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「しなければならない育児、しなければならない家事、しなければならない仕事、それと並んでしなければならない不倫、でしかなかったような気がする」――二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが・・・・・・。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
「共感できない」ことと「作品が面白くない」ことを 同源であるというスタンスで感想にする人は ままあるタイプだと認識しているのだけれど、 そういった人を置き去りにすることに 一切の躊躇がない本だと思った。 作中でも(さらりとはあるけれど)語られている、 子どもが、今、食べたくないというだけの物を 「...続きを読む嫌い」「おいしくない」と表現するような。 好きじゃないなら「好きじゃない」と言えばいい。 迂遠さは美徳ではない。 そんなメッセージを感じたので直截な言葉で感想を。 人生は最低で最高だ。
積読本たちに割り込んで、本書を手に取りそのまま読み始める。コロナ禍に感じていた、でも呟けなかった言葉を的確に捉え、放つ。そうそう!と共感しっぱなし。 さて、以下はメモのはしりをコピペした。 何を考えているのかが少しずつ、流しそうめんが箸の間をすり抜けるように掴めなくなっていく シロアリに胸を食...続きを読むわれたような虚無 使われなかったハンドミキサーを持って吾郎宅を出る志絵の心境 第14話の「ただただ、私は理子が大好きだった〜」のあたりグッと込み上げるものがある。そして「嵐みたいな子」というように、そこに狂おしい程の愛情を読みとる。 自分勝手と思えるけど、そこにはちゃんと愛がある。子供がいても子供を言い訳にせずに自分であろうとする姿勢は、見習うところがある。
選んだ選択と選ばなかった選択の両方にメリット・デメリットがあり、それらを深く考えて絶望する人間がいる。そんなことに思いを馳せることができていなかった、、。短絡的な思考でしか物事を考えない自分には、志絵の生き方があまりにも辛そうで、いつか彼女が自分自身を破滅へと追い込んでしまうのではないかとヒヤヒヤし...続きを読むながら読み進めていた。そんな志絵には、蒼葉がいて、ひかりがいて、和香がいて、吾郎がいて、そして何よりも理子がいる。人と関わることで孤独を感じるけれど、人と関わるからこそ孤独を癒すことができる。そんな温かさを、コロナという人との関わりを断絶する世情と絡めて描いていたのが素敵な構想だな、と感じた。 『デクリネゾン』に登場する、志絵・ひかり・和香。仲の良い3人が食事を共にし、語らい合う場面が、江國香織さんの『シェニール織とか黄肉のメロンとか』に登場する、民子・理枝・早希を彷彿とさせる。(この江國さんの小説における解説を書いているのは、なんと金原さん…!) なんだか結びつきを感じて、よく分からないけれど嬉しくなった。 あとは『YABUNONAKA』に登場する長岡友梨奈と、『デクリネゾン』に登場する志絵を混同してしまう、、
私にはちょっと読みにくかったです。 少し抽象的な部分も多く、会話言葉が「」で話されていないところもあって、中々話が入ってこずに読み切ることに少し時間がかかりました。
主人公に全く共感できないからこそすごいなあと思った。他の本だとこんな違う境遇で生きてて違う考え方なのになんとなく共感できるぞ、があるのにこの本は全くもって共感できないし違う生き方をしている人、しかもなんだか小難しいような好きになれない人物。だからこそ入り込みすぎないで客観しながらこの物語を読めた。 ...続きを読む 自分の中のものが確立されていっても時代は変わるし時代が変われば関わる人たちも変わる。変わってくことを受け入れるというか適応していくためには若い人が主人公には必要なんだろうなと思った。
恋愛と家族、結婚と離婚、成長と老い。 覚えていることと忘れること。 食卓を囲むこと。 ・あらゆることを後回しにし続けているから、もはや何を後回しにしているのかさえ忘れてしまう。そんな人間でも何不自由なく生きていけるからこそ、人生は生きづらいとも言える。 ・そもそも小説に求めるべき価値は、社会的正...続きを読む当性のない言葉を如何に伝えられるか、だけです。 ・どんな刺激も経験も出会いも私を変えなかったのに、老いだけが私を変えたのを痛感する。 ・感情は生物で、人を好きな気持ちも執着も悲しみも寂しさも嫉妬も悔しさも、全て酸化していく。味はするけれど、湿気ている。食べながら私も、もう食べたくないと心からうんざりしている。 ・人間は意外と、目の前にあるものの話をしてるんだよね
人の心は変わる、変わるんだけど全くの別物になるのではなく その時の環境、時代、人間関係に必死に適応して生きている結果なんだとこの本を読んで思いました。 あんなに大変だったコロナ禍を僕はもう遠い過去にしてしまっている。この本を読む時間が違うだけでも、違った読み方になってしまっているのだろう。
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