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誰とも比べなくていい。
そう囁かれたはずの世界は
こんなにも苦しい――
毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年TVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき、歪な真実が露わになる。自滅へひた走る若者たちが抱えた、見えない傷と祈りに触れる物語。
文庫版特典:特別付録/本作と螺旋プロジェクトに寄せて
解説/清田隆之
【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】
※〈螺旋プロジェクト〉とは――
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画
〈螺旋〉作品一覧
朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作)
天野純希『もののふの国』
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』
乾ルカ『コイコワレ』
大森兄弟『ウナノハテノガタ』
澤田瞳子『月人壮士』
薬丸岳『蒼色の大地』
吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
Posted by ブクログ 2024年04月19日
元々この本はプロジェクト関係の本だということを知らなくて、少し戸惑いはあったが、朝井リョウさんの表現が素晴らしくてすぐに内容にのめり込むことが出来た。
この本は6人の登場人物の視点で物語がひとつのところに集約されていく作品だった。そして面白いのが解説でも仰っていたが、この6人と自分が重なるところが多...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月08日
物語の構成がとてもうまいと思った。2人の少年のストーリーがメインだが、それと同時に2人の人間の小さい頃から成人になるまでに関わってきた人々の話も盛り込まれていて、それぞれの話にもしっかりとしたストーリーとオチがあって面白かった。
この物語を読んで、生きがいが人との衝突対立や否定から生じる場合もある...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月05日
幸せな時代に、平和な環境で育った中の、でもぼんやりずっしりある生きづらさを、代わりに表現してくれるようなシーン、フレーズがたくさんあった。
解決策が書かれているわけではないけど、その生きづらさを抱えててもいいんだ、この綺麗とは言えない感情はみんなももっているんだ、と思うだけで少し救われるような小説だ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月04日
ありのままの自分では満足いかない人間の苦悩が事細かに描かれていました。
タイトルを見て、死にがいってなんのことだろうと考えましたが、物語を読み終えた今ならその意味もよく理解できます。比べなくていい、争わなくていい、ありのままの自分でいい、そう言われたって社会は生産性の高いものを選んで、そうではないも...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月10日
螺旋シリーズ。
どの争いも海族と山族が関係している、、、
ある2人の路をなぞる時、結びつくはずのない点と点が繋がり、物語は流れていく。
「あ、この人か」「ここであの時の話がね」とばら撒かれた種が読み進めていくうちに実を結び花となっていく感じ。(花と言っていいのかわからん。)
螺旋シリーズ2作目「シー...続きを読む
雄介を見て存在意義とは、生きがいとは、といった難しいことだけど、少しは誰もが考えたことはあるようなことになんとも言えない気持ちになった。生きがいとはなんだろう、読み進めていくほど考えさせられる本だった。
Posted by ブクログ 2024年04月12日
とても面白いと思った。
読んでいる最中度々ないはずのトラウマが思い出されるような感覚になった。
自分は特別だと信じたいし、人にはない何かがあって、価値のある人間なのだと思いたい。だけど、ただ生きているだけなのに、そんなことはないのだと思い知らされる。特別な人間になるために、自分が人より価値ある存在...続きを読む
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