雨の塔

雨の塔

小説・文芸
440円 (税込)

2pt

その岬には資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大があった。衣服と食べ物は好きなだけ手に入るが、情報と自由は与えられない。そんな陸の孤島で暮らす4人の少女――高校で同性と心中未遂を起こした矢咲、母親に捨てられた小津、妾腹の子である三島、母親のいない都岡。孤独な魂は互いに惹かれあい、嫉妬と執着がそれぞれの運命を狂わせてゆく。胸苦しいほど切なく繊細な、少女たちの物語。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    雨の塔
  • タイトルID
    :
    236091
  • ページ数
    :
    216ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年12月06日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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雨の塔 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    19歳の女性4人のお話。 どこともわからないような学校の寮の中、情報がほぼ遮断されている中でのみそれぞれの心境や状況の変化で物語が綴られていきます。 宮木あや子さんが描く女性はとても繊細で綺麗な人物になるのが感心しながら見ていますが、特に少女はより以上なのかなと、この世界観に浸かっていたくなるのを感じましたら。

    1
    2022年12月14日

    Posted by ブクログ

    もう何周したかわからない程読んでます。雨の季節になると開きたくなる世界。閉じてて潔癖で痛々しくて儚くて、大好き。雨の降る、美しい小説でした。
    心のなかに、さくらしかいなかった矢咲、母親しかいなかった小津、お互いしかいなかった三島と都岡、4人の関係が交差していき、仲良くなったり嫉妬したり壊れたり愛したり。
    逃げてきたり捨てられたりした彼女たちには、いつかはなくて今しかないから、余計に閉じていって相手しか見えなくなるのかも。
    小津は一足先に世界から消えたけど、矢咲と三島と都岡は岬の学園を出てどう生きていくのかな。特に三島…後ろ盾が無い人は三島だけだから、1番強くならないといけないのが彼女な気がします。使われるにしても。
    4人を取り巻くアイテムも好き…煙草は吸わないけど、特に彼女たちが食べてるものが食べたくなります。明日シュークリーム買ってこよう。。

    0
    2021年06月16日

    mi

    購入済み

    ラプンツェルの塔

    雨の塔を見上げた矢咲は
    その小さな窓から
    救いの髪が降りてくるのを願った。

    窓から見下ろした小津は
    垂らす事の出来ない
    うなじで切り揃えられた髪の毛で
    あがっておいでとただ願うのみ。

    妄想を最大に働かせると
    もうここで彼女達の命運は決まっていたように思える。

    小津はもう限界だった。

    母に捨てられた時。
    鳴く事を知らない鳥は
    骸となって鳥籠に横たわった。

    父に捨てられた時。
    鳴けない鳥は悲しみと共に
    籠の底に切り捨てられ動かなくなった。

    そして

    矢咲を失う時。
    鳴く事を知ってしまった鳥はもう
    鳥籠には帰れない。

    海を選んだのは
    海流に乗って潮風に運ばれて
    母のそばに矢咲のそばにいけるかもしれないなんて
    微かな希望もあったのかもしれない。
    それが不可能なのは
    頭の良い彼女なら分かっていただろう。

    一度求められる事を知ったら
    もう知らない頃には戻れない。

    矢咲は?
    きっと彼女はもっと少年的だった。
    だから追いかけられなかった。

    黒川さくらから逃げて
    背負いきれないものを拭い去るように
    アルカトラズへたどり着き、
    もう一度恋をした。
    さくらとは似ても似つかない少女に。
    皮肉にも小津の元を離れる事になって
    初めて「今」ではない「未来」を
    真剣に考えたんだろう。
    だからこその去り際の明るさ、そっけなさ。
    彼女は監獄を出て自分の人生を歩み、
    小津と共に生きる道を
    見つけられるという希望が見えたのだと思う。 
    矢咲が手を握ったらきっと
    小津はその手を握り返すから。

    三島は最後都岡に救われ
    そしていずれ来る別れを思い髪を切る決意をする。
    うなじに切り揃えられた黒髪と
    さくらの面影を宿す顔で
    彼女はその後何を望むのだろうか。

    少女4人の視点から綴られる物語は
    とてもとても耽美なもので
    私にとって大切な一冊となりました。

    0
    2020年09月13日

    Posted by ブクログ

    友達に耽美系の本ない?って聞いたら貸してくれた本
    久しぶりにドストライクすぎてつらい…!

