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朝が来る
第147回直木賞、第15回本屋大賞の受賞作家が到達した新境地! 長く辛い不妊治療の末、栗原清和・佐都子夫婦は、民間団体の仲介で男の子を授かる。朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、夫妻のもとに電話が。それは、息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった――。 自分たちの子供を産めずに、特別養子縁組という手段を選んだ夫婦。 中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い母。 それぞれの葛藤、人生を丹念に描いた、胸に迫る長編。 河瀬直美監督も推薦! 「このラストシーンはとてつもなく強いリアリティがある。」(解説より) -
信仰
信じることの危うさと切実さに痺れる11篇 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」 現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、 同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。 世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。 表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。 文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。 書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。 〈収録作〉 「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」 単行本 2022年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年5月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
ジブリの教科書21 君たちはどう生きるか
多彩な論者が多様に語る、映画のこと 宮崎駿監督最新作にして到達点『君たちはどう生きるか』。重層的な物語の中に、各界のプロフェッショナル達は何を感じ、見出すのか。 【目次より】 Part1 映画『君たちはどう生きるか』誕生 Part2 『君たちはどう生きるか』の音楽 久石譲/米津玄師 Part3 『君たちはどう生きるか』を演じる 山時聡真/あいみょん Part4 『君たちはどう生きるか』を読み解く 藤原辰史/千葉雅也/東畑開人/冲方丁/落合博満/塚原あゆ子/山崎貴 鈴木敏夫 特別インタビュー ほか -
ロッキード
「角栄は本当に有罪だったのか?」 今日にいたるまでくすぶり続ける ロッキード事件の様々な疑問を解明すべく、 著者は事件の全貌を洗い直す。 辻褄の合わない検察側の主張、見過ごされた重大証言、 そして、闇に葬られた〈児玉ルート〉の真相――。 疑惑の背後に、戦後から現在まで続く日米関係の暗部が見えてくる! 特捜神話の真実を関係者の新証言と膨大な資料で剔抉する。 解説=奥山俊宏 ※この電子書籍は2021年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
罪人の選択
2年半の沈黙を破り、満を持して世に放つ貴志祐介ワールド全開の作品集。 最新SF「赤い雨」は、パンデミックが起きたときあらわになる人間の本性を描いた、今読むべき一作。 表題作は、著者自身が「ここまで強いテンションを維持した作品は、書いたことがありません」と断言する手に汗握るミステリー。 人間の愚かさが絶望で世界を塗りつぶすとき、希望が一筋の光となって未来を照らし出す。 〈収録作〉 「夜の記憶」――『十三番目の人格‐ISOLA‐』『黒い家』で本格デビュー前に書かれた貴重な一編。水生生物の「彼」は、暗黒の海の中で目覚め、「町」を目指す。一方三島暁と織女の夫婦は、南の島のバカンスで太陽系脱出前の最後の時を過ごす。二つの物語が交錯するとき、貴志祐介ワールドの原風景が立ち上がる。 「罪人の選択」――1946年8月21日、磯部武雄は佐久間茂に殺されようとしていた。佐久間が戦争に行っている間に、磯部が佐久間の妻を寝取ったからだ。磯部の前に出されたのは一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。もしどちらかを口にして生き延びられたら磯部は許されるという。果たして正解は? ほか「呪文」「赤い雨」の全4作。 ※この電子書籍は2020年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
