あらすじ
利発だが酷い痘痕の姉ふゆ。逆上せ癖で縹緻よしの妹りよ。幼くして父を亡くし、ふゆは手習師匠の手伝いに、りよは船宿の下女奉公に出された。師匠の養子で禍々しいほどに歪んだ性癖をもつ宗三郎から手籠めにされたふゆは懐妊するが、現人神と崇められる女医者と出逢い、彼女の人生は大きく変わっていく。自我に目覚めた主人公が、女の生と向き合う、時代小説の新しい扉! 第175回直木賞受賞作!
感情タグBEST3
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いやいやいやいや、そう来るとは。
疱瘡で身体中に痣ができてしまったふゆの人生。おっかさんを恨むことなく真っ直ぐに生き、産婆となり神さまよりも神さまと呼ばれ生きていく。不条理なことが沢山書いてあるのだけれど、次が知りたい、読みたくなる。難しい漢字や表現が多々あるが、それでも次を読みたくなる。とても面白く読んだ。
Posted by ブクログ
オーディブルで。すごく好き、ヨルゴス・ランティモスみたいな感じ。全身疱瘡のエマ・ストーンみたいな。シスターフッド時代小説。「かぐや姫の物語」の帝と鬼滅の童磨を合わせたような胸糞悪さ10000%みたいな男が出てきてはらわた煮えくりかえるけどきっちり復讐は遂げる。ふゆとけんぐゎいっ子たちで築いた理想の産院は妊産婦と赤ちゃんのためのコクーンであり、生と死のテーマパークともいえるような。下にはちゃんとインフェルノ=地獄が用意されていて垂れ流しの欲望のまま女を犯すうえ妊娠出産・赤子の生き死にまで支配しようとする男を私刑にしてバラバラにしてそこへ送り込む。そりゃそうだ、そこまでしなきゃ安心できないよな。心の中のウニコール(ユニコーン)という架空の生き物を自己肯定の根拠にしているのがとてもいい!自己肯定とはそういうものであってほしい。ここだけ陽気な極彩色なのもランティモス感ある。ふゆが傷つかないようにとウニコールの声が引き止めるけど振り切って飛び出しちゃうシーンはつらかった。それがヒーローの本質のはずなのに。暴行シーンなどは本だったら閉じてしばらく読めなかったかもしれない。スイスイいけたのはオーディブルだからこそっていうのもある。ナレーターさんがすごすぎた。おもしろかった!
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これぞ直木賞!
醜女をヒロインにして成功した小説はとても少ない。美女をヒロインにすれば「誰もが振り返る美女」と書くだけでだいたい想像できる。
しかし、醜女を魅力的に描くには筆者の描写力が必要になる。そこがさすが朝倉かすみ先生である。
この「けんぐゎい」のヒロインふゆは、全身にあばた(痘痕)のある醜女として描かれているが、だからと言って心が美しいとかコミュ力に秀でているとかそういうわけでもない。
自分の内面のコンプレックスと向き合い、いわゆるフレネミーな家族や友人たちと受け流しながらつきあい、目立たぬように毎日を過ごしていく。
その日々に起きた事件が、ふゆの運命を変えていく。
けんぐゎい(圏外)のふゆがたどり着いた天職とは…
エロもグロもあり、映像化は不可能と思われるので、ぜひ本でこの文章を感じてほしい。
Posted by ブクログ
女の内から起ち上がる濃密な文体に酔う
優男の亭主は誰彼構わず精を放つくせに己の分身を認めない
男の内を現すような空疎な様は哀れで滑稽である
吊るされるが良い
主人公は使われる肉から、自ら思い動く主体へ変わりゆく
作者の語りに乗るが良い
Posted by ブクログ
りよとヒデさんのくだりが一番泣けてすごく好き。
あとはふゆがガストホイスをつくるところ。
そしてみんなのお守り袋。
人はただこの世界に生かされているものなのかもしれないけど、そこにはたしかに生きている自分の味がある。一人ひとり違う、生まれ持った何かと人生の中で培った何かが合わさった独特な味が。
わたしもそう思いたい。
