文春文庫作品一覧

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  • U

    U

    4.0
    1巻1,001円 (税込)
    第一次世界大戦中の独軍と一七世紀初頭のオスマン帝国。戦争に翻弄される三人の少年、ヤーノシュ、シュテファン、ミハイは、時空を超えて巡り合います。オスマン朝の風俗やUボート艦内の緊迫した雰囲気など、「幻想小説の女王」の目眩く世界をご堪能ください。 ※この電子書籍は2017年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 映画字幕の作り方教えます
    5.0
    映画字幕作り57年、その数なんと2000本に及ぶ斯界の第一人者が語る、草創期の苦心から、「フルメタル・ジャケット」事件まで。字幕翻訳の秘訣は「正しく、こなれた日本語と、雑学への限りない好奇心」と説く著者が明かす名訳、誤訳、珍訳の数々。1行10字、20字6秒、数々の制限の中で原語にこだわり、訳語に苦しんだ半世紀を、数多くの実例に当たりながらふりかえる。昭和63年5月、急逝した著者が遺した映画ファン必読の書。(本書は横組みです)
  • 映画の生まれる場所で
    4.0
    世界的名匠の目は、現場で何をみているのか? 世界的名匠の目は、現場で何を見て、何を考えているのか? 『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞後、 主演にカトリーヌ・ドヌーヴを迎え、全編パリで撮影された映画『真実』。 日仏合作映画の製作は、予想外の困難と発見の連続だった──。 臨場感溢れる撮影日記、手紙、画コンテなど貴重な資料が満載の 単行本『こんな雨の日に~映画「真実」をめぐるいくつかのこと』を改題し、待望の文庫化。 文庫版には、監督自身による渾身の大幅加筆と、女優の橋本愛さんによる解説が新たに付され、 『真実』の後日譚とともに、韓国で撮影され、 カンヌで二冠の偉業を成し遂げた『ベイビー・ブローカー』、 総合演出を務めたNetflixの『舞妓さんちのまかないさん』、 坂元裕二、坂本龍一とタッグを組んだ話題作『怪物』(カンヌ国際映画祭コンペ部門ノミネート)の制作秘話も語られる。 海外での撮影を通して自身に起きた「確変」とは? 韓国のエンタメ隆盛の裏にある、残酷な「イカゲーム」のごとき現実。 Netflixなど配信の台頭と、消えゆくフィルム上映──。 変わりゆく映画を見つめる監督の眼差しは、あくまで透徹している。 橋本愛さんによる文庫解説「映画の暴力と救済について」に横溢する映画への愛と才能にも刮目されたし。 この本は、すべてのクリエイター、何かを生み出したい人のためのバイブルだ。 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本『こんな雨の日に 映画『真実』をめぐるいくつかのこと』を文庫化にあたり改題したものを底本としています。
  • 映画を作りながら考えたこと 「ホルス」から「ゴーシュ」まで
    4.0
    ジブリ前史を総ざらい! 初の監督作品『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968年公開)から『アルプスの少女ハイジ』、『母をたずねて三千里』、『赤毛のアン』などを経由し、『じゃりン子チエ』や『セロ弾きのゴーシュ』まで、高畑監督の制作過程での論考を収めた貴重な一冊。宮崎駿監督・鈴木敏夫プロデューサーと、スタジオジブリ30年目、初めての鼎談も実現
  • 英語となかよくなれる本
    4.0
    私の20代の英語の先生は、アガサ・クリスティだった──。長年、英語を使って仕事をしてきた著者が「英語は苦手」な人にこそ贈るエッセイ集。料理、コミック、音楽、旅とミステリー。読みたい本、外国人と親しくつきあうヒント、趣味をもっと深めたくなる刺激が満載。たとえばパッケージの海外旅行に飽きたら、英語のガイドブックも手にとってみて。日本のガイドブックより、たくさんの情報が手にはいるはず。英語となかよくすると世界は広がる、楽しくなる!
  • エイズ治療薬を発見した男 満屋裕明
    4.3
    「死の病」と恐れられたエイズ。その治療薬を世界で初めて開発したのは日本人だった!  熊本大学医学部を卒業し、アメリカの国立衛生研究所に勤務していたときの快挙である。リスクの高い研究に生命を賭して取り組んだ日々、巻き込まれた特許紛争など、いまやノーベル賞候補ともいわれる研究者の半生を描いたノンフィクション。
  • 影裏
    3.7
    第157回芥川賞受賞作。 大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。 北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、 ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。 ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。 いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、 「あの日」以後、触れることになるのだが……。 樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。 芥川賞受賞作に、単行本未収録の「廃屋の眺め」(「文學界」2017年9月号・受賞後第一作)、「陶片」(「文學界」2019年1月号)を併録。 綾野剛・松田龍平主演で映画化(大友啓史監督)、2020年初頭に公開予定。 ※この電子書籍は2017月7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • エイレングラフ弁護士の事件簿
    3.6
    エラリイ・クイーンも太鼓判! ミステリー史上最高で最凶の弁護士マーティン・エイレングラフ登場! 不敗の弁護士エイレングラフは言う、 「私の報酬は法外ですが、有罪になったら一銭も支払わなくて結構。でもあなたが無罪放免となったなら、もし私が何もしなかったように見えても、必ず報酬を支払っていただきます」 そして依頼人は 必 ず 、無罪となる。たとえ真犯人であっても! エラリイ・クイーンが大いに気に入って雑誌に掲載した第一作「エイレングラフの弁護」から38年。アメリカン・ミステリーの巨匠ブロック(『八百万の死にざま』『殺し屋』)がじっくり書き継いだシリーズ短編を完全収録。本邦初訳の作品もふくむ全12編。これぞ珠玉。ブラック・ユーモアとヒネリとキレが絶妙にブレンドされた短編ミステリー集。
  • エキストラ・イニングス 僕の野球論
    4.8
    プロ野球日本シリーズと、MLBのワールドシリーズ両方でMVPを獲得した唯一の選手、松井秀喜。 これまで出会った素晴らしき野球人への思い、みずからの野球論を率直に語った。 恩師・長嶋茂雄とのエピソード、落合博満から受けた大きな影響、唯一のライバル高橋由伸への思い、イチローとの思い出、ヤンキースで出会ったジーター、リベラなどの選手論。指導者論、好投手の攻略法、スランプの脱出法などが明かされる。
  • 蝦夷拾遺 たば風
    3.3
    体が不自由になった許嫁との結婚を反対され他家に嫁いだ女を、 男は想い続ける――表題作「たば風」ほか、夫との離縁を目論む女が 息子に課された難題に奮闘する「恋文」、松前藩主の正室に仕えるべく 集められた娘たちの青春「血脈桜」など、江戸後期から明治初期にかけて 蝦夷地で生命を燃焼させた男女を描く傑作六編。 自身の郷土を舞台とした時代小説短編集。 解説=梶よう子 ※この電子書籍は2023年5月に刊行された文春文庫(新装版)を底本としています。
  • 越前宰相秀康
    4.3
    家康が恐れたただ一人の息子――父・家康に疎まれ、秀吉の養子に出された秀康。関ヶ原の戦いの後に越前、福井藩の藩祖となり徳川幕府を支えた男の波乱に満ちた生涯。 家康を父に持つ於義丸は双子で生まれたため、忌避される。兄信康のとりなしで家康に息子として数年後に認知させた。しかし、秀吉の養子として徳川家を出され、豊臣秀康と名乗らされた。それも束の間、関東の名族結城家に養子に出され、父・家康の監視役とされる。家康が恐れた息子の短くも波乱の生涯を描く歴史巨編。
  • 女は太もも エッセイベストセレクション 1
    3.4
