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Posted by ブクログ
梶井基次郎という人は、結核という病を得て死について考え考え、考えぬいて生きたんだなというのがよくわかる。
世間と隔絶されてしまったかのような焦燥感、絶望感、最後は諦念と恐怖のなかにかすかに達観も見られ、どこか救われるような気持ちになったりもした。どれを読んでも胸にせまるものがある。
読みながら、自分自身の父のこと母のことを思い浮かべてなんともいえない切ない気持ちになった。
著者はこの文書を書きながら涙を流し、血を吐いているんだなと思った。
若くして亡くなったことを惜しむ声は多いけど、若くして亡くなることがわかっていたからこそ、ここまでの輝きを放った人だったのではとも思う。
Posted by ブクログ
自分の影と対話するような面と、母親や友人との、やりきれなさや苛立ちを抱えつつ、それでもどこか縋るような透明な関係性に共感して引きつけられる。
「檸檬」(角川文庫)になかった初読の作品では「路上」、習作の「卑怯者」「彷徨」が特に印象的だった。
「路上」では崖の道をあえて滑ってみたり、「冬の蝿」では病を抱えているのに山奥に置き去りにしてもらって遠くの温泉地まで夜中に一人歩く話が出てくるんだけど、実際の梶井さんも重症の肺結核で友人の前で川に飛び込んで泳いでみたりしたというから、病んでる人の持つ反転したエネルギーの凄さよ…。
ちなみに宇野千代さんの寄稿では、梶井さんの行動は彼女を心配させることを目的としたものだったとされてて、私的にはそういう次元に留まらないんじゃないかなと思ったりも。梶井さんが宇野さんに「死ぬときは手を握っていてくれますか」と生前言っていたのに実現しなかったエピソードは良かった。
Posted by ブクログ
この「ちくま文庫」が個人全集刊行を始めた、わりあい早い時期のものだったはず。「全集全1巻」なら、私も「梶井、読んだよ」なんて言えるなあ、と、そういう浅はかな思いが過ったことを告白します。檸檬と丸善があまりにも有名で、だからなんとなく知ったような気になっていた夭折の梶井基次郎、習作や遺稿や解説も含めたものを文庫で手にすることができるなんて、と欣喜したことも憶えています。ちょうどそのころ、梶井基次郎を偏愛していて「あんた、檸檬以外を知らないの?」と言う先輩がいたので、ともかくも、との意地もあって手に入れたフシもあり。ただしそれだけではなくて、「断片の迫力」に気圧されたことは鮮明です。断片だから、「……」から唐突に始まっているものあり、「、……(欠)」で終わっているものあり。「夭折」に関して、不可抗力であれなんであれ、「そーゆーことなんだなー」と、通り一遍の感慨しか持ち得なかった当時の私が、これで打ちのめされたのでした。優劣とか是非を云々するのではなく、「全集全1巻」の、その重さ。
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