新潮文庫の検索結果

  • きつねのはなし

    きつねのはなし

    「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝”を持った女が現れて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は? 底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。
  • 木に会う

    木に会う

    小説・文芸
    3.0
    1巻440円 (税込)
    樹齢七千年の縄文杉の下で一夜を過ごし、白山のブナ林を歩く。真冬の山里を訪ね、銀座の並木に思いを馳せ、能面師、木工師と対話する。そして、木とともにある文化、木とともにある生活、木とともにある生命とは、どういうことなのか、本書は静かに語りかける。我々が忘れかけていた木と人間との関わりを、見て、歩いて、感じて、考えた、優しさに満ちた自然論。読売文学賞受賞。
  • 鬼怒川

    鬼怒川

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    鬼怒川のほとりにある絹の里・結城。貧農の娘チヨは、紬織りの腕を見込まれて、16歳で日露戦争生き残りの勇士のもとに嫁いだ。気のいい婚家の人々の中で、彼女は幸せになれるかに思われた。しかし、夫も、太平洋戦争から復員した息子も、そして孫までも“黄金埋蔵伝説”にとり憑かれ、悲惨な運命を辿る……。戦争の傷跡を背負いながら精一杯たくましく生きたひとりの女の生涯を描く。
  • きのうの空

    きのうの空

    小説・文芸
    4.0
    1巻715円 (税込)
    見上げた空は果てしなく高かった。都会での華やかな暮らし、想い続けている人の横顔が、ふわり浮かんだ。だが、この地にしがみつき、一日一日をひたすらに積み重ねなければ、生きてゆけなかった。わたしの帰りを家族が待っていた。親やきょうだいは、ときに疎ましくときには重く、ただ間違いなく、私をささえていた。名匠が自らを注ぎこみ、磨き続けた十色の珠玉。柴田錬三郎賞受賞作。
  • 紀ノ川

    紀ノ川

    小説・文芸
    4.1
    1巻825円 (税込)
    小さな川の流れを呑みこんでしだいに大きくなっていく紀ノ川のように、男のいのちを吸収しながらたくましく生きる女たち。――家霊的で絶対の存在である祖母・花。男のような侠気があり、独立自尊の気持の強い母・文緒。そして、大学を卒業して出版社に就職した戦後世代の娘・華子。紀州和歌山の素封家を舞台に、明治・大正・昭和三代の女たちの系譜をたどった年代記的長編。
  • きびだんご侍

    きびだんご侍

    小説・文芸
    4.0
    1巻550円 (税込)
    黍団子を食べれば百人力、槍の腕は武士にも引けをとらない与右衛門。志願して加わった上杉方との戦で抜群の度胸と機転を発揮し、手柄をたてた彼が望んだものは――。名もない小作人の活躍をコミカルに描く表題作の他、歴史の背後に隠された気象情報戦略に迫る「豪雪に敗けた柴田勝家」、幕末のアイヌ反乱を扱った「最後の叛乱」など、バラエティに富んだ7編を収める時代小説短編集。
  • 奇病連盟

    奇病連盟

    小説・文芸
    -
    1巻517円 (税込)
    歩き始めると4歩目ごとに、ピョコリピョコリとのびあがる奇癖の主・ピョコリ氏こと山高武平。37歳にもなって独身、うるさく古風な母親と二人暮しのさえないサラリーマンの彼が「奇病連盟」にスカウトされた。次々と彼を襲う奇妙きてれつな体験と遅すぎるロマンスを、著者独特のユーモアいっぱいに描く。読者はモタモタした武平を笑う、と同時に、なぜか共感と愛着をも禁じえない。
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

    希望のゆくえ(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻693円 (税込)
    誰からも愛された弟には、誰も知らない秘密があった。突然姿を消した弟、希望(のぞむ)。行方を追う兄の誠実(まさみ)は、関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。本当の希望(のぞむ)はどこにいるのか。記憶を辿るうち、誠実もまた目をそらしてきた感情と向き合うこととなる――。痛みを抱えたまま大人になった兄弟が、それぞれの「希望(きぼう)」を探す優しいエールに満ちた物語。文庫化にあたり、書下ろし短篇を収録。(解説・山中真理)
  • きまぐれ暦

    きまぐれ暦

    小説・文芸
    -
    1巻649円 (税込)
    地震対策に東京で原爆を爆発させたらどうか。デノミの際には〈円〉のかわりに〈尺〉を単位にしてはどうか。歴史は現在から過去へと逆に教えたほうがいいのではないか。――旅、ギャンブル、食物、言葉、酒、漫画などの身近な話題をとり上げ、ひとひねり半の考察を加えたウィットあふれるエッセー集。頑固な頭もたちまちもみほぐし、発想の転換をうながす愉快な話のコレクション。
  • 気まぐれ指数

    気まぐれ指数

    小説・文芸
    4.3
    1巻737円 (税込)
    ビックリ箱作りのアイディアマン、黒田一郎の企てた奇想天外な完全犯罪とは? 傑出したギャグと警句をもりこんだ長編コメディー。
  • きまぐれフレンドシップPART1

    きまぐれフレンドシップ

    小説・文芸
    -
    1~2巻495~605円 (税込)
    SF同人誌『宇宙塵』時代の仲間、柴野拓美。今もなお師と仰ぐ大下宇陀児。著者がデビューして間もない頃の江戸川乱歩との交友。新進作家のグループ「他殺クラブ」の面々との懐かしい日々。数多くの自作にイラストをつけてくれた真鍋博。作家となって三十数年、ショートショートの第一人者でありつづけてきた著者が、少年時代から現在までに出会った人々とその作品を語る。
  • きまぐれ遊歩道

    きまぐれ遊歩道

    小説・文芸
    -
    1巻649円 (税込)
    空想は、ぽかりとは出てこない。空想を生みだすものは、まず関心。好奇心をもって、ものを見ること。悪魔を題材に話を作り、音楽や酒について語り、昔の東京を懐かしんだ後に、ネパール銀座に思いをはせる。好奇心のおもむくまま奔放に広がる一話一話が、意外性に満ちた新発見をもたらす。「疑うことは美徳である」と考える著者の創作の秘密がかいま見られるカルチャーエッセイ集。
  • 君がいないと小説は書けない(新潮文庫)

    君がいないと小説は書けない(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,045円 (税込)
    作家・野々村保古は、最愛の女性ことりと、四匹の猫といっしょに暮らしている。十五歳下のことりと知り合ってから二十年、二人はかたときも離れることがなかった。還暦を前にした野々村は、知人の死をきっかけにこれまで出会った人たちへと思いを馳せるようになる。そんな時、ある事件からことりへの疑惑が生じ……。人生という「奇跡」の意味を考え、小説の淵源へと迫る著者渾身の自伝的作品。
  • 君が夏を走らせる(新潮文庫)

