熱源

熱源

880円 (税込)

4pt

樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。
一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。
日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。
文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。

樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、
国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。
金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、
読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。

※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    樺太アイヌのヤヨマネクフ(山辺安之助)と、ポーランド人ブロニスワフ・ピウスツキを軸に、民族の文化とアイデンティティを守ろうとする姿を描いた歴史小説です。ヤヨマネクフが「私たちの土地は、私たちが守り続けてきた」と語る場面では、民族の誇りと土地への深い愛情が伝わり感動しました。一方、ブロニスワフはアイヌ

    0
    2025年02月09日

    Posted by ブクログ

    とても壮大な歴史小説でした。フィクション?ノンフィクション?
    わかりませんが。。。
    時代と国家に翻弄されたマイノリティ。
    日本に同化を迫られるアイヌの人たち。その中でもいろんな生き方があり。ロシアの同化政策で囚人にされたリトアニア生まれのポーランド人。
    故郷ってなんだろ国籍ってなんだろ。
    考えさせら

    0
    2025年01月04日

    Posted by ブクログ

    とても面白かった。
    明治維新後のアイヌだったり、日露戦争前後のロシアだったりと重くなりそうな時代背景を重厚過ぎない読み口で物語の次を楽しみながら読めました。

    0
    2024年10月07日

    Posted by ブクログ

    ウクライナ侵攻やパレスチナ紛争が起きている今、いろいろと考えさせられた。
    国を持たない人たちの心情は、想像はできても、理解しているとはおこがましくて言えない。
    ゴールデンカムイの時代背景もこんな感じだったのか、と思った。

    0
    2024年03月20日

    Posted by ブクログ

    樺太半島。日本の地図にはないその地の歴史について、ほぼ知らなかった。そこに、日本人が、ロシア人が手をつけ、現地に住んでいた様々な人々が翻弄された歴史を。現地人も、日本で教育を受けたり、ロシア人と仲良くなったりしながら暮らしていたので、日露戦争でとても戸惑ったということを。
    どうして日露戦争がおきてし

    0
    2024年02月21日

    Posted by ブクログ

    2019年直木賞(下半期)受賞作
    日本とロシアに挟まれた先住民アイヌと
    ロシアの属国となってしまったポーランドの話

    ダブル主役というのかな…
    偉大な義兄チコロビーをもつヤヨマネクフ
    政治犯としてサハリンで囚人となるピウスツキ
    政治(戦争)、文化(病気)に翻弄されていく

    物語は長い、読み応えがある

    0
    2025年11月23日

    Posted by ブクログ

    サハリンを舞台に、日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人の物語。今の時代に書かれ、読むことに意味がある気がした。

    0
    2025年07月23日

    Posted by ブクログ

    文明化の中、同化政策により故郷や言葉、名前までも奪われ、アイデンティティを揺るがされた、アイヌのヤヨマネクフとポーランド人民族学者ブロニスワフ・ピウスツキ。2人が生涯を賭して守り継ぎたかったものとは。
    「アイヌ」はアイヌ語で「人間」を指す。文明人ではなくひとりの人間であり続けようとした人々の熱に満ち

    0
    2025年05月17日

    Posted by ブクログ

    2019(下)直木賞受賞作。樺太アイヌを軸にした歴史小説。小生の父方は、明治入植の屯田兵で、樺太にも住んだそうで、懐かしみを持って読み切りました。あと、大戦末期に本土決戦があったのは、ここ樺太と沖縄だけだそうです。

    0
    2024年08月16日

    Posted by ブクログ

    樺太アイヌの話。
    日本とロシアにはさまれ、未開人と見下され、戦争に翻弄される辛酸の日々を描くストーリーながら、誇りやアイデンティティを失わない生き方には考えさせられる所が大だった。
    ──命、家族、故郷
    自然と限りなく調和した文明だからこその、地球オリジンな熱源を感じとれる。淡々とした語り口もそれを引

    0
    2024年07月13日

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