    田辺聖子さんといえば、女性の心を鷲掴みにする甘やかな恋愛小説や、古典教養の世界に軽やかに誘う名随筆の数々……だけではありません。1971年から16年間の長きにわたり週刊文春に連載されたエッセイ「女の長風呂」シリーズには、男女の性の話、つまり下ネタが満載! 「女の性欲」「四十八手」「名器・名刀」などなど、今日の文豪・田辺聖子のイメージをひっくり返すようなタイトルが毎週並んでいました。もちろん、田辺エッセイに欠かせない相方「カモカのおっちゃん」も絶好調。笑い、ペーソス、下ネタ、時事ネタ……私たちがエッセイに求めるすべてがそこにはあります。おせいさんのエッセイが毎週読める、そんな贅沢な時代がたしかにあったのです。 本書は、長寿連載の中から、さらなる絶品、逸品を選り抜いたベスト・オブ・ベスト第1弾。女(男)ってこんなこと考えてるのか! と愕然としつつも、深いアフォリズムと成熟した大人の智恵が深く心に響いてきます。まさに必読。まだ読んでいない貴方が羨ましい、と申し上げるほかはありません。
  • エデンの果ての家
    3.5
    信じるよ、僕は。お前が母さんを殺すわけがない。 エリートの父と良妻賢母の母、愛された弟。「理想の家庭」で除け者の兄。しかし母は殺され弟が逮捕された。兄と父は真相を求めて…。 解説・瀧井朝世
  • 江戸彩り見立て帖 色にいでにけり
    3.8
    “色”で江戸の難題、解決します。 累計32万部突破「居酒屋ぜんや」シリーズの坂井希久子、 文庫オリジナル、新シリーズ始動! 江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。 そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。 一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。 そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります! 着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、 色や柄にまつわる知識も満載。 例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。 ※ お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。 白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略) 「あっ!」 唐突に、記憶の糸が張り詰めた。 一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より) ※ 新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。
  • 江戸 うまいもの歳時記
    -
    人口100万を超える巨大都市・江戸に暮らす人々は、どんなものを食べていた? 春は白魚、浅蜊、白酒、山菜、竹の子… 夏は茄子、鰹、鰻、鮎、カボチャ… 秋は松茸、鮭、鶉、里芋、梨… 冬は葱、蜜柑、寒天、鰯、山葵… 身分階層の違い、住む場所や気候風土の違いはあるものの、人々は季節の食材を、調理法や調味料などで工夫をこらし、大いに食べることを愉しんでいた! 『幕末単身赴任 下級武士の食日記』のロングセラーがあり、江戸の菓子や食の専門家として多くの時代劇ドラマ・漫画の考証に携わってきた著者ならではの、江戸の食・歳時記。
  • 江戸川乱歩傑作選 鏡
    3.6
    湊かなえの選ぶ「ミステリ作家」乱歩の相貌 避暑先の旅館でレンズ越しに目撃した殺人をめぐり、 謎めいた結末を迎える中編「湖畔亭事件」を中心に、 人工美と遊戯性の極致「赤い部屋」、名作「心理試験」他を収録。 ミステリ作家・乱歩に焦点を当てる乱歩没後50年記念アンソロジー。 【目次】 「湖畔亭事件」 「何者」 「石榴」 「心理試験」 「赤い部屋」 「人間椅子」 「木馬は廻る」 随筆「迷路の魅力」 随筆「兇器としての氷」 随筆「プロバビリティーの犯罪」 監修・新保博久
  • 江戸川乱歩傑作選 獣
    -
    巨匠の妖しき名作を桜庭一樹が厳選! 日本推理小説の巨匠・江戸川乱歩が没して50年。 名作に光を当てるアンソロジー第1弾はデビュー作「二銭銅貨」、 明智小五郎初登場の「D坂の殺人事件」、大正期の退屈と倦怠を 犯罪に描いた「屋根裏の散歩者」、絢爛と恐怖の箱庭世界「パノラマ島綺譚」……。 初期傑作にして異形の問題作「陰獣」を中心に、傑作七編と二つの随筆を厳選。 直木賞作家・桜庭一樹が案内する、妖しくも美しい巨匠乱歩の新世界。 【目次】 「二銭銅貨」 「一枚の切符」 「D坂の殺人事件」 「屋根裏の散歩者」 「一人二役」 「パノラマ島綺譚」 「陰獣」 随筆「恋と神様」 随筆「幻影の城主」 監修・新保博久
  • 江戸春画考
    -
    春画の魅力は永遠に不滅! 不倫、夜這い、のぞき、男色、獣姦…江戸びとの性を春画を通して解説。 著者の若かりし日の体験談も妙におかしい、楽しい春画コラム。 【目次】 第1章_春画に見る性 性はゆたかだったか 春画はダンディズムとは無縁 妾奉公は親孝行 性は娯楽 春画の魅力は不滅 第2章 江戸の女の性 見せるは魅せる? あそこを、何と呼んだか 女性器は奥が深い 淫乱の定番 第3章_庶民の性 のぞきの誘惑 どこでしようか 武士も庶民も夜這い ありふれた密通 第4章 夫婦の性 性の風習 子供のいる風景 婚礼と初夜 夫婦のセックスは官能的か 顎で蠅を追う 第5章_遊里の性 女の値段 奇妙な感覚 女の喧嘩 異人と遊女 性は聖か 第6章_異端の性 江戸の変態 江戸のアダルトグッズ 後門の変 畜生道 獣姦の妄想
  • 江戸染まぬ
    3.3
    江戸に生きる人々が織りなす鮮やかな人生。 “青山流時代小説”の真骨頂! 旗本の次男坊で部屋住みの俺は、武家であらねばならぬ、などとは思っていない。 堅物の兄が下女に好意を寄せているのを見て取って、 わざと下女にちょっかいを出そうとするが、気づくと女は身籠っていた。 しかも父親は、隠居の祖父だという。 六十九歳の老人に女で負けた俺がとった行動は――。 直木賞受賞作『つまをめとらば』に連なる傑作短編集。 史実から生まれた圧巻の7編。 ※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー
    3.8
    練達のベテランから気鋭の若手まで、時代小説の粋 江戸の華〈祭り〉をテーマに人気時代小説作家が競作! 宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作など、読み応え十分のアンソロジー。
  • 江戸の小ばなし
    -
    江戸庶民のユーモア感覚はするどく人間的だ。それは彼らがつくり出した小噺が証明している。軽妙な、さりげない言葉のなかに、彼らの姿や心が見えるようである。その機智や着想は十分に現代に通じるものがある。居丈高な人間へのふっと力が抜ける反撃、強者と弱者がたちまち入れ替わるやりとりなど、怒りや悲しみをゆたかな笑いにつつみこんだ、町衆のゆたかな心をつづった江戸の小噺から精選、現代訳をした本書は、「古典落語」の原点であり、日本人の笑いの宝庫である。
  • 江戸の備忘録
    3.9
    なぜ信長は殺されたのか? 教育パパ家康が子どもたちに学ばせたものは? 江戸時代の教育事情は?  『武士の家計簿』『無私の日本人』など、著書が続々と映画化されている気鋭の歴史家が、広く、深く、日本史を見わたせるような歴史のトピックを厳選。かろやかな語り口を楽しむうちに、いつのまにか日本の歴史のたどり方が身につくエッセイ集。
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝
    3.3
    鬼平、大岡越前、遠山の金さん……。時代小説や時代劇で知られる実在した町奉行、勘定奉行、火付盗賊改など名奉行43人の実像とは? 「名裁き」から生まれた泣ける人情話から、厳酷なる取り調べ、火あぶりの拷問、島流しの実態まで、豊富な史料から明らかにする。読めばさらに深く楽しめる、時代小説ファン必携の1冊。
  • 江戸の夢びらき
    4.0
    初代〈市川團十郎〉空前の一代記 〈荒事〉の開祖にして最後は舞台上で刺殺されたカリスマ。謎多き初代團十郎の生涯を元禄の狂乱と江戸歌舞伎の胎動とともに描き切る。 命を燃やすが如き〈荒事〉によって歌舞伎を革新し、元禄の江戸を熱狂させた初代・市川團十郎。民衆から信仰にも近い人気を得て、今なお愛される名演目と斬新な演出を生み出した不世出の天才役者はなぜ舞台上で殺されたのか。謎多き生涯と芸の神髄に迫る圧巻の一代記。巻末エッセイ・岸田照泰(成田山新勝寺中興第22世貫主) ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 江戸前の素顔 遊んだ・食べた・釣りをした
    3.0
    昭和30年代まで、江戸前の海は日本一の漁場だった! 浅草海苔はもちろん牡蠣の生産高でも輝かしい首位を獲得。豊かな海で獲れた新鮮な魚介を素材に天ぷら、鮨など食文化が開化した。深川に生まれ育ち原風景を知る、元釣り雑誌編集長の著者が、その体験や老漁師からの聞き取り取材。アサリやハゼの味わい、釣りや漁法、故事来歴に至るまで、あらゆる知識を集大成した「江戸前の博物誌」。
  • え、なんでまた?