Posted by ブクログ
ひらがなが多く読みにくいなと読み進めると…馴染みのない難しい言葉が出てきたり、全く馴染みのないキリスト関連のかな文字が出てきたり、テンポが悪くストーリーにうまく没頭できず、モヤモヤした。主役のふゆさんが中盤くらいから報われはじめ、光の当たる世界へ話が進んで安心した。
面黒いって言葉遊びが面白かったなぁと思います
Posted by ブクログ
「圏外」とされた女性が、自分の居場所を求めて懸命に生きる姿が胸に迫る。
容姿や境遇によって人生を左右され、女性の幸せさえ他人に決められてしまう理不尽さがあまりにも重い。
性被害や妊娠・出産をめぐる壮絶な描写には胸が痛むが、それだけに、過酷な運命に翻弄されながらも、自分の人生を生きようとする姿が力強く心に残った。
独特の文体と濃密な物語世界に圧倒されながら、生まれ持ったものや変えられない境遇と、どう折り合いをつけて生きていくのかを考えさせられる。
社会が定めた価値観からこぼれ落ちた人間にも、その人だけの人生がある。読後も深い余韻が残る一冊。
Posted by ブクログ
独特の言葉遣い、独特の文体、とっつきやすいわけではないけれどいつの世でも変わらないといってもいい女の苦しみを容赦なく描き出した一作。
産みたいのに産めない、産みたくないのに産まされる、産んでも産まなくても辛い。
そしてこの主人公に苦しみを与える男のクズっぷりったらもう歯ぎしりしたくなる憎らしさ。生まれや育ちや見てくれがいい分余計に気持ち悪い。
こんなやつ、どうにかなっちまえばいいのにと思いつつ読んでいったら…まぁそうなるでしょうねという、一片の同情の余地もなく。でもスカッともしない。ちょっと桐野夏生さんの「OUT」を久々に思い出しちゃいました。
本作、好き嫌いがくっきり分かれるでしょうね。あと多分、だめだ読めないって人も老若男女問わずいそう。
ほのも嫌な女。だけど、自分の恵まれっぷりに全然気づかずお気楽にグイグイ人を傷つけたり、あるいは自分の恵まれっぷりを十二分に自覚して知らないふりを装ってグイグイと人を傷つけたりする人なんか今でも結構おられると思います。
まぁ、この人も幸せとはいい難い人生でしたね。というか本作を読んでいたら幸せ、などという言葉が随分と遠く感じられる読み心地です。
あたしたちって、ほんとみんな、生まれて来たから、生きてるだけ。ただそれだけの者どもなの(p123)
でもこの嫌な女が言ったこの言葉はホントにそうだなぁと。
人の立場や思いなんて考えてもみない人もたくさんいるだろうなぁ。
りよという人も独特のつかみどころのない人だったなぁ。でも嫌いじゃない。本作の中では一番もがいて行動した人という感じがして。
全然楽しい話ではないんだけれども、でも暗くもない。最後の一文を読み終えたら、女の人生サバイバルって言葉が浮かびました。
朝倉さんすごい作品で直木賞取られたなぁ。ものすごく勉強されたと受賞後のコメントでおっしゃってましたが、巻末の参考文献見ただけでも「すごく大変だったんだろうなぁ」としみじみ。
まごうことなき新境地だと思います。時代物、今後も楽しみにしたいですね。
Posted by ブクログ
面白かった。最後のふゆの思考は、なんとか産まれた双子にほのへの未練を託すように思えて…その結末を見せてくれないのもまたよかった。
なぜだろう、江戸時代という設定はちょくちょく忘れてしまいがちだったかも…特に後半、大正明治くらいの光景を頭に浮かべてしまった。言葉遣い…?なぜだろう…
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Audible 化を心待ちにしていた作品。ナレーションがはまっていて、特に前半は陰鬱としているのだが、面白く聴けた。宗三郎って何やねんとなりつつ、昔の男は誰もこんな感じなのかなとガッカリする。後半前向きになって、少し安心して終われるのは助かる。
Posted by ブクログ
