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交通事故の保険金で帝国劇場の『レ・ミゼラブル』全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女(「ダブルフォルトの予言」)。金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ『ラ・シルフィード』(「指紋のついた羽」)。お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私(「装飾用の役者」)他5編。演じること、観ること、観られること。ステージの此方と彼方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。
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Posted by ブクログ
ナツイチで購入したもの。「舞台」をテーマにした連作短編集です。一口に舞台といっても単に演じる側と観る側というだけでなく、演じられる場所も演じる目的も観ることの意味もさまざま。独特というか奇妙な話が多いのは流石の小川洋子節といった感じですが、なんというか舞台というものと小川洋子さんの世界観はしっくりき...続きを読むすぎるぐらいに合ってるんですね。他の世界から切り離されたような箱庭的な空気感は演劇的でもありますし、身体性を意識させるような登場人物の造形も演技や演出と相性の良い部分だと感じます。近年小川さん自身が観劇に凝っていらっしゃるということで今後の作品にも「舞台」のモチーフがどう関わってくるか楽しみです。
80分の記憶や鳥とだけ話せる言語など、 脳内の箱庭を描いてきた小川洋子さんが描く、 人が外側に持つ箱庭の物語たち。 「便宜上我々が未亡人や双子や職業婦人や病人や社長、などの呼称がいかに大雑把か。皆さまお一人お一人が特別な存在でした。」 固有名詞の少ない作品が比較的苦手な自分が小川作品を どれも楽し...続きを読むく読めている理由がこの文に詰まっていると思った。 呼称をラベルではなく、個人を表象するいちばん有用な名詞として扱うからこそ、当人の名前よりも確かに、「個」が立ち現れてくるのだと感じた。
観ること、演じること、観られること。 バレエやミュージカルや演劇に魅せられた人たちの、慈愛に満ちた短編集。 それはひとときの儚い夢かもしれないけれど、主人公の女性たちに与えられたささやかな幸せに読み手も浸ることができます。 奇妙な事柄や人物に愛情を注ぎ、美しい文章で描き出す。 孤独で不思議な、まぎれ...続きを読むもなく小川洋子さんの世界でした。 解説者の手によって、舞台の魅力をより鮮やかに感じることができます。
小川洋子さんの最新作である『劇場という名の星座』の前に上梓された『掌に眠る舞台』が今回の一冊となる。 両作品とも劇場に纏わる人たちを綴った物語だ。 今回の『掌に眠る舞台』も相変わらず静謐で美しい描写ながら、どこか不穏な雰囲気が漂いながら、人間の孤独が描かれている8編からなる短編集だ。 この一冊に綴ら...続きを読むれた小川洋子さんの不思議な世界は、少々ホラー的恐怖感が潜んでいた。 表題に記されている「舞台」は、劇場の舞台のみならず、日常のある日の場面をも含んでいた。 物語の特徴として、物語の終わり方が共通していた。 ジ・エンドといった完結の仕方ではなく、その後の余韻を残して物語は終わる。 主人公のその後は読者の想像にお任せしますよと、作者の小川さんからバトンを渡されるような感じなのだ。 読者のその後の展開が、舞台の第二幕となる。
久しぶりの小川洋子さん 短編集。 舞台に魅了されているという小川洋子さん すべての短編が舞台をモチーフに語られる ちょっと不思議で、ちょっと怖くて、 ちょっとせつなくて 小川洋子さんはやっぱりいいなと思える 安心の物語
「指紋のついた羽」のやさしさとさびしさと嘘の話に、少し物足りなさを感じていたら、「ユニコーンを握らせる」から登場人物やシチュエーション・ストーリーのどこかしらが奇妙でズレていて、それによって常に後ろから不安に覗き込まれている感じがして、それが最高だった。 特に「鍾乳洞の恋」が痛みや歯、虫といったもの...続きを読むで、生っぽい、湿った、嫌悪感といったものが存分に、そして静かに語られているのが素晴らしい。
私に、、、小川文学は早かった、、、?? と、思うくらい、良く言えば小川洋子ワールド全開、悪く言えば気持ち悪いストーリーが、舞台をテーマに繰り広げられる。 特に「鍾乳洞の恋」は、頭痛を感じるくらい頭を悩ませながら読みました。 「オペラ座の怪人」、それに、タイトルの「恋」から、やっぱり主人公と針院の...続きを読む院長は、恋愛までとは行かないけど、限りなくそういった雰囲気に近いような感情があるのではないかと…思ったけど、他の人はどう感じたのか。 口内から湧き続ける虫も、痛みからの幻覚の産物としか考えられなかったです。 「舞台」は、幻覚を見せる場所で、夢と現の狭間のような空間だとすれば、この短編は確かに、主人公の幻覚なのか、現実に起こっているのか、そういう曖昧な物語たちです。 所謂「信用出来ない語り手」系の話が続く…そういう、濃厚な「世にも奇妙な物語」を文学として楽しみたい人にとっては最高かもしれません。
どこかこの世の物とは思えない 夢のような話の作品で まさに劇場の観客になることが出来る1冊でした。
小川洋子って、博士の愛した数式のイメージが強いけど、わりとダークネスな作品の方が多いよね…。 短編8作品のうち、「鍾乳洞の恋」の気持ち悪さが好み。虫?みたいなのをシャーレに並べるとかうわー、ってなる。
表現方法が美しく、小説と言うよりも、童話を読んでいるような気分になりました。 舞台に紐づく物語たちは、情景を想像しやすく、読み終わったあともまるでその舞台を観劇しているようです。 私の未熟な部分ではありますが、「鍾乳洞の恋」は理解が難しかったです。この作品の考察や解説を探してみたいと思いますし、色々...続きを読むな方のご意見が聞きたいです。 最後に、好きだったお話を紹介させて頂きます。 「ユニコーンを握らせる」
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小川洋子
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