文春文庫 - 切ない作品一覧
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3.92025年、NHK大河ドラマは「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」。 その主人公である江戸の出版プロデューサー・蔦屋重三郎の波瀾万丈人生を描く、傑作歴史長編小説! 寄る年波には勝てず、店仕舞いしようとしていた地本問屋・丸屋小兵衛のもとを、才気迸る若い男が訪ねてくる。この店に毎年二十両払うから、雇われ人となって自分を手伝ってほしい、という申し出に面食らう小兵衛。 「一緒にやりませんか。もう一度この世間をひっくり返しましょうよ」 その男こそ、吉原随一の本屋、飛ぶ鳥を落とす勢いの蔦屋重三郎だった――。 飲むときはとことん飲み、遊ぶときはとことん遊ぶ。商売の波に軽々と乗り、つねに新しいものを作りたい、と意気込む重三郎。重三郎の周りには、太田南畝、朋誠堂喜三二、山東京伝、恋川春町ら売れっ子戯作者や狂歌師が出入りするが、腐れ縁の絵師・喜多川歌麿には、特別な感情をもっている。 やがて松平定信による文武奨励政治が始まると、時代の流れは予期せぬ方向へ――。 蔦屋重三郎の型破りの半生を、父親ほども年が離れた小兵衛を通して描く。最強バディが江戸の街を闊歩する、極上エンターテインメント小説。 単行本を大幅に改稿し、著者によるあとがき「文庫化までの長い言い訳」を特別収録。 単行本 2014年4月 学研パブリッシング刊 文庫版 2024年10月 文春文庫刊 ※この電子書籍は、文春文庫版を底本としています。
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3.0北欧の人気ミステリー・シリーズ第2弾! ミーナら特捜班を嘲笑うように連続する誘拐殺人。次の犯行はいつ? ストックホルムを舞台に犯人との頭脳戦が始まる。 ストックホルム警察特捜班に届いたのは幼児誘拐事件の報告だった。白昼堂々、保育中の子供を連れ去るという大胆な手口。過去の少女誘拐殺人との類似から特捜班は最悪の事態を想定するも、捜査は難航。刑事ミーナは2年前に捜査協力を仰いだメンタリスト、ヴィンセントに接触する。 極端な潔癖症の刑事ミーナと、「数字」に執着する心の偏りを持つメンタリスト、ヴィンセント。互いに惹かれ合う二人が挑むのは連続児童誘拐という卑劣な犯罪です。別れ別れだったミーナの娘も登場、事件捜査のみならず特捜班の面々の「秘密」からも目が離せない快作です。
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5.0満州事変、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件……昭和初年から日本を震撼させ、結果として軍部の台頭と日米開戦を招いたテロや陰謀の当事者たちが文藝春秋に寄せた肉声を集成。彼らは何を目指し、どう行動したのか。現代に通じる教訓は何か。日本を取り巻く国際情勢が緊迫するいま、知っておくべき昭和史の真実を集めた一冊。 (※本書は2015年4月に刊行された「文春ムック 太平洋戦争の肉声 第4巻 テロと陰謀の昭和史」を底本にし文庫化したものです)
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4.0ミリオンセラー『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の著者が贈る、奇跡の恋物語 瀬戸内海にほど近い町、今治の高校に通う良史(よしふみ)のクラスに、ある日、本物の天使が転校してきた。 正体を知った良史は彼女、優花(ゆうか)が再び天国に帰れるよう協力することに。 幼なじみの成美と健吾も加わり、四人は絆を深めていく……。 カバーイラストは、大ヒットアニメ映画『君の名は。』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』でおなじみの超人気アニメーター田中将賀さん。 これは恋と奇跡と、天使の嘘の物語。 「私を天国に帰して」 彼女の嘘を知ったとき、真実の物語が始まる
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4.2人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。 でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より) 他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時がある――。 短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。 (収録作品) ・高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるという――。『トオリヌケ キンシ』 ・「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』 ・やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』 ・人の顔が識別できない――「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』 ・長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』 ・前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』
