新潮文庫の検索結果

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  • 針女
    4.0
    死にに行く男が、愛を打ちあけたら、銃後に残される女はどんなに困るだろう――出征した帝大生の弘一が残した〈青春の遺書〉を胸に、針仕事に打ちこむ孤児の清子。やがて戦争は終り、弘一は復員するが、彼の性格は一変していた。二人の愛の結末は? 愛も哀しみも針一本にこめて激動の時代を生きたひとりの女性の姿を通して、日本人が忘れてはならない戦争の傷跡を描く。
  • 私は忘れない
    4.0
    日本のめざましい経済成長の陰に、電信電話もなく台風の被害も報道されない僻地。海の荒れる時は定期便の船さえ近づけない閉ざされた南の離島、黒島。スターの座を夢みながらチャンスを逃した門万里子は単身黒島へ旅立ち、自然との闘いの中でたくましく運命を切り開く人々の純朴な姿に心を打たれる――。明るい筆致で、厳しい日常生活の中に人間らしさの恢復を試みた問題作。
  • 天平の甍
    4.0
    天平の昔、荒れ狂う大海を越えて唐に留学した若い僧たちがあった。故国の便りもなく、無事な生還も期しがたい彼ら――在唐二十年、放浪の果て、高僧鑒真を伴って普照はただひとり故国の土を踏んだ……。鑒真来朝という日本古代史上の大きな事実をもとに、極限に挑み、木の葉のように翻弄される僧たちの運命を、永遠の相の下に鮮明なイメージとして定着させた画期的な歴史小説。
  • 猟銃・闘牛
    4.0
    1巻693円 (税込)
    ひとりの男の十三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫りにした恋愛心理小説『猟銃』。社運を賭した闘牛大会の実現に奔走する中年の新聞記者の情熱と、その行動の裏側にひそむ孤独な心情を、敗戦直後の混乱した世相のなかに描く芥川賞受賞作の『闘牛』。無名だった著者の名を一躍高からしめた初期の代表作2編の他『比良のシャクナゲ』を収録。
  • 将軍が目醒めた時
    4.0
    将軍として精神病院に君臨してきた蘆原老人が長い狂気の眠りから目醒めた時、世界が崩壊した――正気と狂気の渾然とした現実世界のナンセンスを突く表題作。一枚の切符を発端に、懐かしい故郷の駅に降り立った男を次々に襲う悪夢をシュールなタッチで描く『乗越駅の刑罰』。他に『万延元年のラグビー』『ヤマザキ』など、奇想天外なアイディアとブラックユーモアに満ちた全10編。
  • 野火
    4.0
    敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。
  • 黙阿彌オペラ
    4.0
    江戸も末の師走。狂言作者の河竹新七は、我が身を嘆き入水を試みるが果たせず、柳橋のそば屋で不遇を託つ仲間たちと偶然出会う。意気投合した五人は、捨て子のおせんを育てるため、株仲間を始める――。やがて御一新。文明開化に五人の命運が変転する。株仲間は国立銀行に、おせんはオペラ歌手に、新七は新作狂言で一世を風靡する……。時代に翻弄される黙阿彌と仲間たちを描く評伝劇。
  • 狐狸の恋―お鳥見女房―
    4.0
    夫伴之助が任務を終えて家に帰り、矢島家には平穏が戻りかけていた。お鳥見役に任命された長男久太郎には縁談が持ち上がり、次男の久之助にも想い人が……その成長は頼もしいが、久太郎の相手は一家の敵・老中水野忠邦に連なる家の娘、久之助の見初めた娘にも家がらみの事情があった――子らそれぞれの幸せを願って温かい珠世の笑顔が、家族の絆を支える好評シリーズ、第4弾。
  • ビタミンF
    4.0
    1巻781円 (税込)
    38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか――」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。直木賞受賞作。
  • 生きものたちの部屋
    4.0
    締切の夜、書斎は険しく暗い。しかし一人ではない。開け放った窓に響くトラックのエンジン音や、本棚におさめたドイツ製のクレヨン……。何気ない物事がいのちを帯びて、わたしのペンを鼓舞し、触発する。わたしは今夜も、彼らに囲まれてペンを走らせる。――その書斎は、後に阪神大震災によって壊滅した。追憶の思い新たに、震災時の日記を併録する。
  • はい、泳げません
    4.0
    超がつく水嫌い。小学生の時にプールで溺れて救急車を呼ばれた。大人になっても、海・湖・川などたくさんの水を見るだけで足がすくむ。なのに、なぜか水泳教室に通う羽目に。悩みながら、愚痴りながら、「泳げる」と「泳げない」の間を漂った2年間。混乱に次ぐ混乱、抱腹絶倒の記録。史上初、〈泳げない人〉が書いた水泳読本。泳げるようになって、人生変りましたか、ヒデミネさん?
  • 怪盗ジバコ
    4.0
    1巻583円 (税込)
    史上最強の怪盗が現れた! 全世界を股にかけ、これまでに盗んだ額は一国の国家予算をはるかに超える。南海の孤島のヤシの実から共産圏の金の延棒まで、盗めるものは何でも盗む。48を越える国語を自由にあやつり、老若男女どんな人間にも姿を変え、その正体を誰も知らない――ジェームズ・ボンドや明智小五郎もお手上げの、「怪盗ジバコ」のユーモアあふれる活躍を描く連作8編。
  • なりそこない王子
    4.0
    1巻649円 (税込)
    乞食王子、白雪姫と七人の小人、はだかの王さま、赤頭巾ちゃん、シンデレラ、そしてピーターパン……。おとぎ話の主人公たち総出演の愉快なパロディ「なりそこない王子」をはじめ、深夜の道路を走る霊柩車が拾った死体をめぐるてんやわんやの騒動を描く「死体ばんざい」など、時間と空間を超えて、現実と非現実のはざまでくりひろげられる12編の不思議なショートショートを収録。
  • 冬の運動会
    4.0
    厳格な祖父、口やかましい父が支配する、冷たく思いやりのない家庭を憎み、菊男は町の小さな靴屋に出入りするようになった。子供のいない靴屋夫婦と菊男の間に、いつしか奇妙な疑似親子関係が出来ていく。二つの家庭を行き来する菊男は、やがて父や祖父も同じような場所を持っている事に気付いた──。祖父、父、長男の三世代の男達と、彼らを支える女達の愛を描く異色長編シナリオ。

