【感想・ネタバレ】白蝶花のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2014年06月08日

第二次世界大戦を生きる2人の女性を題材にした二つの話。
一人は姉妹で女衒に売られ、一人は知事の家に奉公に上がる。
どちらも厳しい時代を強かに生きる様子に心打たれます。

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Posted by ブクログ 2012年08月02日

宮木あや子さんの文章は綺麗ですごく好きです。短編小説かと思いきや、ひとつひとつが繋がっていて長編小説のようです。明治、大正、昭和の女性って題材がもともと好きなので楽しく読めました。

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Posted by ブクログ 2012年06月23日

いやー、もう本当に好きだ。
壊れちゃいそうに切なくて悲しいのに
なんて美しくて強い、女たち。

情感に溢れる描写と、理性的な文章の骨子
何より作者の、人物に対する眼差しが優しくて
泣きそうになるほど、みんな愛おしい。

凌霄花のお話がときめきすぎて
萌えましたすみません……。
でもどの話も好きだよー...続きを読むー。ぶわっ。゚(゚´Д`゚)゚。

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Posted by ブクログ 2011年09月04日

どろどろだけど、美しいお話だと思いました。
短編かと思いきや、連作で、こういうのが好きなのでわくわくしました。
菊代さんと雛代さんは結局…と気になります。
女性は強い。

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Posted by ブクログ 2011年05月05日

大正〜平成。それぞれの時代を生き抜く3人の女たち。官能も、ただ単に肉体的な官能だけでなく心の官能が丁寧に書かれてました。宮木さん大好き。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年04月03日

天人菊(てんにんぎく)・凌霄葛(のうぜんかずら)・乙女椿(おとめつばき)・雪割草(ゆきわりそう)の4つの章から成る恋愛小説。天人菊・・・姉妹の有馬芸妓の菊代と雛代の複雑な確執とそれが溶けるにいたる経緯を綴ってある。許されぬ関係と分かっていながら黒田との逢瀬は乾ききった菊代の心を熱く燃え上がらせる。互...続きを読むいの身を滅ぼす恋に、菊代は落ちて行く。凌霄葛・・・父の残した借金の方に三島章太郎の愛人となったうら若き乙女である如月泉美は妾宅でその息子吉明に惹かれて行く。

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Posted by ブクログ 2010年12月23日

大正、昭和、そして平成。
時代を通して当時の背景と女性の生き方が描かれていました。

ただ単に『話』として読むだけじゃなく読んだ後、今現代を生きる我々の自由さを改めて考えさせられる。
ただの恋愛小説では片付けられない。
しっかり読者の今を考えさせてくれるとてもシリアスで深い内容だと思いました!
その...続きを読む作者、宮本あや子さんの年齢を見て脱帽!
まだお若いのにここまで時代をしっかり把握されていて、描写も飛び抜けて素晴らしく書けるなんて。

花宵道中も素晴らしい作品だと痛感した後に白蝶花を読ませて頂いたのですが
二作読ませて頂いて、こんな素晴らしい本と出会う事が出来て幸せだと。
思いました。

巷に溢れている恋愛小説、携帯小説はもう読めなくなるくらい。

話の繋ぎ方や、書き方も大好きです。

書き手の自己満足で書かれた小説が多い中、宮本さんの作品は、読み手の立場に立って書いてくださっているのではないでしょうか!

ストーリーに出てくる登場人物にも愛情を持って書いてらっしゃるんだなぁと感じます。

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Posted by ブクログ 2016年08月27日

読む度に惹きこまれる宮木さんの小説。
大正から戦後にかけてを強く、逞しく生き抜いた女性を描いたこの短編集は、読み進めていくにつれ連作短編小説だと気付きます。点と点が線になる。

解説は三浦しをんさんが書かれているのですが、これがまた素晴らしく小説の魅力を伝えていて、ページを閉じるその瞬間まで、むしろ...続きを読む読み終えた後も余韻が残り、幸せでした。

何をもって幸福なのか、不幸なのか。
理不尽なことがない人生なんてない中で、登場する女性たちに、幸せなことも、辛いことも訪れて、それはこの小説に限らず、現実に生きている私たちも同じこと。
全体を通して際立つのは、愛する男性の存在。
そして、女性同士の深い繋がり。