暗殺の冬
ニューヨーク・タイムズが年間ベストに選んだ傑作警察小説! 1986年、冬。スウェーデン首相が暗殺された夜に、寂しい寒村でひとりの女性が殺された。それは連続殺人犯の最初の犯行だった。しかし暗殺事件の余波で捜査は十全に行われず、第二、第三の事件を許すことになった。第一の被害者を救えなかった刑事スヴェンは姿なき暴行魔を単身、追い続けた。執念の捜査は警官となった息子ヴィダルに引き継がれたが……。 そして現在。作家である「私」はこの村に帰郷する。かつてスヴェンの相棒の刑事だった老女エヴィと私が知り合ったことで、ついに封印されていた恐るべき「罪」が姿をあらわしはじめる。 30年以上にわたる歳月、罪、秘密。最年少で最優秀スウェーデン・ミステリーを受賞し、スウェーデンと北欧のミステリー賞を総なめにしてきた最重要作家カールソンの出世作、日本上陸。 -
ミルク・アンド・ハニー
文学賞三賞に輝いた前作『ダブル・ファンタジー』に続く、魂と官能の傑作長編小説。 脚本家・高遠奈津は、創作の鬼に導かれるようにして夫との穏やかな暮らしを捨てた。 いくつかの恋を経て、現在は物書き志望の恋人・大林一也と暮らしているが、 大林もまた奈津の心と身体を寂しくさせる男だった。自分に触れず、遊び歩くばかりの 大林に気を遣いプレゼントを捧げ続ける日々の中で、元恋人たちと逢瀬を重ねる奈津だったが―― 自由と官能、孤独と愛憎の果てに、奈津がたどり着いた果てとは? 「週刊文春」連載中から「面白過ぎる」と多くの読者・執筆者を夢中にさせた強烈な吸引力のある一冊。 解説・辻村深月 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
リンカーン・ライム
大西洋を股にかける殺人鬼VSリンカーン・ライム イタリアとアメリカで発生した拉致監禁事件。殺人の期限までに名探偵ライムは真相を暴き、被害者を救えるか? シリーズ第13弾! NYの路上で男性が拉致された。ほどなく、監禁された姿が動画サイトにアップされる。 被害者の苦痛のうめきをサンプリングした音楽とともに――。アップロードした主は自称「作曲家」。科学捜査の天才リンカーン・ライムはすぐさま監禁場所を割り出す。 しかし犯人はイタリアに逃亡。ライムたちも犯人を追って、ナポリに向かう。 ※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
秋好英明事件
昭和51年に福岡県で発生し、日本列島を震撼させた「一家四人惨殺事件」。満州で生まれ、極貧のなかに育ち、あらゆる辛酸を嘗め尽くしたあげく事件に至った一人の男の姿は、読むものの心を揺さぶらずにはおかない。ミステリー界の雄が渾身の力で対象に肉薄し、その謎と背景とを解き明かした、日本版『冷血』ともいうべき大著。 -
錯覚の科学
あなたの脳は「6つの錯覚」に支配されている ハーバード大学の俊才たちが、最先端科学実験で次々に明らかにする、あなたの記憶のウソ、認知の歪み、理解の錯覚。 「えひめ丸」を沈没させた潜水艦の艦長は、なぜ“見た”はずの船を見落としたのか。ヒラリー・クリントンはなぜありもしない戦場体験を語ったのか。――日常の錯覚が引き起こす、記憶のウソや認知の歪みをハーバードの俊才が科学実験で徹底検証。サブリミナル効果、モーツァルト効果の陥穽まで暴いた脳科学の通説を覆す衝撃の書! 解説・成毛眞 単行本 2011年2月 文藝春秋刊 文庫版 2014年8月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
「俳優」の肩ごしに
*この電子書籍は、『「俳優」の肩ごしに』文春文庫版を底本としています。文春文庫版には、新たに山下澄人さんとの対談、山下智久さんの特別寄稿、池澤夏樹さんの解説を収録しています。】 実人生と俳優業の原理は似ている――橋のたもとの恐ろしい狂人、淡い憧れを抱いた女先生、父の復員と死……幼年期から少年期の記憶の断片は演技の原点となり、やがて独自の表現へと昇華した。波乱の人生を駆け抜けた孤高の俳優が、特異な視点で自由自在に綴った初の自伝。 付録に山下澄人との対談を収録。 特別寄稿・山下智久 解説・池澤夏樹 「人は与えらえた役柄のなかで生きるしかない」 稀代の俳優、初の自伝! 【日経新聞「私の履歴書」で大反響!】 ●狂人、女先生との同居、戦争体験 ●俳優の原点…父の帰還と「ハダシの疾走」 ●文学座→劇団「雲」→37歳でフリーに ●黒澤明、森繁久彌、三船敏郎、山田太一、寺山修司、伊丹十三…巨人たちとの出会い ●俳優人生の転機『ヘンリー四世』 ●老いをどう迎えるか? etc. 単行本 2022年11月 日本経済新聞出版刊 文庫版 2025年1月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
琥珀の夏
