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新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した尚吾と紘。二人は大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。受賞歴、再生回数、完成度、受け手の反応──プロとアマチュアの境界線なき今、世界を測る物差しを探る傑作長編。
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Posted by ブクログ
肉質にこだわっている焼肉屋さんが、質よりもどちらかといえば量や空間に力を入れている焼肉屋さんをみて、「どうしてあっちのお店のほうが混んでるんだろう? うちのほうが絶対おいしいのに!」と言っていたのを思い出した。 質の良さは人によって違うし、質がいいことがわかってはいても状況によっては質がいいことを...続きを読む選択基準にしないこともある。
中身じゃなく状態を評価している、欲求には大小があるわけでなく種類が違うだけで大は小を兼ねない、など今の社会の様子が的確に言語化されている感じがする。素晴らしい。作中のやり取りにある「問い」が提供されているようで読後余韻がすごい。インザメガチャーチにも似たところがあり、同じくおすすめ。
かつてのスター像は、誰が見てもスターと認めざると得ない何か1つのことに特別秀でた、そんな人だった。じゃあ、現代のスターって? 往年のスターに憧れたショウゴとチサ、自分の価値基準で物事を選び取るコウ、要領よく時代を乗りこなす泉。そして、バズや数字を優先する現代的な大人たち。 プラットフォームの変化に...続きを読むよって、自分が信じてきた価値観が通用しなくなっていく中で、ショウゴは「正しいこと」や「質の高さ」だけでは作品を世に残せない現実に苦しむ。 印象的だったのは、最終的にショウゴが他者の価値観を否定するのではなく、それぞれに異なる基準や居場所があることを理解したうえで、それでも「越境しますよね、素晴らしいものは」と言い切ったことだ。 市場が細分化される時代だからこそ、彼は迎合ではなく横断を選んだ。構造を理解したうえでなおプロフェッショナルであり続けるという決意に、スターの矜持を感じた。 自分にとって本当に価値があるものを、自分の目で見て選び取ること。その大切さを考えさせられる一冊だった。
気軽に発信できるこの時代に、他人の意見や雰囲気に流され過ぎずに、自分の感性を大切に持続けていきたいと思いました。そして自分の感性に違和感を覚えるようなものに触れた時に、これは間違ってるんだって思うのは危険ですね、自分はその傾向にあるということを気付かされました。 ものづくりをする人たちの葛藤、苦悩を...続きを読む繊細な心理描写を交えてみることができてとても面白い作品です。 ほんとに、SNSなど、情報の流れが早過ぎて疲れてしまう時がありますね…
多様性の中に生きる人間の葛藤を描く。 浅沼と千紗の言葉が特に響いた。 響いたというより、本作を読んで、確かに感じてはいるが言語化できない考えを、きれいで納得感のあるかたちに言語化してくれているという感覚。 今自分が生産しているものの、良いところに目を向けて生活しよう。
すっごく大学時代が懐かしくなった。 書評もOGの南沢さんで、なんだか大学の大好きな居場所を思い出してしまった
比べられないものを比べたがる感覚は、きっと誰もが当てはまる感性だと思う。 本来見えなかったもの(世界)が見えるようになったり、好きなことが簡単に選べるようになった世の中で、我々は自分の心がわからなくなってきている。 情報に溢れ、たくさんの人の意見を耳にし、自分の感性すら揺らいでしまう時代。 自分の心...続きを読むは周りと違うんだと、間違っていると思うものを糾弾し、自分の考えが正しいんだと主張する。世間と自分を比べ、本来優劣なんてないはずの感性に口出しをしてしまう。 朝井リョウさんはきっとたくさん悩んできたのだろう。 誰かにとっての正しさが、誰かにとって間違いだと思われていたとしても、それを貫く強さ。自分と違う考えを糾弾しない強さ。 たくさんの強さがあり、たくさんの個性が溢れている時代で自分なりの強さだけは見失わないようにしたい。
「表現したい欲」と「社会のルール」みたいな、相反するものをぶつけるのが本当にうまいなと思った。 特に朝井リョウって、どちらかを完全な悪や正義にしないから、自分の中にも両方ある感情として刺さってくる。 自分はどちらかというと、精度を高めるよりも、とにかくまず出してみるタイプだと思う。勢いで動ける...続きを読む反面、社会人としては「ちゃんと詰める」「丁寧に積み上げる」みたいな部分が足りないと感じることもある。 だからこそ、この作品を読んで、仕事に対してもっと熱量を持って向き合わないといけないなと思った。 今は育休中で、仕事から少し距離がある時期だからこそ、「自分はこれからどう働きたいのか」を逆に冷静に考えられた気がする。 ただ働くだけじゃなく、自分の強みであるまず形にする力を活かしつつ、そこに精度や責任感も乗せていけたら、もっと成長できるのかもしれない。
おもしろかった!どうなるのか気になった! ラストの後もどうなるなか気になるなー お互い、お互いが持ってないものを欲してて、 みんなそうなんだろうなと思った
世の中が移り変わるとき、その狭間にいる人たちの葛藤について考えさせられた。 新しいものをすぐに受け入れられる人もいれば、どうしても受け入れられない人もいる。 そこには、昔から受け継がれてきたものを守りたい気持ちや、「本物とは何か」を問い続けたい気持ちがあるのだと思う。 私はどちらかというと、新し...続きを読むいもの、便利なもの、楽しそうなものに流されやすい。 でもこの小説を読んで、一度立ち止まって、それをどう受け取るのか、どう使うのかを考えることも大切なのだと思わされた。 映像の世界の話ではあるけれど、私自身もものをつくっているから、創作に向き合う人たちの言葉が強く残った。 特に、「自分じゃなくて、自分の創作物のほうが愛されてほしいと思える人じゃないと、後まで粘れない世界なんだと思う」という言葉が印象的だった。 ものをつくるということは、自分が評価されたい気持ちだけでは続かないのかもしれない。 自分の手を離れたあとも、作品が誰かに届き、愛されていくことを願えるかどうか。 そこに、創作を続ける人の覚悟のようなものを感じた。
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