愛する人に出会えたこと、そのこと自体は、女性としてとても幸せなことだと思います。
一方で、その人と離れなくてはいけないことは、どれ程魂がちぎれる痛みでしょうか。まして、戦地に赴く、命が助かるかわからない、それをどうすることもできない無力さは、想像するだけでも居た堪れない。

三浦さんも解説で書かれていましたが、男性同士の友情とはまた違った、女性同士の友情、というのもあるんですよね。
表面上は分かり合えなくても、深いところで繋がっていること。宮木さんの描く女性が好きです。

そして、辛い出来事が起こりながらも、花の名前がつけられたこの短編集は、美しさを置き去りにしない。
「花の匂いに溜息が出た。すぐ外に見える沈丁花が甘酸っぱい香りを部屋の中まで漂わせ、その横の寒緋桜は毒々しいほど鮮やかに花を垂れている。柊南天がひよこみたいに黄色い花をぽつぽつと星のように咲かせ、地面の近くを見れば、鈴蘭水仙が申し訳なさそうに小さな白い花を付けていた」
と、まだまだ続けたくなってしまうけれど、なんて、美しく、素敵な目線を持って世界を見ているんだと思いませんか。

泥に汚れても凛とした花のような、誇り高い美しさを見せてくれるから、泣きたくなる。日本ではもう戦争をしていないけれど、今も世界で戦争をしている国の女性たちは、同じように愛する人を送り出している。
そう思うと、またさらに泣きたくなるのでした。

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Posted by ブクログ 2014年05月16日

戦前~戦後の婦人解放も儘ならなかった時代を生きた5人のヒロイン達を4つの花の名に題した連作短編。
花宵道中に引けを取らないぐらい官能的…。
情婦、妾、女中、令嬢、立場も環境も異なる女性達の儚くも情熱的な純愛物語が最後1つに繋がった時は鳥肌が立ちました。
それでもやっぱり戦争物は泣いてしまう。
女だっ...続きを読むて必死に戦ってきたんだ…と。

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Posted by ブクログ 2014年05月11日

小説だな、と思う部分もあるけど小説だから良いのだ。そんな謎結論。

男と時代に翻弄される女性達のお話。
どの女も強い。泣いてるけど、みんな強い。
思い返してみると誰も生きることを諦めていないのがすごい。
そんなにも愛した男はいい男だったのだろうか。
文にすると
どの愛も短い。
当たり前のことだけど読...続きを読むんでる側とと彼女達の時間の長さは全く違う。支えになり得る充分な時間をかけていると思う。
でも、読んでる私から見ると短い。愛は時間の長短ではないと思うけど。もうちょっと恋愛してても良かったかな。
それを許さない時代だったのだろうけども。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年04月13日

「天人菊」「凌霄葛(のうぜんかずら)」「乙女椿」「雪割草」この4編が収録されていて、「乙女椿」は中長編、あとは短編のお話。

昭和の始まりから戦後にかけての連作集。
宮木さんの作品同士のリンクも出てきて「おお~この人が!」と嬉しくなったりも。

お気に入りは「天人菊」。
話はかなり短いが、神戸のヤク...続きを読むザの組長(70)に身請けされた菊代とその組に世話になっていながら菊代に想いを寄せる黒田との短い恋が描かれてて、何度も読んだ。(短いのですぐ読めちゃう)

「凌霄葛」は親の借金の肩代わりに、ある実業家の妾になってしまう女子高生の恋の話。
実業家よりも、その息子に恋をしてしまう悲恋。

表題の花とその意味とがいいところで登場します。

「乙女椿」で登場したお嬢様はその後どうなったのかしらと思ってたら、「雪割草」を読んで安心した。
いろいろあったけど彼女らしく生きることが出来たんじゃないかと思うと、いい人に巡りあえてよかったねと千恵子の心境になった。

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Posted by ブクログ 2014年02月22日

激動の時代に生きた、5人の女性の物語。

境遇がまったく違うのに、何らかの関わり合いをもって全員が繋がっていく。
最後の章は蛇足に感じた。
和江お嬢様は老いてもなお気高く、潔癖なお嬢様気質のままでいてほしかった。

