チョ・ヘジンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ正しい答えを示すのではなく、
迷いながら主人公たちが自分なりの答えを選んでいくところがいい。
だから読んでいる私自身も、私だったらーと考えられる。
テーマは重いのに、決して派手な展開にせず、どこかドキュメンタリーのように物事が淡々と進んでいくのも、読み手に考えさせる余白が生まれてよい。
自分の過去を探すため、というところから始まっていながら、いつしかそこから話が転がりだし、展開していくのもいい。
養子とか、韓国が舞台とかそういうのとは関係なく、
「わたしがいることの意味」を考えさせてくれる良作だと私は思う。
※蛇足だが、唯一苦しかったのが登場人物の名前。
似た名前が多くて、頭の悪い私 -
Posted by ブクログ
ナナは、別れた恋人の子供を妊娠していた。そしてその子供に「宇宙」(우주)という名前を付けようと決めた。そしてその日、ソヨンという韓国人の女性から二通目のメールが届いた。その女性は、ナナのインタビューを読んで、フランスに養子に出されるまで過ごした場所や、そので会った人たちを探しながら、最終的にはナナの昔の名前である「ムンジュ」の意味を見つけ出すまでの過程を映画にするという。妊娠初期に飛行機で韓国まで旅をするなんて、常識では断るべきものだったが、ナナはどうしても断れなかった。ナナは、子供の頃に線路で泣いているのを、それに気が付いた機関士が拾い上げ、一年間も世話をしてくれたという。なんとしてもその機