【感想・ネタバレ】すみれのレビュー

あらすじ

「私がはじめて頭ではなく、心で書いた小説です」
そう作者が語る、今年度最高の感動作!

「一九九六年の秋から一九九七年の冬にかけて、レミちゃんはわたしたちと一緒に暮らした。」
――十五歳のわたしの家にとつぜんやってきて、一緒に棲むことになった三十七歳のレミちゃん。
むかし作家を目指していたレミちゃんには「ふつうの人と違う」ところがあった……。

季節の移り変わりとともに描かれる人の人のきずな、人間のみにくさと美しさ。
そして涙がおさえられない最後が待ち受ける。
いま筆力を最も高く評価されている、日本文学の正統な担い手による最高傑作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ


15歳の藍子の家に、両親の友人である37歳のレミちゃんが居候をしていた間の話。
感性が強い分不安定で脆いレミちゃん。
両親は寄り添うようにレミちゃんを守ろうとするけど、みんなに生活や人生がある。最後は何とも言えない気持ち。相手に寄り添うって難しいな。
レミちゃんはその後どんな生活を送ったのだろう。
安心できる居場所を見つけてるといいな。

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2024年11月23日

Posted by ブクログ

久しぶりに短めの小説。
芥川賞作家さんは苦手意識ありましたが、とても読みやすくて胸が苦しくなる、素敵なお話でした。

ふつう、ってなんだろう。
レミちゃんは「ふつうの人と違う」ところがある。違う、というか、とても繊細で感情に素直。ふつうってなんだろう。ずっと引っかかりながら読み進めた。誰の視点になるかによって「ふつう」は変わる。私はレミちゃんで藍子だった。
読み終わってからしばらく呆然とした。余韻。最後の言葉を繰り返し噛み締めていたら涙が出てきた。染み渡る文章がじんわりとよかった。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

何かを失うこと、得られなかったことは、人生において傷になる。誰でもそういった傷をいくつか抱えている。
この小説は、そういった傷を少女が初めて自覚する過程を静謐に描いている。
ラストのシーンで、その傷を抱えて生きる方法を模索することを示してくれる。とても残酷だけど、優しい物語だ。

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2018年12月24日

Posted by ブクログ

風変わりな大人と、大人びた女の子の物語、というのは、これまでにもどこかしらで(例がぱっと思いつかない…)紡がれてきたと思うけれど、その中でも本作は、短くも良質な作品という風に感じられた。

帯の「これほど心を打つエンディングに出会うことはめったにない」という一文に引きずられてしまって、実際に読み終えた時、呆気なく感じられてしまったのが唯一の心残り。

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2015年05月01日

Posted by ブクログ

レミちゃんが危うくて魅力的だ。

ちょっと「普通」じゃないレミちゃんだけど、藍子の両親も「普通」だろうか、と思ってしまった。「普通」は難しい。

でも藍子の両親のレミちゃんをなんとかしてあげたいっていう気持ちは優しいなと思う。でも藍子が偶然とはいえレミちゃんに怪我をさせられて藍子を守るためにレミちゃんを追い出す気持ちもよく分かる。

どっちの気持ちも本当だろう。白黒はっきりできないなと思う。

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2024年02月13日

Posted by ブクログ

痛い痛い。
心が痛い。
ジリジリ、ズキズキ、、、。
レミちゃんのせい(笑)
レミちゃんが、全部悪いわけじゃないけどレミちゃんのせい(笑)

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2019年08月12日

Posted by ブクログ

両親のちょっと変わった親友れみちゃんと中学3年生の女の子との少し不思議な友情ものとでも言うべきか。
なんにしろ、両親が素晴らしいと感じたのは私だけではないのではないだろうか。

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2018年01月09日

Posted by ブクログ

オトシゴロで受験生で、『厄介なウザい大人』と思ってももはや自然とも思える状況に、優しいというのか・・・惹かれる部分とか共鳴するところが藍子にはあったんでしょうね。
両親の、つい同情しちゃうけど結局手に負えなかったっていうのもちょっとわかっちゃう気がするけど・・・。
でも日中自分たちがほとんど一緒に過ごせないのに心の病を患った自分の友人を(いくら同性でも)娘に託すってのは親としてはどうなのかなぁ、なんてミレちゃんのことよりそんな思いだけが残ってしまいました。

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2017年02月02日

Posted by ブクログ

終わりかたが微妙というか月並みすぎやしないだろうか。ラスト二ページまでは主人公の少女の鋭い目線に、自分の幼年期を思い出したり、大人としての驕りみたいなものに気づいたりして楽しく読めた。設定などの全体的な既視感は否めないかも。

大人の弱さを子供がみたときどう感じるのかがありありと描かれていて、レミみたいに生きてるひとには結構効くんじゃないだろうか。

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2017年01月14日

Posted by ブクログ

とりあえず薄いから手に取った本。レミちゃんのような人は居そうだけど、37歳だよね?藍子のような難しい思春期の一歩手前と格闘してるママ世代なのに、甘くないかな?
藍子の立場で語られるお話だけど、見方がその通りで気持ちも痛いほど分かる。
藍子が大人になって、レミちゃんと再会したらどうなるんだろうなぁ…

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2016年01月05日

Posted by ブクログ

藍子の真っ白な正しさとレミちゃんの灰色がかった弱さが悲しい。
弱いことは悪いけど、弱いことを言い訳にするのはもっと悪いと思ってなんとか生きてきた私にとって藍子の言葉は耳にとてもとても痛かったです。
藍子の両親がレミちゃんを心配する気持ちがたとえレミちゃんの求めているものとは違っていたとしても、そのやさしさはかけがえのないものなんだから、そこは本当は責めちゃいけない。そのやさしさにすがっているのも確かな事実なんだから認めないといけない。
この本は基本的に藍子の立場に立って読むのかもしれないけど、レミちゃん寄りに読んだのでなんだか辛かったなあ…藍子が正しいんだよ、正しく生きられるなら生きたいんだよレミちゃんだって、、とか思ってしまった。。

でもわたしは、今ここでレミちゃんのおかしさを受け止めるのなんか、まっぴらだと思った。それは、自分みたいなちっぽけな子どもの役割じゃない。
…わたしだって苦しい、レミちゃんだって苦しい、ただわたしは自分のことで精いっぱいで、レミちゃんの苦しさまで引き受けることはできない。どうしてレミちゃんは、そういうことがわからないんだろう?どうして、自分の苦しさを人に押しつけようとするんだろう?

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2015年08月02日

Posted by ブクログ

15歳の藍子の家で一緒に住むことになった両親の同級生レミちゃんはちょっと変わった大人。大人になりきれない彼女が好きで、自分と同じく小説家を目指していたレミちゃんに憧れながらもずるいと思う藍子・・・。二人の不思議な友情が心を揺らす物語。

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2015年06月08日

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