見つかったのは、ミカちゃんなんじゃないか―― 『かがみの孤城』『傲慢と善良』の著者が描く、 瑞々しい子どもたちの日々。そして、痛みと成長。 かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、 少女の白骨遺体が見つかった。 ニュースを知った弁護士の法子は、無騒ぎを覚える。 埋められていたのは、ミカちゃんではないか――。 小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。 法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。 30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。 解説・桜庭一樹 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
開戦前夜
昭和十五年十一月二十五日朝、元老西園寺公望死去を報じる新聞には、野村吉三郎海軍大将の「超大型」駐米大使就任の記事が載った。その朝、引き揚げ日本人客を乗せアメリカから横浜に帰港した新田丸から、二人の米国人神父が上陸する。出迎えたのは予備役海軍少将山本信次郎だった……。対日輸出禁止、渡航制限など、最悪の時期を迎えた日米関係を打開すべく水面下ではさまざまな動きが進むが、現実に進行したのは、相互理解の拒否、善意の拒絶、強圧と屈服要求だった。 -
死の島
大手出版社を定年退職後、カルチャースクールで小説講座を持つ澤登志夫、69歳。 女性問題で妻子と別れて後も、仕事に私生活に精力的に生きてきた。 しかし、がんに侵されて余命いくばくもないことを知るとスクールを辞め、人生の終幕について準備を始める。 講座の教え子・26歳の宮島樹里は、自分の昏い記憶を認めてくれた澤を崇拝し、 傍にいることを望むが、澤はひとり冬の信州へ向かった。 澤は、最後まで自分らしく生きることができるのか。「ある方法」を決行することは可能なのか…。 プライド高く情熱的に生きてきた一人の男が、衝撃的な尊厳死を選び取るまでの内面が描きつくされ、 深い問いかけを読者に与える傑作長編。 解説・白石一文 ※この電子書籍は2018年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
緊立ち 警視庁捜査共助課
警察小説の名手が満を持して放つ新警察小説 常時、七百名を超える所在不明の被疑者の顔を記憶し、人通りの多い場所に立つ見当たり捜査。警視庁捜査共助課見当たり捜査班の川東小桃は、仲間内で‟メモリー・アスリート“と呼ばれる見当たり捜査官の中でも、ひときわ優れた能力を持っていた。相手がサングラスをかけていても、変装していても、整形手術を受けていても、小桃の目から逃れることはできないのだ。 一方、同じ捜査共助課でも、わずかな手がかりを手繰り寄せて被疑者を追い詰める広域捜査共助係の佐宗橙。小桃は少女時代に盗難事件に巻き込まれ、その時の捜査官だった佐宗橙に憧れて警察官になった。奇妙な縁で結ばれた二人は、夫婦関係の難しさに悩まされながらも互いを励ましあい、着実に実績を重ねていく。 そんな時、手配中の強盗および強制性交殺人犯の「緊立ち」(緊急立ち回り情報)飛び込んできた。捜査共助課全員に出動命令が下り、小桃と燈も現場に急行する――。 単行本 2023年9月 文藝春秋刊 文庫版 2026年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
太陽と毒ぐも
「角田光代の隠れた傑作」といわれる、 不完全な恋人たちの、キュートでちょっと毒のある11のラブストーリー。 リョウちゃんは、あたしのたいせつな恋人は、 あたしの前で口を開いた洞窟なのだ。 そうしてあたしは未だその入り口で立ちすくみ、 その一番奥に何があるのか見極めるための 一歩を踏み出せないでいる。 ──「お買いもの」より ハッピーエンドから始まる恋人たちの幸せな日常。 どこにでもいるようで、でもちょっとクセのある11組の恋人たち。 買い物依存症、風呂嫌い、万引き常習犯、迷信好き……。 この恋愛短篇集は、極端な恋人たちを描きながらも、 いつしか、読む者の心の奥に眠らせていた記憶を呼び覚ます。 文句なしの面白さと怖さに震える、長年偏愛されてきた傑作です。 「だが、だからこそ、物語が進むにつれて、そのおかしさが物悲しさへと変わっていく。 どうして、この人は、このままで許してもらえないのだろう。 どうして、最初は許されていたものが、許されなくなってしまうんだろう。(中略) 相手の中の「どうしても許せない部分」が、自分の過去、コンプレックス、傷、そしてそれらに飲み込まれずに生き続けるためにまとってきたたくさんの鎧と関係していることに気づいていくのだ。 作中で「裸んぼで暮らせたら問題なかったんだろうな」という言葉が出てくるが、この物語たちは、裸んぼではいられない、過去を、痛みを、コンプレックスを、すがるものを切り離せずに着膨れながら生きていくしかない人間のかなしみを見つめた作品なのだ」(解説より 芦沢央) ※この電子書籍は2007年6月に文藝春秋より刊行された文庫の新装版を底本としています。 -