「雨の塔」に関係する人物が出てくるので、できれば先にこちらを読んだ方がいいかもしれな...続きを読むい。

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Posted by ブクログ 2012年09月17日

『花宵道中』で燃え尽き、あの感触よもう一度。でもそう簡単にあの感覚は味わえないかな? などと疑いつつ手にした本書。官能シーンは必然性はあるけど、ここまでの描写はいらないかな。ほほう、花宵道中と同じ仕掛けだね、もうその手には乗らないぞ。などと思いながらも、それは強がりでしかありませんでした。ページをめ...続きを読むくる手は止まることなく...結果、電車内で大粒の涙をこぼすという失態を演じる羽目に。登場する人物は架空の存在、ましてや小説では印刷された文字でしかないのに強い生命力を感じ、懸命に生きる姿が心に焼き付けられます。

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Posted by ブクログ 2012年07月27日

短編集ですが、どの話も切なくてよかったです。話の長さにばらつきがあるのが気になりましたが、乙女たちの恋の悩みなどは細かくて、性描写もありますがそこさえ抵抗がなければ、読んで損はないと思います。

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Posted by ブクログ 2012年07月26日

好きです。
この時代を生きてもいないのに情景が浮かぶよう。
女性に自由がない時代においても、女性はいつも強い。

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Posted by ブクログ 2012年03月12日

まず白蝶花を画像検索していただきたい。
儚いのに強いこの花は、大正から平成までの時代を生きてきた女たちの、あやうさと、したたかさを見事に表現している。
大正・昭和・平成と3世代を超えても男女の仲というものはさほど変わらず、クローズかオープンか後外だと思うが、「さが」というものを汚らしいと思わず一読し...続きを読むてみると不思議と共感する部分がどこかそこらかにあると思う。
素直になってその部分から何をどうするかを感じ取って欲しい。

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Posted by ブクログ 2012年02月26日

有馬から芦屋へと売られた姉妹、菊代と妹の雛代。
雛代へ劣等感を持ち、仲の悪いまま芦屋を離れる菊代。―天人菊
家のために財閥の妾となった如月泉美。
三島章太郎の正妻の長男、吉明と出会って・・・。―凌霄葛
酒田から福岡へ奉公へいく千恵子。彼女が書生と関係を持ち、
身籠ったことで実家に戻れず雛代、菊代の飲...続きを読むみ屋を周り子を産む。
奉公先の娘、和江と親しくしていたが裏切ってしまうも
年老いてからの和江からの手紙がから物語が始まる。―乙女椿
和江が千恵子と会わなくなってからの物語。
素直になれなかった、と綴り、喜三郎の面影のある男とも出会う。―雪割草


うわ、あらすじになってない(汗
凌霄葛で「三島」と出てきてまず雨の塔を思い出したあたし。
それ以上に、この一冊の中でさまざまな繋がりがあるのが見えてきて、
どきどきしながら読み進めていきました。
あぁ、彼女はこういう人生を送っているんだなぁと安心したというか、
あのあとちゃんと生きていたのだと感じられました。

花宵道中でも似たような繋がりがあったけど、
花宵道中よりも時代が広く、何十年という間に広がる世間と
そこに生きる女性の純粋さを羨ましく思う作品で。
官能、というより恋愛、恋愛、というより生涯を綴ったお話という印象でした。

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Posted by ブクログ 2012年02月15日

面白かった。大正末期から戦後までの女性の物語です。子どもは愛の結晶、なんて言いますがこの時代は次の世代へ死にゆく男性の血を残すことが女性の愛だったのかも。濃密な作品です。

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Posted by ブクログ 2011年05月25日

しをんさんの解説に釣られて購入。
濃厚で読み応えあって好き。「おんなのはなし」だなあ。
話としては「乙女椿」の濃さがいちばん好き。

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Posted by ブクログ 2011年04月27日

文庫化したので再読。大正から昭和に架けて生きた女性達の話。官能的なのに清らかな美しさが特徴的な作品です。お互いを求めずにはいられない関係、そして叶わぬ儚い願いと向かい合う決意。最後の静かな幕引きが大好きです。

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Posted by ブクログ 2011年01月19日

恋のお話だと 思っただけで 憂鬱で、
でも
お友だちが貸してくれたから頑張って読み始めました

長編な短編集?
あ‼菊乃さんだ‼...えぇ〜と...
と、パラパラ読み返したり

結局 引き込まれて 最後は一気読みでした

女を生きてる 女を貫いてる なんかスゴイです

私は、恋のお話を読むと、なぜか...続きを読む うちの人に喧嘩ふっかけたくなります

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Posted by ブクログ 2011年01月16日

宮木あや子さん2作目。後書きに三浦しをんさんも書いているのですが、この人の書く『官能』は単純に身体だけのものではなく、その精神による部分が大きい。他作品も出たら読むと思います。

