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「しなければならない育児、しなければならない家事、しなければならない仕事、それと並んでしなければならない不倫、でしかなかったような気がする」――二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが・・・・・・。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
積読本たちに割り込んで、本書を手に取りそのまま読み始める。コロナ禍に感じていた、でも呟けなかった言葉を的確に捉え、放つ。そうそう!と共感しっぱなし。
さて、以下はメモのはしりをコピペした。
何を考えているのかが少しずつ、流しそうめんが箸の間をすり抜けるように掴めなくなっていく
シロアリに胸を食われたような虚無
使われなかったハンドミキサーを持って吾郎宅を出る志絵の心境
第14話の「ただただ、私は理子が大好きだった〜」のあたりグッと込み上げるものがある。そして「嵐みたいな子」というように、そこに狂おしい程の愛情を読みとる。
自分勝手と思えるけど、そこにはちゃんと愛がある。子供がいても子供を言い訳にせずに自分であろうとする姿勢は、見習うところがある。
Posted by ブクログ
仕事のために数ヶ月小説を禁止していた自分にとって、ひさしぶりの金原文学。読み終わった今、とても満足感がある。一方で、読んでいる途中は何度その手を止めされられたかわからない。感嘆というべきか、息が詰まったというべきか、まだ自分でも名前がつけられていない感情、身体の芯からじんとなるような感覚が広がって、それが空気中にまで霧散していくまで待つための時間が幾度となく必要だった。
やはり自分は金原ひとみさんの作品が1,2を争うくらい好きなんだと思う。図太い自分にはもちろん理解しきれない。しかし、理解し切れないからこそ興味が湧くし、驚かされる。そんな浅はかなことを言うことも少し憚られるが、これが率直な気持ちなのだから仕方がない。
Posted by ブクログ
自分にとって高カロリーな小説だった。
ここまで書き上げる金原さんのエネルギーがすごいと思う。
最初娘との会話における志絵の言葉が機械的に感じて没頭できなかったけど、友人や中津川さんとの会話を通して純度の高い志絵が見れた気がした。
志絵の生き方に、人によっては嫌悪感を抱くだろうけど、倫理的、法的に正しい道は決まっていても、個人にとって正しい道はそれぞれだと思う。
絶対的な正しさを武器にした掲示板の書き込み、YouTubeのコメント欄などに共感を持ちつつも息苦しく感じるのは私だけだろうか。
そして「そもそも小説に求めるべき価値は、社会的正当性のない言葉を如何に伝えられるか、だけです」という言葉に共感し、私がなぜ小説が好きなのかを思い出させてくれた。
個人的にりかりの誑かす論が大好きで何度も読み返している。
私も感じたことをもっと言葉で表現できるようになりたい。
Posted by ブクログ
選んだ選択と選ばなかった選択の両方にメリット・デメリットがあり、それらを深く考えて絶望する人間がいる。そんなことに思いを馳せることができていなかった、、。短絡的な思考でしか物事を考えない自分には、志絵の生き方があまりにも辛そうで、いつか彼女が自分自身を破滅へと追い込んでしまうのではないかとヒヤヒヤしながら読み進めていた。そんな志絵には、蒼葉がいて、ひかりがいて、和香がいて、吾郎がいて、そして何よりも理子がいる。人と関わることで孤独を感じるけれど、人と関わるからこそ孤独を癒すことができる。そんな温かさを、コロナという人との関わりを断絶する世情と絡めて描いていたのが素敵な構想だな、と感じた。
『デクリネゾン』に登場する、志絵・ひかり・和香。仲の良い3人が食事を共にし、語らい合う場面が、江國香織さんの『シェニール織とか黄肉のメロンとか』に登場する、民子・理枝・早希を彷彿とさせる。(この江國さんの小説における解説を書いているのは、なんと金原さん…!)
なんだか結びつきを感じて、よく分からないけれど嬉しくなった。
あとは『YABUNONAKA』に登場する長岡友梨奈と、『デクリネゾン』に登場する志絵を混同してしまう、、
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