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4.1切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって、貧しい藩は生き延びることができるのか。 藩の命運を握った剛は、「想いも寄らぬことをする」決意をした――。 天保年間の土地も金もない弱小藩を舞台に、ひとりの少年武家が辿る過酷な運命が、圧倒的リアリティを通して描かれる。 謎と謀(はかりごと)、美と畏れ。研ぎ澄まされた文章と壮大なる謎、唯一無二の武家小説! 「弱冠十五歳の少年が、柳営の棟梁たる将軍に対して、己の能の技量のみを武器に文字通り徒手空拳で命がけの闘いを挑む。しかも与えられた期間は、わずか七ヶ月しかない。これぞまさにミッション・インポッシブル 」 ――川出正樹 (解説より) ※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.9認知症を患い、正常な記憶が失われていく父。日々発生する不測の事態のなかでも、ときには笑いが、ときにはあたたかな感動が訪れる。 「十年か。長いね。長いお別れ(ロング・グッドバイ)だね」 「なに?」 「ロング・グッドバイと呼ぶんだよ、その病気をね。少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行くから」 東家の大黒柱、父・昇平はかつて区立中学校長や公立図書館の館長をつとめ、十年ほど前から認知症を患っている。 長年連れ添った妻・曜子とふたり暮らし。 娘が三人、長女の茉莉は夫の転勤で米国西海岸暮らし。次女の奈菜は菓子メーカー勤務の夫と小さな子供を抱える主婦、三女の芙美は独身でフードコーディネーター。 ある言葉が予想もつかない別の言葉と入れ替わってしまう。 迷子になって遊園地へまぎれこむ。 入れ歯の頻繁な紛失と出現。 記憶の混濁により日々起こる不測の事態――しかし、そこには日常のユーモアが見出され、昇平自身の記憶がうしなわれても、自分たちに向けられる信頼と愛情を発見する家族がいつもそばにいる。 認知症の実父を介護した経験を踏まえて書かれた短編連作。 暗くなりがちなテーマをユーモラスに、あたたかなまなざしで描いた作品は、単行本発表時から大きな話題になり、中央公論文芸賞や日本医療小説大賞にも選ばれた。 映画化決定! 解説・川本三郎
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4.6長崎にも「原爆ドーム」があった――。それは爆心地の北東500メートルほどの位置に立つ、高さ25メートルの鐘楼を持った浦上天主堂。しかし1925年に完成し、東洋一と謳われたこの天主堂は原爆によって廃墟と化す。当初、被爆遺構として保存に積極的だったはずの長崎市長だが、訪米を経て「原爆の悲惨を物語る資料としては適切にあらず」と発言し、撤去路線に転換。結果として旧浦上天主堂は1958年に撤去されるに至る。世界遺産クラスの被爆遺構はなぜ失われたのか? 市長の翻心の裏には何があったのか? 丹念な取材によって昭和史のミステリーを解き明かした渾身のノンフィクション。
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4.4なぜ、この事件は強く否定され続けるのか? 戦後七十周年に下された指令は七十七年前の「事件」取材? 「知ろうとしないことは罪」と呟き、西へ東へ南京へ。 いつしか「戦中の日本」と、言論の自由が揺らぐ「現在」がリンクし始める……。 伝説の事件記者が挑む新境地。 解説・池上彰
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4.2格差社会と言われる前から、低く深いところで「見えない貧困」は渦巻いていた。生活保護の第一線に立つのは、地方自治体のケースワーカーだ。政府からは予算を削られ、マスコミには不正受給/不適切な対応と叩かれる狭間で、彼らは貧困層とじかに向き合ってきた。都内のK福祉事務所、札幌の母親餓死事件の真相、炭坑閉山から親子代々の受給も目立つ福岡・田川のケース。矛盾を抱えながら、必死に制度を機能させてきたケースワーカーの生々しい現場を紹介する。
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3.9大宅壮一ノンフィクション賞受賞。中上健次はそこを「路地」と呼んだ。「路地」とは被差別部落のことである。自らの出身地である大阪・更池を出発点に、日本の「路地」を訪ね歩くその旅は、いつしか、少女に対して恥ずべき犯罪を犯して沖縄に流れていった実兄との幼き日の切ない思い出を確認する旅に。
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3.0「この一冊は、欲の深い人のために書いた本である。つまり、何かを読むのに貴重な手間をかけた以上は、必ず効果(もと)をとらねばならない、と考えておられる方々に向けた本である。すなわち、人生の持ち時間をできるだけ有効に使いたい、と願っておられる方々を、念頭においた本である」(まえがき)。複雑怪奇な「人」の正体を鋭くも温かく洞察、人間関係のエキスパートがほどよく噛み砕いた文章で即効力のある本を読み解く。