ぼくは青くて透明で
高校一年、夏。ぼくは彼と、恋に落ちた 高校一年の夏。地方の高校に転校したぼくは、あの教室で忍に出会った。 恋愛小説の名手が初めて描く、少年と少年の、強くやわらかな愛の軌跡。 血の繋がらない母・美佐子さんと暮らすぼく。 実の母も、父も、いつの間にかどこかへ行ってしまった。 ぼくは男で、男が好きだ。 新しい高校にも、どうやら馴染めそうにない。 学校なんて、卒業してしまえばそれまでなのだからと、ぼくは“空気のように”過ごそうと決めた。 しかし、ふと触れ合ったクラスの優等生、忍の指先の体温が、ゆっくりと確かにぼくの中に広がっていく。 いつしか互いへの思いを募らせてゆく二人の少年。 しかし学校の教室という閉ざされた場所では、思うように過ごすことは難しく――。 「出会わなければ、自分は自分のままでいられたんだ。出会わなければ、いつまでも本当の自分を隠して、普通の人として生きていけた」 それでも、共にいたいと願う二人の少年と、それを見守るいくつもの眼差しを丁寧に描いた、孤独と愛の物語。 解説=鈴掛真 単行本 2024年1月 文藝春秋刊 文庫版 2026年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
奔流の海
人は運命に抗うことができるか? 1968年、後に「千里見の七夕崩れ」とよばれる大型台風による土砂崩れで、町は多数の死者・行方不明者を出した。 20年後、同じ町の旅館の娘・清田千遥は、東京からやってきた大学生・坂井裕二と出会う。裕二はなぜか夜ごと町を徘徊していた―― 激流に飲まれた運命がやがて大きな感動へとたどり着く。 『代償』『悪寒』のベストセラー作家・伊岡瞬史上、 最も残酷で美しい青春ミステリー! Apple Books Store 2022年上半期ベストブック(ミステリー部門) ※この電子書籍は2022年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
宇喜多の捨て嫁
五冠達成! 驚異の新人、衝撃のデビュー作 戦国時代の備前の国で宇喜多直家は権謀術策を縦横無尽に駆使し、成り上がっていった。 腐臭漂う、傑作ピカレスク歴史小説見参! 娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名・宇喜多直家。 裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体……。 高校生直木賞、オール讀物新人賞、舟橋聖一賞、咲くやこの花賞、歴史時代作家クラブ賞の5冠達成! 特別収録・高校生直木賞ルポ。 【目次】 宇喜多の捨て嫁 無想の抜刀術 貝あわせ ぐひんの鼻 松之丞の一太刀 五逆の鼓 -
夫・車谷長吉
この世のみちづれとなった、詩人と小説家。 起伏に富んだ夫婦の日々を描いて講談社エッセイ賞を受賞した名随想。 「もし、こんな男でよければ、どうかこの世のみちづれにして下され。」 四十八歳の風変わりな私小説作家の求愛を受け入れた四十九歳の詩人。 強迫神経症、「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞受賞、訴訟、カブトムシ愛、四国遍路、二人での句会、そして不意の死別。 起伏に富んだ夫婦の日々を至純の筆致で描き、高い評価を得た回想記。 文庫版特典として、著者の講演「詩と小説の間――夫・車谷長吉とともに」を収録。 解説・角田光代 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
騙る
人間の尽きることない欲望をあぶりだす美術ミステリー! 技術の粋を集めて作ったヴィンテージアロハの精巧な偽物を売り捌く男は、やがて……(「ヒタチヤ ロイヤル」)。素人の蔵から出た重文級の屏風。協力者を仕立て、安く買い叩こうとするが(「栖芳写し」)。古美術業界を舞台に、尽きることのない人間の欲望と騙し合いを描く、著者十八番の傑作美術ミステリー連作集。解説・山村祥 価値を知らない素人に、親切を装って作品を売りさばく段取りをつけるが――「マケット」 阿漕なホストに画廊勤務があると知り、美術品を使って罠を仕掛ける――「上代裂」 技術の粋を集めてヴィンテージ・アロハの精巧な偽物を作るが――「ヒタチヤ ロイヤル」 資産家に偽物を掴ませた悪徳業者を懲らしめようと、ある策略をめぐらす――「乾隆御墨」 素人の蔵から重文級の屏風絵が出た。安く買いたたこうと芝居をうつが――「栖芳写し」 財政難に陥った美術館が極秘に青銅器のコレクションを売るという――「鶯文六花形盒子」 ※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
悲しみの秘義