    君が夏を走らせる(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻781円 (税込)
    ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて――。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。(解説・あさのあつこ)
  • 君たちが知っておくべきこと―未来のエリートとの対話―(新潮文庫)

    君たちが知っておくべきこと―未来のエリートとの対話―(新潮文庫)

    日本中の秀才を集める有名難関高校の生徒から、ある日著者に呼びかけが届いた。偏差値上位0.1%の日常を生きる彼らは、大学で何を学ぶべきなのか。暗記偏重型の旧来型の指導者モデルが、各所で機能不全を起こすいま、未来のエリートに必要な歴史観や情報収集力をどう養えばよいのか。自ら長期にわたり企画を温め開講を提案した、次代を担うエリートに必要な教養と人間力を授ける特別講座。(解説・加藤陽子)
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

    君たちに明日はない

    小説・文芸
    3.9
    2~7巻605~825円 (税込)
    「誰かが辞めなければならないなら、私、辞めます」企業のリストラを代行する会社で働く真介の今回の面接相手は――真面目で仕事もできるのになぜか辞めたがるデパガ、女性恐怖症の生保社員に、秘められた純愛に生きるサラ金勤めのイケメンなどなど、一筋縄ではいかない相手ばかり。八歳年上の陽子との恋も波瀾の予感!? 勤労者にパワーをくれる、笑って泣ける人気シリーズ、第二弾。
  • 君たちに明日はない(1~5)合本版(新潮文庫)

    君たちに明日はない(1~5)合本版(新潮文庫)

    小説・文芸
    -
    1巻3,828円 (税込)
    「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。 ※当電子版は新潮文庫版『君たちに明日はない』1~5巻をまとめた合本版です。
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

    君たちに明日はない(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻880円 (税込)
    「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。
  • 君といた日の続き(新潮文庫)

    君といた日の続き(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻880円 (税込)
    長い雨の切れ間に女の子を拾った。「ここ、どこ?」ちぃ子と名乗るその少女はどうやら1980年代からタイムスリップしてきたらしい。ちぃ子はなぜ僕の前に現れたのか、はたして元の時代に戻れるのか、封印された記憶に隠された真相は。娘を亡くした父親と、両親のいない少女の、奇妙な「夏休み」がはじまる。すべての伏線が繋がったとき、時空を超えた愛の物語が浮かび上がる号泣必至ミステリー。(解説・大森望)
  • きみの友だち

    きみの友だち

    小説・文芸
    4.3
    1巻880円 (税込)
    わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる――。足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない……。優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。
  • 君はこの国を好きか(新潮文庫)

    君はこの国を好きか(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻594円 (税込)
    わたしはハングルに感電した―。アメリカで出会った友人に影響され、雅美は韓国語に魅せられて、ついに留学を決意する。ところが文化の違いから、いらだちと挫折感を味わうようになって……。東京とソウルを行き来する青春の日々を新しい感性で描く『君はこの国を好きか』に、ふとしたことから、在日であることを自覚させられる男子大学生を主人公にした『ほんとうの夏』を併録。
  • きもの(新潮文庫)

    きもの(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.1
    1巻935円 (税込)
    明治時代の終りに東京の下町に生れたるつ子は、あくまできものの着心地にこだわる利かん気の少女。よき相談役の祖母に助けられ、たしなみや人付き合いの心得といった暮らしの中のきまりを、“着る”ということから学んでゆく。現実的で生活に即した祖母の知恵は、関東大震災に遭っていよいよ重みを増す。大正期の女の半生をきものに寄せて描いた自伝的作品。著者最後の長編小説。(解説・辻井喬)
  • 着物の悦び きもの七転び八起き

    着物の悦び きもの七転び八起き

    小説・文芸
    3.6
    1巻737円 (税込)
    成人式以来、着物には縁がなかったマリコさんが、いつしか着物を好きで好きでたまらなくなってしまった。着物友だちと「細雪ごっこ」をしたり、展示会に出かけたり……。時には失敗もして恥をかきつつ、身も心も着物にのめり込んでいったマリコさんの七転び八起きのストーリー。着物を愛するあなたも、まだこれからの人も、魔力を秘めた着物の世界に足を踏み出すと人生変わります!※新潮文庫版に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
  • 着物をめぐる物語

    着物をめぐる物語

    小説・文芸
    4.0
    1巻715円 (税込)
    華やかな歌舞伎座の楽屋に、藤娘の衣裳を着て現れる女形の幽霊。唐子の着物をほめてくれた混血の美青年が戦時中にたどった運命。夫と息子に先立たれた老女が黙々と織る越後上布。男に翻弄されたホステスが遺した大島。老境を迎えた辰巳芸者の着物への執念。畳紙に包まれ密やかに時を刻んでいた着物が、繙かれ鮮やかに語り始める……。縦糸と横糸のあやなす、美しく残酷な11の物語。※新潮文庫版に掲載のイラストは、電子版には収録しておりません。
  • 鬼門の将軍 平将門(新潮文庫)

    鬼門の将軍 平将門(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻649円 (税込)
    触れた者は呪われ、不審死も相次いだという東京・大手町の将門の首塚。GHQも怖れたその塚が壊され、男の生首が転がった。一方、京都・宇治川には首なし死体が。将門の首が宙を飛んだという伝説の再現なのか。事件の謎ときは、歴史の謎へと連関し、成田山新勝寺や神田明神の常識を覆す推理の連打で、隠された解に到達する。伝説の真相を鮮やかに見抜く歴史ミステリー。『鬼門の将軍』改題。
  • キャラヴァンは進む―銀河を渡るⅠ―(新潮文庫)

    キャラヴァンは進む―銀河を渡るⅠ―(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻693円 (税込)
    旅を学ぶとは人を学ぶということであり、世界を学ぶということでもあった――。『深夜特急』では訪れなかったモロッコ・マラケシュへの道、飛行機でのトラブルがもたらした「旅の神様」からの思わぬプレゼント、『一瞬の夏』より始まった新たな夢。シドニー、アテネと連なるオリンピックへの視線、『凍』を書くきっかけとなる対話。無数の旅と出会いの軌跡が銀河のごとく瞬き巡るエッセイ集。
  • 休暇は終った

    休暇は終った

    小説・文芸
    3.0
    1巻638円 (税込)
    私、峯悦子31歳。OLをやめて今少女小説を書いている。23歳の入江類と同棲に似た生活をしている。彼は幼くして母を亡くし、父は別居結婚をしているという。熱烈に私を慕うのだが仕事は長続きせず、大学中退からはじまって、何でもチュータイスト。やがて類の父と知り合うようになった私は、その優しさに触れ、大人の包容力に惹かれていく。一夏の間に揺れ動いた微妙な女心。
  • 球形の季節

