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Posted by ブクログ
ナツイチで購入したもの。「舞台」をテーマにした連作短編集です。一口に舞台といっても単に演じる側と観る側というだけでなく、演じられる場所も演じる目的も観ることの意味もさまざま。独特というか奇妙な話が多いのは流石の小川洋子節といった感じですが、なんというか舞台というものと小川洋子さんの世界観はしっくりきすぎるぐらいに合ってるんですね。他の世界から切り離されたような箱庭的な空気感は演劇的でもありますし、身体性を意識させるような登場人物の造形も演技や演出と相性の良い部分だと感じます。近年小川さん自身が観劇に凝っていらっしゃるということで今後の作品にも「舞台」のモチーフがどう関わってくるか楽しみです。
Posted by ブクログ
小川洋子さんの最新作である『劇場という名の星座』の前に上梓された『掌に眠る舞台』が今回の一冊となる。
両作品とも劇場に纏わる人たちを綴った物語だ。
今回の『掌に眠る舞台』も相変わらず静謐で美しい描写ながら、どこか不穏な雰囲気が漂いながら、人間の孤独が描かれている8編からなる短編集だ。
この一冊に綴られた小川洋子さんの不思議な世界は、少々ホラー的恐怖感が潜んでいた。
表題に記されている「舞台」は、劇場の舞台のみならず、日常のある日の場面をも含んでいた。
物語の特徴として、物語の終わり方が共通していた。
ジ・エンドといった完結の仕方ではなく、その後の余韻を残して物語は終わる。
主人公のその後は読者の想像にお任せしますよと、作者の小川さんからバトンを渡されるような感じなのだ。
読者のその後の展開が、舞台の第二幕となる。
Posted by ブクログ
私に、、、小川文学は早かった、、、??
と、思うくらい、良く言えば小川洋子ワールド全開、悪く言えば気持ち悪いストーリーが、舞台をテーマに繰り広げられる。
特に「鍾乳洞の恋」は、頭痛を感じるくらい頭を悩ませながら読みました。
「オペラ座の怪人」、それに、タイトルの「恋」から、やっぱり主人公と針院の院長は、恋愛までとは行かないけど、限りなくそういった雰囲気に近いような感情があるのではないかと…思ったけど、他の人はどう感じたのか。
口内から湧き続ける虫も、痛みからの幻覚の産物としか考えられなかったです。
「舞台」は、幻覚を見せる場所で、夢と現の狭間のような空間だとすれば、この短編は確かに、主人公の幻覚なのか、現実に起こっているのか、そういう曖昧な物語たちです。
所謂「信用出来ない語り手」系の話が続く…そういう、濃厚な「世にも奇妙な物語」を文学として楽しみたい人にとっては最高かもしれません。
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