独特の言葉づかいや表現でわかりにくいうえに、終始気持ち悪い。気持ち悪いを突きつけられる感じ。この本がどう分類されてるのか知らないけど、個人的にはホラー。
ただ、人間のどうしようもなさみたいなものを生々しく描きながらも、人間嫌いではないだなって伝わってくるような。人それぞれ嫌なところも変なところもあるけど、一旦「良し」としてくれる温かさがある。でも自分を攻撃してくる人は許さなくていいんだっていう強さもあって。ホラーでもあり、成長譚や英雄譚的な感じもある。
多分誰もが持っている(持っていたことがある)自分の中のユニコールを、ちゃんと味方にして、時々は声を聴くのも大事よね。
Posted by ブクログ
長ーーくなるので、超絶お暇な方や、この本は読まないけど内容を知りたいなって方は どうぞ
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幼い頃に重い疱瘡を患い 全身が酷い痘痕(あばた)だらけになってしまったふゆ。ふゆは美人でとても利口な子どもだったが、ブツブツのせいで自分の人生を諦めながら生きる。
妹のりよは、 器量のよい娘に育つも、時おり興奮してお喋りが止まらなくなる逆上り(のぼり)癖の持ち主。自由奔放に生きている。
そんな正反対の姉妹だが、お互いの一番の理解者であり、互いの存在が心の拠り所であった。
しかし、利発なふゆは手習所の裏方仕事へ、器量良しのりよは船宿の下女奉公へと 別れて暮らすことになる。
やがてふゆは手習所で、師匠の養子である宗三郎という男に密かに恋心を抱く。宗三郎は容姿端麗で 甘い声の持ち主だが その実かなーーりヤバい性癖の持ち主で、ふゆは宗三郎の性の捌け口にされる。
手習所の仕事仲間である つる&かめもまた、「普通」から外れた「けんぐゎい(圏外)」の人間だと烙印をおされ宗三郎の餌食となっていた。
宗三郎は言う。
「お前は一生 外側にいるしかないんだ」
幼いりよは、奉公先の主に襲われ逃げ帰ってきたが 母親に冷たくあしらわれ、主の妾となり自暴自棄に生きていた。
やがてふゆは宗三郎の子を身篭ってしまう。
「子供を堕ろさなれば殺す」と宗三郎に脅され手習所を追い出されたふゆは、「現人神」と崇められている女産医のおこまに命を救われ…。
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ルッキズム、身体的ハンデや知能的なハンデ、
様々な個性は時に欠陥だとみなされます。そのせいで生き辛さを感じている人たちがたくさん出てきます。
たとえば、貧富の差や どんな親の元に生まれたか等もそうです。
生きていると何度も人生の選択をする機会が訪れます。
「私が裕福な家の子だったら」
「見た目が悪くなければ」
もっと苦しまずに生きていけるんじゃないか…。
なんて思ったことありませんか?
ふゆはいつも思うんです。
ぶつぶつのせいで…と。
いつかやりたい夢がある。しかし、叶うことはないだろう…と。
そんなふゆの人生を劇的に変えたのは、女産医おこまさまとの出会い。
宗三郎の子を妊娠してしまい、瀕死の状態になったふゆを助けたおこまは、自らの知識や技の全てをふゆに託します。
並々ならぬ努力の結果、ふゆは立派な産医師となり、「世間並み」の外側に追いやられた「圏外」の女たちを集め、女が脅かされることなく安心して暮らせる場所、だれに咎(とが)められることもなく子を産み、産まされることのない自由の約束された場所(ガストホイス)を作ります。
そう、ふゆは自分の人生を切り開くのです。
シンデレラストーリーか、
はたまたシスターフッドか、
いやいや、ここで「めでたしめでたし」じゃないはずです。ここからさきの物語が本当に語りたいことなんじゃないかと思うんです。
女産医師となり あらゆる出産に立ち会ってきたふゆだから考えるのです。人が人たらしめるものとはなんぞや?と。
誰しも「生まれ持った味」があって、それをみんなが「善し」として生きていくことはできないのか?!