    3.4
    『あまちゃん』『マンハッタンラブストーリー』『11人もいる!』……あの名セリフが生まれた背景から、撮影現場や日常生活に散りばめられた驚きの発言まで、人気脚本家が言葉について綴ったエッセイ集。たった一言のセリフを思いつくのに5年かかっていることも!? 言葉のセンスが炸裂する人気連載が、ついに文庫化! 解説・岡田惠和
  • 絵のある自伝
    4.1
    『旅の絵本』『ふしぎなえ』『ABCの本』などが世界中で愛されている画家の、初の自伝。 「自伝のようなものは書くまい」と思っていたが、日本経済新聞の「私の履歴書」欄に原稿を寄せるうちに「記憶のトビラがつぎつぎに開いた」、と大改稿大幅加筆。人情味のある豪傑な義兄、小学校で隣の席だった女の子、朝鮮人の友人、両親、弟……昭和を生きた著者が出会い、別れていった有名無名の人々との思い出をユーモア溢れる文章と柔らかな水彩画で綴る。 「わたしも、冗談が多すぎた。でもまだ空想癖はやまない。しかしこの本に書いたことはみな本当のことで、さしさわりのあることは書かなかっただけである」とは著者の弁だが、炭鉱務め、兵役、教員時代など知られざる一面も。 50点以上描き下ろした絵が、心温まる追憶は時代の空気を浮かび上がらせ、読む者の胸に迫る。楽しく懐かしい、御伽話のような本当のお話。 ※この電子書籍は2014年5月刊行の文春文庫を底本としています。
  • F1走る魂
    3.5
    1987年4月10日、“地上最大の自動車レース”F1グランプリ第一戦はブラジルで開催された。中嶋悟はこのレースで日本人初のF1ドライバーとしてデビューした。中嶋悟のレースに賭けた人生を中心に、圧倒的な強さのホンダ・エンジン勢と迎え撃つドライバーたちの熱き“レーシング・スピリット”を生き生きと描いた力作。頂点へと駆け上がっていくセナをはじめ、プロスト、ピケ、マンセルら天才たちを得て、F1が最も耀いていた季節の記憶がよみがえる。
  • エベレストを越えて
    3.9
    「私にとって、良い山とはひとつの極限を意味している」──若き日、北米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南米と冒険の旅を続けた植村直己は、1970年、日本人として初めて世界最高峰に立ったことで「世界のウエムラ」となった。その後、彼は垂直から水平へ、エベレストから南北両極圏へと関心を移したが、極限という意味で、エベレストこそ植村にとって至上の“良い山”であった。五回にわたるエベレスト行の総決算としてつづった本書は、登山家・植村の<山への遺書>となった。
  • えほんのせかい こどものせかい
    4.2
    ミッフィーとパディントンの訳者が贈る絵本入門 長年、児童文学の翻訳や研究をし、アメリカと日本の図書館で数多の子供たちと接してきた著者が、「子供が読書の楽しさを発見する為に大人は何を手助けできるか」という事を解説したロングセラー。 読み聞かせのコツや優れた絵本を選ぶポイントを示し、子供が喜んだベスト三十四冊も紹介。 子供の成長における絵本の役割を楽しく教えてくれる絵本ガイド。 【紹介されている絵本】 「ぐりとぐら」 「ぐるんぱのようちえん」 「三びきのやぎのがらがらどん」 「ちいさなうさこちゃん」 「てぶくろ」 「あおい目のこねこ」 「かいじゅうたちのいるところ」 「スーホの白い馬」 「ちいさいおうち」 他多数
  • M(エム)
    3.6
    1巻559円 (税込)
    サラリーマンは義妹の媚態を妄想し、固執する。母親は家計の足しに携帯電話を使って体を売る。初老の男たち相手にコスプレで荒稼ぎする女子大生は就職戦線で苦戦中。SMクラブに没頭し、女とプレイするための資金づくりにフリーターの男が選んだ強盗先は──。世間の雑踏にまぎれる平凡な者たちを陥れる些細なきっかけと苦悩。日常のほんの少し先にある「異界」にはまり、超絶の性に捕らわれた人間の背徳を残酷なまでに描ききった異色作品集。
  • 偉くない「私」が一番自由
    3.7
    佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里 ロシア語会議通訳、作家、エッセイストとして活躍した米原万里の作品を、激動のロシアで親交を結んだ盟友・佐藤優がよりぬいた傑作選。 メインディッシュは、初公開の東京外語大学卒業論文、詩人ネクラーソフの生涯。 ロシア、食、言葉をめぐる傑作エッセイ、単行本未収録作品などをロシア料理のフルコースに見立て、佐藤シェフの解説付きで紹介する。 没後10年米原万里を偲ぶオリジナル文庫。
  • 選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子
    4.4
    その女性は、出生前診断をうけて、「異常なし」と 医師から伝えられたが、生まれてきた子はダウン症だった。 函館で医者と医院を提訴した彼女に会わなければならない。 裁判の過程で見えてきたのは、そもそも 現在の母体保護法では、障害を理由にした中絶は 認められていないことだった。 ダウン症の子と共に生きる家族、 ダウン症でありながら大学に行った女性、 家族に委ねられた選別に苦しむ助産師。 多くの当事者の声に耳を傾けながら 選ぶことの是非を考える。 プロローグ 誰を殺すべきか? その女性は出生前診断を受けて、「異常なし」と医師から伝えられたが、生まれてきた子は ダウン症だったという。函館で医師を提訴した彼女に私は会わなければならない。 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • エリザベート ハプスブルク家最後の皇女 上
    3.5
    二十世紀中欧の動乱と悲劇を描く一大叙事詩 世紀末ウィーンのハプスブルク王家の嫡流に生まれ、帝国崩壊と二度の大戦を経て、社民党闘士と再婚した美しき大公女の波瀾の人生。 ◎祖母は人気ミュージカル「エリザベート」で有名なエリザベート皇后 ◎父は男爵令嬢と謎の自殺を遂げたルドルフ皇太子 ◎一目惚れのあげく、祖父・皇帝の力で得た初婚の不幸な結果 ◎貴賤結婚を忌んだ宮廷儀礼の末に起きたサライェヴォの悲劇 ◎オーストリア=ハンガリー帝国の崩壊に至った第一次世界大戦 ◎一市民となった後の、社会民主主義運動家との出会い ◎「同じドイツ民族」を旗じるしにナチスの恫喝で進むオーストリア併合の一部始終 ハプスブルグ家最後の皇女のたどった波乱万丈な八十年の人生を通して、激動のヨーロッパを読む。 ※この電子書籍は、2003年6月に刊行された文春文庫版を底本にしています。
  • LAコンフィデンシャル(上)
    4.8
    悪の坩堝のような50年代のロサンジェルス市警に生きる三人の警官――幼時のトラウマから女に対する暴力を異常に憎むホワイト、辣腕刑事だった父をもち、屈折した上昇志向の権化エクスリー、麻薬課勤務をいいことに芸能界や三流ジャーナリズムに食指を伸ばすヴィンセンズ。そこへ彼らの人生を大きく左右する三つの大事件が……<暗黒のLA四部作>第3作。
  • エロトピア(1)
    3.0
    たとえ万国のご婦人がたからインポと謗られオナニストと罵られようとも、「常識」の奴隷に落ち込んだ性的プロレタリアート解放のため、男にとっての、あるいは女にとっての性を解明すべく、女学生のセーラー服願望とマスターベーション礼讃を二本の柱に、古今東西の性知識と著者自身の体験を投入して綴る戦闘的エッセイ集。「ポーノトピアという言葉はあっても、エロトピアはなく、ぼくの新造語である」(著者あとがきより)。山藤章二画伯の文春漫画賞受賞傑作イラスト、完全収録。
  • 演歌の虫
    4.0
    演歌歌手を育てて世に出すことに情熱を燃やすレコード会社のディレクターの夢と挫折を、冷めているようで暖かい女性作詞家の眼で描く「演歌の虫」、毎日美しく髪を結っては旦那が訪ねて来るのを待ち続ける老芸妓の心境を淡々と描く「老梅」の第93回直木賞受賞作2作のほか、だめな男に金を貢ぐのをやめられない女の心理をおそろしいほど正確に描く小説「貢ぐ女」、プロ野球選手とポルノ女優のしがらみを生々しく描く「弥次郎兵衛」を収録した著者会心の短篇集。
  • 炎環
    4.1
    京の権力を前に圧迫され続けてきた東国に、ひとつの灯がともった。源頼朝の挙兵に始まる歴史のうねりは、またたくうちに関東の野をおおいはじめた。鎌倉幕府の成立、武士と呼ばれる者たちの台頭――その裏には、彼らの死にもの狂いの情熱と野望が激しく燃えさかっていた。鎌倉武士たちの生きざまを見事に浮き彫りにした傑作歴史小説にして第52回直木賞受賞作!
