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樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。
一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。
日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。
文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。
樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、
国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。
金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、
読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。
※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
Posted by ブクログ 2024年02月21日
樺太半島。日本の地図にはないその地の歴史について、ほぼ知らなかった。そこに、日本人が、ロシア人が手をつけ、現地に住んでいた様々な人々が翻弄された歴史を。現地人も、日本で教育を受けたり、ロシア人と仲良くなったりしながら暮らしていたので、日露戦争でとても戸惑ったということを。
どうして日露戦争がおきてし...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月14日
樺太を故郷と思うアイヌや流刑された政治犯など、様々な人々の群像劇
1880年ぐらいから第二次世界大戦までの史実を元にしたフィクション
だけど、実際にこうだったのではと思わされるリアリティを感じる
以下、公式のあらすじ
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樺太(サハリン)で生まれたアイヌ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月22日
樺太で生まれた樺太アイヌのヤヨマネクフの物語。
作者は北海道白老町のアイヌ民族博物館でポーランド人の民俗学者ブロニスワフ・ピウスツキの銅像に出会い、アイヌを研究しアイヌの妻を娶った彼への興味からこの物語が生まれたという。、
ロシアと日本の戦争で翻弄された樺太アイヌのヤノマネクフが「アイヌの地位向上の...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月05日
前半は複数の物語が並行して進むので、やや散漫な感じがしたけど、後半ですべてが絡み合ってくるとどんどん加速して読めた。時代の空気を映すためもあってか、歴史上の有名人がこれでもかというほど登場するのには驚いたが、そのお陰で親近感もわくし、読者である私たちも作中の登場人物たちと地続きの歴史の線上にいるのだ...続きを読む
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