あらすじ
高校時代の同級生五人――三十代後半になった彼らの人生は、一人の自死をきっかけにして、さまざまな挫折や変貌や再出発を強いられていく。宗教二世、小説家、主婦等々、五人それぞれの生きることの迷いと歓びと傷、そして再生への切なる希望を深い声で語り、無常観の果てにある祈りの旋律が鳴り響く著者真骨頂の感動作!
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Posted by ブクログ
「窓辺の夕餉に」
「野辺の送り」
「空夜」
「柘榴色の雪」
「芍薬の星月夜」
五編を収めた連作短編集。
私がずっと待ち望んでいた窪美澄作品だった。
初期作を思わせるひりつくような描写に冒頭から一気に引き込まれる。
沙耶、健太、倫子、達也、菜乃子の五人は高校の同級生。
仲の良いグループに見えても胸の奥には複雑な感情が渦巻いている。
グループの中心だった菜乃子の自死をきっかけに、残された四人の人生も静かに揺れ動く。
読みながら何度も息を呑んだ。
「不在」がもたらす哀しみが、じわりと胸に押し寄せてくる。
最終章では堪えていた涙が溢れた。
Posted by ブクログ
2026/02/01予約3
とてもよかった。心の不安定な人間を支え続ける事は同じ経験をした人しかわからない重さがある、そうだよね、なかなか気づいてもらえないけど。菜乃子を支えながら達也も気持ちや気力を吸い取られちゃったんだろうな。共依存でも捨てられない辛さ。健太は切り捨てたつもりの母親に絡め取られてたってことかな。菜乃子が死んでもまた死にたい、死ぬまでわからなかったと感じながら親、友人が歳を重ねていく様子を見るのはきつい、これを読んで踏みとどまる人がいるといいな。私もね。
Posted by ブクログ
高校時代連んでいた男女5人組。約20年後、その中心的人物だった菜乃子が自死した。
残された4人が主人公となり、それぞれの人生に彼女の死が大きな影響を与えていく連作短編集。
残された人たちは、自分のせいじゃないか、あの時こうしておけば良かったのかも、などと永遠に正確な答えなどわからない問いを考え続ける。
本当に辛い。
残された4人が主人公となる連作短編集だが、最後の章はそう来たかと。この最終章があったからこそ、残された者のさらにその先がわかり、亡くなった菜乃子の気持ちも少しだけ理解できた。
最初から最後まで装画そのもの。とても寂しくて、切なくて悲しい物語だった。でも、こういう窪さんの作品が私は好きだな。
Posted by ブクログ
男女5人の同級生の物語。一人の自死により、残された4人の人生にさまざまな変化が生まれていく。
単純そうに見えて、いくつもの要素が折り重なっている作品で、「何を描いているのか」は簡単には言い切れない。ただ、最終頁の一節から、自分なりに受け取ったのは、「死にたい」と思うような感情を抱えていても、ほんの少し力を抜いてもいいのではないか、という感覚だった。
個人的に年を重ねるにつれて、人生に強く求めるものは少しずつ減ってきた気がする。それを寂しく思うこともあるが、同時に、大きく期待しすぎないことで、穏やかに過ごせている実感もある。
いま「もう楽になりたい」と感じている人が、この物語のどこかに引っかかるものを見つけられたらいい。そんなことを思いながら読み終えた。 ★4.0
Posted by ブクログ
何事にも真正面から真面目にぶつかって闘う必要なんてない
自分のなかに発生する負の感情と闘わなくていいんだ
それを抱えて生きていくのはちっともおかしなことじゃない
人生を肯定してくれる優しい物語
Posted by ブクログ
考えすぎたり、全ての物事を真正面から捉えすぎたり、そういう人間にとって生きづらい世界。自分が生きている意味だとか、存在意義だとか、そういうことをどれだけ長く考えても、答えが出ることはないのだろう。もちろんこの本の中にも答えがあるわけではないのだけれど、それでも、生きるということに対して、心が軽くなる言葉に出会える。身勝手ながらも、誰かのことを、穏やかに生きていてほしい、そこにいてくれたらいい、生きていてくれたらいい、と願う気持ちは、とても切なくて愛おしい。何者にもならなくていいから、自分の人生を好きに生きていけばいい。
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夜明け前がイメージされる小説だ。最終章「芍薬の星月夜」が圧巻。「人間なんて、・・・もっと不真面目でいいの。」倫子の言葉に救われる。菜乃子のお気に入りのワンピースには芍薬の花のプリント。花言葉は「恥じらい」そして「幸せな結婚」。切ない!
