作品一覧

  • 「反復帰論」を再び読む
    -
    1巻1,650円 (税込)
    戦後アメリカの施政権下から日本に「復帰」する前の沖縄で1970年に誕生した、「反復帰論」の原点を知る本。日本への復帰運動の奔流の中、「反復帰論」は米軍基地を残したままの「復帰」を見つめ、沖縄が心情的に日本を「祖国」として希求することを拒否し、沖縄の真の自立とは何かを問いかけた。最初に「反復帰論」が登場した雑誌『新沖縄文学』(沖縄タイムス社)から8編の論文を再収録。誕生の背景と現代的意味の解説を2編収録した。筆者は大城立裕、珊瑚太郎(牧港篤三)、新川明、仲宗根勇、大江健三郎、池沢聡(岡本恵徳)、比屋根照夫、谷川健一。解説は小松寛、仲里効。
  • 焼け跡の高校教師
    3.5
    1巻506円 (税込)
    戦後占領下の沖縄。大学を中退し米軍諜報機関の翻訳作業についた私は、仕事に倦んで教師へと職を変えた。赴任先は、校舎も教科書もない高校。だが、日本の影響を受けないここで、国語ではなく“文学”を教えたい。自分の創作戯曲を生徒達に演じさせようと考える。物はないが、もう戦争はないという開放感に満ち溢れた時代の少年少女と教師を描く。著者が自分の一番輝いていた時と回想する自伝的小説。
  • あなた
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    あなたを見守り、また見送るなかで、二人ともに過ごした夫婦の時間は、行きつ戻りつしながら、記憶にさらに深く刻まれ、やがて新たに繋がり始める――沖縄に暮らす日々が、しずかに、ゆたかに、語りだされる。九十二歳の日常と沖縄の現状を綴り、生き抜いてきた時代を書き留める「御嶽の少年」等六篇を収録する最新作品集。
  • クラシック リバイバル 日本名城紀行1
    -
    1~6巻605円 (税込)
    文豪たちが描いた日本の「名城紀行」が復刊。 1977~78年に小学館より発刊された「探訪日本の城」シリーズに掲載された作家の紀行文の復刊。 第1巻は森敦、藤沢周平、円地文子、杉浦明平、飯沢匡、永岡慶之助、奈良本辰也、北畠八穂、杉森久英の9名の文豪たちが個性豊かに描く日本各地の名城紀行である。 視点も作家により様々で、ガイドブックとはひと味もふた味も異なる城案内。史料をベースにまとめる作家もいれば、自分や家族とのかかわりから展開していく作家もいて、実にバラエティに富んでおり、時間が経っても色あせない名文揃いで、城マニアにもお勧めの一冊。
  • 小説 琉球処分(上)
    値引きあり
    3.8
    1~2巻298~847円 (税込)
    清国と薩摩藩に両属していた琉球――日本が明治の世となったため、薩摩藩の圧制から逃れられる希望を抱いていた。ところが、明治政府の大久保利通卿が断行した台湾出兵など数々の施策は、琉球を完全に清から切り離し日本に組み入れるための布石であった。琉球と日本との不可思議な交渉が始まったのである。
  • カクテル・パーティー
    2.0
    1巻506円 (税込)
    本土復帰前の沖縄。主人公の「私」は、米軍基地内のカクテル・パーティーに招かれる。パーティーの主催者はアメリカ人のミラー。招かれたのは、中国語会話のグループの中国人弁護士、新聞記者。それは和やかな国際親善の雰囲気で終始した。その夜、M岬で主人公のひとり娘が米兵に犯された。犯人告訴の助力の為に仲間を訪ねた「私」はミラーの職業や意外な事実を知る。事件をきっかけに国際親善の仮面は暴かれ、秘められた傷痕がえぐり出された。第57回芥川賞受賞の表題作ほか3編。
  • レールの向こう
    -
    1巻1,408円 (税込)
    沖縄に生きて、その風土を呼吸しながら創作を続けてきた八十九歳の作家の、初の私小説。時の移ろいを生き抜く老年の日常。妻の入院をきっかけに、出会ってきた人々の面影とともに、遠い記憶が鮮明に蘇り、いまを生きる私を、強く激しく揺り動かす――川端康成文学賞を受賞した表題作と新作『病棟の窓』を収録する作品集。
  • 対馬丸
    値引きあり
    4.5
    1巻300円 (税込)
    戦局傾いた昭和一九年八月、沖縄から本土に向かった学童疎開船「対馬丸」はアメリカ潜水艦の魚雷攻撃を受け、深夜の海に沈んだ。乗船者一六六一名、うち学童八〇〇余名。生き残った学童は五〇余名に過ぎなかった。戦争完遂のため、次代を背負う若き国民を護るため、という大義名分のもと、国策として実施された疎開事業における最大の悲劇である。その歴史的全貌を伝える名著。(解説・佐藤優/作家・元外務省主任分析官)
  • カクテル・パーティー
    4.0
    1巻1,144円 (税込)
    米国統治下の沖縄で日本人、沖縄人、中国人、米国人の四人が繰り広げる親善パーティー。そのとき米兵による高校生レイプ事件が起こり、国際親善の欺瞞が暴露されていく――。沖縄初の芥川賞受賞の表題作のほか、「亀甲墓」「棒兵隊」「ニライカナイの街」そして日本語版初公表の「戯曲 カクテル・パーティー」をふくむ傑作短編全5編を収録。