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  • 吉原御免状
    4.0
    宮本武蔵に育てられた青年剣士・松永誠一郎は、師の遺言に従い江戸・吉原に赴く。だが、その地に着くや否や、八方からの夥しい殺気が彼を取り囲んだ。吉原には裏柳生の忍びの群れが跳梁していたのだ。彼らの狙う「神君御免状」とは何か。武蔵はなぜ彼を、この色里へ送ったのか。――吉原成立の秘話、徳川家康影武者説をも織り込んで縦横無尽に展開する、大型剣豪作家初の長編小説。

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  • 果樹園のセレナーデ
    4.0
    荒廃した果樹園の古びたベンチにすわって、ひとり静かにヴァイオリンを奏でる美少女キルメニイ。悲運の母の偏愛ゆえに世間から隔絶された口のきけない少女に、大学を出て赴任してきた若い臨時教師エリックが真実の愛をそそぎ、奇蹟を起こす、この美しい愛の物語は、『赤毛のアン』で知られ、生涯青春の情熱を失わなかったモンゴメリ女史の実質的処女作。

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  • きのうの空
    4.0
    見上げた空は果てしなく高かった。都会での華やかな暮らし、想い続けている人の横顔が、ふわり浮かんだ。だが、この地にしがみつき、一日一日をひたすらに積み重ねなければ、生きてゆけなかった。わたしの帰りを家族が待っていた。親やきょうだいは、ときに疎ましくときには重く、ただ間違いなく、私をささえていた。名匠が自らを注ぎこみ、磨き続けた十色の珠玉。柴田錬三郎賞受賞作。

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  • 歌行燈・高野聖
    4.0
    1巻473円 (税込)
    飛騨天生(あもう)峠、高野の旅僧は道に迷った薬売りを救おうとあとを追う。蛇や山蛭の棲む山路をやっと切りぬけて辿りついた峠の孤家(ひとつや)で、僧は匂うばかりの妖艶な美女にもてなされるが……彼女は淫心を抱いて近づく男を畜生に変えてしまう妖怪であった。幽谷に非現実境を展開する『高野聖』ほか、豊かな語彙、独特の旋律で綴る浪漫の名作『歌行燈』『女客』『国貞えがく』『売色鴨南蛮』を収める。

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  • 人生論ノート
    4.0
    死について、幸福について、懐疑について、偽善について、個性について、など23題――ハイデッガーに師事し、哲学者、社会評論家、文学者として昭和初期における華々しい存在であった三木清の、肌のぬくもりさえ感じさせる珠玉の名論文集。その多方面にわたる文筆活動が、どのような主体から生れたかを、率直な自己表現のなかにうかがわせるものとして、重要な意味をもつ。

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  • はつ恋
    4.0
    16歳のヴラジーミルは、別荘で零落した公爵家の年上の令嬢ジナイーダと出会い、初めての恋に気も狂わんばかりの日々を迎えるが、ある夜、ジナイーダのところへ忍んで行く父親の姿を目撃する……。青春の途上で遭遇した少年の不思議な“はつ恋”のいきさつは、作者自身の一生を支配した血統上の呪いに裏づけられて、無気味な美しさを奏でている。恋愛小説の古典に数えられる珠玉の名作。

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  • 青春の蹉跌
    4.0
    生きることは闘いだ。他人はみな敵だ。平和なんてありはしない。人を押しのけ、奪い、人生の勝利者となるのだ――貧しさゆえに充たされぬ野望をもって社会に挑戦し、挫折した法律学生江藤賢一郎。成績抜群でありながら専攻以外は無知に等しく、人格的道徳的に未発達きわまるという、あまりにも現代的な頭脳を持った青年の悲劇を、鋭敏な時代感覚に捉え、新生面を開いた問題作。

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  • 花のワルツ
    4.0
    踊子としての天分に恵まれた友田星枝。星枝の奔放さに苛立ちながらも良きライバルとして切磋琢磨する早川鈴子。洋行から5年ぶりに帰国した男性舞踊家・南条が松葉杖をついているのを目にしたとき、2人がとった行動とは……。表題作のほか「イタリアの歌」「日雀」「朝雲」の3編を収録。

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  • 遠い日の戦争
    4.0
    1巻649円 (税込)
    終戦の詔勅が下った昭和20年8月15日、福岡の西部軍司令部の防空情報主任・清原琢也は、米兵捕虜を処刑した。無差別空襲により家族を失った日本人すべての意志の代行であるとも彼には思えた。だが、敗戦はすべての価値観を逆転させた。戦犯として断罪され、日本人の恥と罵られる中、暗く怯えに満ちた戦後の逃亡の日々が始まる――。戦争犯罪を問い、戦後日本の歪みを抉る力作長編。

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  • にごりえ・たけくらべ
    4.0
    落ちぶれた愛人の源七とも自由に逢えず、自暴自棄の日を送る銘酒屋のお力を通して、社会の底辺で悶える女を描いた『にごりえ』。今を盛りの遊女を姉に持つ14歳の美登利と、ゆくゆくは僧侶になる定めの信如との思春期の淡く密かな恋を描いた『たけくらべ』。他に『十三夜』『大つごもり』等、明治文壇を彩る天才女流作家一葉の、人生への哀歓と美しい夢を織り込んだ短編全8編を収録する。

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  • できればムカつかずに生きたい
    4.0
    どうしたら自分らしく強く生きられるんだろう。14歳の頃からずっと、なんだかうまく生きられないなあ、と思って悩んできた。なんか自分としっくりこないなあ、どうやったら自分がやりたいことにまっすぐ突き進めるのかな。傷つきやすい思春期に体験し考えたことは、いまも現在進行形のままだ――生きにくいこの時代を生き抜くために、自分の頭で考えたヘヴィでリアルな「私」の意見。