    球形の季節

    小説・文芸
    3.6
    1巻693円 (税込)
    四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた……。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した! 新鋭の学園モダンホラー。
  • 救国ゲーム(新潮文庫)

    救国ゲーム(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻935円 (税込)
    “奇跡”の限界集落で発見された首無し死体。愛国者にして救世主(パトリシア)を名乗る犯人は高らかに宣告する。「すべての地方都市を放棄せよ。人質は地方に暮らす8000万人の日本国民」。ドローンによる無差別テロの期限(タイムリミット)が迫る中、集落の住人でカリスマブロガーの陽菜子と、“死神”の異名を持つエリート官僚の雨宮は、日本の存亡を賭け、不可能犯罪に挑む。最注目作家による本格ミステリ×サスペンス! (解説・吉田大助)
  • 九十三歳の関ヶ原―弓大将大島光義―(新潮文庫)

    九十三歳の関ヶ原―弓大将大島光義―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻781円 (税込)
    信長、秀吉、家康から弓の名人と認められた実在の老将大島光義。鉄砲より優れた連射技と一射必殺の狙撃の凄腕で名を上げ、八十四歳の時、八坂の五重の塔の最上階天井に十本の矢を射込んでみせた。九十三歳で関ヶ原に参陣、生涯現役を貫いた剛直無双の士だったが、激動の時代に大島家を守り抜いた臨機応変の人でもあった。史書に「百発百中」と記され、九十七歳で没した傑物を描く力作歴史小説。(解説・本郷和人)
  • 九十歳のラブレター(新潮文庫)

    九十歳のラブレター(新潮文庫)

    ぼくたちが出会ったのは単なる偶然ではない。奇跡だ。小学校の同級生だったあなたと結婚して六十余年。アメリカでの新婚生活、京都での家造り、世界中への旅。自由気ままに勤務先を転々とするぼくに「好きなようにしたら。あたしついてくから」とニコニコ笑っていたあなた。つい昨日まであんなに仲良くしていたのに、もうあなたはどこにもいない――。老碩学が静かに綴る最後のラブレター。
  • 球道恋々(新潮文庫)

    球道恋々(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.4
    1巻1,100円 (税込)
    弱体化した母校・一高野球部の窮地に、コーチを託された宮本銀平。現役時分は万年補欠、今はしがない文具業界紙の編輯長ながら、宿敵の三高、資金潤沢な早慶らとの対戦を重ね、自身の野球熱も再燃していく。やがて人気作家・押川春浪のティーム「天狗倶楽部」にも引き込まれるが、折しも大新聞による「野球害毒論」の波が押し寄せて……。明治野球の熱狂と人生の喜びを鮮やかに綴る、痛快長編。(解説・北上次郎)
  • 救命―東日本大震災、医師たちの奮闘―(新潮文庫)

    救命―東日本大震災、医師たちの奮闘―(新潮文庫)

    あの日、医師たちは何を見、どう行動したのか――津波の恐怖にさらされ、家族との別れを覚悟しながら患者を誘導、極寒の病院の屋上で人々を励まし続けた医師がいた。自身も心に深甚な傷を負い、ともに涙して患者を癒した医師がいた。個人とプロフェッションの狭間で揺れながら、彼らはなぜ行動し、何を目指したのか。9名の医師による東日本大震災の貴重な証言、感動のドキュメント。
  • 旧約聖書を知っていますか

    旧約聖書を知っていますか

    小説・文芸
    4.1
    1巻825円 (税込)
    「旧約聖書」を読んだことがありますか? 天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記申命記付近で挫折という方に福音です! 預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ――あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、枝葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。
  • 凶悪―ある死刑囚の告発―

    凶悪―ある死刑囚の告発―

    人を殺し、その死を巧みに金に換える“先生”と呼ばれる男がいる──雑誌記者が聞いた驚愕の証言。だが、告発者は元ヤクザで、しかも拘置所に収監中の殺人犯だった。信じていいのか? 記者は逡巡しながらも、現場を徹底的に歩き、関係者を訪ね、そして確信する。告発は本物だ! やがて、元ヤクザと記者の追及は警察を動かし、真の“凶悪”を追い詰めてゆく。白熱の犯罪ドキュメント。
  • 鏡影劇場(上)(新潮文庫)

    鏡影劇場(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1~2巻1,100円 (税込)
    ある日、逢坂剛氏のもとに奇妙な宅配便が届いた。中身は旧式のフロッピディスク。添付の手紙にはフロッピ内の原稿を読んでほしいとあった。差出人は〈本間鋭太〉なる人物で、タイトルは「鏡影劇場」。物語は、マドリードの古書店から始まっていた……。謎だらけの古文書、十九世紀の異端作家ホフマンにまつわる秘密。東京で進む解読は、予想外の事態を出来させ、謎はいっそう深まっていく。
  • 侠客(上)

    侠客

    小説・文芸
    3.7
    1~2巻660円 (税込)
    「お若えの、お待ちなせえやし」――名調子の主は幡随院長兵衛。その波瀾万丈の生涯は、ある刃傷沙汰から始まった。塚本伊太郎(後の長兵衛)は父を殺され、仇討ちを決意。が、伊太郎も刺客に襲われて重傷を負う。その後、親友の旗本水野十郎左衛門の協力で、父の主君であった唐津の殿様の異常な性格を知る。決意を胸に秘めつつ、伊太郎は恩人の山脇宗右衛門の元に身を寄せるが……。
  • 狂気という隣人―精神科医の現場報告―

    狂気という隣人―精神科医の現場報告―

    ビジネス・実用
    3.6
    1巻594円 (税込)
    人口の約1%が統合失調症という事実。しかし、それが我々に実感されることがないのはなぜか。殺人、傷害にかかわりながら、警察から逮捕もろくな保護もされず、病院さえたらい回しにされる触法精神障害者。治癒して退院したはずなのに、再び病院へ戻ってくる精神病患者。疲弊する医療関係者。社会の目から遮蔽されてきた精神医療の世界を現役の医師がその問題点とともに報告する。
  • 狂気の偽装―精神科医の臨床報告―

    狂気の偽装―精神科医の臨床報告―

    ビジネス・実用
    3.7
    1巻638円 (税込)
    現代日本で急増する「心の病」──。マスコミは、新たな社会現象に合わせて乱造された「病名」を喧伝し、悲惨な事件が起これば被害者を「PTSD」だと安易に決めつけ、「心のケア」を気軽に叫ぶ。だが、それは正しい診断なのか? その患者は本当に精神疾患なのか? 精神医療の現場を混乱させる「心の病」ブームの実態を、治療の最前線に身を置く現役の臨床医師が撃つ。渾身の告発リポート。
  • 凶気の桜