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  • 日の果てから
    値引きあり
    -
    1巻947円 (税込)
    1945年4月、アメリカ軍沖縄本島に上陸。凄絶な地上戦の〈地獄絵〉の中、逃げ惑う住民。刑務所も遊廓も、そこに縛られる人々も何もかも、沖縄は死の渦のなかで回転しやがて敗戦とともに浄化される。神女殿内(のろどんち)の家柄である神屋家を絡め、文化、歴史、風土を背景に太平洋戦争末期の沖縄戦を神話的世界にまで昇華させた傑作長篇。平林たい子賞受賞。
  • 普天間よ
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    在日米軍基地の約75%が集中する沖縄。いまも「日常のなかにいつも戦争がある」基地のある町に暮らす祖母、父、娘、三世代それぞれの「普天間」。轟音の中での日常を切実に描き出す書下ろし中篇「普天間よ」を収録、戦前戦後を生き抜いて沖縄文学を牽引し続ける作家が沖縄の魂を織り込んで、「沖縄と戦争」をあぶりだす7篇。

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  • 小説 琉球処分(下)

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    私の故郷、沖縄の歴史。

    王国から、属国へ。属国から、遵奉へ。

    与那原良朝という青年が見た8年間。病床に沈む国王、ヤマトと琉球の板挟みに遭う父、些末に罵倒される恩師、報われぬ人生を嘆き絶命する友、戦を止めるために無駄死にした幼なじみ、信じる心を失った自分。
    誰もが琉球のために奔走し、琉球を嘆き、恨み、愛して生き抜いた事変。

    私は沖縄県民として、県外で暮らし、働いている。
    「沖縄の人は優しい」
    「沖縄の人は温かい」
    とはよく言ったもので、断らず、なんでも引き受けてくれる県民性を、ナイチャー(沖縄県外の人)は悠々自適に扱っている。沖縄県民は優しいのではなく、幼い頃から教育されてきたのだ。
    「ナ

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    2024年05月20日
  • カクテル・パーティー

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    ネタバレ

    著者は中国で20歳の時に敗戦を迎え、表題作で沖縄県出身で最初の芥川賞を受賞した作家。(1967年)
    沖縄が本土へ復帰する直前に、沖縄人、日本人、中国人、米国人の4人の男性が親善という名の元欺瞞に満ちたパーティーを行う。そんな中、沖縄人の娘の米兵によるレイプ事件が起きる。 今年で沖縄が本土へ復帰して50年になるがいまだに同じような事件は後を経たない。しかし、そこでは被害者である日本人と加害者である米国人という関係性が成り立つが過去には同じようなことを日本人も中国で行っている。
    本文中の「どちらも被害者であると同時に加害者だということを自覚することでしか新しい世紀は始まらない」(p298)という言

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    2022年09月30日
  • 小説 琉球処分(上)

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    歴史において「たられば」が禁句なのは承知していても、もしこの時に琉球が清国の下に置かれていたらどうだったのかと思わずにいられない。もちろんその後の日清関係を知る身としては、琉球人の行く末はさほど変わらなかった、あるいは却って悪くなったかもしれないとも思う。日本にとって沖縄とは何なのか、本書を読んで改めて考える。「沖縄県は国防のためにある」自嘲か自棄か、良朝の言葉に唸ってしまう。

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    2021年06月20日
  • 小説 琉球処分(下)

    Posted by ブクログ

    歴史において「たられば」が禁句なのは承知していても、もしこの時に琉球が清国の下に置かれていたらどうだったのかと思わずにいられない。もちろんその後の日清関係を知る身としては、琉球人の行く末はさほど変わらなかった、あるいは却って悪くなったかもしれないとも思う。日本にとって沖縄とは何なのか、本書を読んで改めて考える。「沖縄県は国防のためにある」自嘲か自棄か、良朝の言葉に唸ってしまう。

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    2021年06月20日
  • カクテル・パーティー

    Posted by ブクログ

    < 19世紀は独立国だったと言う考え方>< 明治以前は中国の領土だったと言う考え方>とある通り
    沖縄を語る上でははずせない4人の登場人物が出てくる。琉球人、N県民、中国人、アメリカ人。

    この4人は今の沖縄で日本語と英語が混ざり合い中あえて中国語を話すと言う中国語サークルに属している。主人公である沖縄の住民の私もアメリカ人から中国語を習っている。
    それぞれの国家は戦争で争い合う。
    中国人も中共の兵士に子供2人殺されながらも残った子供と妻を置いて亡命してきている。
    国民に残した戦争の傷跡は国家を超えて1個人の間でも相手の行動に影響及ぼしているのか。戦争の傷跡一人ひとりの間

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    2017年12月06日

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