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  • 走れメロス
    4.0
    1巻440円 (税込)
    人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な力強い文体で表現した『走れメロス』など、安定した実生活のもとで多彩な芸術的開花を示した中期の代表的短編集。「富士には、月見草がよく似合う」とある一節によって有名な『富嶽百景』、著者が得意とした女性の独白体の形式による傑作『女生徒』、10年間の東京生活を回顧した『東京八景』ほか、『駈込み訴え』『ダス・ゲマイネ』など全9編。

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  • 天才画の女
    4.0
    座の一流画廊に画を売り込みに来た女流新人画家・降田(おだ)良子。その斬新な手法と構成が有名なコレクターの眼にとまり、良子の作品展は画壇の注目をあつめる。しかし、彼女の風変わりな制作態度に秘密を感じたライバル画廊の支配人・小池は、真相を求めて良子の郷里福島へと向う。画商の商算と美術評論家の欺瞞が交錯する画壇に二重三重にはりめぐらされた策謀を暴くサスペンス長篇。

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  • 水の肌
    4.0
    妻の実家の金で留学した男が旅先で資産家の娘と知り合い、妻の前から姿を消す。彼は妻に落ち度があれば離婚が成立すると、私立探偵を雇い、密かに動向を監視し続ける。ところが知らぬ間に、彼が軽蔑していたかつての同僚と妻が再婚していたのを知った時、男の心に理不尽な怒りが湧く…。表題作をはじめ計りがたい人間の愛憎と欲望をテーマに、現代社会の不確実な内面をえぐる傑作短篇5話を収録した推理小説集。

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  • 薬指の標本
    4.0
    楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは……。奇妙な、そしてあまりにもひそやかな、ふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。表題作ほか「六角形の小部屋」収録。

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  • しをんのしおり
    4.0
    「漫画の王国」に生れた小説家の乙女な日常生活。バンドを追っかけ上方へ、愉快な仲間と朝まで語り、わきあがる妄想の楽園に遊ぶ……色恋だけじゃ、ものたりない! なぜだかおかしな日常はドラマチックに展開――日本の政局も、家族の事件も、人気のTVドラマも、考え始めたらいつのまにかヒートアップ! 「読んで楽しく希望が持てる」、笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイ。

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  • キッドナップ・ツアー
    4.0
    5年生の夏休みの第1日目、私はユウカイ(=キッドナップ)された。犯人は2か月前から家にいなくなっていたおとうさん。だらしなくて、情けなくて、お金もない。そんなおとうさんに連れ出されて、私の夏休みは一体どうなっちゃうの? 海水浴に肝試し、キャンプに自転車泥棒。ちょっとクールな女の子ハルと、ろくでもない父親の、ひと夏のユウカイ旅行。私たちのための夏休み小説。

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  • 『吾輩は猫である』殺人事件
    4.0
    「吾輩は猫である。名前はまだ無い」この一行に、大きな謎が仕組まれていたとは―。上海の街に苦沙弥先生殺害の報せが走り、猫の「吾輩」はじめ、おなじみ寒月、東風、迷亭に三毛子、さらには英国猫のホームズやワトソン、シャム猫の伯爵など、集まった人が、猫が入り乱れ、壮大な野望と謀議が渦を巻く。卓抜な模写文体とロマンで、日本文学の運命を変えた最強のミステリー。

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  • 旧約聖書を知っていますか
    4.0
    「旧約聖書」を読んだことがありますか? 天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記申命記付近で挫折という方に福音です! 預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ――あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、枝葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。

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  • 小説に書けなかった自伝
    4.0
    安月給の生活苦。妻の本に触発された訳ではないが、小説に挑戦してみようと思った。しかし、何をどう書けばいいのかまるでわからない。なくされた原稿、冷たい編集者、山岳小説というレッテル、職場での皮肉。フルタイムで働きながら、書くことの艱難辛苦……。やがて、いくつもの傑作が生まれていく。事実を下敷きに豊かな物語を紡いで感動を生んできた新田文学の知られざる内面史。

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  • 珊瑚
    4.0
    華やかな珊瑚景気にわく五島列島を襲う空前の海難事故。海に生き、珊瑚採りに愛と野心と生命を賭けた三人の若者を描く海洋ロマン。

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  • きびだんご侍
    4.0
    黍団子を食べれば百人力、槍の腕は武士にも引けをとらない与右衛門。志願して加わった上杉方との戦で抜群の度胸と機転を発揮し、手柄をたてた彼が望んだものは――。名もない小作人の活躍をコミカルに描く表題作の他、歴史の背後に隠された気象情報戦略に迫る「豪雪に敗けた柴田勝家」、幕末のアイヌ反乱を扱った「最後の叛乱」など、バラエティに富んだ7編を収める時代小説短編集。

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  • 風雪の北鎌尾根・雷鳴
    4.0
    厳冬の北アルプス北鎌尾根を縦走中異常気象にあって遭難する二人のパーティーの緊迫したドラマを描く『風雪の北鎌尾根』、専門的な山登りとハイキングのプロセスのちがいに着想の妙をえた『雷鳴』の表題作2編をはじめ、著者がヨーロッパ旅行の経験をもとにして、日本の風土とは異なる自然を描く『古城』『牧草地の初雪』『チロルのコケモモ』など山岳小説全13編を収録する。

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  • ふぉん・しいほるとの娘(上)
    4.0
    1~2巻1,155~1,210円 (税込)
    幕末の長崎で最新の西洋医学を教えて、神のごとく敬われたシーボルト。しかし彼は軍医として、鎖国のベールに閉ざされた日本の国情を探ることをオランダ政府から命じられていた。シーボルトは丸山遊廓の遊女・其扇を見初め、二人の間にお稲が生まれるが、その直後、日本地図の国外持ち出しなどの策謀が幕府の知るところとなり、厳しい詮議の末、シーボルトは追放されお稲は残される。