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4.22013年カンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた『そして父になる』(是枝裕和監督)の参考書籍である本作は、昭和52年、沖縄で起きた赤ちゃんの取り違え事件を克明に追ったノンフィクションです。小学校にあがる際の血液検査で、出生時の取り違えがわかった二人の少女。他人としか思えない実の親との対面、そして交換。「お家に帰りたいよう」子どもたちの悲痛な叫び――。当時、女性誌の記者としてこの事件を取材した著者は、その後十七年にわたって二人の少女と家族を追いつづけ、この驚くべき作品を書き上げました。「家族の絆」とは何かを深く考えさせる傑作です。
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4.0iPS細胞を超える夢の万能細胞として、華々しく発表されたSTAP細胞。そのニュースに日本中が熱狂したのも束の間、論文には次々と疑義が浮上する。一流科学者が揃いながら、なぜ捏造が起きたのか。そしてSTAP細胞の正体とは。独自取材を重ねた記者が掴んだ全貌。大宅賞受賞作に新章を追加した完全版。解説・緑慎也
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3.4宝塚の娘役・千花 名門一族出身のライター・萌 花の盛りのように美しい娘たちに忍び寄る、翳(かげ)りの季節 絢爛と頽廃。林真理子文学の名作! 「私たちって、ずうっと不幸にならないような気がしない?」。 宝塚の娘役・千花は歌舞伎界の御曹子・路之介との恋に浮かれ、 親友でライターの萌は年上の映画評論家・三ツ岡との贅沢な不倫に溺れている。 二人の美しい娘たちの前には、甘やかな未来しか広がっていないかに見えたが…… 上流社会を舞台に、幸福の絶頂とその翳りを描き切った傑作恋愛長編。 解説・酒井順子 ※この電子書籍は2007年1月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
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4.1モダン・ホラーを生み出したスティーヴン・キングのデビュー第2作。 恐怖の帝王のすべてはここから始まった。伝説の名作が装いを新たに復活! 「友達にも恋人にもならない。死と恐怖の王たる吸血鬼。その偉大なる碑」――小野不由美 荒れ果てた屋敷が丘の頂から見下ろす町、セイラムズ・ロット。そこに幼い頃住んでいた小説家ベンが帰ってきた。町は平穏に見えたが、ある夜、ベンは丘の上の屋敷に灯が点っているのを見る。あの屋敷を買った者がいるのだ。そしてある日、幼い少年が忽然と姿を消した……。 デビュー長編『キャリー』を刊行し、ベストセラー作家となったキングが、専業作家として初めて書き上げた作品が本書。吸血鬼譚を現代に甦らせ、現代ホラーに巨大な影響を及ぼした。「モダン・ホラー」を生み出した普及の名作。 ※この電子書籍は2011年11月に集英社文庫より刊行のものを、文春文庫より刊行した新装版の文庫を底本としています。
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3.41巻764円 (税込)あなたは走っていますか? 人生には、走るシーンがつきものだ。 中田永一、東山彰良、柴崎友香など、十四人の多彩な作家が「走る」をテーマに競作した異色のラン小説アンソロジー。 【収録作品】 中田永一「パン、買ってこい」 柴崎友香「ベランダと道路」 王城夕紀「ホープ・ソング」 佐藤友哉「熊の野戦」 遠藤徹「桜の並木の満開の下」 前野健太「いびきが月に届くまで」 古川日出男「藤村加奈芽のランニング・ストーリー」 岩松了「走る男」 小林エリカ「飛田姉妹の話」 恒川光太郎「リスタート」 服部文祥「小さな帝国」 町田康「ずぶ濡れの邦彦」 桜井鈴茂「誰にだって言いぶんはある」 東山彰良「或る帰省」
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3.9【第133回直木賞受賞作「花まんま」映画化決定!】 まだ幼い妹がある日突然、母のお腹にいた時のことを話し始める。それ以降、保育園をぬけだし、電車でどこかへ行こうとしたり、習ったことの無い漢字を書いたり。そして、自分は誰かの生まれ変わりだと言い出した…(表題作「花まんま」)。 INFORMATION 映画『花まんま』 2025年春 全国公開 出演:鈴木亮平 有村架純 監督:前田 哲 配給:東映 公式HP:https://hanamanma.com ~映画化によせて~原作者の言葉 私が書いた『花まんま』は八十枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった『花まんま』です。 ------------------ 昭和30~40年代の大阪の下町を舞台に、当時子どもだった主人公たちの思い出が語られる。ちょっと怖くて不思議なことや、様々な喜びやほろ苦さを含む物語に、深い感動と懐かしさがせまる傑作短篇集。 第133回直木賞受賞作。
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3.7美しく、時に切ない。播磨国で暮らす「陰陽師」の物語 律秀と呂秀は、薬草園をあずかりながら庶民と暮らす、心優しい法師陰陽師の兄弟。ある出来事をきっかけに、彼らは一匹の鬼と出会う。 ※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.8スーパーの保安責任者の男と万引き犯の女。偶然の出会いは神の思し召しか、悪魔の罠か? ミステリーの限界を超えた“現代の神話” スーパーの保安責任者・平田誠は、ある日、店で万引きを働いた末永ますみを捕まえた。いつもは情け容赦なく警察へ引き渡す平田だったが、免許証の生年月日を見て気が変わった。昭和60年生まれ。それは平田にとって特別な意味があった。平田はますみを見逃すことにした。これがきっかけで二人に交流が生まれ、やがて平田は己の身の上をますみに語り始める――。 偶然の出会いは神の思し召しか、悪魔の罠か? 二人を結ぶ運命の糸は、思いもよらない結末へと繋がっていた!トリックなし。しかし、ラストで世界が反転する! “絶望”と“救済”のミステリー。 解説・榎本正樹
