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高校時代の同級生五人――三十代後半になった彼らの人生は、一人の自死をきっかけにして、さまざまな挫折や変貌や再出発を強いられていく。宗教二世、小説家、主婦等々、五人それぞれの生きることの迷いと歓びと傷、そして再生への切なる希望を深い声で語り、無常観の果てにある祈りの旋律が鳴り響く著者真骨頂の感動作!
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Posted by ブクログ
何者かになりたい気持ちの時と、自分が生きていた痕跡など何も残さずに消えたい気持ちの時とを行き来し、今はそういうことをほとんど考えずに生きていられる。 他者のことを背負いすぎず、他者に期待をしすぎず、他者と自分を比較しすぎず、自分のあり方に期待しすぎずに生きることのなんと難しいこと。 これが死ぬまで続...続きを読むくなんて。 それにしても、生理前は本当によくない。 人の身体は今の社会を生きていくのにそんなに適していないと思うけれど、その中でも一二を争うくらい不都合な性質だと思う。 私にとっても、今読めてよかった一冊。
読み終わって、涙が溢れてきた。 なんだか暗くて重い話だなぁと思いながら読んでいたのだけど、ただの暗い話ではなかった。 最後は希望につながっていた。 自死した菜乃子が、死んでやっと気づいた書きたかった小説。 死にたい気持ちに寄り添う文章だけじゃなく、私のような人間がもう一度、生きてみようと思える文章...続きを読む。 この本は菜乃子が書きたかった小説そのものなんだろうなと思った。
同級生男女5人の物語。よくある設定だが、窪美澄さんらしいとても湿度が高い世界観に引き込まれる。そして成仏したかのような穏やかな結末に安堵する。この低温度で湿度の高さは癖になる。
高校時代の5人の仲間。同性愛者2人、カップル2組で、宗教二世の子、祖母の介護をさせられる子など複雑。そして菜乃子が命を絶つ。彼女が命を絶った理由がわからないと4人は言っていたが、私はわかる気がした。端から見れば恵まれた人生でも満たされない淋しさのようなものはあるのだと思う。 「自分のことを嫌いな人...続きを読むがいてもいいの。その人は彩音ちゃんの人生とはなんの関係もない。人生で起こるすべてのことに、真面目に向き合う必要はないの。もっと不真面目でいいの。そこにいるだけでいいの。」
どうして自殺したのか分からない同級生の死を境に、それぞれ仲良しだった人々が自分を見つめ、日々を歩き出す。何故⁇どうして⁇な問いが人生には溢れているのかも。
大切な人の死は悲しい。思い出の中には後悔もあり、感謝もある。どんな死でも生きていたこと出会ったことに意味を求めて生きている者に影響を与え続ける。ということなのかな。
人生の中盤だからこそ、同年代には響くものがあると思う。 高校時代の同級生5人が30代後半になり1一人の自死によって様々な葛藤に悩まされる。姿を各々で語られる短編集。 30代後半は僕の中では人生で色々なイベントが起きる時期だと考えていました。 また、自分自身ももうすぐ30代後半なので、この小説から...続きを読むたくさんの人ことが学べると思い読みました。 一人の死が周りに与える影響力に驚きました。 生きる気力を無くしたり、逆に糧にしたりとその物事で捉える形が違うのだと感じます。 また、当時では語られなかったことを心に秘めて生きていたり。 人はいろいろなことを抱えて生きているのかも知れませんね。 人は生きることが価値ではなく。その場にいるのに価値があるのだと感じることができた気もします。
恩田陸さんの「黒と茶の幻想」が大好きで、それぞれの目線で語られる、長い関係の男女4人の物語という共通点にまず、心が躍った。最後の答え合わせのような菜乃子の章があったのもよかった。 誰かの目線で語られるその人と、その人自身の語りから受ける印象が違いすぎて、その相違点が興味深くおもしろい。 登場人物...続きを読むたちの人生には、それぞれ苦しみや迷いがある。それでも、その人生の中に確かに存在した一瞬の、儚くも美しい輝きが描かれていて、その光景が読後も静かに心に残り続けている。
高校時代、いつも行動を共にしていた菜乃子、達也、健太、沙耶、倫子。菜乃子の自死をきっかけに、それぞれの関係と思いが順に語られた小説でした。 月日が経つと環境が変わっていき、様々な経験を積み重ね、考え方が変わっていきます。そのなかでのそれぞれの上っ面だけでなく、人間の本能や心の奥底までをえがきだして...続きを読むいました。 分かりあえない親子、宗教二世、結婚への執着、同性愛、才能への嫉妬などが複雑にからんでいて、一気に読んでしまいました。 一番印象に残ったのは、最後の章です。死にたかった菜乃子が、自分を思い出してくれる4人の生きざまを見て思う事が、綴られていました。 救われた思いで読み終えられたことが、とてもよかったと思えた小説でした。 〈目次〉 窓辺の夕餉 野辺の送り 空夜 柘榴色の雪 芍薬の星月夜
菜乃子、達也、健太、倫子、沙耶。 高校の同級生の彼らはいつも5人でいた。 ずっとその関係が続いていた彼らだったが、 グループの中心的存在だった菜乃子が自死し、 そのバランスが崩れてしまう。 5人それぞれの複雑な関係性に驚く。 ああ、実はそうだったんだなと。 彼らの恋愛感情が、なかなか複雑。 一見、...続きを読む仲が良さそうな5人だが、内側には ドロドロした物を抱えており、お互いを 肯定しているわけではないところが、 なかなか面白い。残された者たちが 菜乃子の死を、どう乗り越えていくのか。 倫子は作家として活躍し、沙耶は結婚して 子どもを産み育てる。さて、男性陣はというと、 達也は菜乃子の死を受け入れることが出来ないまま生きていく選択をし、健太は母親が入信し、 拒絶していた宗教の教祖となっていた(なぜ?) 最終話の、亡くなっている菜乃子の語りが 謎だったが、美しく、憧れられていた彼女の 内側にも、色々と思うところがあったのだと 分かる。 彼女が愛した芍薬の咲く季節に、彼女が成仏 していく描写がとても美しかった。 「死にたい気持ちと闘わなくていい。 死にたい気持ちを抱えて生きていくのは、 ちっともおかしなことじゃないから」 最後の達也の言葉が胸に残る。 決して明るくはないストーリーだが 印象に残る物語だった。
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