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  • 死顔
    4.0
    1巻451円 (税込)
    生と死を見つめつづけた作家が、兄の死を題材にその死生観を凝縮させた遺作。それは自身の死の直前まで推敲が重ねられていた──「死顔」。明治時代の条約改正問題とロシア船の遭難事件を描きながら、原稿のまま残された未定稿──「クレイスロック号遭難」。さらに珠玉の三編を合わせて収録した遺作短編集。著者の闘病と最後の刻を夫人・津村節子がつづった「遺作について」を併録。

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  • わたしの普段着
    4.0
    かつて電車で目にした、席を譲られた老紳士の優美な仕種。我が家に家出娘を迎えに来た父親が農村の事情を語る言葉の奥深さ。結核による死を覚悟した頃を思えば感じる、今この時に生きる幸せ――。気取らず、気負わず、殊更には憂いを唱えず。いつも心に普段着を着て、本当に知った人生の滋味だけを悠悠閑閑と綴ってゆく。静かなる気骨の人、吉村昭の穏やかな声が聞こえるエッセイ集。

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  • 人間の建設
    4.0
    有り体にいえば雑談である。しかし並の雑談ではない。文系的頭脳の歴史的天才と理系的頭脳の歴史的天才による雑談である。学問、芸術、酒、現代数学、アインシュタイン、俳句、素読、本居宣長、ドストエフスキー、ゴッホ、非ユークリッド幾何学、三角関数、プラトン、理性……主題は激しく転回する。そして、その全ての言葉は示唆と普遍性に富む。日本史上最も知的な雑談といえるだろう。

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  • 乗取り
    4.0
    株の買占めによる老舗デパートの乗取り。金と若さだけを武器に、現代における最も劇的なこの戦闘に挑んでいく、闇屋あがりの青年実業家、青井文麿。媚びと虚勢を徹底して使いわけ、金と金、顔と顔でつながった財界の厚い壁に体当たりしていく青井の姿に、高度成長期の日本が象徴される。現実に起った事件に材をとり、経済界の深奥での暗闘をスピーディなタッチで暴いてみせた快心作。

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  • 未来いそっぷ
    4.0
    1巻737円 (税込)
    〈アリとキリギリス〉〈北風と太陽〉〈ウサギとカメ〉など、幼いころから誰もが親しんできた寓話の世界。長年語りつがれてきた物語も星新一の手にかかると、驚きの大革命! 時代が変われば価値観も変わるとはいえ、古典をこんなふうに改作してしまっていいものかどうか、ちょっぴり気にはなりますが――。愉しい笑いと痛烈な風刺で、あなたを新たな世界へとご案内するショートショート33編!
  • 法師蝉
    4.0
    1巻385円 (税込)
    少年時代に眼にした法師蝉の羽化の情景。僅か十日ばかりの残された時間を過ごすために幼虫の固い殻を脱ぐとき、蝉は体内のすべてが透けて見える儚げな姿をしていた。人もまた、逝く時が近づくと淡く透きとおった様子になってゆくものなのだろうか――。平穏な日々に忍び込む微かな死のイメージを捉えた表題作ほか、人生の秋を迎えた男たちの心象を静謐な筆致で描く短編「海猫」「チロリアンハット」「手鏡」「幻」「或る町の出来事」「秋の旅」「果実の女」「銀狐」全9編。

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  • 喪失の儀礼
    4.0
    製薬会社と癒着している医学界の現状を批判した東京都下の大学病院の医局員住田友吉が、名古屋のホテルで他殺死体となって発見された。その殺人方法は、手首の動脈を切って、湯の中で徐々に脱血させ、死亡させるという異常なものであった。2ヵ月後、ほぼ同じ方法によって開業医が……。医師と製薬界の荒廃した連繋と意外な愛憎関係がもたらした連続殺人事件を描く本格推理長編。

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  • ひとにぎりの未来
    4.0
    1巻737円 (税込)
    脳波を調べ、食べたい料理を作る自動調理機、眠っている間に会社に着く人間用コンテナなど、未来社会をのぞくショートショート集。
  • 隠花の飾り
    4.0
    妻子ある男を好きになってしまった銀行勤めの伴子。男と結婚するのに必要となる三千万円を横領するが、たった一枚の百円玉が、その運命を反転させる「百円硬貨」。毎日弁当を作り、ボーナスで洋服を仕立てて、年下の男に尽くす滝子。男が若い女と結婚することが決まり潔く身を引くが、結婚前夜に男が訪ねて来て……「記念に」。愛を求めるあまり転落してゆく女たちを描く傑作短編十一編。

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  • 黒い福音
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁――。現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。

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  • 黒の様式
    4.0
    結婚して二年たらずで自殺した美しい姉。歳月がながれ高校生の母親となった妹が、思春期の息子の手に負えない行状から、姉の死の真相にたどりつく「歯止め」。小さな港町の家々に投げ込まれた奇怪なチラシ。二十年前に母親が義父に殺されたと告発する男が巻き起こす騒動の驚くべき顛末「犯罪広告」。“古拙の笑い(アーケイック・スマイル)”を浮かべた若い女の硬直した死体の謎「微笑の儀式」。傑作中編小説三編。

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  • 自縄自縛の私
    4.0
    どうしてそんなことを? と訊かれたならば、魔がさしたから、としか答えようがない。縄はどんな抱擁よりもきつく、私の躰と心を抱きとめる──。仕事に追われる日々の合間、自分を縛ることを密かな楽しみにしている「私」を描いてR-18文学賞大賞を受賞した表題作、女子高校生の初恋が瑞々しい「渡瀬はいい子だよ」など、“不器用”さすら愛おしい女の子たちをめぐる、全6編。

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  • 怒らぬ慶之助
    4.0
    二の矢を携えず、ただ一矢のみを持って真剣勝負に臨む侍の姿を通し、 武士道の真髄を描いた表題作。従妹の許婚の悪行を知らされると同時に、従妹への恋情に目覚める「怒る新一郎」ほか「千代紙行燈」「武道絵手本」など。大正15年の「小さいミケル」から、昭和18年「日本婦道記」が直木賞に推されてこれを辞退した時期までの苦行時代を、新たに発掘された11編を含め跡づける短編集。