    凶気の桜

    小説・文芸
    1.0
    1巻616円 (税込)
    怖い大人がいねえから、脳ミソのぱさついた阿呆(パープー)がのさばるんだ。生まれて来て、すみません、って思いを味わわせてやる──。渋谷に若きナショナリストの結社が誕生した。その名はネオ・トージョー。薄っぺらな思想ととめどない衝動に駆られ、“掃除”を繰り返していた彼らは、筋者(ヤクザ)の仕掛けた罠にはまっていた。『時計じかけのオレンジ』の冷笑も凍りつく、ヒップなバイオレンス小説。窪塚洋介主演の映画化原作。
  • 郷愁

    郷愁

    小説・文芸
    3.8
    1巻605円 (税込)
    豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが……。叙情にあふれた美しい自然描写、青春の苦悩、故郷への思いを見事に描いた、著者の処女作にして出世作。
  • 狂人三歩手前

    狂人三歩手前

    小説・文芸
    4.0
    1巻561円 (税込)
    「生きていく理由はないと思う。いかに懸命に生きても、いずれ死んでしまうのだから」。日本も人類も滅びて一向に構わない。世間の偽善ゴッコには参加したくもない……。いっぽう妻と喧嘩して首を締められたり、路上ミュージシャンに酒を奢ったり、桜の巨木を見て涙を流したりの日々。「常識に囚われず、しかも滑稽である」そんな「風狂」の人でありたいと願う哲学者の反社会的思索の軌跡。
  • 京の川

    京の川

    小説・文芸
    4.0
    1巻671円 (税込)
    「人間は、みんな大きな苦労の石を大切に抱いて生きてるんや……」京都の花街に生きる芸妓静香は、庭師だった義父が生前よくつぶやいていた言葉をじっと噛みしめる……。暗い出生の秘密を胸に秘め、複雑な人間関係の絆に縛られながらも、ひたすらに女の道を歩もうとする静香の哀歓の人生を、美しい古都の風物の中に鮮やかに描いて、哀切な感動を呼ぶ長編小説。
  • 恐怖の谷

    恐怖の谷

    小説・文芸
    4.1
    1巻693円 (税込)
    ホームズのもとに届いた暗号の手紙。時を同じくして起きた暗号どおりの殺人事件。サセックス州の小村にある古い館の主人が、散弾銃で顔を撃たれたというのだ。事件の背後には、宿敵モリアティ教授の影が垣間見える――捜査に当ったホームズが探り出したのは、20年前のアメリカに端を発する、恐怖の復讐劇だった。推理、冒険、恋、友情を描ききったホームズ・シリーズ最後の長編。
  • 京奉行 長谷川平蔵

    京奉行 長谷川平蔵

    小説・文芸
    3.3
    1~2巻605~649円 (税込)
    「鬼」と呼ばれた火付盗賊改方長官の長谷川平蔵。その父親の初代平蔵が京都西町奉行に赴任した。その前に立ちはだかって京の町を騒がす悪党たち。贋坊主が暗躍する「六勝阿闍梨」、錦市場を巡る陰謀に絵師若冲が巻き込まれる書き下ろし「錦の若冲」、人情の機微を描く「這っても黒豆」を収録。京の風物詩も鮮やかに、新シリーズ堂々の開幕。『祇園詣り 京奉行 長谷川平蔵』改題。
  • 凶夢など 30

    凶夢など 30

    小説・文芸
    3.7
    1巻737円 (税込)
    都会からはなれた小さな入江で出会った老人と新婚の夫婦。その夜、老人が見たのは、新婚の二人が殺しあう夢だった。一年後、老人はまた同じ夢を見た。不思議な夢を気にした老人は、名産品を二人に送って様子をみる。礼状が届き、何事もなかったかと、安心する老人。この繰り返しが、何年も続いたのだが……。夢想と幻想の交錯する不思議な世界にあなたを誘う夢のプリズム30編。
  • 今日もいち日、ぶじ日記

    今日もいち日、ぶじ日記

    小説・文芸
    4.2
    1巻869円 (税込)
    「豊かな自然に抱かれて暮らす、なんでもない日々を綴ってみたい(中略)大好きな武田百合子さんの、『富士日記』のように」。街の暮らししか知らなかった料理家の私とその夫が、里山の古民家を手に入れた。古い家財道具が眠るそこは百年の時を重ねた場所。街と山を行き来する新しい日々は輝きを増し、震災の哀しみの向こうに照り映える。生活する全ての人々の幸せを祈る「ぶじ日記」。※新潮文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 今日もごちそうさまでした

    今日もごちそうさまでした

    小説・文芸
    4.0
    1巻649円 (税込)
    「食べられない」から「食べる」に移行するときには、ダイナミックな感動がある(あとがきより)。自他共に認める肉好きのカクタさんに、食革命が起こった。なんと苦手だった野菜、きのこ、青魚、珍味類が食べられる! 次々出会う未知の食材は、買って作って味わう毎日を楽しい発見で彩ります。三度の食事に思いをこめて。読むほどに、次のごはんが待ち遠しくなる絶品エッセイ。
  • 虚航船団(新潮文庫)

    虚航船団(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,045円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 鼬族の惑星クォールの刑紀999年6月3日、国籍不明の2基の核弾頭ミサイルによって国際都市ククモが攻撃され、翌4日、無数の小型単座戦闘艇に乗ったオオカマキリを従えた文房具の殺戮部隊が天空から飛来した。それはジャコウネコのスリカタ姉妹の大予言どおりの出来事だった――。宇宙と歴史のすべてを呑み込んだ超虚構の黙示録的世界。鬼才が放つ世紀末への戦慄のメッセージ。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 巨匠とマルガリータ(新潮文庫)

    巨匠とマルガリータ(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    ある春の晴れた日、モスクワに悪魔が現れた。黒魔術の教授を名乗る悪魔は、グラスでウオッカを飲む巨大黒ネコら手下を従え、首都に大混乱を巻き起こす。一方で文壇の権威に酷評され絶望に沈む巨匠。彼に全てを捧げるマルガリータは純愛を貫くべく悪魔の助けを借りる。スターリン独裁下の社会を痛烈に笑い飛ばし、人間の善と悪、愛と芸術を問いかける哲学的かつ挑戦的な世界的ベストセラー。
  • 巨人の磯