暗闇のなかにいる人へ――傑作エッセイ もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい――(解説・俵万智) 宮沢賢治、須賀敦子、神谷美恵子、リルケ、プラトン、小林秀雄、ユングらの、死者や哀しみ、孤独について書かれた文章を読み解き、人間の絶望と癒しをそこに見出す26編。 「言葉にならないことで全身が満たされたとき人は、言葉との関係をもっとも深める」――自らの深い悲しみの経験を得た著者が、その魂を賭けて言葉を味わい、深い癒しと示唆を与えてくれる。 日経新聞連載時から話題を呼び、静かなロングセラーとなった一冊。 文庫化に際して「死者の季節」「あとがき」を増補。 カバーと本文内を、世界的に人気の高いアーチスト・沖潤子の作品が 優しく深く彩る。大切な人に贈りたい、特別な一冊。 単行本 2015年11月 ナナロク社刊『若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』 文庫版 2019年12月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
花束は毒
未来屋小説大賞受賞! 芳樹は憧れのかつての家庭教師・真壁が結婚を前に脅迫されていると知り探偵に調査を依頼するが――。完全に騙される傑作ミステリー。 憧れの家庭教師だった真壁が結婚を前に脅されていることを知り、僕は尻込みする彼にかわり探偵事務所に調査を依頼。そこに現れたのは中学時代にいじめに遭っていた従兄をえげつない方法で救ってくれた先輩の理花だった。調査を進めるにつれ、見えてきた真実。背筋も凍るラスト。気鋭のミステリ作家による、衝撃の傑作長編! ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ミカエルの鼓動
ぶつかり合う二人の医師の志。命を救えるのはどちらの正義か 大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。 あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。 「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。 そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。 大学病院の暗部を暴こうとする記者が、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。 二人の医師の「志」がぶつかり合い、大学病院の闇が浮かび上がる。 命を救うための、正義とは――。 気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。 ------------ 単行本 2021年10月 文藝春秋刊 文庫版 2024年10月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
死者は嘘をつかない
作家デビュー50周年記念刊行、文庫オリジナル長篇! この小説は、「ぼく」ことジェイミーの回想記であり、そしてこれはホラーストーリーだ。 そう、だってぼくには死者が見える――。 「死人の霊が見える」という、古典的とさえ言える設定。 それがキング流に調理されると、他の何者とも違うユニークな物語が立ち上がる。 ジェイミー少年は、ものごころついた頃から死者が見えていた。死者の世界にはいくつかの決まりがあるようだった。 死者は死ぬとすぐ、死を迎えた場所の近くに、死んだときの姿で現れる。 長くても数日で、だんだん薄れていって消える。 普通の生者にはぼんやり存在が感知される程度だが、ジェイミーだけは会話を交わせる。 そして、死者は嘘をつけない。 文芸エージェントの母。若年性認知症を発症した伯父。 母の親友のタフな女性刑事。同じアパートの引退した名誉教授。 母のクライアントの売れっ子作家。警察をあざ笑う連続爆弾魔……。 ジェイミーはその能力ゆえに周囲の人々の思惑にたびたび振り回され、奇妙な目にあいながら、どうにか成長していく。 しかしある事件をきっかけに、いよいよ奇怪な事象が彼本人の身に降りかかってくるのだった――。 少年の成長物語を書かせれば天下一品、そして言わずもがなのホラーの帝王が、両者を組み合わせた「青春ホラーストーリー」。これが面白くないはずがない。 最後の最後まで驚きを仕込んできて読者を油断させてくれず、自身の代表作のある「ネタ」をからめてくるファンサービスも怠りなし。 どこを切ってもキングという円熟の筆で心おきなく楽しませてくれる、記念刊行にふさわしい逸品! -
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