  • 冤罪者
    3.8
    叙述トリックの第一人者、折原一の筆致が冴え渡る「――者」シリーズ。ノンフィクション作家・五十嵐友也のもとに届けられた一通の手紙。それは連続婦女暴行犯として拘置中の河原輝男が冤罪を主張し、五十嵐に助力を求めるものだった。自らの婚約者を河原に殺された五十嵐にとって、それは到底素直に受け入れられる内容ではなかったが、やがて河原の“無実”を証明する人物が現れ、裁判は混迷。そして新たな惨劇がはじまった――! 逆転また逆転、冤罪事件の闇を描く傑作推理。
  • 援助交際
    -
    世紀末ニッポンに出現した、前代未聞の女子中・高生──ポケベル、携帯、伝言ダイヤルを駆使して「援助交際」という名の売春で欲望を解き放った彼女たち。親から小遣いも貰い、家庭も崩壊していないのに、「ウリ」や下着を売ってお金を稼ぎ、それをブランド物や夜遊び、クスリに消費する。制服の少女たちを駆り立てるものは何なのか? 伝言ダイヤルやデートクラブで出会った女の子たちの話をひたすら聞くことで見えてきた彼女たち、そして現在に到る日本社会の闇とは。
  • 厭世フレーバー
    3.9
    突然父親が失踪し崩壊寸前の須藤家は、残された5人揃ってダメ人間。14歳の次男は、熱中していた陸上部をやめ進学もしないと宣言。女子高生の長女は夜の街をウロウロ。27歳の長男は、会社を辞めたことを隠して肉体労働。あとは酒浸りの母親に、ボケ始めた爺さん…。みんな現実にムカつきながらも、心に折り合いをつけて生きている。章ごとに、代わる代わる本音や家族には言えない秘密を告白。そしてまさかの事実が明らかに! 家族の絆をポップに描いた快作誕生。
  • 円卓
    3.7
    「こっこ」こと華原琴子、早生まれの8歳、小学校3年生。好きな言葉は「孤独」。 2014年に芦田愛菜主演で映画化された話題作! 狭い公団住宅に、中華屋から譲り受けた赤い大きな円卓で食事をする華原家は、頑固で文字好きの祖父、明朗快活な祖母、ハンサムで阿呆な父と美人で阿呆で素直な母、それに中2の美人の三つ子の姉の8人家族。みんなこっこがかわいくてしょうがなく、何かと構うが、こっこは反骨精神豊かに「やかましい!いろいろと」「なんで、て聞くなやボケが」と心で思う。 こっこの尊敬する人物は、祖父の石太と、同じ公団に住む同級生のぽっさん。ぽっさんの吃音を、こっこは心から美しいと思う。吃音や眼帯をした同級生のものもらい、韓国人の同級生の不整脈をかっこいいと憧れ、それを真似したときに、「こっこはなんでそんな風なんや」と大人に怒られてしまう。しかしこっこは感じる。なぜかっこいいと羨んでやったことがいけないのか。こっこはぽっさんに相談し、人の痛みや言葉の責任について、懸命に「いまじん」するのだった。そうして迎えた夏休みの祖母の誕生日。ぽっさんにも「言わない」出来事がこっこに起きて――。 世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。 ※この電子書籍は2013年10月に文藝春秋より刊行された文庫版を底本としています。
  • 円朝の女
    3.7
    全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで――。スーパースターと五人の女が現代に甦る。 時代の絶頂を極め、近代落語の祖といわれた大名人・三遊亭円朝と、彼を愛した五人の女。 江戸から明治に変わる歴史の転換期を乗り越えた、大名人と女たちの人生が深い感慨を呼ぶ傑作時代小説。
  • エンプティー・チェア 上
    4.1
    現代米国ミステリの最高峰、J・ディーヴァーの代表作「リンカーン・ライム」シリーズ第3弾! 脊椎手術のためノースカロライナ州を訪れていたライムとアメリアは、地元警察から捜査協力を要請される。男1人を殺害し、2人の女性を誘拐して逃走した16歳の少年。発見された証拠物件から、彼の手掛かりを見つけるのだ。土地勘もなく人材も分析機材も不十分な環境に苦労しながら、なんとか少年を発見するが……。2001年「週刊文春ミステリーベスト10」第3位。
  • 遠謀 奏者番陰記録
    4.0
    書き下ろし時代小説の雄・上田秀人、文春文庫初登場! 由井正雪の乱の真相に迫る、スリリングな快作。 三代将軍、家光の治世下。水野備後守元綱は父が陪臣に降格されたものの、その処置に引け目を感じた家光に厚遇され奏者番となった。 そんな折、牢人となっていた林右近は水野家に召し抱えられ、足軽並みの低い身分だったがその働きぶりを上司に認められ、奏者番の重要な補佐役、下調べを行う留役に取り立てられる。 水野備後守は、奏者番として失態を犯すが松平伊豆守信綱に助けられ、以後、伊豆守に服従するようになった。 時代は移り、家光が死去。四代将軍家綱の治世となった折も折、由井正雪の乱が起こる。 備後守は、由井正雪の弟子でありながら、その謀叛の計画を密告したことで旗本に取り立てられた者たちの初お目見えの奏者番を担当することになった。ところがそのうちの一人、奥村八右衛門は謁見の場にも病気を理由に現れなかった。不審に思った備後守は、右近に奥村の身辺調査を命じる。だが、彼の仲間も兄弟も、久しく八右衛門の姿を見ていないという……。 由井正雪の遺書、そこに記されていた紀州大納言頼宣の名、そして姿を見せぬ奥村八右衛門。由井正雪の乱の裏には、“知恵伊豆”松平信綱の驚くべき遠謀があったのだった。
  • エヴリシング・フロウズ
    4.1
    クラス替えは、新しい人間関係の始まり。 絵の好きな中学3年生のヒロシは、背が高くいつも一人でいる矢澤、ソフトボール部の野末と大土居の女子2人組、決して顔を上げないが抜群に絵のうまい増田らと、少しずつ仲良くなっていく。 母親に反発し、学校と塾を往復する毎日にうんざりしながら、将来の夢もおぼろげなままに迫りくる受験。 そして、ある時ついに事件が…。 大阪を舞台に、人生の入り口に立った少年少女のたゆたい、揺れる心を、繊細な筆致で描いた青春群像小説。
  • Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔
    4.3
    日本初刊行、天才のすべてがわかる決定版がついに文庫化 IQ180以上、中学校中退。起業、AppleでSiriの開発に関わり20代で性を変えた無政府主義者が台湾政府で活躍するまで。 ※この電子書籍は2022年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • おあげさん 油揚げ365日
    4.1
    油揚げ愛を語るエッセイ29編+レシピ45 煮ても焼いても焙ってもよし。 変貌自在な油揚げは、日々のおかずにも、酒の肴にもなる。 なんといっても値段が安い! 油揚げを愛するあまりの 偏愛エッセイ29編+レシピ45 (この本で読める内容の一部) ◎母がよく作ってくれた「茄子とひろうす」の思い ◎東向島に、いなり寿司を買いに行く ◎賞味期限三カ月!赤い袋の「松山あげ」を攻略する ◎江戸期から親しまれる、栃尾の巨大あぶらあげ ◎赤坂の豊川稲荷境内で、みそおでんといなり寿司を味わう ◎辰巳浜子さん『料理歳時記』に油揚げはどんな風に登場? ◎五目ごはん、炊きこみごはん、かやくごはん。どんな名でも、そこには必ず油揚げ。 ◎伊東駅名物の四角い折詰には、汁気たっぷりの甘いいなり ◎松山「アサヒ」のなべ焼きうどんには、甘い牛肉と油揚げ ◎きつねうどん誕生――大阪「うさみ亭マツバヤ」のはんなり味 ◎「油揚げ二枚あれば三合飲める」平松さんが愛する酒の肴とは ◎豆腐を揚げた料理が文献に初登場したのは――時代考証家・山田順子氏との対談 ◎油揚げは、言ってみれば「いいやつ」――スタイリスト・高橋みどり氏との対談 ◎簡単で自由な「油揚げ料理レシピ45(カラー写真もあり)」 「なんとでもなる。なんとでもしてくれる」 油揚げの魅力が詰まった、一家に一冊の究極エッセイ集! 単行本 2022年6月 PARCO出版刊 文庫版 2025年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • おいしい人間
