作品一覧

  • たけくらべ 現代語訳・樋口一葉
    4.3
    1巻858円 (税込)
    夭折の天才作家・樋口一葉の名作が、現代語訳で甦る! 「たけくらべ」=松浦理英子、「やみ夜」=藤沢周、「うもれ木」=井辻朱美、「わかれ道」=阿部和重。現代文学を代表する作家たちによる決定版。
  • 最愛の子ども
    4.2
    1巻800円 (税込)
    女子高生たちの手探りの関係に、心をかきたてられる。 泉鏡花文学賞受賞作、待望の文庫化。 〈パパ〉日夏、〈ママ〉真汐、〈王子〉空穂、同級の女子高生三人が演じる疑似家族の行方は――。それぞれのかかえる孤独ゆえに、家族のように親密な三人の女子高生。同級生の「わたしたち」の見守る中、愛も性も手探りの三人の関係は、しだいに揺らぎ、変容してゆく。家族、少女、友愛といった言葉の意味を新たにする、時代を切り開く作家が到達しえた傑作。 解説・村田沙耶香 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 【無料版】『ヒカリ文集』抜粋 特別エッセイ付き
    無料あり
    4.0
    1巻0円 (税込)
    『ヒカリ文集』刊行記念! 一部を無料で試し読みいただけます。さらに特典として、著者・松浦理英子氏の特別エッセイも収録。 二年前、東北で横死した劇作家兼演出家の破月悠高。妻の久代がその未完成の遺作を発見した。学生時代に夫妻も所属していた劇団NTRをモデルにしたその戯曲を読んだ久代は、同じく劇団員だった鷹野裕に声を掛ける。「裕、あの戯曲の続き書かない?」 相談の結果、元劇団員たちがそれぞれ好きな形式で文章を寄せることになった。作品集のタイトルは「ヒカリ文集」。劇団のマドンナであり、あるとき姿を消してしまった不思議な魅力を持った女性、賀集ヒカリの思い出が描かれてゆく。 『親指Pの修業時代』『犬身』『最愛の子ども』……そして新たな傑作が誕生!

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  • 犬身(上)
    4.0
    1~2巻630~650円 (税込)
    「犬になりたい」と夢想する房江は、思いをよせる女性の飼い犬となるため、謎のバーテンダーと魂の契約を交わす。しかし飼い主の家庭は決定的に壊れていた。オスの仔犬となったフサは、実母と実兄のDVから彼女を守ることができるのか?
  • 奇貨
    4.0
    1巻506円 (税込)
    男友達もなく女との恋も知らない変わり者の中年男・本田をとらえたのは、レズビアンの親友・七島の女同士の恋と友情だった。女たちの世界を観察することに無上の喜びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれ……。熱い魂の脈動を求めてやまぬ者の呻吟を全編に響かせつつ、男と女、女と女の交歓を繊細に描く友愛小説「奇貨」と、著者26歳の時に書かれた危うい思春期小説を併録。
  • 女性作家が選ぶ太宰治
    3.6
    1巻1,408円 (税込)
    「ほとんど奇跡のような成り立ち方をしている」(川上未映子選「古典風」)、「彼自身が、ひとつの作品」(桐野夏生選「思い出」)、「この甘やかさに浸らずにいられない」(松浦理英子選「秋風記」)――七人の女性作家がそれぞれの感性で選ぶ、未だかつてない太宰短篇選集。
  • ヒカリ文集
    -
    1巻792円 (税込)
    第75回野間文芸賞受賞作 「いつか冷めない恋をしてみたいと思う?」 学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリ。 六人の男女が彼女が残したものを語る。 『ヒカリ文集』の中核となるヒカリという女性も〈心を使わない人〉である。 無類に優しく人を傷つけることを小心なまでに恐れていて人の役に立ちたいと願っているのに、男性とも女性とも恋愛が長続きせず次々とつき合う相手を替える。(略) ヒカリという女性が伝統的な〈宿命の女〉像を少しでも塗り替えることができていれば幸いである。 ――松浦理英子(「群像」2022年3月号より) 無類に優しく、好意以上のものを語る笑顔で人に依存を惹き起こす。 小心なまでに人を傷つけるのを恐れ、身についた習慣のように人を喜ばせ力づける。 それなのに、親密な関係を結んでは自分から壊す。 学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリとは何者だったのか。 第75回野間文芸賞受賞の著者の新たな代表作。
  • P+D BOOKS 裏ヴァージョン
    -
    1巻715円 (税込)
    現実世界と小説世界が交錯する斬新な異色作。 家賃代わりに差し出される短篇小説と、それに対して辛辣コメントを浴びせ続ける家主。やがてコメントは作家の精神を抉るような質問状となり、青春をともに過ごした2人の中年女性の愛憎が垣間見えてくる。 小説を書くのは鳴かず飛ばずの作家・昌子で、その読み手は昌子が居候する家主で20年来の友人・鈴子。小説を介して、お互いの感情をぶつけ合う2人の切なさとおかしさを、現実世界と小説世界が入り交じる奇抜な手法で描いた著者の異色作。 ※この作品は底本に忠実にゴシック体の部分につきまして画像にしております。