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  • 朝顔草紙
    4.0
    顔も見知らぬ許婚同士が、十数年の愛情をつらぬきとおし、藩の奸物を討って結ばれるまでを描いた『朝顔草紙』。徳川四天王、本多平八郎と同姓同名の臆病な青年武士が、戦場で名乗りをあげるたびに敵の第一目標とされ、あわてて逃げ出すという滑稽な設定の『違う平八郎』。いずれ劣らぬあわて者同士主従の不思議な心の通いあいを描いた『粗忽評判記』。ほかに『義理なさけ』など全12編。

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  • 松風の門
    4.0
    幼い頃、剣術の仕合で誤って幼君の右眼を失明させてしまった俊英な家臣がたどる、峻烈な生き様を見事に描いた“武道もの”の典型「松風の門」、しがない行商暮しではあるけれども、心底から愛する女房のために、富裕な実家への帰参を拒絶する男の心意気をしみじみと描く“下町もの”の傑作「釣忍」、ほかに「鼓くらべ」「ぼろと釵」「砦山の十七日」「醜聞」など全13編を収録する。
  • 天地静大(上)
    4.0
    倒幕に揺れ動く幕末、若者たちは国の為に何をすべきかを模索していた。そんな中、東北の一小藩出身の杉浦透は、世間の流れに惑わされず昌平黌に入学し、学問の道に専念することを決意する。一方、水谷郷臣もまた、藩主の弟という立場に悩みながらも、己に忠実な生き方をしようと努力する。時代の動乱に巻き込まれながらも、懸命に生きる若者たちを描いた青春群像劇。

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  • 寝ぼけ署長
    4.0
    五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。ところが、いよいよ他県へ転任が決ると、別れを悲しんで留任を求める声が市民たちからわき起った……。罪を憎んで人を憎まずを信条とする“寝ぼけ署長”こと五道三省が、「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難事件を、痛快奇抜で人情味あふれる方法でつぎつぎと解決する。山本周五郎唯一の探偵小説である。

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  • 深川安楽亭
    4.0
    抜け荷(密貿易)の拠点、深川安楽亭にたむろする命知らずの無頼な若者たちが、恋人の身請金を盗み出して袋叩きにされたお店者に示す命がけの無償の善意を、不気味な雰囲気をたたえた文章のうちに描いた表題作。完成されたものとしては著者最後の作品となった「枡落し」。ほかに「内蔵允留守」「おかよ」「水の下の石」「百足ちがい」「あすなろう」「十八条乙」など全12編を収録する。
  • 宇宙のあいさつ
    4.0
    1巻880円 (税込)
    植民地獲得のために地球から派遣されてきた宇宙船はすてきな惑星を占領することができた。温和な気候、豊富な食料、従順な住民たち、200歳の平均寿命――疲れた地球人のための保養地として申し分なかった。しかし、喜びもつかの間、おそるべき事実が……無気味なイロニーのあふれる表題作など、奔放なアイデアと洒脱なエスプリでスマートに描くショート・ショートの傑作35編。
  • 葬送 第一部(上)
    4.0
    1~4巻737~880円 (税込)
    ロマン主義の全盛期、十九世紀パリ社交界に現れたポーランドの音楽家ショパン。その流麗な調べ、その物憂げな佇まいは、瞬く間に彼を寵児とした。高貴な婦人たちの注視の中、女流作家ジョルジュ・サンドが彼を射止める。彼の繊細に過ぎる精神は、ある孤高の画家をその支えとして選んでいた。近代絵画を確立した巨人ドラクロワとショパンの交流を軸に荘厳華麗な芸術の時代を描く雄編。
  • まんぞく まんぞく
    4.0
    深夜、覆面をして、酒に酔った侍に喧嘩をしかけては、髷を切ったり川に投げ込んだりして楽しんでいる男装の女剣士。それは、十六歳の時、浪人者に犯されそうになり、家来を殺された堀真琴の、九年後の姿であった。真琴は、敵討ちを心に誓って剣術の稽古に励んだ結果、剣を使うことが面白くて仕方なくなったのだが……。女剣士の成長の様を、絶妙の筋立てで描く長編時代小説。
  • 日曜日の万年筆
    4.0
    池波正太郎のエッセイには――男の本音がある、人生がある、生きる楽しみを享受する男のリズムがある。作家への道を拓いた幼き日の観劇の一日、手と躰で物を造る感覚を養った旋盤工時代、行きづまった小説の結末を見いだしてくれた飼い猫ネネの話、映画のこと、衣食住について、現代人の見失ったもの、仕事の裏ばなしなど……。手練の切れ味を見せる“とっておきの51話”。

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  • おせん
    4.0
    〔けころ〕とよばれる娼家から身請けされ、いまは囲われ者となっているおせんと、かつてのなじみ客でゆすりの罪で島流しにあった男の母親との心のふれあいを描いた表題作。それがその男の口ぐせとも知らず“不作の生大根”という罵言にかっとなり、思わず殺してしまった世間知らずの娘の、その後の人生を追った「三河屋お長」。ほかに「あいびき」「お千代」「梅屋のおしげ」など全13編収録。
  • 胡蝶の失くし物―僕僕先生―
    4.0
    師弟より近く、恋人より遠い関係のまま、ゆるゆると旅を続ける僕僕先生と王弁に怒濤の急展開! なんと政府公認の精鋭刺客集団「胡蝶房」に、先生暗殺の命が下されたのだ。送り込まれたのは、猛毒を操る劉欣。しかし孤独なスナイパーの意外な過去が明らかになり、僕僕一行は思わぬ局面へと歩を進めて……。一方で薄妃の恋にとうとう決着? 大人気の中国冒険奇譚、波乱の第三弾。

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  • 白雪姫―グリム童話集I―
    4.0
    ドイツ民衆の口から口へと語りつがれてきたメルヘンを、こまめな熱意をもって収集し、文学的才能によってナイーヴな詩に高めたグリム兄弟。本書は、世界中に愛読されるグリム童話のなかから、表題作をはじめ、『歌う骨』『金の鵞鳥』『強力ハンス』『勇ましい豆仕立屋』『灰だらけ姫』『千匹皮』『鉄のハンス』『金の鳥』『藁と炭といんげん豆』など23編を収録した傑作集である。