    巨人の磯

    小説・文芸
    3.8
    1巻649円 (税込)
    大洗海岸に巨人と見紛うほどに膨張した死体が流れ着いた。警察は苦心の末に、海外旅行中の県議会議員と特定したが、その腐爛状態には驚きのトリックが隠されていた(表題作)。実力はありながら、地味な風貌が災いし、どの組織でも決してトップの椅子にはつけない元銀行副頭取。男が三十一歳も若いバーのマダムと再婚したとき、悲劇が幕を開ける「礼遇の資格」など傑作短編五編。
  • 拒絶空港

    拒絶空港

    小説・文芸
    3.6
    1巻671円 (税込)
    NIA206便は、主脚タイヤをシャルル・ド・ゴール空港離陸時に損傷してしまう。整備士たちが対策を練り始めていたところに、「何者かが同機に放射性物質を持ち込んだらしい」という衝撃的な続報が飛び込んできた。航空史上最悪の状況に陥った747-400は、着陸地を求めて、日本上空を彷徨う。地上職員と機内クルー、それぞれの闘い。作家・内田幹樹が遺した、最後の航空サスペンス。
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

    清く貧しく美しく(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻781円 (税込)
    この冷たい世界で、ぼくたちだけはおたがいをほめあって生きよう。30歳・大手ネット通販の巨大倉庫で働く堅志と28歳・スーパーのパート勤務の日菜子はそう約束している。合わせて年収300万円台の暮らしは、つましくも幸せだった。だがある日、堅志に正社員登用の話が舞い込む。喜ぶ二人だったが、本社研修の担当は堅志のかつての恋人・佳央梨で……。恋愛小説の名手が描く現代の切実な恋の行方。(解説・吉田大助)
  • きよしこ

    きよしこ

    小説・文芸
    4.3
    1巻693円 (税込)
    少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと──。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。
  • 吉里吉里人(上)

    吉里吉里人

    小説・文芸
    3.8
    1~3巻935~990円 (税込)
    ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。
  • 吉里吉里人(上中下) 合本版

    吉里吉里人(上中下) 合本版

    小説・文芸
    -
    1巻2,915円 (税込)
    ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。 ※当電子版は『吉里吉里人』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • きりぎりす(新潮文庫)

    きりぎりす(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.3
    1巻737円 (税込)
    「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。……」名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して印象深く描いた表題作など、著者の最も得意とする女性の告白体小説「燈籠」「千代女」。著者の文学観、時代への洞察がうかがわれる随想的作品「鴎」「善蔵を思う」「風の便り」。他に本格的ロマンの「水仙」「日の出前」など、中期の作品から秀作14編を収録。(解説・奥野健男)
  • キリストの誕生

    キリストの誕生

    小説・文芸
    4.2
    1巻737円 (税込)
    愛だけを語り、愛だけに生き、十字架上でみじめに死んでいったイエス。だが彼は、死後、弱き弟子たちを信念の使徒に変え、人々から“神の子”“救い主(キリスト)”と呼ばれ始める。何故か?――無力に死んだイエスが“キリスト”として生き始める足跡を追いかけ、残された人々の心の痕跡をさぐり、人間の魂の深奥のドラマを明らかにする。名作『イエスの生涯』に続く遠藤文学の根幹をなす作品。
  • 霧と影

    霧と影

    小説・文芸
    -
    1巻671円 (税込)
    東京掘留の洋服問屋社長石田寅造の謎の失踪。そして、遠く離れた福井県若狭海岸での、小学校教員笠井早男の断崖からの転落死。一見脈絡のありそうもないこの二つの事件が、旧友の死に疑問をいだく新聞記者小宮と警察の手で、ひとつに結びつけられたとき……。風光絶佳の秘境・若狭猿谷郷の怪奇に、宿命に呪われた人間たちの呻きと業の深さを浮彫りにする、戦慄のサスペンス長編。
  • 霧の旗

    霧の旗

    小説・文芸
    3.7
    1巻781円 (税込)
    殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。彼女は高名な弁護士大塚欽三に調査を懇願するが、すげなく断わられる。兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の大塚弁護士に対する執拗な復讐が始まる……。それぞれに影の部分を持ち、孤絶化した状況に生きる現代人にとって、法と裁判制度は何か?を問い、その限界を鋭く指摘した野心作である。
  • 切羽へ

    切羽へ

    小説・文芸
    3.5
    1巻506円 (税込)
    かつて炭鉱で栄えた離島で、小学校の養護教諭であるセイは、画家の夫と暮らしている。奔放な同僚の女教師、島の主のような老婆、無邪気な子供たち。平穏で満ち足りた日々。ある日新任教師として赴任してきた石和の存在が、セイの心を揺さぶる。彼に惹かれていく──夫を愛しているのに。もうその先がない「切羽」へ向かって。直木賞を受賞した繊細で官能的な大人のための恋愛長編。
  • 霧町ロマンティカ

    霧町ロマンティカ

    小説・文芸
    4.0
    1巻737円 (税込)
    霧の町、軽井沢。航空会社をリストラされた岳夫は、父親が遺した古い別荘で一人暮らすため、東京から越してきた。自由と不安の間に揺れる彼の新生活は、次々と立ち現れる女たちに翻弄される。誘いをかけてくる人妻、知的な女性獣医、ワケありらしい小料理屋の女将と、その十九歳の娘――。したたかで魅力的な女たちと運命に漂う男の恋愛ラプソディ。『途方もなく霧は流れる』改題。
  • 切れた鎖

    切れた鎖

    小説・文芸
    3.5
    1巻407円 (税込)
    海峡の漁村・赤間関を、コンクリの町に変えた桜井の家。昔日の繁栄は去り、一人娘の梅代は、出戻った娘と孫娘の3人で日を過ごす。半島から流れついたようにいつの間にか隣地に建った教会を憎悪しながら……。因習に満ちた共同体の崩壊を描く表題作ほか、変態する甲虫に社会化される自己への懐疑を投影した「蛹」など、ゼロ年代を牽引する若き実力作家の川端賞・三島賞同時受賞作!
  • 亀裂

    亀裂

    小説・文芸
    5.0
    1巻770円 (税込)
    “現代”の象徴ともみられる、重く混沌とした“亀裂の世界”にその身を横たえようとしながら、にもかかわらず、決して“亀裂それ自体”にはなりえない青年作家・都築明を中心に、“亀裂の世界”に棲む人々――若い拳闘家・神島、女優・泉井涼子、少年テロリスト、右翼ボス・高倉、殺し屋・浅井といった面々の愛欲、権勢欲、物欲、殺人などを描き出して、挑戦にみちた問題作。
  • 金閣炎上