    4.1
    内田百【門+月】先生からの一通の手紙、イヴ・モンタンとの再会、藤田嗣治のアパルトマンでの日本食作り、司馬遼太郎との食膳に有吉佐和子からの長電話など、大切な人々とのくすりとする思い出。特製「老人食」リハーサルメニューもあって、心にも胃にもおいしいエッセイ集。
  • 老い力
    3.0
    ただ今80代真っ只中! ジタバタしない! 50代から80代、各年代をいかに上手に枯れるか。夫婦、親友、化粧からボケまで、気概に満ちた愛子節が元気を呼ぶ痛快エッセイ。 いつまでも若く元気に、美しく!? そんなことを言ったって、老衰、病苦、そして死は必ずやってくるのである。ならば現実を静かに受け入れ、ジタバタせずに人生を全うした方がよくはないか――著者50代から80代の現在まで折に触れ記した「老い」についての“超”現実主義な言葉たち。なぜか心が軽くなる傑作ユーモアエッセイ集。
  • 老いてこそ上機嫌
    3.5
    「80だろうが、90だろうが屁とも思っておらぬ」と豪語する著者は、御年89歳。 人生を楽しく迎える気構えを表す珠玉の言葉を、200を越える作品の中から厳選した名言集。 短くて、面白い。でも深くじっくり考えさせられる言葉ばかり集められています。 たとえば、 「苦労は忘れてしまえば、元々ないのと一緒じゃ」 「一人ぐらしの哀れな老人、という偏見に対抗するためにも、最新流行の洋服を身にまとい、きちんとしていなくてはいけない」 「女と年寄りは金の要るもの、ましてや、女であって年寄り、という存在は、人一ばい金が要る。なんのために?プライドと自立を守るためである」 「よく世間には若い人には負けぬ、と力んでいる老人がいるが、私は(負けたかて、エエやないか)と不思議である」 「本当をいうと、グチを吐く人はまだ甘い環境なのである。ほんとうに、たいへんな場で生きている人は、グチも出ないのである」 「手芸の妙手だろうと、実家のしつけが上等だろうと、学歴があろうと、財閥の娘だろうと、共に楽しむ相棒としては、いっしょにいて楽しいか苦痛か、の分類しかない」 「昔のことをいうてもエエが、昔のことで責めてはいかん」 「誰や、女はかよわいもの、なんていう奴。たくましいでェ。すばやいでェ。しかもたのもしいでェ」 結婚、仕事、子育て、人間関係などに悩み苦しんでいるひとには、田辺さんの明るくユーモアにあふれ、深みのある言葉にハッとさせられるでしょう。 年金をもらって楽しく生きるということが困難な時代を生きていく私たちを元気づけてくれる一冊です。
  • 老いて華やぐ
    4.0
    寂聴さんが99歳の最期まで伝えたかったこと 愛について、生について、老いについて寂庵で語り下ろした法話。私たちがこれからを楽しく力強く生きるためのヒントが詰まった一冊。
  • おいで、一緒に行こう
    4.2
    東北大震災、福島原発20キロ圏内のペットレスキュー 取り残された犬や猫たちを救出すべく、女性ボランティアが無人地帯に潜入する。なぜ…? 人間とペットの、いのちの意味を問う名著。
  • 王家の風日
    4.5
    商の紂王に仕える箕子は、王朝存続に心を砕くが、周の太公望が遂に商討伐の軍をおこした。古代中国商王朝の滅亡を描く一大叙事詩。 歴史小説家・宮城谷昌光の実質的デビュー作! 六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。 希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。 それまで活動してきた純文学系同人雑誌が終刊することになり、作家としての岐路に立った宮城谷氏が、以前から興味のあった中国の歴史に材を取り、限定500部の私家版で刊行。 そのうちの1部が司馬遼太郎氏の目にとまり、励ましの葉書を受け取る。 その後、名古屋の海越出版社から刊行され、94年3月に文春文庫化。 解説・平尾隆弘
  • 往古来今
    3.5
    泉鏡花文学賞を受賞した傑作中篇集。 語り手の「私」が、自分の子供のころの母親の思い出を語りだす。と思いきや、突然思い出を断ち切るように、二十歳ごろのうらぶれた京都旅行の話が始まる。線路で泣いている仔犬を救おうとした話、田舎の郵便局で働く巨漢の元力士、千年前の源平時代の領主の話、裸の大将・山下清の話、そして行き着くのは百年前にハワイに移民した日本人の話――自在に空間と時間を往来する、「私」を巡る五つの物語。 タイトルになった〈往古来今〉とは、「綿々と続く時間の流れ。また、昔から今まで」を表す中国の四字熟語。時空がなだらかに転調していくこれまでのスタイルを踏襲しながらも、新しい挑戦に挑んだ意欲作である。 解説・金井美恵子
  • 黄金の石橋
    3.7
    “軽井沢のセンセ”の策略で、浅見光彦は、俳優・絵樹卓夫の依頼を受けるはめに。鹿児島にいる絵樹の母が、謎の男から「金の石橋」の古文書を渡せと、脅迫されているのだ。石橋の取材を兼ね、鹿児島を訪れた浅見は、殺人事件に巻き込まれる。金の石橋と恐喝と殺人……3つの絡み合った謎に浅見が挑む! 著者自作解説つき。
  • 黄金の海へ
    -
    この潔さが羨ましい! 豪商紀伊国屋文左衛門の波瀾万丈の生涯を元禄経済のなかに活写した歴史長編。 命を賭けた江戸へのみかん輸送で得た三万五千両をもとに、紀伊国屋文左衛門は、日本一の豪商めざして突き進む。大長者・河村瑞賢、杉山検校の後押しで材木商となって活躍。八十万両もの稼ぎを上げる。 しかし、貨幣改鋳に手をつけて失敗。以後、時勢の流れから外れ、一代限りで引退した文左の豪快な生涯。
  • 黄金の猿
    4.0
    森の中にある瀟洒なホテルのバー「黄金の猿」に集う男と女。新婚の夫婦、兄と妹、愛人たちに囲まれる退廃的な女、物欲しげな男たち。裏の林を夜毎に若い女が歌い、徘徊する。激しくぶつかり、やがて溶け合う思弁と肉体の蠢き。繰り広げられる愛と性についての妖しい対話──。男女の心の襞を磨き抜かれた言葉で描く「黄金の猿」3部作をはじめ、珠玉の全4編を収録。いま最もスリリングな日本語の使い手による、日本文学の最前線。
  • 黄金の時
    4.0
    商社マンだった父は、かつてアメリカでプロ野球選手だった!? 1963年、カリフォルニアで野球に青春の全てを捧げた男の物語。 作家の本谷要は、亡くなった父親の遺品を整理中に意外なものを発見する。1963年に、マイナーリーグのサクラメント・ゴールドハンターズで野球をする若き日の父・総一郎が写った一枚の写真だった。野球が嫌いだったはずの彼に、いったい何があったのか。商社マンとして仕事一筋の謹厳な父は、作家という不安定な職業を選んだ要は折り合いが悪く、長年に渡って没交渉だった。要は父の過去を知るべく、渡米を決意する。 日本初のメジャーリーガー・村上雅則が誕生する前年に、米プロ野球界の底辺、1A北カリフォルニアリーグでたった3ヶ月間、己の青春の全てを野球に捧げた男の物語。 解説・宮田文久
  • 王朝小遊記
    4.0
    平安京の闇に棲む鬼共の悪行を暴く! 平安の中ごろ、後一条天皇の御世。 藤原道長のライバルのもとに参集した世のはずれ者達。 物売りのナツメ、物乞いのナマス爺さん、女房づとめをしていたシコン、 貴族の子息コオニ、大宰府がえりの勇将・ニシタカの五人が ひょんなことからある有力貴族の依頼で疑似家族として町屋で暮らし始め、 最近、都に起きた、鬼に纏わる難事件を解決しようと、密かに探索を開始する――。 正体不明の賊に命を狙われた姫を守るため、 疑似家族となった五人の活躍を描く、 時代ビルドゥングスロマンの傑作見参!