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  • 恋文・私の叔父さん
    4.0
    結婚10年目にして夫に家出された歳上でしっかり者の妻の戸惑い。しかしそれを機会に、彼女には初めて心を許せる女友達が出来たが…。表題作をはじめ、都会に暮す男女の人生の機微を様々な風景のなかに描く『紅き唇』『十三年目の子守歌』『ピエロ』『私の叔父さん』の5編。直木賞受賞。

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  • 山本五十六(上)
    4.0
    1~2巻880~935円 (税込)
    戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らねばならなかった聯合艦隊司令官山本五十六。今日なお人々の胸中に鮮烈な印象をとどめる、日本海軍史上最大の提督の赤裸々な人間像を余すところなく描いた著者畢生の力作。本書は、初版刊行後、更に調査し、発見した未公開資料に基づき加筆された新版である。上巻では、ロンドン軍縮会議での活躍を中心に、若き日の山本像が描かれる。
  • 僕僕先生
    4.0
    唐代、父の財産に寄りかかり安逸を貪っていた王弁は、ひょんなことから地元の里山に住む仙人に弟子入りすることになってしまった。僕僕と名乗るその仙人、しかし容姿は少女の形で……まだ生きる意味を知らないニート青年が、英雄豪傑や魔物と交わりながら人智の及ばない世界に触れる旅を描いた、大型新人の超快作!

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  • 若きウェルテルの悩み
    4.0
    ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で、ウェルテルの名が、恋する純情多感な青年の代名詞となっている古典的名作である。許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する……。多くの人々が通過する青春の危機を心理的に深く追究し、人間の生き方そのものを描いた点で時代の制約をこえる普遍性をもつ。

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  • 森がわたしを呼んでいる
    4.0
    父を亡くし、母と暮らす中学生の佐知子。真夜中に激しい地震があった翌々朝、自宅の周囲には突然、深い森が広がっていた。折しも母は仕事で海外へ。ひとりぼっちの佐知子に次々と迫る危険な影は、森の誕生の秘密と関わっているのか。そのとき、追い詰められた佐知子の耳に、亡き父の声と鳥の羽ばたきが聞こえてきた――。生と死が交錯する不思議の森の深奥で佐知子が出会ったものは。

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  • 化粧の素顔
    4.0
    もっと開いて。もっと受け入れて。もっと満たして――。理想の女性を求めて遍歴を重ねる河島文也。大胆で細やかな文也のアプローチとテクニックは相手を歓ばせるが、燃え上がった官能は、なぜかいつも途中から醒めてゆく。甘美な性愛のさなかに、身体と身体で交わされる男と女の駆け引きの行方をシニックに描く。もう一段、恋愛上手になるための秘密が詰まった六篇。大人の小説集。

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  • 定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?―
    4.0
    電車が2~3分遅れるだけで腹を立てる日本人。なぜ私たちは“定刻発車”にこだわるのか。その謎を追うと、江戸の参勤交代や時の鐘が「正確なダイヤ」と深く関わり、大正期の優れた作業マニュアル、鉄道マンによる驚異の運転技術やメンテナンス、さらに危機回避の運行システムなどが定時運転を支えていた! 新発見の連続に知的興奮を覚える鉄道本の名著。

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  • イケズの構造
    4.0
    京都を訪ねる人をおびえさせる、《京都人のイケズ》。いろいろ誤解はあるけれど、その真相はもっとすごい? 信じがたく恐ろしい爆笑エピソードから歴史的分析、誤解のツボと真相、声に出して読みたい京言葉、古典的名著のイケズ語訳まで、誰も語らなかったウラ・深層・ホンネ。千年磨かれた言葉の至技《イケズ》を「まま、存分に笑って楽しんでおくれやす」。よそさん必読の傑作エッセイ!

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  • この人と結婚していいの?
    4.0
    男はウルトラマン、女はシンデレラ──結婚カウンセラーとして数多くのカップルの問題を解決してきた著者が、男女の思考・行動の違いを、ユーモラスにわかりやすく解説! 「結婚したら夫が急に無口に……」「突然怒ったり泣いたりする彼女が理解できない」「性生活が不一致で……」など、心当たりはありませんか? 結婚前は勿論、倦怠期、破局寸前の夫婦にも効き目抜群の“愛の処方箋”。

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  • 水曜の朝、午前三時
    4.0
    児玉清氏絶賛のベストセラー。45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら……」。失われたものはあまりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。

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  • 孤独の歌声
    4.0
    直木賞受賞作家・天童荒太の出発点となった日本推理サスペンス大賞優秀賞受賞作。凄惨な殺人事件が続発する。独り暮らしの女性たちが監禁され、全身を刺されたかたちで発見されたのだ。被害者の一人が通っていたコンビニエンス・ストアの強盗事件を担当した女性刑事は、現場に居合わせた不審な男を追うが、突然、彼女の友人が行方不明に。孤独を抱える男と女のせつない愛、噴き上がる暴力――。

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  • 女系家族(上)
    4.0
    1~2巻935円 (税込)
    大阪・船場の老舗矢島家は代々跡継ぎ娘に養子婿をとる女系の家筋。その四代目嘉蔵が亡くなって、出もどりの長女藤代、養子婿をむかえた次女千寿、料理教室にかよう三女雛子をはじめ親戚一同の前で、番頭の宇市が遺言書を読み上げる。そこには莫大な遺産の配分方法ばかりでなく、嘉蔵の隠し女の事まで認められていた。……遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。

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  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)
    4.0
    生まれながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生まれてはじめて同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の持ち主とめぐり会った七瀬は、彼らと共に、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織と壮絶なバトルを繰り広げる!

