無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
大正、昭和、そして平成。
時代を通して当時の背景と女性の生き方が描かれていました。
ただ単に『話』として読むだけじゃなく読んだ後、今現代を生きる我々の自由さを改めて考えさせられる。
ただの恋愛小説では片付けられない。
しっかり読者の今を考えさせてくれるとてもシリアスで深い内容だと思いました!
その作者、宮本あや子さんの年齢を見て脱帽!
まだお若いのにここまで時代をしっかり把握されていて、描写も飛び抜けて素晴らしく書けるなんて。
花宵道中も素晴らしい作品だと痛感した後に白蝶花を読ませて頂いたのですが
二作読ませて頂いて、こんな素晴らしい本と出会う事が出来て幸せだと。
思いました。
巷に溢れている恋愛小説、携帯小説はもう読めなくなるくらい。
話の繋ぎ方や、書き方も大好きです。
書き手の自己満足で書かれた小説が多い中、宮本さんの作品は、読み手の立場に立って書いてくださっているのではないでしょうか!
ストーリーに出てくる登場人物にも愛情を持って書いてらっしゃるんだなぁと感じます。
Posted by ブクログ
読む度に惹きこまれる宮木さんの小説。
大正から戦後にかけてを強く、逞しく生き抜いた女性を描いたこの短編集は、読み進めていくにつれ連作短編小説だと気付きます。点と点が線になる。
解説は三浦しをんさんが書かれているのですが、これがまた素晴らしく小説の魅力を伝えていて、ページを閉じるその瞬間まで、むしろ読み終えた後も余韻が残り、幸せでした。
何をもって幸福なのか、不幸なのか。
理不尽なことがない人生なんてない中で、登場する女性たちに、幸せなことも、辛いことも訪れて、それはこの小説に限らず、現実に生きている私たちも同じこと。
全体を通して際立つのは、愛する男性の存在。
そして、女性同士の深い繋がり。
愛する人に出会えたこと、そのこと自体は、女性としてとても幸せなことだと思います。
一方で、その人と離れなくてはいけないことは、どれ程魂がちぎれる痛みでしょうか。まして、戦地に赴く、命が助かるかわからない、それをどうすることもできない無力さは、想像するだけでも居た堪れない。
三浦さんも解説で書かれていましたが、男性同士の友情とはまた違った、女性同士の友情、というのもあるんですよね。
表面上は分かり合えなくても、深いところで繋がっていること。宮木さんの描く女性が好きです。
そして、辛い出来事が起こりながらも、花の名前がつけられたこの短編集は、美しさを置き去りにしない。
「花の匂いに溜息が出た。すぐ外に見える沈丁花が甘酸っぱい香りを部屋の中まで漂わせ、その横の寒緋桜は毒々しいほど鮮やかに花を垂れている。柊南天がひよこみたいに黄色い花をぽつぽつと星のように咲かせ、地面の近くを見れば、鈴蘭水仙が申し訳なさそうに小さな白い花を付けていた」
と、まだまだ続けたくなってしまうけれど、なんて、美しく、素敵な目線を持って世界を見ているんだと思いませんか。
泥に汚れても凛とした花のような、誇り高い美しさを見せてくれるから、泣きたくなる。日本ではもう戦争をしていないけれど、今も世界で戦争をしている国の女性たちは、同じように愛する人を送り出している。
そう思うと、またさらに泣きたくなるのでした。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。