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3.5第151回芥川賞受賞作。「春の庭」 書下ろし&単行本未収録短篇を加え 待望の文庫化! 東京・世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。 彼女は隣に建つ「水色の家」に、異様な関心を示していた。 街に積み重なる時間の中で、彼らが見つけたものとは―― 第151回芥川賞に輝く表題作に、「糸」「見えない」「出かける準備」の三篇を加え、 作家の揺るぎない才能を示した小説集。 二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。(「春の庭」) 通りの向こうに住む女を、男が殺しに来た。(「糸」) アパート二階、右端の部屋の住人は、眠ることがなによりの楽しみだった。(「見えない」) 電車が鉄橋を渡るときの音が、背中から響いてきた。(「出かける準備」) 何かが始まる気配。見えなかったものが見えてくる。 解説・堀江敏幸
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3.0佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化! 老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年間は夫であった畑中辰彦のものだった。 「究極の悲劇は喜劇だよ」 辰彦はそういった。 それにしても、どうして普通じゃ滅多にないことばかり起るのか。 当時の文学仲間たちはもう誰もいない。 共に文学を志し、夫婦となり、離婚の後は背負わずともよい辰彦の借金を抱え、必死に働き生きた杉は、思う……。 あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? 杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索する。 枯淡の境地で、杉が得た答えとは。 『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であった男と過ぎし日々を透徹した筆で描く、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。
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4.0コロナ禍だからこそ成立する出色のミステリ あなたのお父さんは、殺人犯なの――? ネグレクト、貧困、そしてコロナが少女たちを追い詰める。 タイトルの真の意味がわかった時、きっと胸が熱くなる。 現代社会の闇に迫る切ない社会派ミステリー 小学五年生の咲陽は、「父親が仕事で帰ってこない」という同級生の小夜子を心配して家に連れ帰る。 だが、コロナを心配する母親に小夜子のことを言いだせないまま、自分の部屋に匿うことに。 翌日、小夜子を探しているという刑事が咲陽の家を訪ねてくる。 小夜子の父親が、ラブホテルで起きた殺人事件の犯人ではないかと疑念を抱く咲陽だが――。 『希望が死んだ夜に』で「子どもの貧困問題」に、続く『あの子の殺人計画』で「子どもの虐待」に迫った〈仲田・真壁〉の神奈川県警刑事コンビが、「コロナと貧困」の陰で起こった事件に挑む。 話題の社会派ミステリー第3弾! 解説=吉川ばんび 単行本 2022年2月 文藝春秋刊 文庫版 2025年11月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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3.7累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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4.5名手・平岩弓枝による長編ミステリー小説。六本木に事務所を持つ有名カメラマン・城重文夫がある日突然姿を消した。呆然とする新婚の妻・久仁子は、知人の協力を得て夫の行き先を探し始めたところ、夫が向かったと思われるギリシアで事務所で働いていた女性が遺体で見つかる。彼女と夫の間には恋愛関係があったのか? 彼女を殺したのは夫なのか? そして久仁子は、有田焼の里で窯業を営む夫の実家を訪ねたことで、いままで知らされてなかった夫の家族の陰の歴史に向き合うことになる。東京、佐賀、ギリシア、マイセン、メキシコと夫の影を追い続けた久仁子が探し出した驚愕の真実とは? 細やかな心理描写と巧みな構成で読む人をうならせる著者円熟期のサスペンスロマン。 ※この電子書籍は1980年1月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