    金閣炎上

    小説・文芸
    4.3
    1巻715円 (税込)
    昭和二十五年七月二日未明、鹿苑寺金閣は焼亡した。放火犯人、同寺徒弟・林養賢、二十一歳。はたして狂気のなせる業か、絢爛の美に殉じたのか? 生来の吃音、母親との確執、父親ゆずりの結核、そして拝金主義に徹する金閣への絶望……。六年の後、身も心もぼろぼろになって死んでいった若い僧の生を見つめ、足と心で探りあてた痛切な魂の叫びを克明に刻む長編小説。
  • 近代絵画

    近代絵画

    ビジネス・実用
    -
    1巻693円 (税込)
    昭和27年50歳の暮、外国旅行に出た。パリに始まり、約半年、欧州を巡って絵を見た。モネやセザンヌ、彼ら一流画家たちの、意味深長の人間喜劇を見た……。
  • 禁猟区

    禁猟区

    小説・文芸
    3.5
    1巻605円 (税込)
    ホストにいれあげている中年女・若山直子の資金源は、ホストクラブで借金がかさみ、身動きのとれなくなった少女たちだった。経営者を脅して得た顧客情報から、未成年者の親に当たり、「解決してやる」とカネを要求する。直子の職業は、警察官だった──。犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織、警視庁警務部人事一課調査二係。女性監察官沼尻いくみの活躍を描く傑作警察小説四編。
  • 祇園白川 小堀商店 レシピ買います(新潮文庫)

    祇園白川 小堀商店

    小説・文芸
    3.5
    1~2巻781~825円 (税込)
    祇園の名店『和食ZEN』の奥にある秘密の扉。『小堀商店』の入り口だ。ZEN店長の淳(じゅん)、売れっ子の芸妓(げいこ)ふく梅、市役所勤務の伊達男木原の三人は、食通として名高い百貨店相談役、小堀善次郎の命を受け、とびきりのレシピを買い取るため、情報収集に努めている。そして今日も腕利きワケありの料理人が現れて――。京都と食を知り尽くす著者が描く、最高に美味しくてドラマチックなグルメ小説。
  • 技巧的生活

    技巧的生活

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    恋に酔う少女であった葉子は、酒場に勤めてゆみ子と名を変えた時から変貌しはじめた。男を商品として、あたかも無機物であるかのごとく見ようとする酒場の女たちの、言わば技巧的な生き方。――自分もそれに徹しようとするのだが、どうしてもロマンティックな感情を捨てきれない、ゆみ子の眼を通して、酒場の女たちのさまざまな生態、微妙な心理、孤独な姿を見事に活写した長編。
  • 擬傷の鳥はつかまらない(新潮文庫)

    擬傷の鳥はつかまらない(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻990円 (税込)
    訳ありの依頼者の身分を偽装し、別人としての人生を与える「嘘の仕立て屋」を生業とするサチ。ある日、彼女のもとへ大金を持った二人の少女が訪ねてくる。その数日後、少女の一人が謎の転落死を遂げた。残された少女を守るべく、事件の鍵を握る男を探し始めるサチは、嘘と裏切りにまみれた過去からあまりに切実な「真相」にたどり着く——。ミステリ界を牽引する若き鬼才、衝撃のデビュー作。
  • 岐阜羽島駅25時

    岐阜羽島駅25時

    小説・文芸
    -
    1巻594円 (税込)
    東京、横浜と、相次いで起こった高齢資産家の殺人事件。唯一の手掛りは、被害者の書斎に残された、『あなたは百五十歳まで生きられる そして不老不死へ』という、謎の医師ドクター朝倉の著書だった。十津川警部と亀井刑事は、江戸時代から不老不死の探究が続けられ、現在はドクター朝倉の研究所がある岐阜羽島に向かう……。十津川警部が禁断の研究に挑む、長編トラベルミステリー。
  • 魚影の群れ

    魚影の群れ

    小説・文芸
    5.0
    1巻495円 (税込)
    漁師・房次郎は娘の登喜子に懇願され、彼女の恋人・俊一を不承不承船に乗せるが……。津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国の小島に異常発生した鼠と人間の凄絶な闘いの記録『海の鼠』。他に、美味ゆえに養殖される新種のカタツムリをめぐる滑稽な顛末『蝸牛』、名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を綴る『鵜』など、動物を仲立ちとした傑作小説四編を収録。
  • 玉人

    玉人

    小説・文芸
    4.2
    1巻539円 (税込)
    女あり、玉のごとし――その女人は、滑らかな手触りのいにしえの玉の燭台が乗り移ったかのような肌体の、穏やかで艶のある人妻だった。男は何年待っても、その女人を妻にしたいと願ったが……人を愛することの至上の喜びと、別離の悲しみを描く表題作。ほかに、女の真の美しさをひきだし、いつくしむ天与の指をもつ男の生涯を描いた作品など、はかなくせつなく幻想的な六篇の恋物語。
  • 魚雷艇学生

    魚雷艇学生

    小説・文芸
    3.8
    1巻572円 (税込)
    予備学生として魚雷艇の訓練を受け、のちに特攻志願が許されて震洋艇乗務に転じ、第十八震洋特攻隊の指揮官として百八十余名の部下を引き連れ、奄美諸島加計呂麻島の基地に向かう。確実に死が予定されている特攻隊から奇跡の生還をとげた著者が、悪夢のような苛烈な体験をもとに、軍隊内部の極限状況を緊迫した筆に描く。野間文芸賞、川端康成文学賞を受賞した戦争文学の名作。
  • ギリシア神話を知っていますか

    ギリシア神話を知っていますか

    ビジネス・実用
    3.9
    1巻649円 (税込)
    聖書と並ぶ古典中の古典、ギリシア神話は、世界の思想、芸術、文芸に多大の影響を及ぼしている。本書では、多彩豊富な物語の膨大な枝葉を巧みに整理し、著名なエピソードを取りあげてわかりやすく解説する。エロス、オイディプス、パンドラ、アンドロメダ……神話中のヒーローとヒロインの運命を、作家的想像力で興味深く語ったこの一冊で、あなたはもう“ギリシア神話通”。
  • ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)

    ギリシア人の物語

    ビジネス・実用
    4.4
    1~4巻825~1,320円 (税込)
    古代ギリシアで民主政はいかにして生まれ、いかに有効活用され、見事に機能したのか? なぜ現代まで脈々と続く哲学や科学、芸術の起源となることができたのか? そこには数少ない市民で強大な帝国ペルシアと対峙しなければならない、苛酷な状況があった――。ギリシア人なくしてローマ人なし。「ローマ人の物語」以前の世界を描き、現代の民主主義の意義までを問う著者最後の歴史長編全四巻。
  • ギリシア人の物語(1~4)合本版(新潮文庫)