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Posted by ブクログ 2011年01月16日

「お嬢様」っていう言葉って近いようで遠いな、って思った。
そんな二人の距離。切ない。

キレイなお花が色とりどりに咲いているけどでも寂しい、
そんな雰囲気の話だった。

最後の話がすごく好き。

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Posted by ブクログ 2020年03月07日

戦前、戦後を生きた女性たちを描いた4編からなる連作短編集。

現在シリーズ物を読んでいるので、少し趣向を変えてと思い手に取った1冊。

各話の登場人物がそれぞれの話で繋がっており、
息抜きのつもりがほぼ一気読み。
少女漫画チックで少し物足りなさは感じたが
これはこれで面白かった。

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Posted by ブクログ 2017年04月22日

読み始める前、それぞれが独立した短編なのかと思っていた。
その頭で読んでいたので、芸者に売られた菊代姉妹の出てくる「天人菊」、破産して自殺した父のせいで財閥の当主の妾になった如月泉美を主人公とする「凌霄花」が、とてもあっけなく感じた。
が、どうやらそういう読み方は間違いであるようで。

一冊の大半を...続きを読む占める分量の「乙女椿」で、それらの因縁がつながっていく。
太平洋戦争が激化する頃、千恵子が女中として働く先で出会うのが泉美の息子、政吉。
身ごもったものの実家にもいられなくなった千恵子を助けるのが、菊代と雛代姉妹。
そうか、そう来るんだ、と驚いた。
もう一方の主要な筋は、気難しいお嬢様の和江と千恵子のつながりの物語。
そうか、この話は、女の絆を、複層的に描こうとしたのか、とやっと理解した。

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Posted by ブクログ 2015年08月07日

 愛って言うものはそんなに素晴らしいものなのだろうか。
 この本を読むと、女たちはみな、愛のために身を焦がし、生きていく。
 いや、それは素晴らしいとは思うのだけれど、すごいなぁとは思うのだけれど、愛だけでは生きていけないだろうとも思うのだ。
 あるいは、辛い時代であったからこそ、愛のみを頼りに生き...続きを読むるしかなかったのかも知れないのだけれど。

 いや、よく考えると、愛だけで生きてないか。
 最後の短編を読むと、お嬢様のすさまじさにおどろく。やはり気高さというのは尊いものなんだろうか。

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Posted by ブクログ 2014年05月22日

「花宵道中」に続き2作目の宮木作品。

独立した短編かと思いきや、少しづつ見える関係性で、
あの人のその後がちらと垣間見えて、「あー、あの時代をあの人はこうやって乗り越えていたのだ、」と感慨深い想いがする。

女と男がいる以上、粘膜での会話はある段階からは
あってしかるべしだが、それが過剰に嫌らしく...続きを読む無く、
でもぬめぬめした質感と哀切に富んだ表現は、
切なく胸に迫るものがある。

今の世は、おんなひとりも当たり前だから、
楽になったものだ。

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Posted by ブクログ 2012年07月28日

期待外れ。
読んでいるうちに話がつながってる...とわかるけど、別に巧い演出とは思わない。それぞれの話のキャラクターの印象が薄いので名前が覚えられない。話がつながることによる必然性も特に感じられない。別にあのキャラクターがこの役目をしなくても...というのがほとんど。わき役に回ったキャラクターの過去...続きを読むを読者が知っていることによるメリットがない。
「実は連作」風味にするよりも、もっと個々の物語を深めたほうが持ち味(と思われる)濃密な雰囲気の文章ともマッチしていたと思う。

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Posted by ブクログ 2011年08月08日

大正から戦後が舞台の短編集。読んでいるうちにそれぞれの登場人物たちが絶妙にリンクしていて、物語が繋がっているのが段々はっきりしていくのが面白かった。

女性の自由が限られている時代だからこその、ひたむきで壮絶な想い。「花宵道中」でも感じたけど、この作者はそういうのを描くのがとても巧い。

そして...続きを読むエロい。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

大正から平成までの女たちの恋を描いた連作。

どこまでも女たちが強い。
恋の話で、男たちが登場するのはもちろんなのだけれど、女同士の連帯が物語の軸になっている。
閉鎖的な話だからこその濃密な関係性が楽しめた。

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