作品一覧
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-戦後アメリカの施政権下から日本に「復帰」する前の沖縄で1970年に誕生した、「反復帰論」の原点を知る本。日本への復帰運動の奔流の中、「反復帰論」は米軍基地を残したままの「復帰」を見つめ、沖縄が心情的に日本を「祖国」として希求することを拒否し、沖縄の真の自立とは何かを問いかけた。最初に「反復帰論」が登場した雑誌『新沖縄文学』(沖縄タイムス社)から8編の論文を再収録。誕生の背景と現代的意味の解説を2編収録した。筆者は大城立裕、珊瑚太郎(牧港篤三)、新川明、仲宗根勇、大江健三郎、池沢聡(岡本恵徳)、比屋根照夫、谷川健一。解説は小松寛、仲里効。
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
私の故郷、沖縄の歴史。
王国から、属国へ。属国から、遵奉へ。
与那原良朝という青年が見た8年間。病床に沈む国王、ヤマトと琉球の板挟みに遭う父、些末に罵倒される恩師、報われぬ人生を嘆き絶命する友、戦を止めるために無駄死にした幼なじみ、信じる心を失った自分。
誰もが琉球のために奔走し、琉球を嘆き、恨み、愛して生き抜いた事変。
私は沖縄県民として、県外で暮らし、働いている。
「沖縄の人は優しい」
「沖縄の人は温かい」
とはよく言ったもので、断らず、なんでも引き受けてくれる県民性を、ナイチャー(沖縄県外の人)は悠々自適に扱っている。沖縄県民は優しいのではなく、幼い頃から教育されてきたのだ。
「ナ -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は中国で20歳の時に敗戦を迎え、表題作で沖縄県出身で最初の芥川賞を受賞した作家。(1967年)
沖縄が本土へ復帰する直前に、沖縄人、日本人、中国人、米国人の4人の男性が親善という名の元欺瞞に満ちたパーティーを行う。そんな中、沖縄人の娘の米兵によるレイプ事件が起きる。 今年で沖縄が本土へ復帰して50年になるがいまだに同じような事件は後を経たない。しかし、そこでは被害者である日本人と加害者である米国人という関係性が成り立つが過去には同じようなことを日本人も中国で行っている。
本文中の「どちらも被害者であると同時に加害者だということを自覚することでしか新しい世紀は始まらない」(p298)という言