    ギリシア人の物語(1~4)合本版(新潮文庫)

    ビジネス・実用
    -
    1巻4,455円 (税込)
    古代ギリシアで民主政はいかにして生まれ、いかに有効活用され、見事に機能したのか? なぜ現代まで脈々と続く哲学や科学、芸術の起源となることができたのか? そこには数少ない市民で強大な帝国ペルシアと対峙しなければならない、苛酷な状況があった――。ギリシア人なくしてローマ人なし。「ローマ人の物語」以前の世界を描き、現代の民主主義の意義までを問う著者最後の歴史長編全四巻。 ※当電子版は新潮文庫版『ギリシア人の物語』1~4巻をまとめた合本版です。
  • 義烈千秋 天狗党西へ

    義烈千秋 天狗党西へ

    小説・文芸
    4.7
    1巻869円 (税込)
    開国から十年。貿易の激化で北関東の民は困窮していた。水戸藩士・藤田小四郎は、幕政を正し外敵を掃おうと各地に書状を放つ。集まったのは貧しくも真摯に国を想う、若き志士たち。一同は筑波山で挙兵するが、幕府の討伐軍が迫り来る。内部分裂、強大な追手、峻烈な山越え。犠牲を払いながらも、一橋慶喜に志を訴えるべく京を目指し――。理想に燃えた男たちの歩みに涙する、歴史長編。
  • ギンイロノウタ(新潮文庫)

    ギンイロノウタ(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.5
    1巻693円 (税込)
    極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。アニメの魔法使いみたいに杖をひと振り、押入れの暗闇に銀の星がきらめき、無数の目玉が少女を秘密の快楽へ誘う。クラスメイトにステッキが汚され、有里が憎しみの化け物と化すまでは……。少女の孤独に巣くう怪物を描く表題作と、殺意と恋愛でつむぐ女子大生の物語「ひかりのあしおと」。衝撃の2編。
  • 銀花の蔵(新潮文庫)

    銀花の蔵(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻880円 (税込)
    私は、この醤油蔵の当主になる! 大阪万博前夜。父の実家である奈良の由緒ある醤油蔵で暮らすことになった少女、銀花。蔵を切り盛りする祖母の多鶴子ら一家に馴染もうとするが、母の盗癖、祖母と父の不仲、自らの出生に関する真実に悩む。やがて成長し蔵を継ぐため奮闘する銀花は、一族の秘められた過去を知ることに――。家業に身を捧げ、新たな家族を築く女性の半生を力強く描く長編小説。(解説・大矢博子)
  • いのちの記憶―銀河を渡るⅡ―(新潮文庫)
    完結

    銀河を渡る

    小説・文芸
    4.0
    全1巻693円 (税込)
    こことは別の場所に行き、ここにいる自分とは別の自分になってみたい——。盗賊にさらわれることに憧れていた少年時代、シルクロードを旅する私に父が詠んだ一句、北欧の小さなホテルでの会話から得た教訓、外の世界へと足を向かわせた熱の正体、人生の岐路となった『危機の宰相』、高倉健との偶然の出会いから始まった交流、そして永遠の別れ。忘れがたい無数の日々を追憶するエッセイ集。
  • 銀行王 安田善次郎―陰徳を積む―

    銀行王 安田善次郎―陰徳を積む―

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻649円 (税込)
    日本を代表するメガバンク・みずほフィナンシャルグループ。この巨大企業の礎を築いた安田善次郎は、渋沢栄一らと共に国立銀行の設立に尽力し「元祖銀行王」と称されている。富山の貧しい下級武士の生まれながら、たった一代で巨万の富を掌中にした安田が如何なる時も肝に銘じた「陰徳」とは――。混迷の時代に生きるビジネスマン必読。『陰徳を積む―銀行王・安田善次郎伝―』改題。
  • 銀婚式(新潮文庫)

    銀婚式(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    証券会社のNY本部で多忙をきわめていた高澤は、妻との関係が壊れ離婚。会社も破綻する。再就職先で直面した、華やかなキャリアなど通用しない中堅損保の厳しい現実。再び転職した地方の無名大学で、都落ちの寂寥感に沈む高澤の前に現れたのは、学部長秘書の清楚な女性だった……。低迷する日本経済を背景に、もがきながら生きるビジネスマンの仕事と家族を鮮烈に描き、万感胸に迫る傑作。(解説・藤田香織)
  • 銀将の奇跡―覇王の譜2―(新潮文庫)

    銀将の奇跡―覇王の譜2―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.4
    1巻880円 (税込)
    四冠を誇る絶対王者、北神仁。底辺から駆け上がった直江大はその牙城に挑む。剛力英明は旧友との新たな関係に踏み出し、トップ女流棋士の江籠紗香は奨励会で苦悩する。そのような中、“孤剣”の異名で知られる直江の師匠、師村柊一郎が棋風を変え、ファンをどよめかせた。師村もまた北神からタイトルを奪おうとしていた。文学賞二冠に輝く前作を凌駕する史上最強の将棋エンターテインメント。(解説・村上貴史)
  • 銀のみち一条(上)

    銀のみち一条

    小説・文芸
    4.3
    1~2巻737円 (税込)
    千二百年もの間、日本に銀をもたらし近代鉱業の中心となった生野銀山。その但馬の地に生まれつき、明治の時代を生きた三人の女がいた。東京帰りで名士の娘、咲耶子。町一番の美貌で芸妓の芳野。気立てがよく真っ直ぐな女中の志真。彼女たちの胸の中には、生涯忘れられない男として刻まれた、孤独な坑夫、雷太──。激動の変革期、恋と夢に魂を燃やした、名もなき人々の感動大河ロマン。
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

    銀齢の果て(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻605円 (税込)
    増大した老齢人口調節のため、ついに政府は70歳以上の国民に殺し合いさせる「老人相互処刑制度(シルバー・バトル)」を開始した! 和菓子司の隠居、宇谷九一郎の住む宮脇町には、もと自衛官、プロレスラー、好色な神父など「強敵」が犇めいている。刃物と弾丸が飛び交い、命乞いと殺し合いの饗宴が続く。長生きは悪なのか? 恐怖と哄笑のうちに現代の「禁断の問い」を投げかける、老人文学の金字塔! ※当電子版には文庫版掲載のカットは収録しておりません。ご了承ください。
  • 銀嶺の人(上)

    銀嶺の人

    小説・文芸
    4.3
    1~2巻781~792円 (税込)
    女医をめざす、勝気な“泣かない子”であった駒井淑子は、冬の八ヶ岳で単独行を試みて遭難しかかった時、若林美佐子と出会う。鎌倉彫の新鋭彫刻家として注目されていた美佐子は、無口ですぐに“涙ぐむ子”であった。死を覚悟した二人を事もなげに助け出した三人の男性登攀家(クライマー)に魅入られて、彼女たちは、ついに初の女性隊によるマッターホルン北壁登攀への挑戦を試みる……。
  • 食い意地クン(新潮文庫)

