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幼少期から祖母に預けられ、家庭の雰囲気というものを知らずに育った洪作は、高校受験に失敗し、ひとり沼津で過ごす。両親がいる台北に行くべきだという周囲の意見をかわし、暇つぶしに母校へ柔道の練習に通ううちに、〈練習量がすべてを決定する柔道〉という四高柔道部員の言葉に魅了され、まだ入学もしていない金沢へ向かう。──『しろばんば』『夏草冬濤』につづく自伝的長編。
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Posted by ブクログ
キャア順番間違えた。まあええか。 とにかく下巻へ急ぐ。 早々に「しろばんば」「夏草冬濤」読まねば。 そして「あすなろ物語」も。
偉大なる青春讃歌に感動した。 当初は高専柔道、七帝柔道の事がメインと思って読み始めたのだが。 人生とは、青春とは、友人とはそして柔道とは。 少し青臭くなるけれどもう一度考えるきっかけになるかもしれない。 もっと若いうちに読んでおけば人生の、特に青春時代の過ごし方ももっと深い物になっていたのではないか...続きを読むと悔やまれる。 同じような思いをしたのが「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか」を読んだ時。この本ももっと早く読む機会があったら自分の柔道も変わっていたことだろうととても悔やまれたから。 上記二冊、これから青春を迎える全ての若い人、青春まっただ中の人、振り返らなければ青春が見えなくなった人、そして特に柔道が好きな人にはぜひ読んでみてもらいたいと思います。
七帝柔道記が面白かったので高専柔道の古典も読んでみる。戦前の茫洋とした姿が面白い。上巻は四高に入るまでの前段階。
自伝的三部作の三作目。 四高柔道部との出会い。 三作目の中で一番最初に読み、一番好きになったのが、この『北の海』です。 洪作の人柄に、ほっとします。 苦労を重ねた老人の、「親の脛をかじれるうちは、かじったらいい」という考え方が、いいなぁと思いました。 かじれる脛を持つのも人の運である、と。そして...続きを読むそこから運を育てていけばいい、と。 いつまでも親に助けてもらっている私は、この言葉と出会い、少しこころが軽くなりました。 自分に回ってきている運を、大切に、活用していこうと思います。
10代で挫折した小説に手をつけられてうれしい。学生同士の会話が、なんだか古くないかんじ、今ここで聞いているような。言葉遣いや思想はもちろん当時のスタイルなんだけれど、とてもいきいきと感じられるのです。
昔の柔道のお話です。しかし古いのは柔道だけでなく、人間やその周りを取り巻く環境、すべてが現代から見てのんびりしていると思います。読んでいてなんとなくほっとさせられる作品でした。
七帝柔道記からこの本にたどり着いた。自伝的三部作の第三部にあたる本書の、前二部作であるしろばんばや夏草冬濤は未読のまま読んだ。四高、今の金沢大学の前身、での柔道づけの生活が続くのかと思っていたら、なかなか出てこず、上下巻のうち、四高での柔道描写は思いの外少なめで残念だった。しかし、少ないながら四高柔...続きを読む道部での仲間たちとの生活は生き生きと描かれていて最高だった。全編を通じて、あのノリだったらよかったのに、と思ったが、人生の中の一瞬でしかない青春を描く小説なのであるから、物足りないくらいが良いのかもしれない。
文豪、井上靖が書いた自伝的小説三部作の最終章にあたる長編小説。実際に読んだのは単行本版。詳しいレビューは下巻のほうで。
しろばんばで小学生だった洪作が,ここでは高校生になっている.小学生のころは優秀だった洪作がいつのまにか落第間際になっているコントラストがびっくり.でも基本的に自由に人生を歩いていくというその方針は一徹しているように見え,それが作家井上靖を生んだのかと思うと興味深い.
遠山がいい。 上巻はのんびりしている。遠山と柔道したり宇田先生とすき焼きしたり。それでも洪作の人生が進んでいく予兆はいくつもある。母からの手紙が宇田先生に届いたり、四高に行くきっかけとなる蓮見さんに出会ったり。なんだか青春だ。いつのまにか洪作の年齢を追い越している。信じられない。 洪作の無頓着さは心...続きを読む地いい。豪胆とは違うけれどどこか肝が据わっている。
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