  • 王朝懶夢譚
    3.7
    イケメンの貴公子と恋をしたい! ドラマティック恋を求めて突き進む月冴姫とやんちゃな妖怪たちの王朝ファンタジー。 内大臣の美しい姫君・月冴姫は東宮の妃として入内を待つ身。 ある夜、屋敷の者が寝静まった頃、ひとり舞っていた月冴姫だが、ひとしきり舞い、休んでいると涙があふれて止まらない。 そこへ童子の姿をした天狗・外道丸が現れた。 入内する予定だった東宮が急死し、第二皇子が立太子されたが、御年まだ3歳。 入内まで10年あまり、恋もできず尼のような生活を送らなければならないので、毎日気分が滅入って仕方がない。 それが月冴姫の涙の理由だった。 「イケメンの貴公子と恋をしたい」と強く願う月冴姫の前に、妖怪たちが現れる。 化けるのが得意な狐の紫々、河童の猩々、鮫と人との間に生まれた人魚のような姿の鮫児……。 彼らの助けを借りながら、運命の恋に突き進んでいくヒロインの平安ファンタジー。 解説・木原敏江
  • 大いなる助走
    4.5
    筒井康隆が文学賞への“怨念”をこめて文壇を震撼させた問題作! 文壇予備軍・同人誌作家がブンガク賞をめざして抱く大いなる野望と陰謀──選考委員、編集者、文壇バーに象徴される作家集団の恐るべき内情。地方で繰り広げられる文学談義の虚構。行間にみっしり詰め込まれた破壊力でタブーとされた“文壇”とその周辺の人間群像をパロディ化し、文壇の俗物性を痛烈に嘲笑。単行本刊行と同時にカンカンガクガクの話題をまいた猛毒性長篇小説。
  • 大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ
    4.3
    怪異の裏になにかがある!? 料理茶屋の隠居・清兵衛は働きづめの日々が終わったことで いつしか死の恐怖に取りつかれ、余命いくばくもない有り様に。 幼馴染の甚助のお陰で危機を脱し、怪奇譚を語り合う「話の会」に 参加することで逆に自分を取り戻した清兵衛だが、 ほっとしたのも束の間、会の周辺で不穏な出来事が起こり始めて……。 〈死への恐怖〉をテーマにした異色の傑作時代小説。 解説=朝宮運河 ※この電子書籍は2010年1月に刊行された文春文庫の新装版です。
  • 大江戸ゴミ戦争
    3.5
    下ッ引きの惣吉が考えた新商売は、正月飾りや供物を集めて焼却する“お送り屋”だったが……「くくり猿」。ゴミ取り人足、佐吾平に儲け話が舞い込んだが、その瓜の摘み取りにはどうも妙なことが……「瓜長者の野望」。医者のぐうたら息子・小金吾は町の発明家、この度ひらめいたのは生ゴミを利用して高価な初物の促成栽培、当たれば大儲けのはずが……「ひらめき息子」。大量のゴミ処理は江戸でも万人共通の悩み。今も昔も変わらぬゴミの問題をユーモラスに描く歴史短篇七篇。
  • 狼がやってきた日
    -
    昭和四十八年の石油ショックは戦後最大の危機であった。当時の状況を、未発表の資料や当事者の証言を基軸に再現し、危機状況においていかに行動すべきかを考えるドキュメント。
  • 大谷翔平 野球翔年 I日本編2013‐2018
    4.2
    二刀流でメジャーMVPの原点はここに 日本でプレーした5年間を本人の肉声とともに辿る。プロでは「不可能」「非常識」と言われた二刀流を大谷はなぜ実現できたのか? ※この電子書籍は2018年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • お母さんの工夫 モンテッソーリ教育を手がかりとして
    3.7
    ママ、あせらないで! 子育ては、楽しまなくっちゃ。 脳科学に基づくメソッドが、家庭ですぐにできる! 先輩ママの実践レポート多数 【ロングセラー『お母さんの「敏感期」』シリーズ決定版】 「早く片づけなさい!」「まだやってないの?」ひっきりなしに、子どもに指示を出していませんか? モンテッソーリ教育は、あの将棋の藤井聡太さんを育てた教育法ということで注目されましたが、いつでも、どこでも、誰にでも、すぐに実践できる教育法です。子どもの集中力を高めて意欲を引き出し、自立心を養います。 実際のモンテッソーリ園で園児の様子を撮影したカラーグラビアや、相良敦子さん生前最後の講演録、最新事情の書き下ろしなどを大幅に追加し、見て楽しく読んでためになる新しい1冊に生まれ変わりました。先輩ママの実践レポートを多数収録しているので、具体的にどのように子どもに接すれば良いか、ヒントが満載です。親のささやかな工夫で、子どもは大きく変わります! ●平和を生きる子どもを育てる ●本当の「躾」とは? ●子どもは自分で選んだ事に集中する ●子どもが一人でできるようになるサポート法 ●「お母さんのイライラ」の特効薬のような教育法 ●子どもにとって一番大切な時期、「敏感期」って何? ●「子どもの見方」のための知識をもつ ●モンテッソーリ教育が前頭葉を育てる ●よくあるモンテッソーリ教育への誤解 ※この電子書籍は2004年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • お母さんの「発見」 モンテッソーリ教育で学ぶ子どもの見方・たすけ方
    4.3
    オバマ大統領や、ラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリン(Google創設者)も受けた教育として注目されるモンテッソーリ教育。20世紀初頭、イタリアのマリア・モンテッソーリ博士が生み出したこの教育法の出発点は、日常生活における行動を子どもが自分ひとりでできるよう、手伝うこと。本書は、わが国のモンテッソーリ教育の第一人者である相良さんが著した、子育てに惑う新米ママたち必携の書の加筆決定版。子育てが楽になるヒントが満載です。『お母さんの「敏感期」』とあわせてどうぞ!
  • お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる
    4.2
    20世紀初頭、イタリアのマリア・モンテッソーリ博士が生み出し、今も世界中で支持されている「モンテッソーリ教育」。その一番の特徴は、子どもには特定の事柄に特別な感受性を発揮する「敏感期」があることを指摘し、その重要性を唱えたこと。本書は、わが国のモンテッソーリ教育の第一人者である著者が豊富なイラストとともに解説する、育児書の決定版です! 『お母さんの「発見」』とあわせてどうぞ。
  • お帰り キネマの神様
    3.8
    原作者・原田マハが、山田洋次の映画を自らノベライズ! 奇跡のコラボ 「一晩で読んでしまった。  魔術にかかったみたいだ。  脱帽するしかない。」 ―-山田洋次監督 「人生で分からないことがあったら、映画を観ろ。答えはぜんぶ映画の中にある」 この映画には、人間や人生への愛が溢れている。 原作者・原田マハが、映画「キネマの神様」に感銘を受けて、みずからノベライズ! 壊れかけた小さな家族をつなぎとめたものは、映画だった――映画人の熱い想いと挑戦をを描いたヒューマンドラマ「キネマの神様」は、山田洋次監督の手で原作小説に大幅に手を加えられ、コロナ禍下で製作された渾身の名作。その映画に感銘を受けた原作者の原田マハが、映画を自らノベライズ。映画を愛する全ての人に捧げる物語。 ※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本 「キネマの神様 ディレクターズ・カット」の文庫版を底本としています。
  • 女将は見た 温泉旅館の表と裏
    3.6
    温泉旅館に行くと笑顔で出迎えてくれる女将たち。 客とのトラブルや自然災害、コロナ騒動など苦労も多い中、接客のプロは日々、何を見ているのか――。 女将の一日密着取材、本音炸裂の匿名座談会、 女将に学ぶ経費削減や好感度アップの所作の教えをはじめ、湯治場の恋、 混浴の掟などなど、数々のとっておき蔵出しエピソードが満載。 巻末付録として浅田次郎氏との対談も収録。
  • 沖で待つ
    3.8
    第134回芥川賞受賞作。待望の電子化! 仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そう思っていた同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすため、私は太っちゃんの部屋にしのびこむ。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く芥川賞受賞作。待望の電子化。「勤労感謝の日」「みなみのしまのぶんたろう」併録。
  • オキナワの少年
    -
    1巻495円 (税込)
    戦後の日本から取残され病める部分を集約して担わされたオキナワ。無垢な少年の眼が捉えたオキナワの現実。表題作は、広く話題を呼んだ第六十六回芥川賞受賞作品である。併録作品の「島でのさようなら」は集団就職の船に乗る少年の苦い胸のうちを切実に描き、「ちゅらかあぎ」は、住み込み工員、浮浪者、日雇いなどなど、転々と居場所を変え、都市の底辺をさまようオキナワ出身の少年の、孤独と憧憬を緻密に綴る。これは著者初めての書き下し作品である。
  • 起き姫 口入れ屋のおんな
    3.8