    食い意地クン(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻506円 (税込)
    この俺を野蛮人にしてくれる、狂わせてくれる、そういう食べ物の中に間違いなくカレーライスがある(本文より)。焼肉、ラーメン、とんかつ、ナポリタン、大根、塩辛、立ち食いそば、キャベツ……。『孤独のグルメ』原作者である著者が、愛する二十六品目のメニューについて、熱く語ります。あなたはこのエッセイに抱腹絶倒しながら、やがて激しく共感している自分に気付くでしょう。
  • 食いしん坊発明家(新潮文庫)

    食いしん坊発明家(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻649円 (税込)
    この本に書かれている「発明」は、食いしん坊発明家である俺が考案し、特許を取ったものである――米と牛乳を使った風味絶佳な「ライスチーズ」、カボチャから作られた耽美なる甘さの「黄色い砂糖」、馥郁たる香りでチャーハンを大変身させる「エビラード」、そして不可能とされていた「松茸の栽培」にも挑戦し……。極上のうまみがチュルル、ピュルルとあふれ出す究極にして至高の発明をご賞味あれ。(解説・平松洋子)
  • クイーンズ・ギャンビット(新潮文庫)

    クイーンズ・ギャンビット(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.1
    1巻990円 (税込)
    孤児院で育った少女ベス。用務員にチェスを習い天賦の才を開花させた彼女は、やがてウィートリー夫人に引き取られ、各地の大会で強豪プレイヤーを相手に次々優勝、男性優位のチェス界で頭角を現す。孤児院で与えられた安定剤と、アルコールへの依存とも闘いながら、ベスはついにソ連の大会で最強の敵ボルゴフに挑む――。世界的な大ヒットドラマの原作となった、天才少女の孤高の挑戦を描く長編。
  • 食う寝る坐る 永平寺修行記(新潮文庫)

    食う寝る坐る 永平寺修行記(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻737円 (税込)
    その日、僕は出家した、彼女と社会を捨てて――。道元が開いた曹洞宗の本山・永平寺。ひとたび山門を潜れば、そこは娑婆とは別世界。東司(トイレ)にも行鉢(食事)にも厳格な作法がある。新入りは、古参僧侶に罵倒され、規矩を徹底的に叩き込まれる。さらに坐禅に日々打ち込んだ末、30歳の著者が会得したものはなにか? 雲水として修行した一年を描いた体験的ノンフィクション。(解説・柳澤桂子)
  • 空の色紙

    空の色紙

    小説・文芸
    3.6
    1巻770円 (税込)
    精神科医の小野寺は、殺人容疑者の精神鑑定を依頼された。妻との関係を疑い、自分の息子を殺したというその男は、本当に狂気のさなかにあったのだろうか? 小野寺は調査を進めながら心の動揺を覚える。実は彼自身も、ある事情のために妻への屈折した嫉妬の感情を抱きつつ生きてきたのだった――。表題作をはじめ、デビュー作「頭蓋に立つ旗」など初期の医学もの中編3編を収録。
  • 空白の戦記

    空白の戦記

    闇に葬られた軍艦事故の恐るべき真相、「戦艦武蔵」の極秘設計図紛失事件の後日譚、悲しくも痛ましい沖縄決戦の秘話……。戦記文学に定評のある著者が、正史にのらない埋もれた戦争の真実を掘り起して、巨大な戦争の陰の部分に生きた人間たちのドラマを追求する戦争秘録小説集。「艦首切断」「顛覆」「敵前逃亡」「最後の特攻機」「太陽を見たい」「軍艦と少年」の六編を収録。
  • 空白の天気図

    空白の天気図

    昭和二十年九月、敗戦後間もない日本を未曾有の暴風雨が襲った。その名も枕崎台風。「もたらした被害また広島県の死傷行方不明三○六六名をはじめとし……」なぜ広島で……。人類最初の原爆による惨禍から、わずか一カ月。廃墟の街で、人々はどのような災害に巻き込まれたのか。気象台は何をしていたのか。綿密な取材によって明かされる、天気図の空白に秘められた知られざる真実。
  • 苦役列車(新潮文庫)

    苦役列車(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻572円 (税込)
    劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。(解説・石原慎太郎)
  • クォーター・ムーン

    クォーター・ムーン

    小説・文芸
    3.3
    1巻913円 (税込)
    七年越しの恋人に別れを告げ、彼を忘れるための長い旅を経て故郷の大阪に戻ったさつき。新しい職場で、陽気な同僚たち、優しい女友だちとともに新しい生活を始め、二十五歳になるまでに何とか新たな人生の転機を迎えようとがんばるが……。親友の裏切り、仕事での失敗、昔の恋人の出現、憧れの一人暮らし、そして新しい恋―愛に惑い、仕事に悩む、すべての二十五歳に贈る応援歌。
  • 九月が永遠に続けば

    九月が永遠に続けば

    小説・文芸
    3.8
    1巻781円 (税込)
    高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか――。人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。
  • 草薙の剣(新潮文庫)

    草薙の剣(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻825円 (税込)
    草を薙いで野火の大難を防いだといわれる神剣――草薙の剣。12歳から62歳まで、6人の男たちとその父母、祖父母が経験した、戦前、戦後、学生運動、オイルショック、バブル、オウム事件、2回の震災、そして現代まで、そこに生きる人間の姿をつぶさに描くことで、「時代」という巨大な何かを立ち上がらせた奇跡の長編小説。知の巨人にして時代の感性だった橋本治の文業40年の結晶。野間文芸賞受賞。(解説・末木文美士)
  • 草の花

    草の花

    小説・文芸
    4.2
    1巻737円 (税込)
    研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、二冊のノートに記したまま、純白の雪が地上をおおった冬の日に、自殺行為にも似た手術を受けて、帰らぬ人となった。まだ熟れきらぬ孤独な魂の愛と死を、透明な時間の中に昇華させた、青春の鎮魂歌である。
  • 草枕(新潮文庫)

    草枕(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻539円 (税込)
    住みにくい人の世を芸術の力で打破できぬかと思案する青年画家。あるとき温泉場の出戻り娘・那美に惹かれ、絵に描きたいと思うが何か物足りない。やがて彼が見つけた「何か」とは――。豊かな語彙と達意の文章で芸術美の尊さを描く漱石初期の代表作。(「漱石の文学」江藤淳、「『草枕』について」柄谷行人)

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