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  • 孤独のチカラ(新潮文庫)
    NEW
    3.9
    私には《暗黒の十年》がある。それは受験に失敗した十八歳から、大学に職を得る三十二歳までに体験した壮絶な孤独の年月である。しかし、人生のうちで孤独を徹底的に掘り下げ過去の偉人たちと地下水脈でつながる時間は、成長への通過儀礼だ。孤独をクリエイティブに変換する単独者のみ、到達できる地点は必ず存在する。本書はそんな自らの経験を基に提唱する「孤独の技法」である。(解説・小池龍之介)
  • 上野アンダーグラウンド(新潮文庫)
    3.9
    上野は本日もカオスなり。各地から路線が集まり、人々が散っていく街、上野。そこは動物園や美術館、アメ横など人気のスポットがあるだけではなく、現代の魔境として多くの秘密が眠っていた。西郷隆盛像の謎、上野“九龍城”への潜入、真夜中公園に集まる男たち、不忍池に佇む女、アメ横の闇。上野という街の混沌と秘密に迫るディープ・ルポ。8年ぶりの上野再訪を描く文庫版あとがきを収録。
  • ゆうべの食卓(新潮文庫)
    3.9
    家族も、恋人も、友だちも、永遠には続かないけれど、ともに食卓を囲んだ記憶はいつまでも色褪せない――。彼女との別れがきっかけでできたお弁当仲間、ひとり暮らし初心者の娘に伝授される母のグラタン、コンビニのおでんを分け合ったスイミングの帰り道、夫の前妻が残していったレシピブック。料理はお腹も心も満たしてくれる。大切な人とのかけがえのない時間を綴った心温まる短編集。
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)
    3.9
    1巻649円 (税込)
    許されぬ殉死に端を発する阿部一族の悲劇を通して、高揚した人間精神の軌跡をたどり、権威と秩序への反抗と自己救済を主題とする歴史小説の逸品『阿部一族』。ドイツ留学中に知り合った女性への恋情をふりきって官途を選んだ主人公を描いた自伝的色彩の強いロマン『舞姫』ほか『うたかたの記』『鶏』『かのように』『堺事件』『余興』『じいさんばあさん』『寒山拾得』を収録。「森鴎外 人と作品」(山崎正和)、「『阿部一族・舞姫』について」(高橋義孝)収録。
  • 新しい花が咲く―ぼんぼん彩句―(新潮文庫)
    3.9
    寿退社後に婚約破棄されたアツコが、行く当てもなく乗り込んだ路線バスの終点で見たもの。学級閉鎖で留守番中のアタル君が巻き込まれた不可思議な事件。自殺同然の事故で兄を亡くした妹が、偶然出会った女子中学生。俳句から着想を得て生まれた物語は、十七音の枠を超え、色彩豊かな無限の世界へ広がってゆく。人生の機微を掬い取るように描く、怖くて、切なくて、涙を誘う、極上の短編集。(解説・倉阪鬼一郎)
  • サンセット・パーク(新潮文庫)
    3.9
    恋人をフロリダに残し、ブルックリンへと逃亡したマイルズ。彼を待っていたのは、一軒の廃屋と将来への不安を抱えた三人の仲間だった。気のいいドラマーのビング、画家志望のエレン、博士論文執筆中のアリス。景気が後退の一途を辿る中、不確かな未来へ踏み出そうとした彼らに突き付けられた無慈悲で甘くない現実とは……。失うものの方が多い世界で、まだ見ぬ明日を願った若者たちの物語。(解説・松村美里)
  • 俺たちは神じゃない―麻布中央病院外科―(新潮文庫)
    3.9
    1~3巻781円 (税込)
    剣崎啓介は腕利きとして知られる中堅外科医。そんな彼が頼りにするのが松島直武だ。生真面目な剣崎と陽気な関西人の松島。ふたりはオペで絶妙な呼吸をみせる。院長から国会議員の癌切除を依頼された剣崎は、松島を助手に得意なロボット手術を進める。だが、その行く手にはある危機が待ち受けていた――。現役外科医が総合病院で日夜起こるドラマをリアルに描く、医学エンターテインメント。
  • 小泉八雲集(新潮文庫)
    3.9
    日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
  • 雨上がりのビーフシチュー(新潮文庫)
    3.9
    ボーイズバーでバイトをしていた佐野楓雅が“潜入”を命じられた男性限定料理教室。謎めいた女性、小鳥遊りらが講師を務め、元刑事の頑固な爺さん、他人の気持がわからない建築家、気弱な中学生などが通ってくる。さまざまな問題に悩む男たちをクッキングを通じ導く、りら。やがて浮かび上がってきたのは彼女自身の驚くべき過去だった。とびきり美味しくてドラマチック。最高の料理小説!(解説・吉田伸子)
  • 新樹の言葉(新潮文庫)
    3.9
    1巻737円 (税込)
    麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々から立ち直ろうと懸命の努力を重ねていた時期の作品集。乳母の子供たちとの異郷での再会という、心温まる空想譚のなかに再生への祈りをこめた「新樹の言葉」。“男爵”と呼ばれる無垢な男と、昔その家の女中で今は大女優となっている女性との恋愛譚「花燭」。ほかに「懶惰の歌留多」「葉桜と魔笛」「火の鳥」「八十八夜」「老ハイデルベルヒ」など全15編。(解説・奥野健男)
  • 晩年(新潮文庫)
    3.9
    1巻572円 (税込)
    妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女作品集。“撰ばれてあることの 慌惚と不安 と二つわれにあり”というヴェルレーヌのエピグラフで始まる『葉』以下、自己の幼・少年時代を感受性豊かに描いた処女作『思い出』、心中事件前後の内面を前衛的手法で告白した『道化の華』など15編より成る。(解説・奥野健男)
  • 眠れる美女(新潮文庫)
    3.9
    「女の子を起こそうとなさらないで下さいませよ。どんなに起こそうとなさっても、決して目をさましませんから……」老いを感じ始めた六十七歳の江口が通された部屋には、深紅のビロードのカーテンがかかり、布団の中では、若く美しい娘が裸のまま眠っていた。江口が娘に触れ、布団に入ろうとすると――。「片腕」「散りぬるを」を併録。(解説・浅田次郎)※三島由紀夫による解説は収録しておりません。
  • 雪国(新潮文庫)
    3.9
