すみれ

すみれ

569円 (税込)

2pt

「私がはじめて頭ではなく、心で書いた小説です」
そう作者が語る、今年度最高の感動作!

「一九九六年の秋から一九九七年の冬にかけて、レミちゃんはわたしたちと一緒に暮らした。」
――十五歳のわたしの家にとつぜんやってきて、一緒に棲むことになった三十七歳のレミちゃん。
むかし作家を目指していたレミちゃんには「ふつうの人と違う」ところがあった……。

季節の移り変わりとともに描かれる人の人のきずな、人間のみにくさと美しさ。
そして涙がおさえられない最後が待ち受ける。
いま筆力を最も高く評価されている、日本文学の正統な担い手による最高傑作。

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すみれ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2018年12月24日

    何かを失うこと、得られなかったことは、人生において傷になる。誰でもそういった傷をいくつか抱えている。
    この小説は、そういった傷を少女が初めて自覚する過程を静謐に描いている。
    ラストのシーンで、その傷を抱えて生きる方法を模索することを示してくれる。とても残酷だけど、優しい物語だ。

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    Posted by ブクログ 2015年05月01日

    風変わりな大人と、大人びた女の子の物語、というのは、これまでにもどこかしらで(例がぱっと思いつかない…)紡がれてきたと思うけれど、その中でも本作は、短くも良質な作品という風に感じられた。

    帯の「これほど心を打つエンディングに出会うことはめったにない」という一文に引きずられてしまって、実際に読み終え...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月13日

    レミちゃんが危うくて魅力的だ。

    ちょっと「普通」じゃないレミちゃんだけど、藍子の両親も「普通」だろうか、と思ってしまった。「普通」は難しい。

    でも藍子の両親のレミちゃんをなんとかしてあげたいっていう気持ちは優しいなと思う。でも藍子が偶然とはいえレミちゃんに怪我をさせられて藍子を守るためにレミちゃ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月12日

    痛い痛い。
    心が痛い。
    ジリジリ、ズキズキ、、、。
    レミちゃんのせい(笑)
    レミちゃんが、全部悪いわけじゃないけどレミちゃんのせい(笑)

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    Posted by ブクログ 2018年01月09日

    両親のちょっと変わった親友れみちゃんと中学3年生の女の子との少し不思議な友情ものとでも言うべきか。
    なんにしろ、両親が素晴らしいと感じたのは私だけではないのではないだろうか。

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    Posted by ブクログ 2017年02月02日

    オトシゴロで受験生で、『厄介なウザい大人』と思ってももはや自然とも思える状況に、優しいというのか・・・惹かれる部分とか共鳴するところが藍子にはあったんでしょうね。
    両親の、つい同情しちゃうけど結局手に負えなかったっていうのもちょっとわかっちゃう気がするけど・・・。
    でも日中自分たちがほとんど一緒に過...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月14日

    終わりかたが微妙というか月並みすぎやしないだろうか。ラスト二ページまでは主人公の少女の鋭い目線に、自分の幼年期を思い出したり、大人としての驕りみたいなものに気づいたりして楽しく読めた。設定などの全体的な既視感は否めないかも。

    大人の弱さを子供がみたときどう感じるのかがありありと描かれていて、レミみ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年01月05日

    とりあえず薄いから手に取った本。レミちゃんのような人は居そうだけど、37歳だよね?藍子のような難しい思春期の一歩手前と格闘してるママ世代なのに、甘くないかな?
    藍子の立場で語られるお話だけど、見方がその通りで気持ちも痛いほど分かる。
    藍子が大人になって、レミちゃんと再会したらどうなるんだろうなぁ…

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    Posted by ブクログ 2015年08月02日

    藍子の真っ白な正しさとレミちゃんの灰色がかった弱さが悲しい。
    弱いことは悪いけど、弱いことを言い訳にするのはもっと悪いと思ってなんとか生きてきた私にとって藍子の言葉は耳にとてもとても痛かったです。
    藍子の両親がレミちゃんを心配する気持ちがたとえレミちゃんの求めているものとは違っていたとしても、そのや...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年06月08日

    15歳の藍子の家で一緒に住むことになった両親の同級生レミちゃんはちょっと変わった大人。大人になりきれない彼女が好きで、自分と同じく小説家を目指していたレミちゃんに憧れながらもずるいと思う藍子・・・。二人の不思議な友情が心を揺らす物語。

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