    江戸のおんなの心意気を描く名人芸 江戸のおんなを描いて「不世出の名人」と評された杉本章子、最後の傑作。 夫が浮気相手と子まで生したことに嫌気が差して、おこうは婚家を離れた。 実家に戻っても安息は訪れない。 奉公人の周旋や仲介をする口入れ屋の女主人に雇ってほしいと必死で頼んだのだが……。 大店の若新造から転身した人生の機微を描いて、泣かせます。 単行本未収録の「ふたたびの浮き世」も掲載。 解説・諸田玲子
  • 奥様はクレイジーフルーツ
    3.5
    「私、欲求不満でどうにかなっちゃうかも」 セックスレスという名のモンスターに挑む初美は禁断の果実をかじってしまうのか? 結婚して三年ほどの三十歳の主婦、初美。 編集者の夫とは仲が良く、優しい彼に不満はないが、夜の営みが間遠に。 欲求不満で同級生の男と浮気をしそうになったり、義弟に妄想、浪人生を誘惑、果ては乳房を触診する女医にまで発情する始末。 夫婦はエロさから遠ざかる? 幸せとセックスレスの両立は難しい? “セックスレス”という名のモンスターに挑む主婦は、禁断の果実をかじってしまうのか!? 解説 小橋めぐみ
  • 屋上のウインドノーツ
    3.6
    1巻804円 (税込)
    吹奏楽にかけた青春物語。松本清張賞受賞作! 引っ込み思案の志音は、屋上で吹奏楽部の部長・大志と出会い、人と共に演奏する喜びを知る。圧倒的熱さで駆け抜ける胸キュンの物語。 解説・オザワ部長
  • オクトーバー・リスト
    3.9
    ドンデン返しの魔術師が技巧のかぎりを凝らした 前人未踏&驚愕連続の “逆行” ミステリー! 本書は最終章ではじまり、第1章へとさかのぼる。 娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求された女ガブリエラ。隠れ家にひそみ、誘拐犯との交渉に向かった友人の帰りを待っていた。 しかし玄関にあらわれたのは誘拐犯だった。その手には銃。それを掲げ、誘拐犯は皮肉に笑った……。 だが読者よご用心。全ては見かけ通りではない。章ごとに物語は時間軸をさかのぼり、あなたの知らなかった「事実」が次々に明かされ、 白は黒に、黒は白に反転をくりかえす。謎のオクトーバー・リスト。それを狙う者たち。迷路のようなニューヨークの街で展開される人狩り。 正解最強のサプライズの魔術師ディーヴァーが繰り出すサスペンスとサプライズ。そして全ての真相が明かされるのはラスト2章! 『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』などでミステリー・ファンを狂喜させてきたベスト・ミステリー作家の神髄がここにある。
  • 送り火
    3.8
    1巻682円 (税込)
    家族の幸せを思うとき、自分自身は勘定に入れない。「あの頃の父親って、ウチのお父さんだけじゃなくて、みんなそうだったんじゃないの?」女手ひとつで娘を育てあげ、いまはさびれた団地で独居する母が娘にそう呟く(表題作)。パンクロック評論で注目された青年の四半世紀後を描く「シド・ヴィシャスから遠く離れて」。大切なひとを思い、日々を懸命に生きる人びとのありふれた風景。とある私鉄沿線を舞台に「親子」「夫婦」のせつない日常を描いた胸に沁みる9つの短篇。
  • 桶狭間の勇士
    3.0
    今川義元を討った信長の家臣の数奇な運命 桶狭間の戦いで今川義元の首級を挙げた毛利新介と服部小平太。天下統一を目論む信長の裏で、二人の武将は数奇な運命を辿ることに
  • お騒がせロボット営業部!
    3.2
    失踪→詐欺→殺人!? 病院で銀行で、残念ロボット・パティが事件を巻き起こす 社会人二年生、ITシステム開発中小会社に勤める外崎朝香は、「ロボット開発課」に異動になる。 社運をかけて開発された身長80センチの人型ロボット『パティ』を売るために東奔西走するが、下がり眉の公家顔というダサい外見と実用性の低さで、大手競合他社の有名ロボットには太刀打ちできない。 トホホな日々が続く中、取引先から「パティが事件を起こした」と衝撃の連絡が!! 「パティにそんな能力はない」と絶対の自信(?)を持つ朝香と人間よりロボットを愛するイケメン・内藤怜央のコンビは、パティを守るために事件の真相を暴こうと奮闘するが!? 元ロボット事業部勤務の著者によるリアル満載のお仕事小説&軽快ユーモアミステリー!
  • 尾崎豊 夢のかたち
    5.0
    尾崎豊は26歳で世を去った。1992年4月25日未明に、民家の軒先で瀕死の姿で発見されたとき、彼は全裸で、全身に傷を負っていた。全力で走りつづけ、自ら傷つき、周囲を傷つけつづけたその軌跡。少年少女の代弁者にまつり上げられ、プロダクションやレコード会社に裏切られ、覚醒剤に救いを求めて破滅していった“カリスマ”の孤独な肖像を、彼自身の言葉、スタッフ達の証言、ファンの声によって浮き彫りにする。NYでの生活、死後の署名運動の経過についても補筆。
  • おしゃべりな銀座
    3.3
    長く愛されている日本初のタウン誌「銀座百点」から生れたエッセイ集。 登場するのは朝吹真理子・いしいしんじ・いとうせいこう・岩松了・内澤旬子・金井美恵子・隈研吾・坂木司・佐藤雅彦・岡田茉莉子・松尾スズキ・湯本香樹美・都築響一・寄藤文平・森絵都・中川李枝子・道尾秀介・高野秀行・西川美和・金子國義・千早茜ら、各界で活躍する46人。 母と映画を見た後に買った木村家のあんぱん、歩行者天国の日に見上げる広い空、給料日は煉瓦亭のカツレツ、今はメニュウから消えた老舗パーラーのフルーツポンチ、伊東屋にしかない憧れの原稿用紙――。 銀座のとっておきの思い出を綴る、おしゃべりを楽しむように読みたい極上エッセイ。 ※この電子書籍は2017年7月に扶桑社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 ※電子書籍版には、宗左近氏の「思い出の街は銀座」は収録されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。
  • お受験
    3.0
    わが子を名門小学校へ! 5歳の秋のワンチャンスをモノにするため、個人塾通いに精を出す“お受験”ママ達。●腹筋50回、鉄棒ぶら下がり10分で根性を養う●自分の洗濯物を洗って干して畳ませる●童話を20話スラスラ説明できるよう記憶させる…など母子一体となって戦闘態勢の「まっしぐら組」。一方、親子代々私立校通い、ほかの選択肢はありえない「老舗組」も…。お受験失敗組の著者が、親たち・塾関係者40人の実態を徹底取材。“お受験”の世界をあぶり出す!
  • お順 上
    4.0
    凛としたお順と、彼女を取り巻く幕末の勇士たち 勝家の末っ子、お順は愛らしい容姿とは裏腹に気性が激しく、兄の麟太郎(のちの勝海舟)から可愛がられて育つ。嫁ぐなら「一番の男」と決めているお順は、麟太郎と交流の深い剣客・島田虎之介に心を奪われるが……。好いた男を想い続けながら、幕末の動乱期を逞しく生きるお順と、彼女を取り巻く志士たちの魅力を鮮やかに描いた時代小説。 ※この電子書籍は2014年10月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • お節介隠居の便利屋稼業 老いて出番あり
    -
    薬屋の隠居が難題を解決!待望の新シリーズ 薬種屋として働いたのち、妻を亡くして隠居の身となった文之助。長年培った商いの勘と得意の小太刀で街の困りごとに次々挑むが……。
  • おたふく
    3.9
    冷え込んだ江戸の景気を救ったのは、一商人が始めた弁当屋――未曾有の不景気に見舞われた寛政の江戸。大店「特撰堂」の次男・裕治郎は実家を離れ、弁当屋を始める。客を思い、取引相手に真を尽くす裕治郎の商いは普請場の職人の評判をとり、火消しを走らせ、武家と町人を結び、やがて途方もなく大きく育ってゆく……。安くて美味いもので人は元気になる! 経済エンタテインメント小説。2008年10月~2009年11月、「日本経済新聞」夕刊に連載。
  • 夫・車谷長吉
    4.7
    この世のみちづれとなった、詩人と小説家。 起伏に富んだ夫婦の日々を描いて講談社エッセイ賞を受賞した名随想。 「もし、こんな男でよければ、どうかこの世のみちづれにして下され。」 四十八歳の風変わりな私小説作家の求愛を受け入れた四十九歳の詩人。 強迫神経症、「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞受賞、訴訟、カブトムシ愛、四国遍路、二人での句会、そして不意の死別。 起伏に富んだ夫婦の日々を至純の筆致で描き、高い評価を得た回想記。 文庫版特典として、著者の講演「詩と小説の間――夫・車谷長吉とともに」を収録。 解説・角田光代 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 夫の悪夢
    4.0
    武士道を唱え、天下国家を語る毅然とした数学者──そんな夫にとって妻の書いたエッセイは、まさに悪夢でしかないのではないか!? 『国家の品格』で世に広く知られた藤原正彦教授の夫人が綴る、ユニークすぎる夫の実像、義父母となった新田次郎・藤原てい夫妻の思い出、イケメン息子3人の子育て奮闘記、英国での思い出など。ユーモアと品格ある文章で綴られた極上のエッセイ集。抱腹絶倒、思わずほろりとする家族のクロニクル!
