“アメリカ淵”と呼ばれる渓谷で発見された女性の全裸死体。手がかりは仏(ほとけ)が身につけていたネックレスただひとつ……。警視庁捜査一課の土門功太朗は、徹底的な地取り捜査で未知の犯人ににじり寄る。やがて浮かんだ容疑者。息詰まる取調室の攻防。懐かしの昭和を舞台に、男たちの渋い仕事っぷりを描いたノスタルジー刑事小説。「落としの達人」といわれた男の、迫真の事件簿シリーズ開幕!
Posted by ブクログ 2013年04月09日
乃南アサの刑事モノは面白い。大好き。
この「自白」は警視庁の刑事、土門功太朗が容疑者を巧みに落とす様が面白い。
そしてその時代設定が絶妙。
4作の短編から成る連作ですが1作目「アメリカ淵」は1981年初夏が舞台、出て来る時代ワードはダイアナ妃、藤田巨人、マッチ、聖子チャン。
そして土門の2人の娘が中...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月24日
科学捜査がまだ未熟だった時代、主人公の土門は情熱と経験と勘を頼りに、地道な捜査を続ける。
小さな手がかりをつなぎ合わせて事件の全容を明らかにし、容疑者を自白に追い込むさまは、職人芸の趣です。
大阪万博、三島由紀夫の割腹自殺、ディズニーランドの開園といった出来事や、「矢切の渡し」「また逢う日ま...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年04月13日
久し振りに読んだ骨太の刑事小説。
主人公の土門功太朗。昭和の時代背景と共に事件を解決していく様が絶妙でした。
彼の人間性はもちろん、容疑者の人間性、そして昭和の香りたっぷりの社会事情がよく描かれていました。
アメリカンスラッカー、マッチ、聖子ちゃん、これだけで一気に引き込まれた私は、やっぱり昭和の女...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月13日
初めての乃南さん作品。
偏愛ミステリーと帯にありましたが、ミステリーを楽しむというよりは、昭和の刑事(デカ)を楽しむほうに重きを置いている短編集でした。トリックもなければどんでん返しもなく、地味な感じながら最後まで飽きずに読んでしまったのは、創作力のなせる技ですね。昭和の刑事ものに興味があるわけでも...続きを読む