無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
主人公が生意気なのかカッコつけていて好きになれず、2/3くらいまでは音楽の本だからということだけで我慢して読んでいました。ところがです、核心部分が表に現れ始めた高円寺と新宿の夜から引き込まれ始め、翌日のおばあさんとの会話では涙が出ました。その後の父の部屋での場面は最初から心臓が押しつぶされてしまい、お母さんからの手紙を明かされてからは号泣でした。もちろんその後はずーっと涙目で読まされました。メシアンとBWV533を初めて聴いてみました。こんなマイナーな曲を高校生が部活で演奏するのかと驚きです。20回以上聴いてみましたが、バッハはまだ分かるとしてもメシアンは未だに"なぜこの曲?"という感じです。確かに少しロックっぽいかなとは思いますが。
Posted by ブクログ
私はこの作品に郷愁を感じました。
カトリックの初等部から大学まである一貫校の高等部に通う、主人公鳴海一哉は、父は牧師、母は元ピアニストです。父と母はドイツでバッハを通して知り合いましたが、母は一哉が10歳の時にドイツ人のオルガン教師と出会い、離婚してドイツに渡ってしまい、祖母と三人で暮らしています。
一哉はキリスト教を全く信仰していませんが、聖書研究会とオルガン部に所属しています。
メインの話はオルガン部の五人の活動なのですが、母が元ピアニストの一哉は、皆に一目置かれている存在です。
しかし、一哉はオルガン奏者として最も、素質のあるのは、五人の中では、天野真弓だと見抜いています。
俺は天野のデカい目をしっかり見て言った。
「あんたは演奏者だと思うね」
「昔、ピアノのコンクールで課題曲にバッハのインベンションがあったんです。全国コンクールの東京予選でした。私の二つ後くらいの順番の男の子が、ものすごくいい演奏をしたんです」
「何のコンクール?いくつの時?」
「俺も出てたかもね」
「その男の子、鳴海さんだと思います」
天野は迷いなく言い切った。
オルガンとバッハと礼拝と聖書。
私も、高校の三年間はカトリックの学校でした。
毎日、聖歌を歌っていました。
オルガンではなくピアノをやはり13年間習っていましたが、バッハは特に好きな作曲家で、先生に発表会でバッハを薦められて弾いたこともあります。
読んでいるだけで、泣きたくなるような、懐かしいものばかりの文章でした。
作者の、佐藤多佳子さんはあとがきで「作品のモチーフに合った時代を自分なりに探しました。キリスト教の信仰を持つことはなかった私ですが、中学高校の六年間、毎日、講堂の礼拝で聴いたオルガンの音と讃美歌の歌声は忘れがたく、思い出という以上に大切なものに思えます」とおっしゃっておられますが、ここにも佐藤さんの作品をこんなに懐かしく読んでいる者がいます。と叫びたくなる物語でした。
最後は、タイトル通り、クリスマス・コンサートの終わりとともに終了します。
Posted by ブクログ
School & Musicシリーズ第二弾。
前作が短編集だったのに対して、本作は一作で一冊。
主人公は、キリスト教系の高校でオルガン奏者を弾く
高校三年生男子。オルガン部の部長も務めている。
牧師一家で育ったり、母親が出て行ってたりと
かなり普通ではない生い立ちのためか、
性格はかなり屈折している。
といっても、物語が主人公の一人称で語られるため
読んでいる我々には分かる訳で、周りの人からは
そこまでひねくれているとは思われていない様子。
その証拠に「隠れファン」が結構いるとか(^ ^
その彼が、文化祭で発表するオルガンの難曲に挑みつつ、
音楽のこと、自分のこと、家族のこと、過去のことなど
様々に思い悩み、時に成長し、時にやけを起こし...
短い期間にいろいろな人と出会い、経験をする中で
少しずつ成長を見せて行く、というお話。
それほど大きな事件が起きる訳でもなければ、
感動の涙にむせぶエンディングが用意されてもいない。
むしろ「大舞台の前日」で物語が終わっており、
ハッピーエンドかどうかすら分からない(^ ^;
それでも、当人が自覚しているかどうかは別にして、
主人公の中で何かが変わり、確かに成長が見られる。
後輩と交わす視線一つでも、それが感じられるほど
作者は主人公の心象を丁寧に描き出している。
抑えに抑えた静かな文体で、大きな事件もないのに、
何もないはずの空間から魔法のように「物語」を紡ぐ
この作者の力量はハンパない(^ ^;
中山七里さんの岬洋介シリーズと同じく、
本作でも印象的な「演奏シーン」が数多く出てくる。
中山氏とはまた違うアプローチの「高校生なりの感性」で
描かれる演奏シーンは、これまた説得力がある。
また楽器に向かっている以外のシーン、たとえば
歩道橋の上から車や人を眺めている場面などでも
「音楽」を感じられる描き方をしているのも見事。
いやはや本当に「ハズレのない作家」である(^ ^
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
少年・青年マンガ
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
少女・女性マンガ