ユーザーレビュー

  • 最愛の子ども

    Posted by ブクログ

    舞台は私立玉藻学園高等部2年の女子クラス。彼女達は、クラスメイトの日夏、真汐、空穂の3人をパパ、ママ、王子様と模した『わたしたちのファミリー』の推し活をしていた。

    人生の経験が不足し、知識、自意識が肥大化している彼女達の妄想は、それゆえに現実的な制約を受けずに理想の家族像を紡ぎ出し、『わたしたちのファミリー』に投影・神格化していく。

    女子高校生純度が高そうな内容で、読み始めてすぐ「あ、苦手なやつだ」と思ったのだけれど、なぜだか引き込まれてしまった。

    居心地が良いのだ。この居心地の良さは、『わたしたち』が物語りを語ると言う画期的なシステムによるものだと思われる。一人の語り部ではなく、皆で共

    0
    2025年07月01日
  • 最愛の子ども

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    わけの分からない胸の痛みで涙が出て仕方なかった。

    とても巧妙な構成で高校生の女子達の心の中をのぞく。どの子も賢く、好奇心に溢れ、仲間想いで、観察眼が鋭い。

    家庭環境、親との関係に痛みをかかえる真汐、日夏、空穂の関係性の変化を”わたしたちのファミリー”として観察(想像、捏造?)する同級生たちの視点から心象が描かれる。

    真汐の最初の作文でいきなり引き込まれて、読んでいる間中今も心にある痛みがずっと胸で疼くような感じがした。

    真汐に自分は近いと思った。心を鍛えなければ、といい、心に蓋をして懸命に傷つかないように自分を保とうとする姿。

    うまく言葉にできないけれど、高校生の女子たちの賢さ、優し

    0
    2025年05月01日
  • 奇貨

    Posted by ブクログ

    村田沙耶香さんおすすめ本。恋愛関係になり得ない2人の不思議な同居生活の中で、芯のある七島の主張とそれを引き出す本田さんのやりとりが痛快。まず、こんな存在がいることが羨ましい。自分にとっての奇貨と出会うため、自分が誰かの奇貨となるためには、「自分」というものを持って正しく見つめ、更に曝け出さなくてはならないのだと思った。同収録「変態月」も、同性に対する性欲求が絶妙に仄暗く描かれていた。

    0
    2025年03月03日
  • たけくらべ 現代語訳・樋口一葉

    Posted by ブクログ

    私にはきちんと内容を理解するにはまだ頭が足りないようだ。一度読み終えたものの何度か読み返す必要があると感じた。

    0
    2025年02月09日
  • たけくらべ 現代語訳・樋口一葉

    Posted by ブクログ

    訳者後付けでも解説されているように、一葉の作品には句点、段落があまり見られない。もちろん当時はカギ括弧のような様式も主流ではなかったのだろうが、21世紀の我々が馴染んだ文体ではない。

    しかし、訳者の努力の賜物なのだろう。非常に読みやすかった。「たけくらべ」はロマンスともジューブナイルとも分類できない複雑さがあり、充分に面白い。

    「たけくらべ」以外の短編たちもよい。「うもれ木」なんかは私の好みだった。恋愛:人間的成長=8:2くらいの混ぜ具合。当時の主流だっただけなのか、一葉が個人的に恋愛を関心事としていたのかはわからないのだが、何はともあれ良い作品だと思った。

    0
    2024年08月02日

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