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それは都市を導き、未来を方向付ける塔になる――。建築家・牧名沙羅は、〈同情されるべき人々〉【ホモ・ミゼラビリス】が暮らす新時代の刑務所・シンパシータワートーキョーのコンペに参加する。人は、どこまで寛容で在らねばならないのか。空虚な言葉と正義が支配する東京に、沙羅のデザインしたタワーがそびえ立つ。生成AI時代の到来を預言する衝撃の芥川賞受賞作。文庫化に際し、単行本未収録の短編と、建築家・永山祐子さんとの対談を収録。(解説・青木淳)
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Posted by ブクログ
自分の中にすごい電流が走った。芥川賞受賞作や純文学がどちらかというと苦手で、金原ひとみさん、高瀬隼子さん、綿矢りさみたいな軽やかな書き振りのものなら楽しく読めるのだけどそうじゃないものはなかなか…と思いながらの読書人生を生きてきたのだが、これは自分の中で天地がひっくり返る感じがあった。文章の難解さ、...続きを読む硬度、芸術性において純文学のど真ん中を行きつつ、まるで大衆小説を読むときのような感じでどんどんページがめくれてしまう。言葉と文章のチョイスやテンポがとにかく心地よい。主人公である牧名沙羅と、相手役の東上拓人の内面、思考回路をもっと知りたい、もっと浸りたいと思うし、書き振りがクセになるww荒唐無稽な心理描写なのに、なんかわかりみが深い。理屈ではない。思想にロマンが感じられて、読みながら「これすごい…すごいものを読んでる…!」とゾクゾクした。こんな文章を書ける人がこの世にいるんですね…まさしく文才…。想像がつかない。この著者の文章を今後も読んでみたいと思った!
最初は独特で難しすぎる!と思うたけど、読んでくうちにクセになる。 同情されるべき犯罪者はたしかにいる。 私が犯罪者じゃないのは、周りの人に恵まれていたからだ。親や環境が違えば、誰だって犯罪者になりえる。
文庫化を待ってて良かったなと思える、芥川賞っぽさを感じる作品 言葉遊びは面白かったが、犯罪者は環境が作る云々あたりで萎えた
SF likeな純文学、て感じ? 入りはやや難解だし、感情移入の余地はないが、読み応えあって面白かった。
AIに頼ることが当たり前となってきて、自分で言葉を探すことをしなくなって、与えられる言葉を使って生きていくことにむしろ気楽さを感じていた。誰も傷つけないふわふわしたカタカナみたいな言葉を使うことが当たり前のように染み付いていたので、そのアンチテーゼの思想を持つ建築家の女性は理解し難いものだったが、同...続きを読むじような葛藤を抱える人間なのだと感じる面もあった。建築を生み出す究極のエゴイズム、人間の支配欲求は理解するのに難しい。ただ淡々とそれを良いものか悪いものか感情は置いておいて受け入れる。そんな一市民として生きてしまうことは果たしてダメなのか?このお話で伝えたいだろうことを理解できた気はしないので、もう少し寝かせることにします。
建築としての文学という解説に頷く。言葉で構築されたエッシャーみたいな感じ?伏線は回収されず螺旋状に連環する。内部のない構造の生成と消滅。 最近の芥川賞も建築の話だったし(冒頭で挫折したけど)建築と文学というのはポストモダンな風情のようで実は今キテるのかもしれない。
脳内で検閲を繰り返してやっと出てきた当たり障りのない言葉は本音と大きく乖離する。見えない相手に配慮した結果、誰に何が伝わるんだろう。
読む前には、流行をうまく形にするセンスだけで成立しているキワモノだと勝手に思い込んでいた。しかし、実際に読んでみると、かなり奥深いテーマを扱っている正統派の小説ではないか!、と印象がガラリと変わった。 それほど長くはない小説だが、構成はかなり複雑。実は解説を読むまで、自分ではうまく解きほぐせなかった...続きを読む。単調な外壁の連鎖を嫌い、細かい意匠の連鎖でリズムを生み出しながら、全体を俯瞰してみれば大きな構造が浮かび上がるように設計されている、という建築家的発想によるのかもしれない。
カタカナ言葉で新たな概念を作り出して押し付ける、そんなことが平気で起きるようになっているし、SNSを活用して今後ますます盛んになりそうだと思う。生きにくくなりそう。
ザハ案の国立競技場が建ったパラレルワールドの日本が舞台の建築文学作品。ディストピアな世界感が面白かった。 “ホモ・ミゼラビリス”などと訳の分からない造語が出てきて、それを解説されるうちに何となく受け入れてしまう擬似体験をさせられ、カタカナの造語が汎用される世を皮肉っている。 変な終わり方するので取っ...続きを読む付きづらい作家かなと思ったけど、おまけの短編がファニーでなんだか安心した。
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