Posted by ブクログ
今回の窪美澄さんの作品は、親友との関係性をテーマにした作品ということで、さっそく本作を手に取りました。葛藤や人の弱さを感情描写だけでなく、人の行動に昇華するのがとてもうまくて、思わずその展開に引きつけられてしまう作品だったかなと思います。
本作はある日、仲の良かった同級生が自死してしまうことから始まります。高校時代から5人で行動することが多く、社会に出ても関係が続いていた同級生の死によって、他の4人が同級生との関係性や自分の在り方などを顧みるといったストーリー。
個人的に本作で惹き込まれてしまった描写は、第1章の終盤でした。あまりネタバレになるので深くは踏み込まないですが、喪失感や虚無感といったものからくる人間の弱さがこの描写で描かれているようで、ホラー味を感じつつも、どこか神秘的な印象も受けたようなシーンだったように感じました。
個人的な評価ではありますが、本作はスッキリしない虚しさや、どこか無常感を感じるような作品であるため、全ての人にオススメできる作品かと問われると微妙なところがあったため、評価としては4にしました。
Posted by ブクログ
高校からの友人5人組のうち、1人が自死した。その5人の関係を、5人それぞれの視点から描く。
過剰に悲劇的にせず、5人それぞれの気持ちが淡々と真っすぐに表現されているので読み味がスッキリしている
小説家になった倫子の視点で、ほかの4人の視点よりも人物の描写が細やかで鮮烈に見えたのは、小説家の感受性の表現であろうか
Posted by ブクログ
高校時代に知り合って以来、20年近くも付き合い続けた仲良し5人組の男女。その中心人物だった菜乃子が死んだ。残された4人が一人称で語る菜乃子との思い出や、それぞれの人生についてが、1章ずつ描かれていく。
一口に仲良しといっても気が合う・合わないという程度の齟齬はあるし、語られなかった思いもある。男と女のややこしい事情もある。なにが真実で、どうすればよかったのか。正解はわからない。
ぼくには菜乃子は“めんどくせえ女”としか思えなかったが、彼ら4人には特別な存在だったのだろう。
Posted by ブクログ
大切な誰かが死んだとしても
この先の未来が見えずに不安だったとしても
たとえ
死にたいという気持ちを抱えながらでも
人は生きていかなければならない。
めぐる季節の中や
何気ない日々の暮らしの中に
小さな幸せはきっとある。
そんな当たり前で忘れてしまいそうなことを
大げさに訴えかけるのではなく
ただそばに寄り添い
思い出させてくれるやさしさがあった。
Posted by ブクログ
高校の同級生男女5人のその後を描く連作短編集。自死したり、母親が宗教にはまったり、書店員になったり。
基本的に暗い話。考えさせられるところはあるけれど、めちゃくちゃ面白かったとは言えないかな。
Posted by ブクログ
高校時代からの友達グループ。その一人が自死するところから始まる残された者たちのその後の人生。
こういう菜乃子のような気質の人は確実にいるんだろうね。でも生きることを突き詰めすぎるのはやめた方がいい。だって答えなんかないから。
そんな人たちに「ただそこに生きているだけでいいんだよ」と伝えるために書かれたような作品。
その言葉を身近な人に言われてもダメで、小説の中の言葉だからこそ響くということもあるんだろうな、彩音のように。
そのために窪さんは作家を続けているのかもしれないと、倫子の言葉を読んで思った。
何者にならなくても生きているだけでいい、死んでから何年も経った菜乃子がそのことに気づく…これも救いなのかな。遅かったけどね。
Posted by ブクログ
帯にある「赦しに満ちた至上の最終章があなたを解き放つ〜」にひかれ 読み進み。一気に読み終えた。
高校の同級生かぁ〜、リアルに何人か思い出したり。一緒に同じだけ時が流れても その厚みはそれぞれ違うから それはそれとして 年を重ねたことを 認め合うくらいの関係がいいな、と思った。5人の登場人物のどこかしら、もしかしたら 窪さんなのかな?とも思っちゃった。
Posted by ブクログ
流石の窪文体で読ませるが、題材・主題ともにあまり好みではなかったので辛口評価にした。多分私が天邪鬼なだけで、通常の窪読者には刺さる内容だと思う。
Posted by ブクログ
人は生きて、何者かにならなくてもいい。
人間はそこにただいるだけで十分なのだとやっと気づいた。
死にたい気持ちと戦わなくていい。
死にたい気持ちを抱えて生きて行くことはちっともおかしいことではない。
Posted by ブクログ
良かったです。一気読みかな。私の好きなヒューマンドラマ。作家さんて繊細な人が多いのか、それとも女性特有のものなのか。自分の若い頃と重ね合わせるけどこれほど物事を深く考えてなかったな。