そして初めて「ぶつぶつ」の呪縛をかけていたのは自分自身なのだと気づくんです
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【あたしの持って生まれた味とはなんだ」
その前に、とさらに大きな声が出る。
「けんぐわい、ってなんだ」】
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みんな それぞれ「持って生まれた味」は違う。
そして、それはみーーーーんな「善し」なのだ。
「外側だの、世間並みだの」
「しゃらっくさ」
なのだ!!
今 目の前に もうすぐ生まれてこようとする双子がいる。
母親はかなり危険な状態だ。
ふゆは この双子で、ある壮大な賭けをしてみることにした!!
今 双子はの命は「同じ」だ。
さぁ、2人の運命はどこで大きく変わるのだろうかー。
その続きは また別のお話で書くと先生が仰ってました!
私、途中までなかなか読み辛い本だなぁと思っていたんです。でもりよちゃんの存在がかわいくて!たくましくて!推しになってました。りよちゃんを見届けるために読んだと言っても過言ではありません。
あと、なんとも「女性は強い」という印象ばかりが残りがちですが、魅力的な男性陣も沢山出てきましたよ。 まあ、女性よりは頼りなさげではありましたが。
Posted by ブクログ
利発だが顔に酷い痘痕(あばた)を持つ姉のふゆ。美貌に恵まれつつも逆上せ癖のある妹のりよ。幼くして父を亡くした姉妹を待ち受けていたのは、あまりにも理不尽で暗い江戸の社会構造だった。
特に手習師匠の養子・宗三郎の禍々しく歪んだ性癖と、自分の欲望をどこまでも正当化する身勝手な不気味さには絶望すら覚える。
しかし、物語は「昔の女の悲劇」では終わらない。現人神と崇められる女医者との出逢い、そして命の誕生を経て、ふゆは自らの意志と知性で「自我」に目覚めていく。
読書中、朝倉かすみさんの一種独特で鋭利な言葉選びに何度も心を撃ち抜かれた。
「おっかあの『にちゃにちゃ』とした執着と、気持ちの浮き沈みに溺れて生きる弱さ」
「ふゆの心の中に棲む『真白と真黒』という、深層心理の凄絶な対比」
ルッキズムや貧富、地頭の良し悪しによって「圏外」や「真ん中」と区分けする世間の勝手な線引き。
だが、そんな線引きをすること自体がおかしい。誰もが等しく、ただ必死に生きている。
生物学的な道理と人間の割り切れない感情の衝突に胸を締めつけられ、宗三郎のサイコパスぶりに激怒しながらも、「自分の胤は残したくない」という一線に奇妙な救いを見出す。
誕生した生命の前で、言葉が消えて涙があふれるあの瞬間。人間の愚かさや欲望を遥かに凌駕する命の無垢さと尊さに、生きることの根源的な肯定を感じずにはいられなかった。
人生に当たりもハズレもない。まさに「禍福は糾える縄の如し」。
もし運悪くハズレの籤を引き当ててしまったのなら、神社の木にくくりつけて「そんなことありましたっけ?」とすっと忘れて帰ってしまえばいいのだ。
世間の不条理なレッテルも、内なる黒さも引き受けた上で、自らの足で生の尊厳を獲得していくふゆの姿。時代小説の枠組みを軽々と超えて、現代を生きる私たちの魂を強く揺さぶる怪作だった。
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独特の語り口と描写が、主人公の劣等感を際立たせています。女性の性との関連性があり、読み進めるには勇気がいる部分もありました。江戸時代には今はない、階級や女性を軽視するなどが日常茶飯事だったのかも(もはや固定概念)しれません。
生まれ持った場所や育った環境で今後の人生がほぼ決まる悲しい背景もありつつ、今まで読んだことのない不思議な世界観が広がっていました。
オノマトペや擬音•擬音語がちょっと苦痛に感じることもあるけど慣れると面白い。
後半は世界観にはまり、あっという間に読み切りました。
Posted by ブクログ
「いかなる理由や働きかけや脅しがあろうと、女は、産まされてはならぬのである。それと同じく、いかなる理由や働きかけや脅しがあろうと、産めないことがあってはならぬのである。」
すごい
このおこまさまの言葉に涙が出てきました
また、りよがヒデさんから「おいらがただ、おいらのままでいい」と接してもらえたことを語る場面も、涙が出ました
本当にそのとおり
蘭学が入ってきている事から作中は江戸時代だと思われますが、この時代背景から、女性の立場は今とは全く違っているでしょう
けれど、男性と関わるなかで、支配され、弱い立場に置かれ、虐げられていたふゆやりよやほの達の出来事は、現代でも同じように起こっている事と本質的にどこに相違があるでしょうか
女性のための、女性の性を見つめ直して言語化してくれたとんでもない小説でした!