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4.1「あなたは誰?」 徐々に息子の泉を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく泉。 ふたりで生きてきた親子には、忘れることのできない“事件”があった。 泉は思い出す。かつて「母を一度、失った」ことを。 母の記憶が消えゆく中、泉は封印された過去に手を伸ばす──。 記憶という謎<ミステリー>に挑む新たな傑作の誕生。 「あなたはきっと忘れるわ。 だけどそれでいいと私は思う」 「また母が、遠くに行ってしまいそうな気がした。 あの時のように」 ……あの一年間のことは、決して誰にも知られてはいけなかった。 『君の名は。』『天気の子』を生んだ稀代の名プロデューサーにして、 小説『四月になれば彼女は』『世界から猫が消えたなら』で 作家としても大きな衝撃を与えてきた川村元気。 各界からも反響が続々! ◆息子と母の切ない思いに、胸が熱くなりました。──吉永小百合 ◆深い感動のうちに読了した。 ぼく自身の母親の思い出と重なり、他人事ではなかったのだ。──山田洋次 涙が止まらない──現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。 解説は『長いお別れ』の中島京子さんです。 ※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.2人気の美術ミステリー、シリーズ第3弾! 舌に感じる味覚で美術品の真贋を見分ける美術コンサルタントの神永美有と美大の准教授・佐々木昭友、佐々木の元教え子で芸術家の卵・イヴォンヌのトリオが大活躍。 函館戦争で戦死した先祖を悼んで榎本武揚から贈られた、隕石を鍛えなおして作られたというサーベル。刀身の成分を調べてみると、隕石に含まれていたはずのニッケルが検出されず、偽の流星刀と断定された。だが、サーベルを前にした神永の舌はこの刀の意外な部分に甘みを感知していた(「流星刀、五稜郭にあり」)。 佐々木が密かに思いを寄せていた教え子・琴乃が結婚。いやいやながら結婚式に出席した佐々木の前で、琴乃は嫁ぎ先の家宝、支倉常長が持ち帰ったというローマ法王の肖像画を偽物と断じた。真贋の判定を託された佐々木は?(「B級偉人」)。 そのほか、志賀島の金印と同時代の「銀印」が京都から出土した。果たして本物か?(「銀印も出土した」)。北海道の農家から見つかったモザイク画は、本当にカエサルの時代のものなのか?(「モザイクで、やーらしい」)。ペリーが日本に持ち込み、将軍に披露したという蒸気機関車の模型は本物か。鍵を握るのはスケッチブックに残された「sen.T」の署名(「汽車とアスパラガス」)。神永が味覚で美術本の真贋を見極めるきっかけが明かされる青春記(「春のもみじ秋のさくら」)。
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4.1夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか? 臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。 第159回直木賞受賞作。 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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4.4息詰まる創作の現場、あの名作の秘話が今、明かされる 「生きものの記録」以後はどうも冴えない作品ばかり――。『羅生門』『生きる』『七人の侍』の共同脚本家が見た映画人、黒澤明の真実
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3.8「お前の居場所は、俺が作るから。泣くな」 ピアノだけが友達の孤独な少女の夏子は、異彩の少年・月島と出会い、振り回され、傷付きながらもその側にいようとする。 やがて月島は唐突に「バンドをやる」と言い出した。 彼は、夏子の人生の破壊者でも創造者でもあった。 大切な人を大切にすることが、こんなに苦しいなんて--。 異彩の少年に導かれた孤独な少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。 直木賞候補となった鮮烈なデビュー小説。 「生生しくて、切なくて、痛くて、何度も胸を揺さぶられた。この小説が好きだ。好きだ、と叫び出したくなる」 宮下奈都(解説より) 【藤崎彩織】 1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た四人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『読書間奏文』がある。 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.5四国遍路の帰路、冬の海に消えた父。 家族、男女関係の先に横たわる人間存在の危うさを炙り出した傑作長編。 企業戦士だけれど、子煩悩だった父。だが父は、二十年間ひとりの女性を愛し続けていた。 一度は夫の裏切りを許し、専業主婦として家庭を支えて生きてきた母は、父の退職後に発覚した事実に打ちのめされる。 それなりに安定した幸せな家庭を作ってくれた父が、四国の遍路を終えた時、冬の海に飛び込んだのは何故なのか。 家庭の外にもう一つの世界を持っていたその心中とは? 次女の碧は職場に休暇願いを出し、父の最後の旅を辿ろうと決めた。 日本の標準的で幸せな一人の企業戦士の、切なく普遍的な人間心理。 四国遍路のリアルな光景を辿るうち、読者も自身の人生、男と女の根源的関係に思いを馳せることになるに違いない。 変容し続ける作家・篠田節子の到達点。 解説・八重樫克彦
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