第3回斎藤茂太賞受賞! 選考委員の椎名誠氏に「新しい旅文学の誕生」と絶賛された名作紀行文。 飛行機の空席は残り1席――芸人として多忙を極める著者は、5日間の夏休み、何かに背中を押されるように一人キューバへと旅立った。クラシックカーの排ガス、革命、ヘミングウェイ、青いカリブ海……「日本と逆のシステム」の風景と、そこに生きる人々との交流に心ほぐされた頃、隠された旅の目的が明らかに――落涙必至のベストセラー紀行文。特別書下ろし3編「モンゴル」「アイスランド」「コロナ後の東京」収録。解説・Creepy Nuts DJ松永。 いざキューバへ! ぼくは今から5日間だけ、 灰色の街と無関係になる。 ロングセラー傑作紀行文 書下ろし新章 モンゴル/アイスランド/コロナ後の東京 俺は誓いました。 あなたのように 生々しく生きていこうと。 (Creepy Nuts DJ松永「解説」より) -
殉国 陸軍二等兵比嘉真一
14歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。 -
マリエ
幸せも不幸せも、ぜんぶ私が決める 離婚って、幸せになるための選択なんじゃない? 40歳を目前に夫から離婚を切り出されたまりえ。しかし、戸惑いながら始めたひとり暮らしは思いのほか快適で、自らを慈しむ日々は確実に彼女を変えていく。 そんなときに出会った年下の男性・由井くん。 そして、コロナ禍という非常事態の発生。想像もしなかった未来がまりえにもたらすものとは――。 直木賞作家が紡ぐ 結婚と幸福をめぐる物語 巻末に金原ひとみさんとの対談「私たちの離婚」も収録。 単行本 2023年8月 文藝春秋刊 文庫版 2025年12月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
「聞く力」文庫
アガワの文庫新シリーズ創刊! コワイ人、エライ人、黙る人の懐に飛び込む阿川佐和子のインタビュー術が縦横に駆使された、落語家、教育者、俳優、スポーツ選手、映画監督、音楽家らとの新旧対談傑作選。各対談にまつわるエピソードもお楽しみください。大ベストセラー『聞く力』の副読本としても最適な、「聞く力」の実践編。 主な目次 【第一部】「聞く力」はこうして磨かれた 諏訪内晶子/義家弘介/尾崎将司/柳家小さん/橋本久美子/西村雅彦/岸田今日子 【第二部】「聞く力」は進化する 三池崇史/小山明子/振分精彦/宮藤官九郎/金子兜太/壇蜜/タモリ/キダ・タロー/川崎宗則/安藤サクラ/ねじめ正一/新垣隆 -
マリコ、アニバーサリー
会議に執筆、今年もマリコは大忙し 祝・連載40周年×古希! 日大理事長になっても、転んで、旅して、怒ってます。 最強の「老人初心者」による、痛快アニバーサリー・エッセイ。 【内容紹介】 「週刊文春」の看板連載がついに40周年を迎えました(単行本刊行時)。 マリコは古希(70歳)となり、日大理事長という重責を担う日々に。しかし、偉くなってもマリコは止まらない。 ◆ 身体はガタがきても、フットワークは軽く 「老人初心者」を自認する著者を襲ったのは、池袋駅前での派手な転倒とケガ。不眠に悩み、鏡を見ては「顔のパンツ(マスク)」を外す勇気がないと嘆き、眼瞼下垂の手術に心を揺らす……現実に直面しながらも、好奇心は衰え知らず。コロナが明ければ台湾へ美食の旅に出かけ、ルーマニアの演劇祭へ飛び、パリで豪華なランチを堪能する。その驚異的なバイタリティに、読めば元気が湧いてくる! ◆ 世相をメッタ斬り&昭和への惜別 不倫騒動からジャニーズ問題、岸田内閣の顔ぶれ、そして大谷翔平・藤井聡太・羽生善治といった天才たちまで。理事長室から飛び出し、あらゆる世相に独自の視点で切り込む。一方で、西武デパートのストライキや山の上ホテルの休館など、変わりゆく時代の風景に寄せる思いは切なく、同世代の共感を呼ぶ。 ◆ 特別収録 本書の最後には、美智子さまへの尽きせぬ敬愛を綴った特別編「美智子さまからのお言葉『どうかゆっくりしていらしてね』」ほか、文庫版特別付録「『皇后は闘うことにした』が生まれるまで」を収録。笑いあり、涙あり、そして深い感動あり。 肩書きは重いが、腰は軽い! 作家・林真理子の「現在地」が詰まった、記念すべき最新文庫! 単行本 2024年3月 文藝春秋刊 文庫版 2026年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
砂男
ついに読める! 火村英生 幻の事件 都市伝説“砂男”を調べていた学者が刺殺された。 死体にはなぜか砂が撒かれていて……。 奇怪な殺人事件に火村とアリスが挑む表題作など、 これまで雑誌掲載のみとなっていた幻の〈火村シリーズ〉2作をはじめ、 〈江神シリーズ〉やノンシリーズの貴重な作品6編が一冊に! すべて単行本未収録。 江神二郎と火村英生が一冊で競演する、贅沢なミステリ作品集。 【目次】 女か猫か(☆) 推理研VSパズル研(☆) ミステリ作家とその弟子 海より深い川(★) 砂男(★) 小さな謎、解きます ☆……江神二郎シリーズ ★……火村英生シリーズ -
武道館