男性がこれを読んで、同じように感じるのかすごく興味があります。どう感じるのかな?
Posted by ブクログ
江戸時代にタイムスリップした気分になった。
主人公になった気持ちで読む事があるが、この作品は一人に絞るのが難しく、色々な登場人物の立場になって、俯瞰して読める作品で、何回か読み返したい深い話です。女性として、容姿、子を産む、と言う視点からだと今を生きる女性に共感できる部分が色々ありました。
Posted by ブクログ
ウニコーーーール!!かわいいな。自分の黒珠にも形やキャラをつけようかな、なにせ一生付き合っていくんだから。
子を産む助けをする人は神さまよりも神さま、っていうのは本当その通りだな、とりわけこの時代。産まされてはならぬ、産めないことがあってはならぬ。たたかいの小説だった。
ふゆの母であるおはつの「ただそうやって生まれてしまって、そうやって生きてしまっただけ、ほんとうはみんなそうなんだ」という言葉も印象的。現代は豊かで平和だから、みんな何か良い生き方的なものを模索してるけど、ほんの百何年前まではただ生きていくだけ、その生きていくことだけに必死だったんだと思う。ほの(とちか)の境遇も無視できない。彼女たちは生きる意味を大きな視点で定めた。ほのの行方だけが気がかりだ。
時代小説というものをほぼ初めて読んだ。当然ながら差別や格差というものが直接的。対する手段や方策も時代的・文化的に限られているから読んでて過酷で苦しい箇所もあるけど、それが翻って後半の宗三郎への反逆にスカッとした。ふゆ視点寄りの語りはユニークな表現の心理的描写も多くて内容的には読みやすかった。
Posted by ブクログ
自我に目覚める女性の物語、と聞いて読みたい!と手に取ったものの、前半なかなか読み進められず……もともと時代小説はあまり得意ではないので……。でも物語の中盤くらいから面白さが加速!前半に描かれた理不尽な出来事、イライラ、モヤモヤを、主人公ふゆが乗り越えて行く(?)感じがよかった。いのち、とは何かということも考えさせられた。最後の一文もよい。
Posted by ブクログ
ふゆが自分には痘痕/負い目があるからと
諦めたり、全てに対して申し訳ないと
思っていた事がただの思い込みなのだと
気付いてくれて良かった。
気付かずに墜ち続けている人がどれほどいるのだろう。
この本を読んで気付く人がどれくらいいるだろう。
けんぐゎいが何だと言うのだ。
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すごくイヤなものを見た(°▽°)
「外側にいる人間」ねえ....(°▽°)
それって誰がどうやって決めるの?(°▽°)
こっちからすればそっちが外側なんですが(°▽°)
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各章にあるウニコールやりんぼって何のことだろうと思いながら読み進める。この描写はキツいなと思いながらも独特のテンポで読み進めることができた。
けんぐぁいっ子たちのコミュニティが作られ、救いのある終わり方が良いです。
Posted by ブクログ
江戸時代、当時の家父長制や外見至上主義で女性は理不尽な扱いを受けていた。その中でもタイトルの『けんぐゎい』(圏外)と言われる、普通からはみ出された女性たちの扱いは酷く、読んでいて気分が悪かったが、そんな女性たちが連帯を組んで力強く生きる姿と逆転劇を起こすのは胸を熱くしました。
Posted by ブクログ
外れた圏外が、けんぐぁい
妖怪めいたエログロワールドから始まり
女性の運命とか命とか縁とか、
ちょっと読みづらい文章ながらも引き込まれていった
ただ読後にじーんとかはない
体温があがった感じ