    新緑の山あいの温泉で、島村は駒子という美しい娘に出会う。駒子の肌は陶器のように白く、唇はなめらかで、三味線が上手だった。その年の暮れ、彼女に再び会うために、島村は汽車へと乗り込む。すると同じ車両にいた葉子という娘が気になり……。葉子と駒子の間には、あるつながりが隠されていたのだ。徹底した情景描写で日本的な「美」を結晶化させた世界的名作。ノーベル文学賞対象作品。(解説・竹西寛子、伊藤整、堀江敏幸)
  • 雪の練習生(新潮文庫)
    3.9
    膝を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし」。どうしても誰かに見せたくなり、文芸誌編集長のオットセイに読ませるが……。サーカスで女曲芸師と伝説の芸を成し遂げた娘の「トスカ」、その息子で動物園の人気者となった「クヌート」へと受け継がれる、生の哀しみときらめき。ホッキョクグマ三代の物語をユーモラスに描く、野間文芸賞受賞作。(解説・佐々木敦)
  • ヤクザの子(新潮文庫)
    3.9
    DV、ドラッグ、差別、貧困――暴力団の家庭には社会のあらゆる問題が詰まっている。両親は朝から注射を打ちセックスに耽り、クスリが切れた瞬間に血だらけになるまで殴り合う。学校では極道家庭と白い目で見られ孤立し、出自が影響して就職は不可能に近い。ヤクザの血を継ぐ人間は表の世界で生きられないのか。14人の「ヤクザの子」が証言する哀しい半生。「ヤクザ・チルドレン」改題。
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)
    完結
    3.9
    この希有な旅人のことをどうしても書きたい――。第二次世界大戦末期、敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した若き日本人がいた。名は西川一三。未知なる世界への好奇心に突き動かされた男は、極寒の雪道、延々と続く砂漠、幾重もの峠、匪賊の襲撃や飢えを乗り越え、八年に亘り中国北部からインドまで果てしなく長い路を歩み続けた。二十五年の歳月を経て結実した超大型ノンフィクション。
  • 藤村詩集(新潮文庫)
    3.9
    〈まだあげ初めし前髪の/林檎のもとに見えしとき/前にさしたる花櫛の/花ある君と思ひけり(初恋)〉〈とほきわかれにたえかねて/このたかどのにのぼるかな(高楼)〉他に『千曲川旅情の歌』『椰子の実』等々、青春の日の抒情と詠嘆を、清新で香り高い調べにのせ、一読忘れがたい印象を残す近代浪漫詩の精華。本書をひもとくことは、在りし日の青春と邂逅することにほかならない。(解説・伊藤信吉)
  • 沈むフランシス(新潮文庫)
    3.9
    都会での仕事を三十五歳で辞め、北海道の小さな村で郵便配達をする女。川のほとりの木造家屋で世界中の「音」を集めながら暮らす男。偶然出会った両者は、急速に惹かれあっていく。からだでふれあうことでしか感じない安息と畏れ、そして不意に湧きあがる不穏な気配。その関係が危機を迎えた嵐の夜、決して若くはないふたりが選択した未来とは。深まりゆく愛と鮮やかな希望の光を描く傑作。(解説・山田真歩)
  • リセット(新潮文庫)
    完結
    3.9
    全1巻781円 (税込)
    「――また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった→←流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。(対談・宮部みゆき)
  • 魂に秩序を(新潮文庫)
    3.9
    わずか2年前、アンドルーは多重人格者の魂の代表として26歳にして“誕生”し、魂たちの共存のため奮闘していた。ある日、殺人犯を事故死へ追い込んだことで、自分が継父を殺害したのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、同じ障害をもつ女性ペニーと故郷へ向かうが、自身の隠された秘密だけでなく闇の魂からの脅威にも晒され……。あらゆるジャンルを包み込む物語の万華鏡!(解説・霜月蒼)
  • ベージュ(新潮文庫)
    3.9
    虚空に詩を捧げる/形ないものにひそむ/原初よりの力を信じて(「詩の捧げ物」)。弱冠18歳でのデビューから70余年。谷川俊太郎の詩は、私たちの傍らで歌い、囁き、描き、そしてただ在り続けた。第一詩集『二十億光年の孤独』以来、第一線で活躍する谷川がくりかえし言葉にしてきた、誕生と死。若さと老い。忘却の快感。そして、この世界の手触り。長い道のりを経て結実した、珠玉の31篇を収録。(解説・斉藤壮馬)
  • 母の待つ里(新潮文庫)
    3.9
    40年ぶりに帰るふるさとで待っていたのは、初めて会う〈母〉だった――。大企業の社長として孤独を抱える松永徹。退職と同時に妻から離婚された室田精一。親を看取ったばかりのベテラン女医・古賀夏生。人生に疲れた三人が選んだのは「里帰り」だった。囲炉裏端に並ぶ手料理や不思議な昔話。母と過ごす時間が三人を少しずつ変えていく……すべての人に贈る感涙の物語。ふるさとを、あなたへ。(解説・赤坂憲雄)
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)
    3.9
    人に勧められて飼い始めた可憐な文鳥が家人のちょっとした不注意からあっけなく死んでしまうまでを淡々とした筆致で描き、著者の孤独な心持をにじませた名作『文鳥』、意識の内部に深くわだかまる恐怖・不安・虚無などの感情を正面から凝視し、〈裏切られた期待〉〈人間的意志の無力感〉を無気味な雰囲気を漂わせつつ描き出した『夢十夜』ほか、『思い出す事など』『永日小品』等全7編。(解説・三好行雄)
  • 二百十日・野分(新潮文庫)
    3.9
    “豆腐屋主義”の圭さんと奔放な性格の碌さん。江戸っ子二人の軽妙な会話を通じて、金持が幅をきかす社会を痛烈に批判する『二百十日』。理想主義が高じて失職した元中学教師の文筆家・白井道也と二人の青年・高橋と中野。学問、金、恋、人生の葛藤を描く『野分』。漱石の思想や哲学をもっとも鮮やかに体現する二作品。(解説・紅野敏郎)

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