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Posted by ブクログ
眠ると記憶がリセットされる「忘却探偵」こと掟上今日子(おきてがみきょうこ)が、数々の事件を原則1日で解決していく、というライトミステリー。
これまで西尾作品は読んだことはなく、本作もドラマで観ただけだったのだが、最近 AI(LLM)を使っていると、いつもこの「忘却探偵」のことが頭をよぎるので、原作も読んでみた。
最近の LLM を使ったツールやサービスは、過去の会話を記憶できるようになってきている。しかし、LLM 自体が新しい記憶(学習が終わった以降のユーザーとのやりとりの内容)を保持しているわけではない。ユーザーとのやりとりを記憶しているように見えるのは、ツールやサービスなどのアプリケーションが、それを「備忘録」として記録し、会話する度に LLM に送り込んでいるからである。
本作の今日子の場合、「備忘録」を自分の身体に油性ペンで書いている。そうしなければ、翌朝、自分が何をすべきかもわからないからだ(逆に、残さなければ完全に守秘義務が遂行される。それが彼女のビジネス上のウリになっているのだが)。
さらに言えば、LLM アプリケーションでは、ユーザーとの記憶の前に、「システムプロンプト」と呼ばれるアプリケーション開発者の意図が暗黙に埋め込まれる。それによって、AI が大枠としてどういう役割で動くのかが決まる(例えば、システム開発者なのか、英語学習の先生なのか)。
シリーズの1巻である本書では、今日子の過去はほとんど明かされおらず、「なぜ探偵をしているのか」という謎は残ったままである。その謎を解く鍵は、彼女に与えられるシステムプロンプトに隠されているものと思われる。
最後に、恋愛小説としての側面に触れると、語り部(ワトソン役)の隠館厄介(かくしだてやくすけ)は今日子に好意を抱いているのだが、次に彼女に合う時に毎回「初めまして」になってしまう、という設定が切ない味のスパイスとして効いている。
厄介と今日子の関係は、三上延著『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズの大輔と栞子の関係に近いものを感じた。『ビブリア~』が好きな方には本書もお薦めしたい。その逆も然りである。
寝たら記憶がリセットされる今日子さん
毎回初めましての挨拶をしなくちゃいけないというのが面白い設定だった
ミステリー小説だけれど伏線が散りばめられている訳では無いので、一緒に犯人を推理していくタイプでは無いのかなーと思った
Posted by ブクログ
眠ると記憶がリセットされる探偵、掟上今日子さんのミステリーシリーズの第1巻。全5話収録。
難事件や凶悪犯罪に遭遇しがちな語り手、隠館厄介くんの目線から、例えば、
・「SDカード(機密データ)紛失@密室」
・「100万円返して欲しければ1億円を渡せ」
・「大御所作家が別荘に隠した原稿を探せ」
といった話が続く。
目新しい設定を活かした読みやすい物語で、
まるでアニメや漫画のように気軽に楽しめる作品。
西尾維新作品は初めてでしたが、特に、大御所作家の本を眠らずに100冊読んでいくという、最後の話がぶっ飛んでて面白かったです。好き嫌いは別れそうですが。
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