【正しい選択】なんて、この世にない。 「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に“自分の頭で”選んだ道とは――。 様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。 視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。 解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。 結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。 独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、 さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。 しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。 そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。 「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」 「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」 恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業…… この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、 アイドルという存在から発生したものも多い。 新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。 現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。 -
生涯投資家
「お金儲けは悪いことですか?」 2006年6月、ライブドア事件に絡みインサイダー取引を行った容疑で東京地検に逮捕され、のちに執行猶予つき有罪判決を受けた村上ファンドの村上世彰氏。逮捕間際に言ったその言葉が印象的だった。以後、表舞台から姿を消したが近年株式取引の世界に復帰。その動向が注目されている。 本書は、その村上氏の初の諸著であり、半生記であり、投資理念の解説書でもある。 灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何をしたのか。事件となったニッポン放送株買い占めにおいて、いったい何があったのか。彼の投資哲学、日本企業への見方はどうなのか。今後何をしようとしているのか。 嫌われ者を自認する村上氏が、その実像と思いを自らペンをとって書き上げた話題作。 解説・池上彰 ※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
その霊、幻覚です。
視える臨床心理士×心霊探偵コンビによる新シリーズ! 臨床心理士の泉宮一華(いずみや・いちか)は、霊が視えることを隠しながら、渋谷の宮益坂メンタルクリニックで働いている。そんな一華の平穏な日常は、彼女の秘密を握る謎の青年・翠(すい)の登場によって崩壊の危機に! 半ば脅される形で、一華は翠に同行し、心霊スポットの「調査」をすることになる。渋谷のスクランブル交差点に、山奥のトンネル、閉鎖した診療所……。キジトラ猫の式神・タマを従えて、二人の怖くて賑やかな幽霊退治がスタートする。 『丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。』『大正幽霊アパート鳳銘館の新米管理人』著者による、書き下ろし新シリーズが開幕! -
その女アレックス
英国推理作家協会賞を受賞した大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる! おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進する。「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。未曾有の読書体験を、貴方もぜひ! -
半分の月がのぼる空
これぞライトノベルの金字塔! 2003年、電撃文庫より刊行が開始されたこの『半月』シリーズは、またたく間にライトノベルファンにとどまらない広範な読者を獲得しました。そして2013年、装いも新たに刊行された文春文庫全4巻は、主人公たちの台詞を物語の舞台、伊勢弁に改めたリメイク版です。肝炎で入院中の高校生・戎崎裕一は、エロ本集めが趣味の多田さんや元ヤンキーの看護師・亜希子さんに翻弄される日々の中で、同い年の秋庭里香に出会う。人形のように美しく、本を愛し、そして女王様のようにワガママな里香は、難しい病気をかかえていた――。ドラマ、映画、漫画、アニメになったボーイ・ミーツ・ガールの聖典をぜひ電子書籍で!