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悪の坩堝のような50年代のロサンジェルス市警に生きる三人の警官――幼時のトラウマから女に対する暴力を異常に憎むホワイト、辣腕刑事だった父をもち、屈折した上昇志向の権化エクスリー、麻薬課勤務をいいことに芸能界や三流ジャーナリズムに食指を伸ばすヴィンセンズ。そこへ彼らの人生を大きく左右する三つの大事件が……<暗黒のLA四部作>第3作。
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Posted by ブクログ
悪徳と陰謀渦巻く五十年代のLAを舞台に、それぞれ立場も性格も異なる三人の警官と三つの事件を軸に時代のうねりを描く大作。 まず三人の警官の対比がいい。 上昇志向が強く潔癖なエリート警官エクスリーと少年期のトラウマから女への暴力を憎むバド、誤って市民を射殺した過去をもつゴミ缶ジャック。血のクリスマス事...続きを読む件で出世の明暗を分け反目しあう三人がそれぞれの譲れないものを胸に共闘に至る過程に引き込まれる。 特にエクスリーの人間的弱さに惹かれる。 父親へのコンプレックスを払拭しきれず、「完全なる正義」の有り方について苦悩し続けた彼の終盤の選択に胸が熱くなる。 互いに憎み合っていたバドとの間に芽生える同志としての連帯感、二人が接近するきっかけとなる「突き飛ばしてくれてありがとうよ」の台詞が後の伏線になる構成も心憎い。 P362、自分が育った家を見て回るエドの胸中に去来する追想と父への別れの台詞には喝采を送りたい。 エピローグの美しさ切なさは絶品。 なにもかもを犠牲にして なんの意味もない栄光。 最後のページを閉じた時、上巻冒頭に掲げられたエピグラフの意味が真に理解でき、言葉にならない想いが押し寄せる。
上下巻読み終わった。 すんげぇ面白かった。 下巻はずいぶん映画とは違うんね。 登場人物も増えてだいぶ頭混乱したわぁ。 ロロ・トマシは出てこないのね… あとビッグ・ノーウェアのが執筆年早かったのね。 そっち先に読めばよかった。
「暗黒のLA4部作」の3作目。これが一番面白い。深夜の大量殺人、ポルノ雑誌、クスリなどを発端に、警察官3人のそれぞれの人生が絡み合う。
今更レビュー書かなくても…と思うほど売れてるし読まれているエルロイの代表作。映画化もされたけど、映画はまた別の魅力があって良かった。 エルロイについても書き尽された感があるけれども、主人公たちに共通する暴力性と破壊願望と哀しいような女性への優しさは、やっぱり彼特有のものなんだろうかなーと思う。 個...続きを読む人的にはアメリカでテレビシリーズ化された『L.A.コンフィデンシャル』が見たい。 ビッグV役のキーファー・サザーランドが見たい……。でも、映画版のケビン・スペイシーは一番好きな俳優です。
エルロイの本は読みにくい。 話が込み入っているし、長いし、描写はえぐくて登場人物はみんな腹黒い。 けれど、終盤に向かって物語が疾走し始めたときのカタルシスはちょっとすごいものがある。 下り坂でどんどん早足になり、駆け出して自分でも止まらなくなるあの感じに似ている。 センテンスは短くそぎ落とされ、機関...続きを読む銃のように次々と打ち出される。私は彼を天才だとは思わないが、この文体は天賦の才だと思う。 そして、結末にある、かすかなひかりと、詩情みたいなものにいつもやられて、また新しく手にとってしまう。
映画公開を機に購入。 ジェイムズ・エルロイの持つどす黒い世界観に一発で大ハマリしてしまいました。 鑑賞前に読んだと記憶していますが、映画の方も原作の複雑なプロットを上手にまとめていてオススメです。
名前がたくさん出てきて、最初は読みにくいが、入り込んでしまえばこっちのもの。特別変わったストーリーでもないのに、なぜか面白い。なにか秘密があるはず。
●観てから読むか? 読んでから観るか? のLAコンフィデンシャル。 映画版はラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケビン・スペイシー言う達者な人々が演じていて大変面白かった。 さて原作。 いや驚いた。 これって、えっらっくっっ入り組んだ話だったんですなー。 よくもこんな複雑な話を、映画になるだけわかりや...続きを読むすくしてくれたものだ。 アカデミー脚色賞を獲っただけあって、けっこう大胆な改変つうか端折りぶりですよ。 なんせ、映画版では優秀なエリート警察官でその昔殉職したことになってるガイ・ピアースの父親は、原作ではバリバリ生きてる実業家(笑) しかも、けっこうキモな存在なんですねー。 その彼をカットするとは・・・大胆だのう脚本・・・。 ●・・・てなわけで、原作と映画は起こる事件は同じながら、かなり異なっていると言えるでしょう。 まあ実際、原作をそのまま映像にしようとするなら2時間の映画なんて無理だし。 その時間で一本の話にまとめあげた脚本家の腕はたいしたもの。 ただやっぱり、先に原作を読んでたら、「あ、あのエピソードは? あのキャラは!?」 と言う感想にならざるを得ないよな。 繰り返すけど映画版、面白いんですよ? ガイ・ピアースの演じるエド・エクスリーが、めっさツボだったし(笑) でも原作の彼は、もっとややこしくて繊細な若者なのでした。 いやあ、リン・ブラッケンがシド(←ラッセル・クロウでやんす)に惚れながらエドに心惹かれる理由が、とてもよくわかるわー!! ダメ男ばんざーい!!!!(←バカ) ●結論。 「LAコンフィデンシャルは観てから読むのが正解である。」 騙されても知らんけどな。 以上、私の順番でした。(←結局ソレですわ・・・。)
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LAコンフィデンシャル
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ジェイムズ・エルロイ
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