無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
ママ、ママはどうしてパパと暮らしていたの?
夢に亡くなったママが現れたのは、都が陵と暮らしはじめてからだった。きょうだいが辿りついた愛のかたちとは。読売文学賞受賞作。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
都と陵は一つ違いのきょうだい。特殊な関係の親の元に育つ。ママは言葉が鋭く、自然と人を怖がらせもする、だけど魅力的で男受けは良い。
都はママが大好き。どうして子供は、母親が好きなんだろう。どんな母親だったとしても、子供は母親の全部が好きなのだ。
陵は、偶然地下鉄サリン事件の現場に居合わせ、幸い難を逃れる。ママは空襲で実母を失う。それぞれが命の安全が脅かされるようなPTSDを抱える。
大好きなママが病気で亡くなってからもずっとママの夢を見続ける都。
若い頃は離れて暮らしていたが、30代半ば再び実家で一緒に住みはじめた都と陵。陵がサリン事件に出くわしてから。人の死は、遠いようで紙一枚隔て隣にあった。
都と陵の関係について、ありえないと言ってしまえばその一言だが、家庭環境が影響を及ぼした(のだろうか)。
「わたしは陵のようになりたかった。陵になって、ママに喜んでもらいたかった。でもできなかった。だからわたしこんなにも陵が好きなのかもしれない」と言っている。
強烈なママの自爆から逃れられない都は、外へ飛び出せなくて、結局、陵に向かった。
子供というのはいつかは親元を巣立つもの。肉親から離れてゆくのが自然だろう。都(陵も?)は言わば毒親のママから精神面で自立できなかった(のだろう)。
「いつもわたしと陵は裁かれている。わたしたちを知るすべての人々に。けれど、真にわたしたちを裁いてくれる者など、ほんとうはどこにも存在しない。」
重いなぁ。この時期キツイ。
だけど、こんなにも綺麗な言葉文章で描かれた物語は濁りもない真っ白い水のよう。雰囲気がすごい。
夏の夜の鳥で始まって鳥で終わる。一羽だけぽつんと浮いていた水鳥。
また夏が来る。鳥は、太く、短く鳴くことだろう。
Posted by ブクログ
ひとの人生に触れると実感して思い出すことがある。それは思い出だったり、生き方だったり、生と死の匂いだったり。
濃密な家族と、広義な愛の物語でした。
軽々しく時を越えていろんな場面が描かれているのに、全く不自然でなく、そこに存在しなかったわたしも、主人公たちのあたかもそばにいたように思い描くことが出来る。
夏のじっとりとした空気。しかし、冬になればその暑さを忘れてしまう。でもどうしてもあの夏のあの夜に戻ってしまう。
すごく読まされた、という気持ちです。
ぐいぐいと同じ沼に引き摺り込まれた気持ちでした。
時計だらけの開かずの間が開かれる時、やっと覚悟ができた気がします。
周りのキャラクターもとても魅力的で、わずかしか出てこなかったキャラクターの人生も空想します。
Posted by ブクログ
面白かったです。
あわあわとした、姉と弟の日々。
パパ、ママ、そして姉である主人公の都と、弟の陵。別々に立っているようで、とても濃密に絡まっていました。
戦中戦後や昭和の事件、昭和天皇の崩御、そして地下鉄サリン事件や地震も出てきて、姉弟のこれまでの時間の経過が描かれるのが印象的でした。降りたいときに降りることは、できない。でも、降りたくないときに降ろさせられる。生きるって難儀です。
好きだった、という告白はとても残酷で甘美な気がします。姉弟というものは思ったよりも近いかもしれません。
不思議と嫌悪感は全くありませんでした。
あわあわと、ぼやぼやと過ぎて行きました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