    常々可愛い女の子たちを可愛いものがいっぱいの部屋に閉じ込めたい、って思ってたから、世界観が本当にツボで幸せ
    少女小説ってこんなにも素敵なんですね

    0
    2016年08月15日

    Posted by ブクログ

    女性(学生)4人の繊細で脆く拗れる心理描写が細かい作品だと思いました。
    うまく説明できないですが「女のこういうところが面倒くさい」みたいな人間関係が、美しく表現されていて、そのギャップに怖さも感じました。

    作中のほとんどが4人のうちの誰かのシーンとなりますが、語り手が頻繁に変わります。
    誰が誰の話をしてるのか混乱してしまいました。
    現実の人間関係も誰が何を考えてるのかわからないですし「あの人はこういう人だと思ってたのに話してみたら違った」みたいな感じになり、何回も前のページに戻って確認しながら読み進めました。

    0
    2025年02月08日

    Posted by ブクログ

    宮木あや子が2007年に発表した長編小説の文庫版。最初期の作品の一つです。資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大に「捨てられた」4人の少女の出会いと別れを描いた物語です。学校の敷地内、登場人物は4人という限られた舞台の中で濃密な時間が流れます。物語自体は淡々と進みますが、全体の雰囲気が素晴らしいです。ただし悲劇的な結末が苦手な人はご注意を。4人の行動や心情がかなり細かく描写されていて分かりやすいはずなのですが、誰が誰か分からなくなる瞬間があります。あえて人物の認識がしにくく書かれているのかな?

    0
    2024年03月10日

    Posted by ブクログ

    外からの情報を遮断された全寮制の女子大
    その中で4人の少女たちは互いに依存し共鳴し壊れていく
    甘いお菓子や可愛らしいアイテムで彩られた甘い世界に少しずつ毒が回っていく

    前に読んだ時よりも文章が入ってくる
    自分も宮木あや子という甘い毒に侵されているかもしれない

    0
    2022年11月30日

    Posted by ブクログ

    柚木麻子さん、角田光代さんあたりが好きな方は好きだと思う。これも一種のガールミーツガールになるのかな?ほぼガールしか出てこないしな、、。

    設定がしっかりしてるけど、その説明は少なくて。彼女たちの世界の狭さが表れているのかもしれない。
    バナナマフィン食べたい。

    0
    2022年01月07日

    Posted by ブクログ

    ずっと読みたい本リストに載っていたのですが、やっと読めました。
    資産家の娘だけが入れる、岬の学校。
    学生証をかざせば、キャッシュレスでブランドものからスイーツまで何でも手に入る。手に入らないのは、情報と自由だけ。読ませる設定で、独自の世界観を描いているのが、さすがです。

    耽美な世界に溜息がでそうになりながら、それでいてあまりに閉鎖的な世界に息を詰めながら読み切りました。
    宮木さんの本はいろいろと読んできましたが、その中でもこの作品の個性は特に強いですね。リアリティがどうとか、そんなの関係なしに、引き込まれます。
    この少女たちの年齢特有の潔癖さとか、視野の狭さとか、美しさとか・・・なんでこうも如実に描けるんでしょう。

    当たり前ですが、私にもこんな年齢の頃があって、こんなに美しい世界ではないものの、女子校に通っていたから感じる似たようなにおいみたいなものがありました。
    あの頃は、生きにくかったなぁ。
    大人になればもっと楽になることもあると今ならわかるけど、当時は常に刹那的で余裕がなく感じていた気がします。

    ガラスの結晶に閉じ込めたかのような、この美しくも儚い世界は、今にも壊れそうな危うさを孕んで人を魅了しますね。
    既読ですが、再び太陽の庭を読みたくなってしまった。
    それにしても、宮木さんは一体なんて世界を作り上げるんだろう。雨の日に読んだせいか、なかなか現実に戻ってこれなかったです。

    0
    2016年10月09日

    Posted by ブクログ

    宮木さんの日本語が好き。 あえかな とか初めて現代小説で見かけたのではないだろうか。綺麗で、柔らかで、的確で。すごいなぁ。
    隔絶された大学に住まう、訳ありで裕福な四人の少女たちがたおやかに惹かれあい傷つけあうお話。
    地の文で気になったのは他者の存在感。確かに学校の在り方として人との接触を極力減らすようになっているんだろうなぁ。と読める描写をしているのだけど、それでも不自然なほど他人が細かく描かれない。興味のない人間はいないと同じ、というある意味当然な感覚なんだけど、その中に気遣いと残酷さと自己愛がない交ぜになったような歪みを感じて、なんだか少し怖い。
    愛しいから近づかれたくないみたいな相反する描写がやっぱり巧いなぁ。震えるね。
    軽やかに逃げ出せた子、誰からも選ばれなかった子、何も知らず弱く幼い子、どこまでも優しい子。最後に思いを馳せるのは誰ですか。

    0
    2016年03月23日

雨の塔 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    雨の塔
  • タイトルID
    :
    236091
  • ページ数
    :
    216ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年12月06日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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