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キングの短編はけっこう読んでいますが、この作品集では、なんとも言葉では言い表せない緊迫感でぐいぐい迫ってくる「N」が圧巻でした。
ストーリーとしてだけでなく、本当にこの世のどこかにこうした現象が起こっているような気もします。「N」の場合にはギリギリ正気を保った良心的な登場人物でしたが。
不可視のものを見つつ、危機迫る中、それをただの狂気や怪異でなく、高貴なまでの作品に仕上げてゆく、キングならではの作品。胸にズシンと響きました。
「ニューヨークタイムズを特別割り引き価格で」もよかった。泣けました。
こうした事も、想像だけではないのでしょうね。
何度も読み返せる作品集です。
Posted by ブクログ
短編集2
ていうか、英語として同じタイトルなのに「夕暮れをすぎて」と「夜がはじまるとき」っていうタイトルにしちゃうところとか、作者後書きが「サンセット・ノート」てタイトルなところとか、全部好き。どれも面白かったです。
「N」…という患者が強迫神経症で精神が壊れて行く過程を記述した医療記録、医師の手記、妹の手紙、新聞記事。小説と言う体裁をとらずに、何か不可思議なものによる世界の浸食とそれによって精神が壊れて行く人々の様子。怖い。でも面白い。
「魔性の猫」…とにかく怖くてヤバイ猫の話。殺し屋に猫は殺せるか。
「ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で」…飛行機事故で死んだはずの夫からの電話。悲しくて切迫していて切ない短編。いい。
「聾唖者」…であるヒッチハイカーを乗せた男は、とんでもない妻についての愚痴をこぼす。どうせ聞いていないのだからと…。
「アヤーナ」…グリーンマイルを思い出したのは私だけじゃないはず。
「どんづまりの窮地」…これはひどい。とんでもない狂人を隣人に持ってしまった男。誰も来ない工事現場の仮設トイレに閉じ込められてしまった。ドアを下に閉じ込められ、まさしくタイトル通りの状況。手に汗ってやつです。うまい。でも、怖い。ドキドキした。
Posted by ブクログ
アーサー・マッケンの『パンの大神』に影響を受けたという「N」から、これぞキングのお下劣な最高傑作ともいうべき「どんづまりの窮地」まで珠玉の全6篇です。
30年前にキャバリエ誌に発表された作品「魔性の猫」のシンプルなお話が好きかな。想像力で色々背筋が凍る「聾唖者」もうなった。
でもまあやっぱ、トップを飾る「N」の怪奇譚っぷりが一番イカスね。キングが「脅迫観念の重みで自壊していく人間精神の物語でもある」とサンセットノートで語っているが、これいには激しく同意したい。
僕がこの日記であの場所へ行くと書き記して去ったなら。
どうかあなたは絶対に近づいてはいけない。あの場所に!!!!!!!!
Posted by ブクログ
神保町の書店で買った選書本。ラッピングされた文庫本の中から、本文から抜き出しされた一文を読んで気になる一冊を選ぶというもの。
「幽霊ならまだいい」という文章に惹かれてこちらを選んだ。
It、スタンド・バイ・ミーなどでキング作品はことごとく挫折してきてるので、正直読み切れるか不安だったけれど、面白い!
「魔性の猫」、「聾唖者」、「アヤーナ」が面白かった。特に魔性の猫は友達にも薦めたほど。
「どんづまりの窮地」はコーヒーを飲みながら読むものじゃなかった……何度顔を顰めたことか…ある種一番こわい。こわすぎる。
キングのあとがきに「私の感じた恐怖をみなさんにおすそわけしたいと思って書いた」とあり笑ってしまった。ふざけんなこのやろう。
最近翻訳物が読めなくなってきていたのだけど、楽しく読めたので嬉しかった。
挫折した作品にももう一度トライしてみようかな。
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