだと伝えてもらえる。 これって究極の幸せだよなぁと…。 誰かをありのままで大切にできる、そんな柔らかで心地よい気持ちを持っていたいなと思う。
直木賞 レビューには圧倒的に、読みにくいという声。途中で読むのをやめたと言う人も多かった。 そして、直木賞を受賞予想していた人は決して多くなかったように思う。 しかし、私にとって、『見えるか保己一』よりも一文一文が楽しく読めた。『よむよむかたる』でも感じた、朝倉かすみさん独特の文章。ユーモアとリズ...続きを読むムがあるというか。朝倉節と言ってる人もいるな。 楽しいと思うのは、朝倉さんが老婆作家(本人談)であり、私も同じ年代だからかもしれない。 私としては直木賞が取れて良かったと思う。 登場人物たちが喋る江戸弁も小気味良かった。 宗三郎の異常性欲は、朝井リョウの『正欲』を彷彿とさせたし、その他の人間たちの性格、ガストホイス(ゲストハウス?)も、舞台が江戸時代だからまだ成り立つ話なのでは?現代が舞台だと、凄まじく暗いノワール小説になるのでは。 誰かが、後半はファンタジーと言っていたがそうかもしれない。 自己肯定感が低い、けんぐゎい(圏外)のふゆが、自分を取り戻す物語。
無理やりまとめるとすれば、性分と自己肯定感とミソジニーの話。 人間のドロドロした感じをそのまま書いてて、読んでいて中々しんどい。でも性善説。
あの時代、男女、主従…今と比べたら生まれた時点でどうにもならないことが多すぎるように見える。しかも、必ずしも富める者が幸せかというと、それぞれに不自由さがあるようだ。何を幸せとするかは、結局どの時代も人次第なんだろう。 物語に引き込まれたが、精神世界の話が多く、慣れないために冗長に感じてしまった。
ぐちょぐちょねちょねちょ読みにくい。とにかくねっとりしている。ストーリーは悪くない。登場人物それぞれ個性があって説得力もある。漫画で読みたかった。 ほのちゃん始めイヤな奴と思ったけど最後はかわいそうになって心配になって涙を誘う。 直木賞て、こういうのがとるんだ。。
病気による痘痕のせいで行かず後家な女性・ふゆのお話 今ほど「違い」を受け入れられなかった江戸の世 "普通"ではないというだけで人は簡単に"外側"へ追いやられる だけどそんな女が不幸だと一体誰が決めた? 人間のドロっとしたとこがテクスチャそのままに伝わって...続きを読むきた 生まれついた顔や身体 家族、環境、性格、素質、人との巡り合わせ 幸も不幸も全て受け入れるか否かも含めて自らの手で選んだこと 生きるというのはその繰り返しで 人生というのは進んでみるまであの時選び取ったものが幸なのか不幸なのかは分からない
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