無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
あなたは自分が持っている価値観こそ正しいと思い込んではいませんか?
そしてその価値観を他の誰かに押し付けてしまったことはありませんか?
この本には2作品収録されていて、どちらも他者との価値観の違いから、感情が揺さぶられ変化していく人間模様を描いています。
1作目の『レンタル世界』では、人間関係をレンタルすることを良しとしない主人公が、正反対の考えを持った女性に惹かれ、自分の考えと正面から向き合うことを余儀なくされるうちに、何年もの間気づかなかった衝撃の事実にたどり着きます。
2作目の『ままならないから私とあなた』では、親友との価値観の違いに気づいていたけれど、向き合おうとしてこなかった主人公の人生が、そのせいで思わぬ方向に大きく動きます。
相反する自分の価値観と相手の価値観。違うからこそ、人は他者に惹かれ、愛することができるのではないか。だけど、自分の存在をも脅かすほどのあまりにも大きな違いを受け入れることはそう簡単ではない。一緒に過ごした時間の長さと相手への理解は必ずしも比例しないという事実に、哀しくも気づかせてくれる一冊です。
Posted by ブクログ 2023年11月19日
今この新しい価値観が取り上げられてるからこその本だった。小説の中に出てくる
「自分の人生なんて、成功例じゃなくて、ただの一例にすぎない。でもみんな自分の人生しか生きたことがないから、そのたった一例を否定されるのを嫌う。だから新技術って否定されがちで、とりあえず拒否する。」
なるほどな〜って思った。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月28日
2人は親友だった。しかし、合理的を追求する薫と、非合理的な部分にこそ本当に重要なものがあると信じる雪子は、徐々にすれ違っていく。
この物語のキモは、どちらかを肯定するわけでも否定するわけでもなく、2人の心の中の2つの価値観が、ただそこに"存在している"、それ以上でもそれ以下でも...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月23日
相手のためを思い、相手のためになると信じてしたことが、結局は自分の価値観の押し付けでしかなく、相手を苦しめる結果になってしまう。それも、生活のほとんどをかけてきたと言えるものを壊してしまう。
無駄なこと、役に立たないことを徹底的に排除しようとする薫。子どもの頃は、体育の授業を休んだり、学習用の...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月17日
親しい間柄の人にこそ、自分の考えを押し付けるような言動をしてしまっているのではないかと内省した。自分の中での正解や正しさは、隣の人の「世界」には当てはまらないことが多々ある。それが家族であっても恋人であっても。一人一人に「世界」があると認識すること。他者との違いに自己を見出し、違いから生まれる感情の...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月07日
朝井ワールド全開。
死にがいを求めてでどハマりして、この作品で再ハマり。
やはり心の声を3ページとか平気で展開する変態的な、構成が好き。
主人公の吉野が一般的な女の子なんだけど、
心の声をここまで言語化すると、
拗らせてに聞こえるのが良い。
モヤっとした気持ち、人間の違い、『あいつはそういう...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月03日
考え方や価値観の違いについて悩み続けている現在。2年前に買って読まないまま放置していたけど、今読めてよかった。
考え方や価値観は人それぞれにあって、それを押し付けあっても意味がない辛いだけだと感じた。自分の価値観も相手の価値観も認める必要がある。それでいて交わらないものは仕方がないと諦めるしかない...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月24日
誰でも何でもできるようになったら、皆同じになっちゃうから。ままならないことがあるから、皆別々の人間でいられるんだもん。p271
職業的に刺さるフレーズだった。私のスタンスは雪子よりだが、薫の主張にぐうの音も出なくなることもしばしば。人間らしさと技術の進歩、是非もない。
引用した文章にも通ずるが、...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月24日
途中まではまぁそうだよな、、という内容だったけど、結末に感銘を受けた。
・合理的な薫と非合理性な部分に「あたたかみ」を感じる雪子。
現代では、人のあたたかみが良しとされ、合理的な部分が否定的に言われることが多い気がする。しかし、合理的なことを脅威であるから否定しているだけじゃんという薫の言葉にハッ...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。