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ほとんど無名のうちに夭折しながらも後年、三島由紀夫をして「デカダンスの詩と古典の端正との結合、熱つぽい額と冷たい檸檬との絶妙な取り合はせであつて、その肉感的な理知の結晶ともいふべき作品は、いつまでも新鮮さを保ち、おそらく現代の粗雑な小説の中に置いたら、その新しさと高貴によつて、ほかの現代文学を忽ち古ぼけた情けないものに見せるであらう」と云わしめた梶井基次郎の全集。難解な語句には注を付し、すべての作品はもとよりの習作・遺稿までを網羅した全一巻。
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Posted by ブクログ
窓を覗く、檸檬を握る。私も彼と一緒のようなことを人生でやったことがある。でも彼のようには感じなかった。注視すべき一つの体験として自分のなかに刻まれなかった。ここに小説家とそれ以外の人間の差があるのかもしれないなと思った。 ひんやりとしたのものや清浄なものが熱病に冒されていた彼に与えた安らぎ。幼い頃...続きを読む、喘息を患っていた私にもわかるような気がした。 また本書とは関係ないのだが、寺田農氏による「檸檬」や「ある崖上の感情」の朗読が素晴らしいので、聞いてみてはいかがだろうか。
梶井基次郎という人は、結核という病を得て死について考え考え、考えぬいて生きたんだなというのがよくわかる。 世間と隔絶されてしまったかのような焦燥感、絶望感、最後は諦念と恐怖のなかにかすかに達観も見られ、どこか救われるような気持ちになったりもした。どれを読んでも胸にせまるものがある。 読みながら、自...続きを読む分自身の父のこと母のことを思い浮かべてなんともいえない切ない気持ちになった。 著者はこの文書を書きながら涙を流し、血を吐いているんだなと思った。 若くして亡くなったことを惜しむ声は多いけど、若くして亡くなることがわかっていたからこそ、ここまでの輝きを放った人だったのではとも思う。
美しい表現や文章に表すことができないような体験を文字として美しく羅列していると思う。 自分が今まで忘れていたようなことをこの人の文章を読んで思い出したことがある。 ただしまだまだスムーズに読むことができない話もたくさんあって、全部は読めていない。 年齢を重ねて、時が来たら読めるようになると思ってそれ...続きを読むを待っている。
うつ病で一人部屋の隅にいた時にこの本を繰り返し読んでいた。この作者の作品群に共通して垣間見える孤独な感じが自分の心を癒してくれるような気がした。でも、少し幸せになった今は本棚から取り出す事がめっきり減った。 そんな作品。
自分の影と対話するような面と、母親や友人との、やりきれなさや苛立ちを抱えつつ、それでもどこか縋るような透明な関係性に共感して引きつけられる。 「檸檬」(角川文庫)になかった初読の作品では「路上」、習作の「卑怯者」「彷徨」が特に印象的だった。 「路上」では崖の道をあえて滑ってみたり、「冬の蝿」では病...続きを読むを抱えているのに山奥に置き去りにしてもらって遠くの温泉地まで夜中に一人歩く話が出てくるんだけど、実際の梶井さんも重症の肺結核で友人の前で川に飛び込んで泳いでみたりしたというから、病んでる人の持つ反転したエネルギーの凄さよ…。 ちなみに宇野千代さんの寄稿では、梶井さんの行動は彼女を心配させることを目的としたものだったとされてて、私的にはそういう次元に留まらないんじゃないかなと思ったりも。梶井さんが宇野さんに「死ぬときは手を握っていてくれますか」と生前言っていたのに実現しなかったエピソードは良かった。
「檸檬」「桜の樹の下には」が収録。夜桜を観に行く前に「桜の樹の下には」を読んでいくと風情?がでていいかもしれません。
この「ちくま文庫」が個人全集刊行を始めた、わりあい早い時期のものだったはず。「全集全1巻」なら、私も「梶井、読んだよ」なんて言えるなあ、と、そういう浅はかな思いが過ったことを告白します。檸檬と丸善があまりにも有名で、だからなんとなく知ったような気になっていた夭折の梶井基次郎、習作や遺稿や解説も含めた...続きを読むものを文庫で手にすることができるなんて、と欣喜したことも憶えています。ちょうどそのころ、梶井基次郎を偏愛していて「あんた、檸檬以外を知らないの?」と言う先輩がいたので、ともかくも、との意地もあって手に入れたフシもあり。ただしそれだけではなくて、「断片の迫力」に気圧されたことは鮮明です。断片だから、「……」から唐突に始まっているものあり、「、……(欠)」で終わっているものあり。「夭折」に関して、不可抗力であれなんであれ、「そーゆーことなんだなー」と、通り一遍の感慨しか持ち得なかった当時の私が、これで打ちのめされたのでした。優劣とか是非を云々するのではなく、「全集全1巻」の、その重さ。
「檸檬」は国語の教科書にも載っていました。 文字数の少ない文章からは インパクトの強さと新しい風を感じます。
好きすぎて何にもいえない。梶井の潔癖ともいえる清廉さは、まわりまわってエロッチクといえてしまいます。
文章うまいし短編ばかりだし読む価値あり。 「早逝したのは残念だがあれが絶頂期だった」と知り合いが言っていたが、個人的にはまだまだこれから伸びていく人だったなと思う。 一人称の作品が多いので、もっと三人称を描けるようになる梶井さんを見たかった。 心理描写もさることながら、会話文が一番好きです。
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梶井基次郎全集 全一巻
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檸檬
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愛撫
「青空語」に寄せて(昭和二年一月号)
青空同人印象記(大正十五年六月号)
「青空」のことなど
浅見淵君に就いて
「亜」の回想
ある崖上の感情
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