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「けんぐゎい」で上等!触るんじゃない。気持ち悪い。という感情が強くなり過ぎて、全く内容が入ってこない。序盤から最後まで、ずっと猥雑な人間模様だった。
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著者のインタビューで「実はラストから書き始めた。単行本化するにあたって時系列に書き直した」とあって納得するものがありました。
前半はエログロ的で途中で断念しかけたのですが、後半は生命の賛歌に視点が移り、その差異を感じていたからです。
けんぐぁい、という意味はあまりにも侮辱的で、はじかれた女たちの傷みが胸を締めつけます。同時に今もなお、人が人を見る時に、“けんぐぁい”的な尺度が宿っている現実に気付きます。
作者は桐野夏生さんの『OUT』に影響を受けたとあり、文体を覆う血生臭ささにそれを感じました。
作者の朝倉さんの作品は15年前に『田村はまだか』を読みましたが、その印象と今回の作風とあまりにも違うので、この15年間に朝倉さんに何があったのか、そちらに興味を持ちました。
※Audibleで。
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2026年第175回 直木賞受賞作
Posted by ブクログ
『けんぐゎい』は、江戸時代を舞台に、社会の「圏外」に追いやられた人たちが、自分たちなりの居場所を作っていく物語だと感じた。
主人公のふゆは、顔の痘痕によって「普通の女性」として扱われにくく、容姿だけで人生の選択肢を狭められていく。その残酷さが、この作品の出発点になっている。一方で、ふゆは産医のおこまさまと出会い、「産む・産まない」を女性自身が選ぶという考え方や、生き方そのものを学んでいく。
印象的だったのは、「圏外」にいる者同士の連帯が、必ずしも美しいだけではないことだ。ふゆやつるは宗三郎から深く傷つけられ、最終的に仲間と彼を殺す。気持ちは理解できても、殺すことが本当に解決だったのか、仲間意識が強くなることで一線を越えてしまう怖さも感じた。
また、ウニコールはふゆを正しく導く存在ではなく、迷った時に内なる声を示す存在に見える。つまり「迷いがない=正しい」ではない。ちかが自ら子どもを産むことを選びながら命を落としたことも含め、自分で選んだからといって、必ず思い通りの結果や正しい結果になるわけではない、という厳しさが作品全体に流れている。
最後に双子を、一人は多田家、一人はふゆたちの共同体で育てる結末も印象的だった。同じ血を持つ二人が、異なる価値観の中でどう育つのか。一方で、自分の人生を他人に決められることに苦しんできたふゆたちが、今度は子どもの人生を決めてしまう矛盾も残る。
「普通」から外れた人を普通に戻すのではなく、外れたままどう生きるのか。そして自由、連帯、正しさは本当に一致するのか。読み終えたあとも答えが残らないからこそ、考え続けたくなる作品だった。
Posted by ブクログ
男女の差、身分•貧富の差、気量良し悪しの差、生まれた時からのくじ引きの考え方をするほのの語りと、主人公ふゆの生き様が最期まで関係してくる。物語の前半と後半で、ふゆの人格が異なる。読むのが辛いシーンも多いけど、虐げられた女性たちを救う勧善懲悪ストーリーともいえる。いかなる理由や働きかけや脅しがあろうと、女は産まされてはならぬ。それと同じく、産めないことがあってはならぬ。修行のあと、その扶け(たすけ)を生涯の仕事にしていくふゆが、自らの人生を選んだというより選ばされた連続だったとふりかえりながらも初めにいのちありき、という信念をもって天職を全うしていく。産前産後に携わる人にも読んでみてほしい。