ユーザーレビュー かけがえのない心 チョ・ヘジン / オ・ヨンア この本を読むまで、韓国の国際養子縁組という社会問題のことを全く知らなかった。 国籍、そして生みの親を失うという二重のアイデンティティの喪失と、どこへ行っても避けられない差別と偏見。「私は何者なのか」と問い続ける人生の悲哀。 不可逆性を多分にはらみながらも、少しずつ重なり合う登場人物たちの人生、その...続きを読む構成の緻密さが圧巻。生命に敬意を持ち丁寧に描く著者の眼差しが温かく良い読後感でした。 Posted by ブクログ かけがえのない心 チョ・ヘジン / オ・ヨンア 原題『단순한 진심』 “でも、何より恐れていることは別にありました。ウジュが私に似ること、私の一番さびしくてかよわい姿に似ることでした。”(p.233) Posted by ブクログ 光の護衛 チョ・ヘジン / 金敬淑 取り残されたり棄てられたことさえも忘れられてしまった人たちの物語 「光の護衛」「じゃあね、お姉ちゃん」が 好きだ 韓国の複雑で過酷な近現代史を改めて知る 『天使たちの都市』の著者の短編集は読む者のこころに深く沈む カバーデザインもすばらしい Posted by ブクログ かけがえのない心 チョ・ヘジン / オ・ヨンア 正しい答えを示すのではなく、 迷いながら主人公たちが自分なりの答えを選んでいくところがいい。 だから読んでいる私自身も、私だったらーと考えられる。 テーマは重いのに、決して派手な展開にせず、どこかドキュメンタリーのように物事が淡々と進んでいくのも、読み手に考えさせる余白が生まれてよい。 自分の過去...続きを読むを探すため、というところから始まっていながら、いつしかそこから話が転がりだし、展開していくのもいい。 養子とか、韓国が舞台とかそういうのとは関係なく、 「わたしがいることの意味」を考えさせてくれる良作だと私は思う。 ※蛇足だが、唯一苦しかったのが登場人物の名前。 似た名前が多くて、頭の悪い私はときどき誰が誰だか わからないときがあった。 Posted by ブクログ かけがえのない心 チョ・ヘジン / オ・ヨンア ナナは、別れた恋人の子供を妊娠していた。そしてその子供に「宇宙」(우주)という名前を付けようと決めた。そしてその日、ソヨンという韓国人の女性から二通目のメールが届いた。その女性は、ナナのインタビューを読んで、フランスに養子に出されるまで過ごした場所や、そので会った人たちを探しながら、最終的にはナナの...続きを読む昔の名前である「ムンジュ」の意味を見つけ出すまでの過程を映画にするという。妊娠初期に飛行機で韓国まで旅をするなんて、常識では断るべきものだったが、ナナはどうしても断れなかった。ナナは、子供の頃に線路で泣いているのを、それに気が付いた機関士が拾い上げ、一年間も世話をしてくれたという。なんとしてもその機関士とその母親に会いたかった…。そして、この旅は、ナナの人生の空いた穴を埋めるものだった。 Posted by ブクログ チョ・ヘジンのレビューをもっと見る