松浦理英子の作品一覧
「松浦理英子」の「たけくらべ 現代語訳・樋口一葉」「【無料版】『ヒカリ文集』抜粋 特別エッセイ付き」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「松浦理英子」の「たけくらべ 現代語訳・樋口一葉」「【無料版】『ヒカリ文集』抜粋 特別エッセイ付き」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
舞台は私立玉藻学園高等部2年の女子クラス。彼女達は、クラスメイトの日夏、真汐、空穂の3人をパパ、ママ、王子様と模した『わたしたちのファミリー』の推し活をしていた。
人生の経験が不足し、知識、自意識が肥大化している彼女達の妄想は、それゆえに現実的な制約を受けずに理想の家族像を紡ぎ出し、『わたしたちのファミリー』に投影・神格化していく。
女子高校生純度が高そうな内容で、読み始めてすぐ「あ、苦手なやつだ」と思ったのだけれど、なぜだか引き込まれてしまった。
居心地が良いのだ。この居心地の良さは、『わたしたち』が物語りを語ると言う画期的なシステムによるものだと思われる。一人の語り部ではなく、皆で共
Posted by ブクログ
わけの分からない胸の痛みで涙が出て仕方なかった。
とても巧妙な構成で高校生の女子達の心の中をのぞく。どの子も賢く、好奇心に溢れ、仲間想いで、観察眼が鋭い。
家庭環境、親との関係に痛みをかかえる真汐、日夏、空穂の関係性の変化を”わたしたちのファミリー”として観察(想像、捏造?)する同級生たちの視点から心象が描かれる。
真汐の最初の作文でいきなり引き込まれて、読んでいる間中今も心にある痛みがずっと胸で疼くような感じがした。
真汐に自分は近いと思った。心を鍛えなければ、といい、心に蓋をして懸命に傷つかないように自分を保とうとする姿。
うまく言葉にできないけれど、高校生の女子たちの賢さ、優し
Posted by ブクログ
訳者後付けでも解説されているように、一葉の作品には句点、段落があまり見られない。もちろん当時はカギ括弧のような様式も主流ではなかったのだろうが、21世紀の我々が馴染んだ文体ではない。
しかし、訳者の努力の賜物なのだろう。非常に読みやすかった。「たけくらべ」はロマンスともジューブナイルとも分類できない複雑さがあり、充分に面白い。
「たけくらべ」以外の短編たちもよい。「うもれ木」なんかは私の好みだった。恋愛:人間的成長=8:2くらいの混ぜ具合。当時の主流だっただけなのか、一葉が個人的に恋愛を関心事としていたのかはわからないのだが、何はともあれ良い作品だと思った。