  • オッパイ入門
    4.0
    これなくしては人類は生きられない! 時に乳房であり、時にパイパイであり、時に乳幼児の食料の源泉であり、 時にわけもなく揉んだりするものであり…… つまり「おっぱい」には謙虚であらねばならない!! タオルのやわらかさと安らぎ感が好きすぎて、 タオルを目にするたびにタオルに向かって小さく「好き!」と呟いてしまう、 皮膚感覚についてのエッセイ「タオルっていいな」。 思い立って失われた青春の現場=除籍になった早稲田大学を突撃し、 懐かしのカツ丼を食べて感傷に浸る「遠ざかる青春」。 さらに中野翠さんとの早稲田対談「恥ずかしい、都の西北」も収録。 シリーズ今作も買って損なし! エッチでもチャーミングなショージワールド全開の期待を裏切らない一冊です。 解説は東海林さんも大好きな「酒場放浪記」でおなじみの吉田類さん。 ※この電子書籍は2018年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • お局美智 経理女子の特命調査
    3.8
    1~2巻800~880円 (税込)
    あるときは普通の経理課OL、あるときは社内の不正に立ち向かう“お局美智”! クールなヒロインが活躍する、新感覚「お仕事エンタメ小説」が誕生! 中堅企業「NOMURA建設」に勤める佐久間美智。普段はごく普通の経理課OLだが、彼女には誰も知らない秘密の顔があった。社内にはびこる不正やスキャンダルを未然に防ぐため、ハイテク盗聴システムを駆使し、社員の会話を傍受する──。そんな特命を、ご意見番である会長から負わされていたのだ。 セクハラ常習犯の役員にパワハラ上司、社長の愛人問題や不正会計、労災事故隠しなど、NOMURA建設はトラブルが続出。さらに、吸収合併を企むライバル企業まで現れた。“お局美智”は果たして、会社の危機を救えるのか? 投稿サイト「エブリスタ」発、第1回「週刊文春小説大賞」受賞作。『花咲舞が黙ってない』や『これは経費で落ちません!』を上回る面白さと、ネットの世界では大評判! クールなヒロインが活躍する、新感覚「お仕事エンタメ小説」の誕生です。 ※本作は、電子オリジナル作品『お局美智』、『お局美智2 姿なき愛人』、『お局美智3 You’re fired!』、『お局美智4 キャット・パニック!』、『お局美智5  緑中央銀行の錬金術師』を一冊にまとめたものです。
  • おでかけ料理人 佐菜とおばあさまの物語
    3.6
    呼ばれたお家でお料理!美味しい新シリーズ 教養ある老舗の隠居のおばあさまと、料理好きだが内気な孫娘。誰にも頼れない二人が、人情と料理と度胸で世の荒波を生きていく!
  • お父さん大好き
    3.5
    収録作『手』が映画化。2022年9月16日公開。監督・松居大悟、出演・福永朱梨/金子大地ほか。 『人のセックスを笑うな』『論理と感性は相反しない』など、ビビットな文体とセンスで時代の空気感をすくい取る、山崎ナオコーラの中短編集。 年配の男性の顔や指の写真を集め、ブログに載せることは罪であろうか?  おじさんを研究する25歳の女性の視点から、異性を個人ではなく集合体として捉える切なさを描いた「手」。 NHKラジオ文芸館で紹介され異例の話題となった、血のつながらない娘と暮らす44歳のサラリーマンが主人公の、『お父さん大好き』など4作を収録。おじさんたちが可愛く思えてくる、ウィットと切なさに満ちたナオコーラ・ワールドが堪能できます。(※2009年刊の単行本『手』を改題)
  • お徳用 愛子の詰め合わせ
    3.3
    生来の「面白中毒」ともいうべき性癖ゆえ、自ら災難に突進し、波乱の人生を歩んできた作家・佐藤愛子。なればこそ書ける、真に心に染みる幸福論、皇室と愛子さまに寄せる思い、旅や家族についてのエッセイ。そして津村節子さん、小沢昭一さん、藤原正彦さん、北杜夫さんら親友・珍友との縦横無尽な語り合い。歯に衣は着せぬが涙もろい暴れ猪・佐藤愛子の多彩な魅力が満載!
  • 男おひとりさま道
    3.4
    女のおひとりさまと男のおひとりさまとでは、生きていくための暮らしの知恵がちょっと違う。本書では、多くの男性“おひとりさま”を取材し、楽しく幸せに男ひとりで老後を生きていくすべを、豊富な事例をまじえて指南。人生の下り坂を降りるスキル、よい介護を受けるためのハウツー、ひとり暮らしの仕方や、人間関係のコツ、そして、幸福な在宅ひとり死まで…。かゆいところに手が届くような作りで、男ひとりの老後暮らしに、必携の一冊。
  • 男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章
    3.6
    男たちに贈る辛辣にして華麗、ユーモアと毒にみちた54章の「男性改造講座」! 男の色気はうなじに出る、原則に忠実な男は不幸だ、薄毛も肥満も終わりにあらず、外国語の習得は必要か、成功する男の4つの条件、上手に年をとるための10の戦術など悩める男性を喝とユーモアを交えて実践指導! 周囲の目ばかりを勝手に忖度して、知らず知らずのうちに気疲れしている男性こそ読むべき言葉が満載。 たとえば…… □他人とは絶対に同じ服装をしたくない □男性と女性は完全に平等であるべきだ □職場の上司として、若い部下をよく理解しているつもりだ □恋人・妻に何をプレゼントしたらよいか分からない □不倫なんてけしからん 黒沢明、有吉佐和子、サッチャー、オノ・ヨーコ、カール・ルイスらの言動に着目し、ギリシャ・ローマ古典やマキャアヴェッリらの知見や美意識に学ぶ。 いまを生きる、悩める男たちへの処方箋。 解説・開沼博
  • 男の肖像
    3.9
    人間の顔は、時代を象徴する。幸運と器量に恵まれて、世界を揺るがせた歴史上の大人物たち――ペリクレス、アレクサンダー大王、カエサル、北条時宗、織田信長、西郷隆盛、ナポレオン、フランツ・ヨゼフ一世、毛沢東、チャーチルなど14人を辛辣に優雅に描き、真のリーダーシップとは何かを問う。
  • 男のだいどこ
    -
    もともとは、暮夜、映画評論の原稿書きの息抜きにひとり冷蔵庫を開けて思案したのが始まりであった。以来、勇躍「だいどこ」に突入、作っては太り、太ってはやせたいとさらに食い物に工夫をこらし、必要は試行錯誤をうみ、体験は盗用を加え……やがて病みつきになってしまった。うまいものの作り方・味わい方に四苦八苦した一部始終をユーモラスに告白、日ごろ日本人が見すごしがちな「食べる」ことの本質にずばり斬りこんで芳醇明快な食味文明論をくりひろげる名エッセイ集。
  • 音四郎稽古屋手控 音わざ吹き寄せ
    3.0
    血を分けた兄妹でも知らぬことがいいことがある 元吉原の北、長谷川町に住まいする役者あがりの音四郎と妹お久。 足に大けがを負い舞台から去った異父兄にはお久の知らぬ事情が……。 江戸・元吉原の「猫返しの神さま」 と言われる三光神社近くの長屋で、 長唄を教えている音四郎、お久の兄妹。 将来を期待されていた歌舞伎役者だった兄は足に傷を負って役者を辞め、稽古屋を始めた。 負傷にはなにやら因縁があるようだ が、お久には知らされていない。 兄にはまだ他にも、人に言えぬ秘密があるようだ。 「大女」「ならのかんぬし」「いぬぼうざき」「はで彦」「宵は待ち」「鷺娘」「菊の露」「丙午」「にせ絵」。 弦音ひびく江戸情緒あふれる9編を収録。 解説・吉崎典子
  • 大人のいない国
    3.9
    かつてなく幼稚化した日本。メディアでもネットでも、「こんな日本に誰がした」という犯人捜しの物言いや他罰的な言論が多いと思いませんか? 本書では、日本でいま一番練れた「大人」の思考をもつ哲学者と思想家が、現代社会と成熟について存分に語り合います。「子どもを成熟させないシステムを作り上げてきたのは私たち自身」「人は年をとるほど“多重人格化”していく」等々、ドキリとする言葉が満載。「大人が消えつつある日本」のいまを多層的に分析し、成熟への道しるべを示した目からウロコの1冊です!
  • 大人の説教
    5.0
    日本人の美徳はこれだ! 文庫オリジナルエッセイ 大人の見識を取り戻せ! プロの技には金を惜しむな! 口当たりの良い意見に満ちた現代に風穴をあける、爽快オリジナルエッセイ集。

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